特別休暇三日目
高町家前
なのは 「セフィさん、いらっしゃいませ~。」
セフィリア 「お言葉に甘えてお邪魔させて頂きました。」
士郎 「やあ、いらっしゃい。」
桃子 「あら♪いらっしゃい。」
セフィリアはこの日翠屋がお休みということで高町家を訪れていた
リビングに通されたセフィリアはふと庭を見る
セフィリア 「あちらの建物は?」
士郎 「ああ、うちの道場だよ。」
セフィリア 「道場?」
士郎 「ああ、簡単に言えば何かの訓練をしたり、運動をするところだね。」
セフィリア 「今どなたか使用されていますか?何か物音が?」
なのは 「今おにーちゃんとおねーちゃんが訓練してるの?」
セフィリア 「お姉ちゃんって美由希さん?お兄さんもいるんだ?」
士郎 「うちの長男で恭也だ。なんなら見ていくかい?」
セフィリア 「お邪魔でなければ、拝見させて頂いても宜しいですか?」
なのは 「なのはも~♪」
士郎に案内され庭にある道場に向かった
中をみると、二人の男女がお互いの剣を時には受け時には躱し、激しい攻防を繰り
広げていた
美由希 「ふっ!」
美由希が恭也の斬撃を躱し、一旦後ろに飛ぶ
そして両の手にある、小太刀といわれる剣の片方を引く
次の瞬間引いていた剣を突き出しながら恭也に向かって突進する
恭也 「はっ!」
恭也は紙一重で突きを躱し、美由希に斬撃を繰り出す
美由希は、突きを繰り出していない方の剣でその斬撃を受ける・・・が
体勢を崩されてしまう
その隙に再度恭也が斬撃を繰り出そうとするも、その前に美由希が恭也に向かって
何かを投げた
恭也はその何かを躱すが、その瞬間を見逃さず美由希はまた距離を取ろうとする
美由紀 「あっ!」
しかし美由希は何かに引っ張られるように恭也に引き寄せられる
次の瞬間・・・
美由希の首筋に恭也の剣が止まっていた
士郎 「勝負ありだな。」
美由希 「う~・・いつの間にか鋼糸を巻き付けられた・・・」
士郎 「飛針を投げることに意識しすぎたな。」
恭也 「父さんそちらは?」
二人は突然声をかけられたにも関わらず驚いた様子もみせない
士郎・恭也・美由希が修める剣術は[御神流]という小太刀を二刀使用する古流剣術だ
正式名称はもっと長いが略して[御神流]と呼ばれている
その御神流では鍛錬に継ぐ鍛錬によって周囲の気配を探り、例え壁を隔てた
視認することが不可能な場所からでも人の気配を感じ、場合によっては個人を
特定することまで可能とする
その能力をもつ二人は道場に人が近づいていることもすでに認識していた
美由希 「セ・・・セフィリアさん!」
恭也 「セフィリアさん?」
士郎 「なのはの同僚さんだそうだ。」
セフィリア 「セフィリア・ロムレットです。宜しくお願いします。」
恭也 「どうも。なのはの兄の恭也です。」
セフィリア 「お店でお会いした時、士郎さんと美由希さんの立ち振る舞いが
只者でないとは思ったんですが・・・」
士郎 「気付いたのかい?」
セフィリア 「漠然と・・・ですけど・・・」
そのセリフを聞いて士郎に悪戯心が生まれる
士郎 「どうだい?すこし打ち合ってみないかい?」
セフィリア 「いえ、自分は・・・」
士郎達もなのはやリンディの話を聞いて魔導師という存在は把握しているものの
実際の実力は全く分からない
いくら強いと聞いていても、なのはやリンディ相手に鍛錬する気にはなれない
クロノにも会ったことはあるが、店に来たのみで自宅まで来たことはなかった
そして今日セフィリアがやってきた
そんなチャンスを士郎がみすみす逃すはずがなかった
士郎 「君も戦うものならわかるだろ?いつも同じ相手と鍛錬するのは
危険だ。
慣れや変な癖がついてしまう可能性がある。
だからたまには恭也や美由希に、違う相手と鍛錬させたいのさ。
それが強い相手ならなおさらね♪」
嘘である!御神流の鍛錬はそんなに甘いものではない。
いくら同じ相手との訓練であっても慣れや癖など付けるようなヘマはしない
ただ理由を付けてセフィリアの・・・魔導師と呼ばれるものの実力を見てみたいのだ
セフィリア 「えっと・・・まぁ、少しでしたら・・・」
なのは 「おと~さん!セフィさんはせっかくのお休みなんだよ!」
セフィリア 「少しだったら大丈夫だよ。
それに7日もお休みじゃ腕が鈍ってしまうからね。」
なのは 「でもでも・・・セフィさんが本気だしたら・・・」
なのはは防衛プログラムと戦った時のセフィリアを思い出して焦る
セフィリア 「大丈夫だよ。
今、アマテラスはアースラに預けてあるし、流石に全力ではやら
ないよ。」
その言葉になのははほっとする
士郎 「じゃまずは美由希やるか!」
美由希 「わ、わたし?」
士郎 「ああ、魔導師とやらの力を見せてもらおう。」
セフィリア 「あの、何か得物をお借りしてもいいですか?」
士郎 「かまわないよ?どれがいい?一通りはそろっているけど?」
セフィリア 「とりあえず同じでお願いします。」
士郎 「君も小太刀の二刀を?」
セフィリア 「小太刀というんですか?形は似てますね。技は我流ですけど。」
士郎 「そうか。じゃこれを使うといい。」
渡された小太刀サイズの木刀を受け取りセフィリアと美由希の二人は道場の真ん中に
立つ
士郎 「それじゃ・・・・はじめ!」
士郎の掛け声で鍛錬という試合が開始された
美由希 「はぁぁぁ!」
開始と同時に美由希が突っ込んでくる
セフィリア (疾い!!!)
