RIDER TIME 仮面ライダー龍騎 with 仮面ライダーファム   作:ロンギヌス

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4パート目の更新なり。

今回は他の陣営の視点からお送りします。

それではどうぞ。



Advent Again 4

ナイトがブレードを撃破する数時間前……

 

 

 

 

 

 

≪STRIKE VENT≫

 

「はぁ!!」

 

「どわっ!?」

 

ある森の中の廃墟。その付近では今、複数のライダー達による乱戦が繰り広げられていた。その場にいるライダーは合計7人。

 

城戸真司が変身した赤い戦士―――仮面ライダー龍騎。

 

エイのような特徴を持った赤紫色の戦士―――“仮面ライダーライア”。

 

カメレオンのような特徴を持った黄緑色の戦士―――“仮面ライダーベルデ”。

 

ガゼルのような特徴を持った茶色の戦士―――“仮面ライダーインペラー”。

 

龍騎、ライア、ベルデ、インペラーの4人は「他のライダー達を倒すまで」の間、一時的にチームを組む事で休戦状態となり、他のチームと対立していた。

 

芝浦淳が変身した銀色の戦士―――仮面ライダーガイ。

 

蟹のような特徴を持ったメタリックなオレンジ色の戦士―――“仮面ライダーシザース”。

 

白虎のような特徴を持った青と銀色の戦士―――“仮面ライダータイガ”。

 

ガイ、シザース、タイガもまた、他のライダー達を潰す為に3人で一時的に手を組み、手始めに龍騎達のチームを潰そうと戦闘を仕掛けたのである。

 

「はぁ!!」

 

「どわぁっ!?」

 

サイの頭部を模した手甲型の武器―――“メタルホーン”を振るい、龍騎を高所から突き落とすガイ。落下した龍騎は地面に叩きつけられるも、すぐに立ち上がってガイを睨みつける。

 

「大人しく死ねよ。生き残るのは俺だ」

 

「ふざけるな、誰が!!」

 

≪SWORD VENT≫

 

高慢な口調で挑発してくるガイに対し、カッとなったのか龍騎は柳葉刀のような形状をした長剣―――“ドラグセイバー”を召喚し、それを構えてガイに斬りかかる。そのすぐ近くではシザースが背中から地面に叩きつけられ、そこにインペラーが跳躍しながら殴りかかる。

 

「ぐぉ……!?」

 

「でやぁぁぁぁぁっ!!」

 

インペラーの攻撃を転がって回避したシザースは、続けて繰り出されてきたインペラーの回し蹴りを両腕でしっかりガードする。そのまた近くではライアとベルデの2人をタイガが相手取っており、ライアの蹴りを受けたタイガが後退し、ガイと背中合わせになる。

 

「くっ……!!」

 

「ふぅん、やるじゃん」

 

タイガと背中合わせになったガイが余裕そうな態度を見せる中、龍騎は左腕に装備したドラゴンの頭を模したガントレット型の召喚機―――“龍召機甲(りゅうしょうきこう)ドラグバイザー”にカードを装填し、それを見たライアも左腕に装備したエイのような盾型の召喚機―――“飛召盾(ひしょうだて)エビルバイザー”にカードを装填する。

 

≪STRIKE VENT≫

 

≪COPY VENT≫

 

「「はぁぁぁぁぁぁ……!!」

 

赤いドラゴンの頭部を模した手甲型の武器―――“ドラグクロー”が龍騎の右手に装備され、それをコピーしたライアの右手にもドラグクローが装備される。2人がドラグクローの口元から火炎放射を放とうとする一方、タイガは虎の顔が付いた斧型の召喚機―――“白召斧(びゃくしょうふ)デストバイザー”に、ガイは赤い角が生えた左肩の鎧に付いている召喚機―――“突召機鎧(とっしょうきがい)メタルバイザー”にカードを装填する。

 

≪FREEZE VENT≫

 

≪CONFINE VENT≫

 

「はぁっ!! ……あ、あれ?」

 

「何……!?」

 

「「へへへ……!」」

 

龍騎とライアが繰り出したドラグクローによる火炎放射は、それぞれガイが発動したコンファインベント、タイガが発動したフリーズベントの冷気によって無効化される。驚く龍騎とライアに対し、ガイとタイガは戦う相手を入れ替える形で2人に襲い掛かる。

