RIDER TIME 仮面ライダー龍騎 with 仮面ライダーファム   作:ロンギヌス

5 / 10
はい、3パート目です。

今回はちょっとアレなシーンがあります(ぇ

それではどうぞ。



Advent Again 3

「じゃあ、今日はここで休む?」

 

「あぁ」

 

その日の夜。夏希と二宮は公園を離れ、自分達が休む為の新たな拠点を見つけ出していた。これまで2人が拠点として使っていたマンションは、ブレードに発見されたコンビニのすぐ近くに建っている。その為、このまま戻っても再び彼に見つかる危険性があり、もう拠点としては使う事ができない状況だった。

 

「あぁ~やっと休めるぅ~」

 

「ここがミラーワールドだから良いとはいえ、お前も遠慮のない奴だな」

 

そこで2人が新たに拠点として使う事に決めたのが、特に何の変哲もない普通の一軒家。家その物はそれほど目立つような外見ではない為、少人数が身を潜めるには打ってつけの場所だ。今回はここで夜を過ごすと決めてから、2人は順番に風呂場でシャワーを浴びた後、寝室のベッドで休みを取ろうとしていた。

 

「だって、ここに来るまでの間も何度かモンスターに襲われたんだからさぁ。そりゃ寝床見つけたら飛び込みたくもなるじゃん」

 

「まぁ、それは俺も否定はしない。何にせよ、いつまたモンスターや他のライダーに出くわすかわからん。万が一の事態に備えて、お前も早く休ん……」

 

「あ、ねぇねぇ二宮。なんかエッチな本見つけた」

 

「聞いてたか人の話を」

 

ベッドの下に隠されていた、いかがわしい内容の薄い本を見つけた夏希。拠点を見つけてからというもの、やたらフリーダムな行動を取る彼女に対し、二宮は思わず頭を抱えたくなった。昼間のあんなにしおらしかった彼女は一体どこに行ったのかと。

 

「うわぁ、滅茶苦茶ハレンチな内容じゃんこの本。こんなにエッチなのが好きなんて、ここの家主さんたぶん相当なスケベだね」

 

「まさかこんな形で他人に見られる羽目になろうとは、ここの家主には同情するよ」

 

「今頃、元の世界で奥さんか恋人にバレてお仕置きされてるかもねぇ。あ、二宮も読む?」

 

「いらん」

 

「即答!? ……まいっか、アタシも別にこんなの必要ないし」

 

夏希はその薄い本をベッドの下に戻してから、氷入りのお茶を飲んでいる二宮の隣まで移動し、彼に寄り添うように座り込む。普段は気さくで明るい雰囲気な彼女だが、二宮の隣にいる今この瞬間だけ、“女”としての雰囲気を強く醸し出していた。

 

「一度あんな夜(・・・・)を過ごしちゃったらさ……もう、こんな本じゃ物足りないもん」

 

「……その様子じゃ、早く休めと言ったのは聞こえてなかったようだな」

 

「アタシ思うんだ。もうちょっとだけ運動(・・)してからの方がよく眠れるかもって」

 

今現在、2人は互いにバスローブ姿だ。おまけにこの場には自分達2人しかいない。そんな状況だからこそ、胸の内側から湧き上がって来る強い欲望を抑えようという気持ちは、この時の夏希にはなかった。

 

「ね、良いでしょ?」

 

「……全く」

 

二宮はまだお茶の残っているコップを近くの棚に置き、改めて夏希の隣に座り込む。それから数秒ほど互いに顔をジッと見つめ合った後、2人は何も語らぬままゆっくり顔を近付けていき……唇が重なり合った。

 

ちゅ、ぴちゃ、と互いの舌が交わり、次第に夏希はとろんとした目を浮かべ始める。逆に二宮はいつも通りの鋭い目付きをしたまま、まるで獲物を喰らう肉食動物のように、目の前の獲物(おんな)をまっすぐ見据えていた。

 

やがて2人は熱い接吻を続けながら、二宮が夏希を抱きかかえる形でベッドへと倒れ込んでいく。2人が深い眠りにつく頃には既に、コップのお茶は氷が溶け切り、温くなってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライダーの戦いが始まってから、4日目の昼。

 

(……面倒だな)

 