美由希の動きの速さに驚くが、逆に間合いを詰め先に斬撃を加える
美由希 「くっ!」
意表を付かれた美由希はなんとか攻撃を受け止める
魔導師の力をみせろと言われたのだ、遠慮なく魔法を使うセフィリア
とはいっても射撃魔法や斬撃を飛ばすなどしてしまえば大惨事になってしまう為
セフィリアは肉体強化と移動魔法のみを発動させる
なんとか攻撃を受け止めた美由希は反撃しようとして驚愕する
美由希 「へ?」
そこにすでにセフィリアの姿はない
後ろから殺気を感じた美由希はとっさに前方に転がる
背後からのセフィリアの攻撃が空を切る
そのまま美由希がセフィリアに向かって何かを投げる・・・・が
またそこにセフィリアの姿はない
そして気付いた時には美由希の後ろから首筋に木刀が突きつけられていた
美由希 「ま、参りました・・・」
士郎 (これほどとは・・・)
士郎 「なのは。以前見たセフィリア君はどうだった?
今よりすごかったかい?」
なのは 「ん~、今日のは全然本気じゃないよ?
セフィさんが本気になっちゃったら、うちなんて一瞬で吹き飛ん
じゃうよ?」
実際はなのはでも、家どころかご近所さんも含めてまとめて吹き飛ばすことは可能
だが、空気を読んで言わないなのはであった
士郎 「魔導師っていうのはすごいもんだな・・・」
美由希 「は~、全然敵わないよ~・・・
ずっと[神速]使われてるみたいなんだもん・・・」
はたから見ればセフィリアの動きは、御神の歩法の奥義[神速]のように見えるが、
実際は微妙に違う
セフィリアは魔力を爆発させて高速で移動するが、移動中は思考が追いつかない
ただあそこに行くと決めて移動を開始するともう着いている
[神速]は知覚を引き上げて、ゆっくりとした時間間隔の中を無理矢理高速で動く
技なのだ
簡単な違いでいうとセフィリアの魔力による移動は移動中は何も考えられない
[神速]は移動中でも考えることが出来て行動を変化させることが出来る
しかし[神速]にも短所はあり、精神肉体どちらも疲弊が早い
使用を続ければ動けなくなり最悪体を壊すこともある
そんな違いがあった
士郎 「よし、恭也。やってみろ。」
恭也 「わかった。」
美由希の時と同じようにお互い道場の真ん中に立つ
士郎 「始め!」
美由希と違い恭也は動かない
セフィリア 「はぁっ!」
連続して斬撃を放つセフィリアの剣を恭也は躱し受けていくが・・・
そのセフィリアの攻撃がだんだん早く、次第に見えないほどになっていく
はたから見ると腕がいくつもあるように見えるほどになってきた
流石の恭也もたまらず一旦距離を取る
恭也 「くっ!」
そしてセフィリアに向かって何かを投げる
その瞬間セフィリアは魔法を発動、高速移動を開始し美由希の時と同じように恭也の
背後に回ろうとしたが・・・
恭也も飛針を投げた瞬間[神速]発動する
すると恭也の眼には、セフィリアがゆっくり移動するのが見える
そのセフィリアの動きに合わせて、重たいゼリーの中を移動するように動いていく
セフィリアは恭也の背後を取った!・・・
はずだった・・・
しかしそこに恭也はいなかった
セフィリア 「えっ!?」
すると驚くセフィリアの背後から恭也の剣が首に当てられた・・・
セフィリア 「ま・・・参りました・・・」
士郎 「よし!ここまでにするか!」
なのははさすがに兄が勝つとは思っておらず眼を大きく見開いていた
なのは 「おに~ちゃんこんなに強かったんだ~!」
恭也 「いや、ぎりぎりだったさ。」
なのはの頭を撫でながら恭也が言う
実際冷や汗ものだったのも事実であった・・・
[神速]を使うタイミングを少しでも間違えれば、セフィリアの動きには追い付けない
[神速]の中ではゆっくりに見える動きだが、実際は一瞬の中の出来事だ
一瞬でも読み違えれば結果は変わるのだ
なのは 「セフィさんもお疲れ様♪」
セフィリア 「本当に強いお兄さんだね~。驚いちゃったよ。」
セフィリアも信じられない思いでいっぱいだった
管理局の仕事をしてる以上、相手の手札が分からない中で戦闘になることなど