 

≪HOLD VENT≫

 

「はっ!!」

 

≪SPIN VENT≫

 

「おりゃあ!!」

 

「くっ!?」

 

ベルデはヨーヨー型の武器―――“バイオワインダー”を召喚し、シザースを回し蹴りで退けたインペラーはガゼルの頭部を模した武器―――“ガゼルスタッブ”を召喚し、4対3のライダーバトルは更に激しくなっていく。しかし、彼等の戦いは思わぬ形で一気に収束していく事となる。

 

『『『ゲッゲッゲッ!!』』』

 

『『『ヴヴヴッ……』』』

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

突如、赤いイモリのような怪物―――“ゲルニュート”と、白いヤゴのような怪物―――“シアゴースト”が複数出現し、ライダー達に襲い掛かって来た。せっかくの戦いを邪魔された事で、ガイ達は憤慨した様子でゲルニュートやシアゴースト達を蹴散らしていく。

 

≪STRIKE VENT≫

 

「良いところでモンスターか……!!」

 

「くそ、邪魔だよっ!!」

 

「ッ……だったらこれで!!」

 

虎の爪を模した手甲―――“デストクロー”を両腕に装備したタイガがシアゴーストを斬りつけ、ガイがゲルニュートを蹴り倒す中、龍騎もまた、この状況を打破するべく1枚のカードをドラグバイザーに装填した。

 

≪FINAL VENT≫

 

『グオォォォォォォォォンッ!!』

 

「はぁぁぁぁぁぁ……はっ!!」

 

龍騎がポーズを取りながら姿勢を低くするその周囲を、赤いドラゴンのような怪物―――“無双龍(むそうりゅう)ドラグレッダー”が飛び回る。その中を龍騎が大きく跳躍し、空中で回転しながらドラグレッダーの吐く炎を全身に纏い、モンスター達に向かって飛び蹴りを放った。

 

「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

龍騎の必殺技―――“ドラゴンライダーキック”の一撃で、多数のゲルニュートとシアゴーストが粉砕される。しかし着地した龍騎が周囲を見渡してみると、その数は減るどころかどんどん増えて行こうとしていた。

 

「多過ぎる、このままでは……!!」

 

「くそ、引くぞ!!」

 

このままではマズいと判断したのか、ガイ達は龍騎達を放置してすぐに退散していく。一方でベルデもまた、この場から逃げ出す為に左足に装備した召喚機―――“舌召糸(ぜっしょういと)バイオバイザー”に1枚のカードを装填した。

 

≪CLEAR VENT≫

 

「ひとまず引き上げるぞ!!」

 

「はい……!!」

 

『『『ヴヴヴ……!?』』』

 

クリアーベントの効果を発動したベルデがインペラーの肩に触れ、2人は一瞬にして透明化。2人を見失った数体のシアゴーストが驚いた様子で周囲を見渡す。

 

「手塚、大丈夫か!?」

 

「城戸、お前は先に行け!! 必ず追いつく!!」

 

「ッ……わ、わかった!! 死ぬなよ!?」

 

ライアから先に逃げるよう言われ、龍騎は襲い来るゲルニュート達を薙ぎ倒しながら戦場を脱出。結果としてこの戦いでも、脱落するライダーが現れる事はなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「乾杯!」

 

その後、街のとある噴水広場まで逃走した龍騎こと城戸真司。彼は合流した2人の仲間、ベルデの変身者であるベージュのコートを着た男―――“木村大地(きむらだいち)”、インペラーの変身者である眼鏡をかけた男―――“石田諒(いしだりょう)”と共に缶ビールで乾杯しようとしていた……が、明るいノリの真司に対し、木村と石田は無言のまま暗い表情で乾杯し返した。

 

「……おい、何だよノリ悪いなぁ~。せっかくさぁ生き残ったんだからさぁ、パーッと楽しくやろうぜ!」

 

ビールを一口飲み、ご機嫌になった真司は食糧である缶詰に手を付け始める。

 

「お摘まみもさ、ほらこんなにいっぱいあるんだから―――」

 

「今そんな気分じゃねぇっつうの」

 

「え?」

 

