RIDER TIME 仮面ライダー龍騎 with 仮面ライダーファム   作:ロンギヌス

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はい、パート5です。

今回はジオウサイドの場面をお送りします。原典では少なかった彼等の戦闘描写も、本作では結構多くなる予定です。

それではどうぞ。



Advent Again 5

「グルアァァァァァァッ!!」

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」」

 

謎の男が変身した、龍騎のような姿をした禍々しい怪物。彼は警官隊の銃撃を物ともせず、むしろ銃弾をその身に受けながら警官隊に真正面から突撃していく。ドラゴンの頭部を模した手甲で警官達が薙ぎ払われ、倒れた1人の警官に向かって長剣が振り下ろされようとしたその時……

 

≪ジカンギレード!≫

 

≪ジカンザックス!≫

 

「「はぁっ!!」」

 

左右から割って入って来た長剣と斧が、怪物の長剣を受け止めてみせた。怪物が視線を上に上げたその正面には、それぞれカタカナで「ライダー」、平仮名で「らいだー」と描かれた複眼を持つ2人の戦士が立ちはだかっていた。

 

≪ジュウ!≫

 

「グッ……!?」

 

「ライダー」と描かれた複眼の戦士―――“仮面ライダージオウ”が長剣型の武器―――“ジカンギレード”を長剣から銃形態に変形させ、至近距離で怪物の胸部に銃撃を命中させる。攻撃を受けた怪物が後退し、ジオウは再度ジカンギレードを長剣形態に切り替え、その隣に並び立った「らいだー」と描かれた複眼の戦士―――“仮面ライダーゲイツ”は斧型の武器―――“ジカンザックス”を構え直しながら、厄介げな表情で怪物の名前を口にする。

 

「またコイツか……!」

 

「アナザー龍騎……!」

 

「ヌゥゥゥゥゥゥ……ッ!!」

 

“アナザー龍騎”と呼ばれた怪物が2人の戦士を睨みながら武器を構え直し、ジオウとゲイツが武器を構え直してから再び突撃。2人が振るう武器を、アナザー龍騎は自身の長剣で的確に防御し、逆に2人の胸部装甲を斬りつけ纏めて薙ぎ払ってみせた。

 

「グルァ!!」

 

「ぐぁ!?」

 

「うわっ!? く、だったら……!!」

 

≪オーズ!≫

 

ジオウは取り出した時計型のアイテム―――“ライドウォッチ”を取り出し、スイッチを起動して腰に装着しているベルト―――“ジクウドライバー”の左側のスロットに装填。ジクウドライバーの上部のスイッチを押し、ベルト本体を半時計回転させる事で、ライドウォッチに秘められた力を発動する。

 

≪アーマータイム!≫

 

「!? グガッ……!?」

 

すると、どこからか3体の動物を模したアーマーが現れ、それぞれ鷹、虎、飛蝗を模した3体のアーマーがアナザー龍騎に体当たりを繰り出し、アナザー龍騎が怯んでいる間にジオウの周囲に集まる。そして3体はそれぞれ頭部、胸部、脚部のアーマーに変形し、ジオウの体に装備。そしてジオウの複眼には「ライダー」の文字に代わり、「オーズ」とカタカナで描かれた文字の複眼がセットされる。

 

≪タカ! トラ! バッタ!≫

 

≪オーズ!≫

 

「はぁっ!!」

 

3種類の動物の力を駆使する、メダルの戦士の力を宿した形態―――“オーズアーマー”となったジオウは姿勢を低くして構えた後、飛蝗の脚力を活かした跳躍力で一気にアナザー龍騎に接近。虎の長い爪を模した武器―――“トラクロー”でアナザー龍騎を斬りつける。それに続くように、ゲイツもまた異なるライドウォッチを取り出し、スイッチを起動した。

 

「ドラゴンにはドラゴンだ……!!」

 

≪ウィザード!≫

 

ライドウォッチをジクウドライバーの左側のスロットに挿し込んだ後、ゲイツはベルト本体を両手で反時計回りに回転させ、ライドウォッチの力を発動する。するとゲイツの頭上に赤色の大きな魔法陣が出現し、それがゲイツの肩付近まで降下した後、魔法陣その物がアーマー状に変化し装備されていく。

 

≪アーマータイム!≫

 

≪プリーズ!≫

 

≪ウィザード!≫

 

「フッ!!」

 

「ヌッ……グアァ!?」

 

最後の希望であり続けた、魔法使いの力を宿した形態―――“ウィザードアーマー”となったゲイツは自身の前に魔法陣を出現させ、ゲイツが手をかざすと共に魔法陣から火炎放射が放たれる。ジオウに気を取られていたアナザー龍騎はその炎を直に浴びてしまい、その場に膝を突く。

 