いつものことだ
よっていつもは戦闘に関して油断などしない
しかし今日は違う、相手はあくまでも魔法の使えない管理外世界の人間だ
どんなに強いと言われても管理外世界の住人だと、魔導師が負けることはないと
思っていた
今日の勝負など、相手が自分に合わせてくれたからいい勝負に見えただけだ
開始の合図とともにあの高速移動の技を使われていたら、それこそ一瞬で勝負は
決まっていただろう
セフィリア (今日はいい経験になった。あれが実戦だったら死んでいた・・・
そうだ、管理世界だろうが管理外世界だろうが強い人、特殊な技を
持つ人間はいるんだ。
そしてその全てが必ずしも善人とは限らないんだ・・・)
セフィリアは魔導師としての驕りがあったことを自覚・反省し、今日の出会いと
出来事に感謝した
鍛錬を終えリビングに移動した一行は
士郎 「もうすぐ昼食だ。美由希、先に汗を流してきなさい。」
美由希 「え?セフィリアさんが先でいいよ。」
士郎 「付き合いは短いが、セフィリアさんが女性より先に入るような人で
ないことは分かるぞ。
いいから入ってこい。うしろがつかえてる。」
美由希 「は、は~い。」
美由希は汗を流すためにぱたぱたとお風呂場に走る
士郎 「セフィリア君は少し待っていてくれ。
美由希のあとに汗を流すといい。」
セフィリア 「いや、自分は大丈夫ですよ。服の替えも無いですから・・・」
恭也 「服は自分のを使って下さい。いい鍛錬をさせてもらったお礼です。」
士郎 「それにもうすぐ昼食だからな。
うちでは食事はちゃんと汗を流して、さっぱりしてから食べるん
だよ。」
セフィリア 「そ・・そうなんですか?では、あとで使わせてもらいます。」
すると玄関の開く音が聞こえた
・・・ 「ただいま~。」
リビングに入ってきた少女をみてセフィリアに?が浮かぶ
セフィリア 「?・・・はやてちゃん?」
・・・ 「どなたです?」
士郎 「最近なのはが友達になった娘だよ。レンちゃんに似ててね。」
なのは 「あははは・・・」
士郎となのはが苦笑する
・・・ 「あ、やっと帰ってきたか!このドンガメ!もうすぐお昼なんだぞ。
お前が準備しないなら俺が作っちまうぞ!」
・・・ 「あかん!今日の当番はうちなんや!おサルは黙ってすわっとき!」
・・・ 「なんだと、このカメ!」
なのは 「ふたりともケンカしないの~~!」
恭也 「二人ともお客さんの前だぞ!」
恭也に注意され途端に二人の少女はおとなしくなる
・・・ 「すんません。」
・・・ 「すみません。」
なのは 「こちらセフィリア・ロムレットさん。なのはの先輩さん。」
レンフェイ 「はじめまして、鳳蓮飛です。レンって呼んでください。」」
晶 「はじめまして、城島晶です。俺は晶でいいです。」
セフィリア 「はじめまして。宜しくね、レンちゃん、晶ちゃん。」
セフィリアの挨拶を聞いて、なのは・士郎・恭也が内心驚いていたことに気付かない
セフィリアだった
三人 (晶を女の子って見抜いた・・・)
桃子 「あら♪レンちゃん、おか~えり♪今日のごはんは?」
レンフェイ 「今日はチンジャオロースと八宝菜にかに玉、あとエビチリに
中華スープです♪」
士郎 「それは楽しみだ。」
レンフェイ 「ほんなら、ぱぱっと作っちゃいます♪」
美由希 「お待たせしました。」
士郎 「お、じゃあセフィリア君、次どうぞ。」
セフィリア 「すみません。じゃお先にいただきます。」
恭也 「タオルと着替えは脱衣所に置いておきますから、ごゆっくり
どうぞ。」
セフィリアは汗を流しにお風呂場に向かった
・
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セフィリアのあと恭也が汗を流し、昼食となった高町家一同はテーブルにつく
セフィリア 「いい匂いですね。美味しそうです。」
桃子 「それじゃあ、いただきましょうか♪」
全員 「いただきます。」
いっせいに昼食を食べ始める
