RIDER TIME 仮面ライダー龍騎 with 仮面ライダーファム 作:ロンギヌス
原典には不在だった仮面ライダーファムが『RIDER TIME 龍騎』に登場したらどんな風になるのか、自分なりに考えてみました(高岩さんがファムだろって?知らん←)
原典とはいくつか違う展開を用意している他、一部の設定は独自解釈が多分に含まれている為、間違ってもこれが公式設定だとは思わないようにお願いします。
なお、活動報告で読者のオリジナルライダーを募集している『リリカル龍騎』で更新予定の『RIDER TIME』とは無関係です。
それではどうぞ。
ロンギヌス風に解釈した『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』の物語、楽しんで読んで貰えたら幸いです。
「―――またここか」
青くて広い空。
流れていく白い雲。
明るく照らされる日の光。
誰の姿も見当たらない大きな街。
「ここは、どこなんだ……?」
彼女にとっては見慣れたこの光景。
彼女の疑問に答えてくれそうな者は、この場には誰もいない。
否、いないはずだった。
その疑問に答えてくれるかもしれない者が、この場には一人だけ存在していた。
「……
彼女の前に立っている、一人の男。
逆光で、その男の素顔は見えなかった。
「お前、誰なんだよ……?」
この問いかけも、既に何度も繰り返している。
そのたびに、男は彼女にこう答えるのだ。
ただ一言……
「何が言いたいんだ」
―――ろ
「なぁ、答えてくれよ」
―――きろ
「お前、一体誰なんだよ……!」
「―――おい、起きろ白鳥!!」
「―――ん、んぅ」
彼女の耳が、次に聞き取ったもの。それは眠る自分を起こそうとする、男の苛立った声だった。
「たく、やっと目が覚めたか」
「……んにゃ?」
その一言を耳にし、彼女―――“
「……あれ、もう朝?」
場所はとあるマンション、その一室。寝室のベッドからゆっくり体を起こした彼女は、近くの椅子に座り込んで黒いマグカップに口を付けている茶髪の男の姿に気付く。マグカップから漂ってくる香りで、彼が飲んでいる飲み物がコーヒーである事を彼女は理解した。
「ふあぁ……おはよう、二宮」
「さっさと眠気を覚ませ。これからまた外に出る予定だっただろ」
コーヒーを口にしていた男―――“
「うぇ、苦っ……もっと砂糖多めにしてって昨日言ったじゃん」
「そういうお前はいちいち注文が多い……」
二宮は舌打ちしながらも椅子から立ち上がり、角砂糖の入ったシュガーポットをキッチンまで取りに行く。その間に夏希はコーヒーを一旦近くの小さな棚の上に置き、壁にかかっている鏡を見て自分の姿に気付いた。
「う~わ最悪。めっちゃはねてるし」
白いタンクトップに黒い下着のみという、あまりにも扇情的な格好をしている夏希。しかし夏希はそんな自分の格好よりも、寝癖がいくつも付いている自分の髪の毛の方に目が行っていた。寝癖直さなきゃなぁと思いながらも、夏希は床に脱ぎ散らかしていた青色のズボンを手に取り、履き終えたちょうど良いタイミングで二宮が戻って来た。
「ほらよ」
「ん、サンキュ」
二宮から受け取ったシュガーポットの蓋を取り、中からいくつもの角砂糖を摘まんで自分のコーヒーの中にぽちゃんと投入。それをスプーンで掻き混ぜた後、夏希は再びコーヒーを口にした。
「うん、美味い。やっぱコーヒーはこうでなくちゃ」
「入れ過ぎだお前の場合は。砂糖水飲んでる訳じゃあるまいし」
「良いじゃんか別に。そういうアンタこそ、砂糖もミルクも入れないでよくそんな苦いの飲めるよな」
「お前の味覚がお子様なだけだ」
「はいはい、どうせアタシはお子様ですよ~だ」
そんな他愛のない軽口を叩き合いながら、2人はコーヒーを喉に流し込んでいく。そしてマグカップから口を離した後……夏希の表情は真剣なものへと切り替わった。
「ねぇ、今日で
「……今日で3日目だ」
二宮は寝室のカーテンを開け、朝特有の強い日差しをその身に浴びる。