この戦いを生き延びるべく、ライダーは皆それぞれ異なる行動を取る。そのパターンは大きく分けて2つ。

 

夏希や二宮のように、ライダー同士で一時的に手を組んでいる者。

 

それとは逆に、誰とも組まずに単独で動いている者。

 

たまたま見つけたバイクに乗って街中を移動していた黒コートの男―――“秋山蓮(あきやまれん)”は、後者のパターンだった。彼は他の誰とも手を組む事なく、向かって来るライダーやモンスターを迎え撃つスタイルで行動していた。

 

そんな彼は今……厄介な相手に目を付けられてしまっていた。

 

「遊んでくれよ。秋山」

 

バイクを急停止させた蓮の前に現れたのは、蛇柄ジャケットを着た金髪の男。最初の1日目から積極的に戦いを求めていたその男の名前を、蓮は何故かハッキリ覚えていた。

 

「……浅倉威か」

 

ヘルメットを外した蓮はバイクから降り、レザーグローブを外しながら浅倉と対峙する。

 

「俺もお前の名前を覚えている……て事は、過去に関わりがあったらしいな」

 

「あぁ。他の奴等と違って俺は覚えてるぜ、全てな」

 

(何……?)

 

全てを覚えている?

 

他のライダー達は記憶を失っているというのに、何故この男だけは記憶がハッキリ残っているのか。疑問が尽きない蓮だったが、彼の考えている事を知ってしらずか、浅倉は楽しそうな様子で互いを指差した。

 

「仲良かったぜ、俺達は……殺し合うほどになぁっ!!!」

 

「……ッ!!」

 

そう言いながら駆け出した浅倉は、蓮の顔面目掛けて右腕を振るい、蓮も右腕を振り上げて攻撃を受け止める。互いの右腕が交差したまま、2人は同時に自分達のカードデッキを取り出し、ベルトを装着する。

 

「「変身!!」」

 

両者は同時にデッキを装填。浅倉は仮面ライダー王蛇に、蓮は西洋の騎士を模した紺色の戦士―――“仮面ライダーナイト”に姿を変えた。

 

「クハハハハハ……!!」

 

王蛇は楽しそうに笑い声を上げた後、拳を振るうもナイトはそれを回避。距離を取った2人は同時に召喚機を取り出し、王蛇はコブラを模した杖状の召喚機―――“牙召杖(がしょうじょう)ベノバイザー”に、ナイトは長剣型の召喚機―――“翼召剣(よくしょうけん)ダークバイザー”にカードを装填する。

 

≪≪SWORD VENT≫≫

 

王蛇はドリルのような形状をした金色の剣―――“ベノサーベル”を、ナイトは大型の槍―――“ウイングランサー”を装備し、ジリジリと距離を詰め始める。その後、すぐに動き出した王蛇がベノサーベルを振り下ろし、ナイトはウイングランサーでそれを防御し、激しい攻防を繰り広げ始める。

 

「オラァッ!!」

 

「ッ……はぁっ!!」

 

とあるトンネルまで移動しながら、王蛇は何度もベノサーベルを振り回し、ナイトはそれをウイングランサーで的確に受け止める。しかし、戦いの流れは王蛇が掴みつつあった。

 

「ハァッ!!」

 

「うぉあっ!?」

 

剣術なんてあったものでない、ただ乱暴に振り回すだけの王蛇。しかし浅倉自身の好戦的な性格が、王蛇の繰り出す攻撃をより凶悪かつ強力な物としており、その荒々しい攻撃を前にナイトは徐々に押され出していく。ウイングランサー自体が大型なのもあって、ナイトは上手く反撃ができずにいた。

 

「く……ぐぁ!?」

 

「フン、ハァッ!!」

 

ナイトが繰り出したウイングランサーの一突きを王蛇は難なくキャッチし、逆にナイトの顔面をベノサーベルの柄部分で殴りつけ、彼の腹部を力強く蹴りつける。そのままベノサーベルを再度振り下ろし、ウイングランサーで攻撃を受け止めたナイトは壁まで追い込まれる。

 

「クハハハハ……!!」

 

「ッ……!!」

 

王蛇は楽しそうに笑い、ナイトは仮面越しに王蛇を強く睨みつける。このまま防戦一方な戦いが続くかと思われた……その時。

 

ズドォンッ!!