「行くよゲイツ!!」

 

「あぁ……!!」

 

≪≪フィニッシュタイム!≫≫

 

≪オーズ!≫

 

≪ウィザード!≫

 

ジオウとゲイツはドライバーに挿し込んでいる2つのライドウォッチのスイッチを押し、ドライバーのスイッチを押してからベルト本体を反時計回りに回転。ジオウがその場から高く跳躍する中、ゲイツは再度自身の前に魔法陣を出現させて右足を通し、巨大化した右足を長く伸ばしていく。

 

≪ストライクタイムバースト!≫

 

「グゥッ!?」

 

ゲイツの巨大な右足によるキックが、長剣と手甲を交差して防御しようとしたアナザー龍騎を後退させる。その衝撃で怯んだアナザー龍騎が防御態勢を崩されたその直後、高く跳躍していたジオウが「タカ」「トラ」「バッタ」と描かれた3つの円状のエネルギーを猛スピードで通過していき、その勢いのままアナザー龍騎目掛けて強力な飛び蹴りを炸裂させた。

 

≪スキャニングタイムブレーク!≫

 

「セイヤァァァァァァァァァッ!!!」

 

「グアァァァァァァッ!?」

 

ジオウが繰り出したキックをその身に受け、吹き飛ばされたアナザー龍騎が地面を転がっていく。ジオウが地面に着地し、ゲイツが魔法陣に通していた右足を縮小化させて元に戻す中、地面に倒れ込んだアナザー龍騎はボディ各部から火花が散りながらも、長剣を杖代わりにしてその場から立ち上がった。

 

「そんな、効いてない!?」

 

「変身を解かせる事すらできないか……!!」

 

「ハァ……ハァ……俺の……俺の、邪魔をするなァッ!!」

 

「「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!?」」

 

アナザー龍騎は左腕の手甲を正面に突き出し、ドラゴンの口から大型の火炎弾を連射。それらがジオウとゲイツの周囲に着弾して大爆発が起きた後、爆風が晴れた先には既にアナザー龍騎の姿は消えてしまっていた。

 

「ッ……また逃げられた」

 

「逃げ足の速い……」

 

2人はアーマータイムを解除し、ジオウは疲れた様子で地面に座り込む。ゲイツは悔しげな様子で建物の壁に拳を叩きつけながら、近くにあった建物の窓ガラスを睨みつけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソウゴ、ゲイツ!」

 

その後、警官隊に犠牲者が出ていない事を確認したジオウとゲイツはすぐにその場を移動し、誰もいない公園に到着してから変身を解除。ジオウは茶髪の少年、ゲイツはハーネスを着用した黒髪の少年へと姿を変える中、そこにマントのような白いワンピースを羽織った、長い黒髪の少女が駆け寄って来た。

 

「アナザー龍騎は?」

 

「ごめんツクヨミ、また逃げられちゃった」

 

「そう……これでもう、被害が出たのは4件目ね」

 

茶髪の少年―――“常磐(ときわ)ソウゴ”の返事を聞いて、白いワンピースを羽織った少女―――“ツクヨミ”は手にしていたタブレットのようなデバイスの画面を操作し、画面にいくつかのニュース情報を写し出す。そこに載っているニュースのどれもが、突如現れた謎の怪物―――アナザー龍騎による襲撃事件に関する物だった。

 

「今までのアナザーライダーは、特定の条件を満たした人物を狙って襲う奴ばかりだった。でも今回は、そういった条件もなしに無差別に人を襲ってる」

 

「襲う相手を選ばない分、どのアナザーライダーよりもタチが悪いな……」

 

アナザーライダー。

 

それは仮面ライダーの力を宿した怪人の総称。

 

別の時間軸からやって来た謎の集団―――“タイムジャッカー”によって生み出される。

 

本来、その資格を持たない人間が仮面ライダーの力を手にした事で、アナザーライダーはどの個体も例外なく、本物の仮面ライダーとは似ても似つかない醜悪な姿をしている。

 

そしてアナザーライダーが誕生してしまうと、そのアナザーライダーと同じ力を持つ本来の仮面ライダーはその力と記憶を失い、そのライダーだった人物がこれまで辿って来た歴史という名の「物語」を、アナザーライダーに丸々乗っ取られてしまうのだ。

 

今回のアナザー龍騎もまた、本来は仮面ライダー龍騎ではない人物がその力を宿した事で、龍騎のような姿をしているだけの凶悪な怪物に成り果て、その力で多くの一般人を襲い続けている。

 

「おまけに、奴もミラーワールドを使って逃げてしまう。そんなところまでアナザーリュウガそっくりだ」

 