「食糧もかなり少なくなってきた。また確保しに向かう必要がある」
「ん、わかった」
コーヒーを飲み干した二宮はキッチンへと戻り、夏希も同じくコーヒーを飲み終えてから棚の上に置く。それから近くの壁にかかっている時計に視線を向け、どこか不安そうな表情をその顔に浮かべた。
「そっか……もう3日目か」
朝の7時15分を示している時計。
その数字と針は、
「よし、誰もいないな」
それから数十分後。身支度を整え、マンションを出た2人は周囲を探りながら、とあるコンビニの前まで辿り着いていた。コンビニの窓から中を覗き込んだ二宮は、
「OK、今日もたくさん置かれてる」
「早いところ詰め込むぞ。
二宮は手に持っていた手提げ袋を開き、そこに夏希が缶詰めを始めとする食品を順番に投げ入れていく。ある程度の量を手提げ袋に入れ終えた2人は、すぐにコンビニの出入り口まで向かう……前に、レジの前にやって来た夏希は自身の財布から数枚の千円札を引き抜き、レジの前に置いてから二宮と共にコンビニも後にする。
「お前も律儀な奴だな」
「こんな時だからでしょ。泥棒癖が付いちゃったら後で困るし―――」
「見つけたぞ」
コンビニを立ち去ろうとした2人の足を止めた声。振り向いた先に立っている人物の姿を見て、2人の表情に緊張が走った。
「こんな所にいたのか。それも2人も」
「「ッ……」」
赤いワイシャツの上に黒いジャケットを着た中年の男。彼の姿を見た夏希は焦燥の目を浮かべ、二宮はより鋭い目付きで中年の男を睨みつけた。
「戦え。それが
「二宮、アイツ……」
「……やるしかなさそうだ」
二宮は食糧の入った手提げ袋を置き、自身が着ている灰色の上着のポケットから、水色のカードデッキを取り出す。それを見た中年の男もまた、黒いジャケットの懐から赤紫色のカードデッキを取り出した。
「……あぁもう!」
夏希も観念した様子で頭を搔き、白い上着のポケットから白いカードデッキを取り出す。二宮と夏希、そして中年の男は向かい合った状態から、それぞれのカードデッキを正面に突き出した。
すると空中に銀色のベルトが3つ出現し、それらが自分達の腰に装着されたのを確認した3人は、それぞれ異なるポーズを取ってから、ある台詞を同時に言い放つ。それが、これから繰り広げられようとしている戦いの、始まりの号令だった。
「「「―――変身!!」」」
カードデッキがベルトに装填され、3人の全身にいくつかの鏡像が重なっていく。それらが全て重なり合った時、彼等は異なる姿への“変身”を完了させた。
中年の男が変身した、鳳凰のような特徴を持つ戦士―――“仮面ライダーブレード”。
二宮が変身した、鮫のような特徴を持つ戦士―――“仮面ライダーアビス”。
そして夏希が変身した、
3人は互いに睨み合う時間が数秒ほど続いた後……その場から同時に駆け出した。
「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」」
全てが反転した鏡の世界―――“ミラーワールド”。
閉ざされていたはずのこの世界で、“彼等”の戦いは再び始まった。
戦え、ライダー達よ。
戦わなければ生き残れない!
To be continued……
最初のプロローグ、如何だったでしょうか?
原典では
二宮鋭介こと仮面ライダーアビス、彼は『リリカル龍騎』が初出となるキャラクターです。一応今作だけ読んでも問題ないようには書いていくつもりですが、先に『リリカル龍騎』を読んでからの方が、彼のキャラクター性をより深く理解できるかもしれません。
そして終わりの方で登場した中年男が変身した仮面ライダーブレード。中年男は今回が初登場ですが、彼が変身した仮面ライダーブレードの方もまた『リリカル龍騎』が初出となります。
ちなみにこの中年男ですが、ある実在の人物が元ネタになっています。原典の『RIDER TIME 龍騎』を見た事がある人なら……もうお分かりですよね?
今回の後書きはここまで。
次回は冒頭から戦闘シーンに入ります。お楽しみに。