明るく振る舞おうとする真司だったが、木村はそんな彼の台詞を遮り、どこか疲れたような表情で溜め息をつく。石田もまた、あまり真司のノリに付いて行こうという意志はないようだった。

 

「城戸、お前は良いよな。いつも能天気で」

 

「ッ……何だよ」

 

「僕達は相変わらずミラーワールドに……“地獄”から出られずにいるんですから」

 

ライダー同士の戦いが始まってからもう4日目。現時点で戦いはどこまで進行しているのか。現時点でライダーは何人死んでいるのか。他の生き残っているライダー達は今どこで何をしているのか。それらの状況が一切わからないのもあって、彼等はかなり疲弊してしまっていた。

 

「……俺だって不安だよ。俺達には記憶がないしさ。覚えてるのは名前くらいで、何故ミラーワールドにいるのかもわからない……でも、だからこそ楽しくやろうとしてんじゃないか。いけないのかよ?」

 

もちろん、内心不安を抱いているのは真司も同じだった。むしろそうまでして明るく振る舞っていなければ、その不安に心を押し潰されてしまいかねない。それは木村と石田も薄々わかってはいるのか、真司の明るい態度に対しそれ以上何か言う事はなかった。

 

「……遅いな、手塚さん」

 

そんな時、石田は現時点でこの場にいないもう1人の仲間の名前を呟いた。ライアの変身者である男―――“手塚海之(てづかみゆき)”はまだ、この3人と合流できていない。何かあったのではないかと石田は最悪の可能性を考え込んでしまう。

 

「まさか、逃げ遅れてモンスターに……!」

 

「大丈夫だよ。アイツはそう簡単にやられるような奴じゃない」

 

芝浦達との戦いでも、自ら殿を務める事で自分達仲間を逃がしてくれた男だ。きっと今頃、何とかしてモンスターの群れからも逃げ切れている事だろう。他者に関する記憶もないはずの真司だったが、手塚に関しては何故か、そんな安心感があった。

 

「……でもさ、お前いつも手塚、手塚だな?」

 

「だって……手塚さん、僕達のリーダーな訳だしさ」

 

「リーダー? おいちょっと待てよ、そんなん誰が決めたんだよ」

 

石田の告げた“リーダー”発言に、真司が思わず待ったをかける。どうやら手塚をリーダーだと認識しているのは石田くらいで、真司と木村は誰がこのチームのリーダーなのか特に決めてはいなかったらしい。その為、いつの間にか手塚がリーダーになっている事など、真司にとっては初耳だった。

 

「だって……手塚さんが、纏めてくれたおかげで僕達4人、手を組めた訳だし……」

 

「まぁ、それも一時しのぎだがな」

 

2人の会話を黙って聞いていた木村が口を開いた。

 

「俺達も最後には殺し合わなきゃならない。このバトルの勝者はたった1人、最後に生き残った奴だけ……そういうルールだからな」

 

「そりゃあ、そうだけどさ……なぁ、お前達は本当にあの女の言葉、信じてるのか? 俺にはどうもわかんないんだ。何故あの女は、こんなゲームを仕組んだのか……」

 

「でも俺達は信じるしかない。あの女を……それがここから抜け出せる、たった1つの希望なんだ」

 

それは最初の1日目で、謎の女性から告げられた戦いのルール。ライダー同士の殺し合いで生き残った最後の1人だけが、勝者の証として過去の記憶を取り戻し、このミラーワールドという“地獄”から脱出する事ができる。他に方法がない以上、自分達には彼女の言葉を信じて戦う以外の道はない。木村の発言に、真司と石田は何も言えず言葉に詰まってしまう。

 

「……大体何者なんだ? あの女」

 

「きっと神様か何かさ。信じる者は救われるってな」

 

人間同士で殺し合いをさせるような神様なんて、とても信用できないだろうがな。木村がそんな皮肉を言いながら缶ビールを口にする中、唯一まだビールを口にしていない石田は、どこか焦りが募った表情で再度口を開いた。

 

「それにしても、あれから4日……一体何人のライダーが死んだか……」

 

「何にも教えてくんないんだもんなぁ、あの女……なぁ、他のライダー達は今どうしてると思う? 芝浦達以外にもさ、ほら、一番最初に変身してた紫の奴とか。あと、女のライダーも1人いたよな」