ハーネスを着た黒髪の少年―――”明光院(みょうこういん)ゲイツ”はかつて自分達が戦った、アナザー龍騎にそっくりな姿をした黒いアナザーライダーの存在を思い出す。その黒いアナザーライダーもまた、使用する武器やミラーワールドを行き来する能力まで同じだったが、あちらは受けた攻撃を跳ね返して来るという凶悪な能力まで使用していた。今回のアナザー龍騎はそういった能力まで行使して来る事はなかったが、そんな事は大して重要ではない。

 

「このままじゃ、アナザー龍騎によって被害が大きくなっていく一方だわ」

 

「だが、それを止める手段がないんじゃどうしようもない……」

 

アナザーライダーを完全に倒すには、そのアナザーライダーに対応した仮面ライダーの力を宿したライドウォッチが必要になる。

 

かつてライダーだった頃の力と記憶を失っている人物に接触し、その人物に何の力も宿っていないブランクウォッチを持たせる事で、アナザーライダーと同じ仮面ライダーの力を宿したライドウォッチが誕生するのだ。

 

しかし、今回は今までのアナザーライダーとは状況がまるで違っていた。

 

「ねぇ、城戸さんが本物の仮面ライダー龍騎で間違いないのよね?」

 

「うん。あの後もう一度会って、確かにブランクウォッチを持たせてみたんだけど……」

 

黒いアナザーライダーが起こした事件の中で、ソウゴ達は一度、城戸真司に出会った事があった。事件解決後、ソウゴは真司にブランクウォッチを持たせる事で、彼がかつて持っていた龍騎の力をウォッチに移し、龍騎ライドウォッチを手に入れようとしたのだが……

 

「何度やっても、龍騎ウォッチは手に入らなかった」

 

ゲイツの言う通り、真司にブランクウォッチを持たせ続けたにも関わらず、ブランクウォッチが龍騎ライドウォッチに変化する事はなかった。

 

彼が龍騎であった事は間違いないはずなのに、一体何故なのか?

 

龍騎ウォッチが手に入らない以上、次にソウゴとゲイツが考えた案が、2つのある特殊なライドウォッチを使ってでの変身だった。それらのウォッチを使用すれば、ジオウとゲイツはその能力が更にパワーアップし、わざわざ同じライダーの力を持つライドウォッチを使用せずとも、アナザーライダーを倒す事が可能になる……しかし。

 

「どうするの? ジオウⅡウォッチも、ゲイツリバイブウォッチも、あの男に奪われたまま(・・・・・・・・・・)よ」

 

「そうなんだよなぁ……あぁもう、何でこうなっちゃうかなぁ……!」

 

彼等は今、その2つのライドウォッチが手元に存在していなかった。ある者に奪われた事で、アナザー龍騎を倒す手段を失ってしまっていたのである。完全に手詰まりとなった今の状況に、ソウゴ達は頭を抱える事しかできなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ……ハァ……!!」

 

一方。ジオウとゲイツから逃れたアナザー龍騎は、ある路地裏に入り込んでから変身を解除し、男の姿に戻って階段に座り込んでいた。戦いによるダメージと疲労でその呼吸は荒くなっているが、彼の目は今もまだ気力、失ってはいなかった。

 

『順調のようだな』

 

「……!」

 

そんな彼の前に、1人の男が姿を現した。フードを被っていて素顔がよく見えず、怪しげな雰囲気を醸し出しているこの男を前にしても、アナザー龍騎の変身者である男は薄気味悪く思うどころか、むしろ強気な口調でフードの男に語りかける。

 

「本当に、このやり方で良いんだろうな……!」

 

『あぁ。命が集まり終わった時……お前の悲願は達成される』

 

フードの男はその手に持っていた水晶のような石を男に見せつける。その石が見せつける輝きに、男は自身が持っているアナザー龍騎ウォッチを見つめる。

 

「大丈夫だ、サラ……俺が必ず、君を救ってみせるから……!」

 

アナザー龍騎の変身者であるその男―――“加納達也(かのうたつや)”は愛する者の名前を呟きながら、アナザー龍騎ウォッチを強く握り締める。

 

 

 

 

 

 

『達也、もうやめて。お願い―――』

 

 

 

 

 

 

その愛する者が、自分の行いを止めようとしている事など、知る由もないまま……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




今回使用されたライドウォッチはオーズとウィザード。その繋がり、皆さんはわかりましたか?

ジオウサイドの時系列ですが、アナザージオウ編が終わる第28話から、ブレイド編の前半となる第29日の間でイメージしながら書いています。
まだ登場していないソウゴの忠実な家臣ですが、その出番はまた後ほど。

彼等からジオウⅡウォッチとゲイツリバイブウォッチを奪ったのは一体誰なのか……まぁ、今回の話を見た人ならすぐわかる事でしょう。

次回は再びミラーワールド側の視点からお送りします。

それではまた。
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