セフィリア 「美味しいですね。これも日本食ですか?」
士郎 「これは中華料理といって中国という国の料理だよ。」
セフィリア 「そうなんですね。
この世界は食事が本当に美味しくて、空気もきれいでいいところ
ですね。
本当に来れてよかったです。」
晶 「じゃあ、今度は俺が当番の時に来て下さいよ。
俺は日本料理得意ですから。」
セフィリア 「晶ちゃんも料理得意なんだ?なのはちゃんのおうちはすごいですね。
皆さん料理上手で・・・
お店で頂いた美由希さんの料理も本当に絶品でしたから♪」
その瞬間セフィリア以外の全員が固まる
特に美由希はせっかく流した汗をだらだらとかいている・・・
もちろん冷や汗だが・・・
恭也 「美由希・・・お前・・・」
なのは 「お・・おね~・・・ちゃん・・・」
士郎 「み・・・美由希・・・」
レンフェイ 「み・・ゆ・き・・・ちゃん。」
晶 「あ・・あああ・・・」
桃子 「・・・・・・・・・・」
美由希 「あは・・はははは・・はは・・・」
セフィリア 「?」
食事の後、何故かみんなから怒られている美由希を、セフィリアは不思議そうに
見ていた
士郎 「セフィリア君は、あとどのくらいこっちにいるんだい?」
セフィリア 「あと三日ほどこちらに泊まって、4日目のお昼前にミッドに戻り
ます。」
士郎 「そうか、あと一度くらいお店に来てくれな。」
セフィリア 「ぜひ!
あ、そうだ4日後の朝に、30個ほどシュークリームをお土産で
頂きたいのですが、大丈夫でしょうか?」
桃子 「あら♪大丈夫よ~♪ありがとね♪」
士郎 「一緒に詰めていいのかい?何個かに分けようか?」
セフィリア 「すみません。では、2個3個4個21個でお願いします。」
士郎 「2・3・4・21だね。わかった。準備しておくよ。」
セフィリア 「助かります。ありがとうございます。」
美由希 「残りのお休みはどこかに行かれるんですか?」
セフィリア 「そうですね。この近辺はだいたい回ったんですが、
どこか他におすすめの場所とか食べ物とかありますか?」
恭也 「温泉などどうです?
少し山の方になりますが、なかなかいいところですよ。」
晶 「食べ物だったらお蕎麦とかどうです?日本食ですし。」
セフィリア 「温泉とお蕎麦ですか?温泉とは何でしょう?」
恭也 「温泉は、地下から暖かいお湯が出るところがあり、それをお風呂に
してあるところです。
場所によっては、景色を見ながら入れたりするので、リフレッシュ
にももってこいですよ」
晶 「お蕎麦は、茹でた麺をツユにつけて食べる料理です。
のど越しと香りがよくてとっても美味しいですよ。」
セフィリア 「その、よかったらおすすめのお店の場所を教えて頂けますか?」
そう言いながら宙に海鳴とその近隣の地図が表示される
レンフェイ 「おお!魔法ってそないなことも出来るんですね?」
晶 「お蕎麦はここです。
茅場町ってところで、美味しいお店があるんですよ。」
恭也 「温泉はここですね。景色もよくていいところですよ。」
そんな話をしていると唐突に士郎が聞いてきた
士郎 「そういえばセフィリア君はいくつなんだい?」
セフィリア 「16です。」
士郎 「え!」
セフィリア 「どうかされましたか?」
士郎 「いや、ずいぶん落ち着いているから・・・
20歳くらいだと思っていたからね・・・」
セフィリア 「まだまだ子供ですよ。」
そんなこんなでセフィリアはこの日高町家で一日を過ごした
第十一話でした
魔法による高速移動と[神速]の違い伝わりましたかね・・・
戦闘もあっけなく終わりましたね・・・
でも実際に高速移動とかあったらあっという間に勝負は着くと思うんですよね
作中の設定では恭也はすでに完成していますが、美由希はまだ至っていません
(独学で完成まじかまでいってたんだから、士郎が居て膝も壊していなければすでに
完成していてもおかしくない・・・ですよね?)
美由希の料理は原作同様破滅的バイオケミカルです笑
ではまた次回もよろしくお願いします