 

「さぁな。女のライダーなら、他のライダーと一緒に逃げてるとこまでは見たが、それっきりだ。そもそも、組んですらいない奴の心配なんかしたって仕方ないだろう?」

 

「いや、そりゃそうだけどさぁ……やっぱり心配なんだよなぁ。ほとんどが男の中、女は1人だけだったし……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その唯一の女ライダーである夏希はと言うと……

 

 

 

 

 

 

「あぁ~最高~……♪」

 

早朝、先に目覚めた二宮が朝食を作っている間に、夏希は風呂場でシャワーを浴びているところだった。シャワーヘッドから放たれる熱いお湯が、夏希の体の上を流れ落ちていく。

 

(またいっぱい、気持ち良くして貰っちゃった)

 

シャワーの蛇口を捻ってお湯を止め、目の前の鏡に映る自分の裸体を凝視する夏希。二宮と共に過ごした昨夜の熱い時間を思い浮かべた夏希は、無意識の内に右手が動き、自身の腹部を優しく撫でるように触れていた。

 

(いっそ、このまま2人でずっと……流石に駄目かな)

 

わざわざ現実世界に戻ろうとせずとも、このまま2人でずっと、このミラーワールドで生きていくのもそんなに悪い事ではないんじゃないか。そんな夏希の考えは、きっと二宮には却下される事だろう。それは流石に考えが甘過ぎるかなと、夏希はどこか寂しげな表情を浮かべながらも自身の体を洗い続ける。

 

(それでも、二宮となら私は―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もぉ、また靴紐解けてるじゃない。たく、しょうがないな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ!?」

 

突如、夏希の脳内に頭痛が走り、それと共に浮かび上がった謎の光景。夏希は思わず自身の頭を押さえた。

 

「……何だ、今の……?」

 

自分が、誰かの靴紐を結んであげている姿。

 

しかし、その相手の素顔まではわからなかった。

 

きっと相手は二宮だろうと結論付けようとする夏希だったが、それでも僅かに違和感のような何かがあった。

 

「……いや、これ以上考えても無駄か」

 

どれだけ考えてもわからないのではどうしようもない。この事は時期を見て二宮に話そうと、そう考えた夏希は再び蛇口を捻り、全身の泡を綺麗に洗い流していく。

 

この時、彼女は気付かなかった。

 

風呂場の入り口のすぐ近くで……

 

 

 

 

 

 

「―――フッ」

 

 

 

 

 

 

二宮とはまた違う別の男が、怪しげな笑みを浮かべてどこかに消え去っていった事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、現実世界。

 

 

 

 

 

ピッ……ピッ……ピッ……

 

医療法人、聖中央病院。そのとある集中治療室にて、昏睡状態となった1人の女性が寝かされていた。

 

(―――やめて)

 

眠りについているはずの女性は、その閉じている目から一筋の涙が零れ落ちる。

 

(―――お願いだから)

 

女性の脳裏に蘇る過去の記憶。

 

土砂降りの中、道路に停まっている1台の車。

 

道路に放られている、壊れてしまっている1本の傘。

 

そしてそこに倒れている、意識のない女性。

 

(―――もうやめて、達也)

 

意識のない女性は、必死に呼びかけ続けていた。

 

届くはずのない言葉を、ある1人の男に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ……ッ」

 

同時刻。街中ではある事件が発生していた。その事件を起こしているのが、現在警官隊に包囲されているある1人の男。その男は目の前に立ち塞がっている警官隊を睨みつけながら、左手に持っていた時計のような小道具のスイッチを起動する。

 

【RYUKI】

 

息を飲む警官隊の前で、男の姿が変異する。

 

龍の鱗のような赤いボディに、赤い複眼が剥き出しになった銀色の鉄仮面。

 

右手に装備した柳葉刀のような禍々しい長剣と、赤い龍の頭部を禍々しく象った手甲。

 

そして胸部装甲に書かれている、「RYUKI」と「2002」の文字。

 

 

 

 

 

 

 

その姿は、仮面ライダー龍騎を彷彿とさせていた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




次回、ようやくジオウ勢の登場です。

ジオウサイドの方もまた、ちょっとだけストーリーを弄っていく予定です。

ではでは。
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