 

『フフゥッ!?』

 

「「!?」」

 

王蛇の後方から謎の銃声と、モンスターの悲鳴が聞こえて来た。それに気付いた王蛇とナイトが見た先には、地面に倒れている猿のような怪物―――“デッドリマー”の姿。そして2人が右方向に視線を向けると、そこには拳銃型の召喚機を構えている、緑色のボディと機械的な装甲が特徴的な戦士が立っていた。

 

「フッ……!!」

 

『フファアッ!?』

 

その緑色の戦士―――“仮面ライダーゾルダ”はその手に構えた拳銃型の召喚機―――“機召銃(きしょうじゅう)マグナバイザー”から弾丸を放ち、デッドリマーを退ける。どうやら彼の銃撃を受けた事で、王蛇に背後から襲い掛かろうとしていたデッドリマーを怯ませたようだ。

 

「……貴様、俺を庇ったな」

 

しかし、王蛇はそれが気に入らなかった。敵同士であるはずのライダーが自分を庇うなど。ましてや、自分がかつて付け狙っていたライダーがそれを行ったのが、王蛇の怒りに触れてしまっていた。

 

「どういうつもりだ……馬鹿にしてるのかぁっ!!」

 

王蛇は標的をナイトからゾルダに切り替え、ゾルダに向かって駆け出していく。残ったナイトがそのままデッドリマーに攻撃を仕掛けに行く中、王蛇はゾルダ目掛けてベノサーベルを振り下ろそうとしたが……その直前で、突然ゾルダが変身を解除した。

 

「……!?」

 

その不可解な行動に、王蛇も思わず動きを止める。ゾルダの変身を解除したその男の素顔は、王蛇が思っていた人物の物とは違っていた。

 

「先生!」

 

「……先生?」

 

自分を“先生”と呼んだその男に、流石の王蛇も僅かにだが困惑の反応を示す。しかしよくよく見てみると、その男は自分の知っている人物である事に王蛇は気付いた。

 

「貴様、確か北岡の……吾郎とか言ったな」

 

「先生……よくご無事で」

 

その男―――“由良五郎(ゆらごろう)”は安堵した様子で、王蛇に対して頭を下げた。その行動は王蛇にとって理解不可能な物だった。何故なら目の前にいる男は、かつて自分が付け狙っていた男の秘書であり、彼自身も自分を強く敵視していたはずだからだ。

 

「またお傍に置いて下さい。俺、先生に尽くしたいんす」

 

「……フン」

 

挙句の果てに、自分に尽くしたいとまで言い出してきた。訳がわからないと言った様子で、王蛇は変身を解除して浅倉の姿に戻り、吾郎に背を向けその場を立ち去ろうとした。吾郎は慌てて彼を引き止めようとするが、浅倉はそんな彼を乱暴に突き放す。

 

「先生、待って下さい……!!」

 

「誰が先生だ。貴様、ミラーワールドに来ておかしくなったのか? 話にならん」

 

興醒めしたのか、浅倉はそれ以上戦おうという気になれず、吾郎を放置して去って行こうとする。それでも吾郎は諦めず、必死に浅倉を呼び止めようとする。

 

「お願い先生!! 俺、先生がいないと……!!」

 

「離せ、気色悪い」

 

「ッ……嫌っす!!」

 

しつこく付いて来ようとする吾郎に苛立った浅倉は彼の胸倉を掴み、その顔面を強く殴りつける。それでも吾郎は浅倉の足にしがみついて離れようとしなかった為、浅倉は指を組んだ両手を吾郎の背中目掛けて何度も力強く振り下ろした。

 

「ラァッ!!」

 

「痛いっ……!! 嫌っす……嫌っすぅ……ッ!!」

 

決して離れようとしない吾郎のしつこさに、流石の浅倉も薄気味悪さのような何かを感じ取ったのか。彼は何度も暴力を振るったが、それでも吾郎は折れる事なく、必死に食らいつこうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ!!」

 

『フファアァァァァァッ!?』

 

一方、王蛇の追撃から逃れたナイトはと言うと、デッドリマーを撃破しているところだった。ウイングランサーで胴体を貫かれたデッドリマーが爆散し、跡形もなく消滅したのを確認したナイトはウイングランサーを下ろす……しかしその直後。

 

「!! うぉっ!?」

 

突如、ナイトの背中を強烈な痛みが襲った。何事かとナイトが振り向いたその先から、ガルドウィップを装備したブレードが襲い掛かって来た。

 

「モンスターを倒して油断したか、甘いな!!」

 

「ぐっ……!!」

 

ブレードはガルドウィップを何度も振るい、離れた場所から執拗にナイトを攻撃し続ける。ナイトはウイングランサーで何とか攻撃を防ぐが、ガルドウィップがウイングランサーに巻きついた事で、ナイトは動きを制限されてしまう。

 

(ッ……ならば……!!)

 

「!? 何……ッ!!」

 

そこでナイトは、戦法を切り替える事にした。ガルドウィップが巻きついたウイングランサーを敢えて手離し、それに驚くブレードを他所に、ナイトはダークバイザーに1枚のカードを装填する。

 

≪NASTY VENT≫

 

『キキキキキキキキ!!』

 

「なっ……ぐ、うあぁぁぁぁぁぁ……ッ!?」

 

どこからか飛来した蝙蝠のような怪物―――“(やみ)(つばさ)ダークウイング”が超音波を発し、その音に怯んだブレードがガルドウィップを手離す。その隙を見逃さなかったナイトは跳躍して一気に距離を詰め、ブレード目掛けてダークバイザーを振り下ろす。

 

「はぁ!!」

 

「ぐあぁっ!?」

 

強烈な斬撃を受けたブレードが、溜まらず地面を転がる。その間にナイトは素早く次のカードを引き抜き、ダークバイザーに装填する。

 

≪FINAL VENT≫

 

『キキィーッ!!』

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

 

再度召喚されたウイングランサーを構えたナイトが走り、その後方から飛来したダークウイングがナイトの背中に合体し、ダークウイングの翼がマントのように変化。そのままナイトはその場から飛び立ち、ウイングランサーを軸にマントをドリル状にしながら、ブレード目掛けて高速で突っ込んだ。

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「なっ……ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

その強烈な一撃―――“飛翔斬(ひしょうざん)”がブレードに命中し、地面に着地したナイトの後方で大きな爆発が起こる。爆風が晴れると共に、ブレードの変身が解けた中年の男は血反吐を吐いて倒れ伏し、ナイトの変身を解除した蓮も倒れた中年の男に視線を向ける。

 

「ば、馬鹿な……私は……まだ……ッ!!」

 

「……!?」

 

倒れている中年の男は、その体が粒子のようになって少しずつ消え始めていた。それを見た蓮が驚く中、中年の男は生きる事を諦めまいと、辛うじて動く右手を必死に伸ばそうとする。

 

「私は、まだ……生、き……て……ッ……」

 

言葉はそこで途切れた。中年の男は粒子となって跡形もなく消え去り、そこにはほんの僅かに赤い血が残っているだけだった。その一部始終を目撃した蓮は、動揺を隠せなかった。

 

死んだ?

 

いや、殺した?

 

俺が、この手で……?

 

自分はただ、襲って来る敵を撃退しようとしただけ。殺すつもりなど微塵もなかった。そのはずだったのに、自分は今、この手でライダーを殺してしまった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

手の震えが止まらない。呼吸もどんどん荒くなっていく。目の前で見てしまったライダーの死は、蓮の心に深く刻み込まれていた。

 

「ッ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

蓮の絶叫が響き渡る。

 

そしてその様子を、近くのカーブミラーに映り込んでいた謎の女性が、ただ静かに眺めていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――仮面ライダーブレード、死亡。

 

 

 

 

 

 

残るライダーは、あと12人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




最初のプロローグで、二宮がいるにも関わらず下着丸見えの夏希が平然としておったじゃろう?
要はそういう事だ(チュドーン

なお、一部始終を18禁で書くかどうかは読者の反応次第。




蓮と浅倉の対決、及び豹変した吾郎などは原典通り。
原典と異なっているのは、劇中最初の脱落者がアビスではなくブレードである点。アビスが主要人物に繰り上がった為、代わりにブレードがその役目を担う事になりました。
『リリカル龍騎』でブレードの変身者だった青年・斉藤雄一(さいとうゆういち)がこちらでは未登場なのもそれが理由です。

次回はまた別の視点から入る予定。

それではまた。
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