ファーストストライカー   作:孤独ネコ

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作間期編
第14話 英雄生還


新暦66年4月

 

陸士108部隊 隊舎 第一分隊室

 

セフィリア  「お・・・終わった・・・」

 

ダコスタ   「燃え尽きてるな~・・・」

 

セフィリアは前日に階級の昇進試験が終了し、自分のデスクで魂尽き果てていた

 

ゲンヤに「基本出動せずに試験の勉強・対策に当たれ」と言われたが、

タイミングの悪いことに出動せざるを得ない事件が多発し、寝る間も惜しんで勉強

していた為、今まさに寝不足の極地だった・・・

 

ゲンヤ    「お、燃え尽きてるな。」

 

ゲンヤが第一分隊室に現れセフィリアをイジる

 

ダコスタ   「限界ですかね・・・」

 

ゲンヤ    「ここ三週間はロクに寝てねぇだろうからな。

 

        明日から2日間の休暇をやってるが・・・

 

        これじゃ仕事になんねぇだろうな・・・」

 

二人は口から魂が出ているセフィリアを見ながら苦笑している

 

ゲンヤ    「おい、セフィ。今日はもう帰っていいぞ。」

 

セフィリア  「あ・・ありがとう・・・ございます。」

 

ゲンヤ    「お前ぇさんその様子じゃ、ロクに飯も食わねぇで寝ちまいそうだな。

 

        おい、ダコスタ。すまねぇがこいつを俺ん家まで送ってやってく

        れや。

 

        ギンガには連絡しとくからよ。」

 

ダコスタ   「しかたないっスね、了解しました。」

 

こうしてセフィリアはナカジマ家へ強制搬送された

 

 

 

 

ナカジマ家前

 

ダコスタ   「じゃ、ゆっくり休めよ。

 

        あ、もう敬語じゃねえとまずいか?

 

        階級も上になっちまったもんな。」

 

セフィリア  「構いませんよ、先輩は先輩ですから。」

 

ダコスタ   「甘いな、お前は。ま、それもいいところか。じゃあな。」

 

セフィリア  「はい。送っていただいて、ありがとうございました。」

 

ダコスタはセフィリアを送り届けて陸士108部隊へ戻っていった

 

セフィリア  「さて、と。」

 

セフィリアはナカジマ家の呼び鈴を鳴らす

 

ギンガ    「はい。あ、セフィお兄ちゃん。いらっしゃい。」

 

セフィリア  「お邪魔します。」

 

スバル    「セフィ兄♪」

 

ギンガ    「今お茶入れますね。」

 

スバル    「セフィ兄、あそぼ~。」

 

ギンガ    「スバル、今日セフィお兄ちゃんはとっても疲れてるんだって。

 

        お父さんが今日はお兄ちゃんをゆっくりさせてあげてって言ってた

        から遊ぶのは我慢してね。」

 

スバル    「セフィ兄つかれてるの?」

 

セフィリア  「少し寝てなくてね、もうげん・・か・・・い・・・・」

 

スバル    「セフィ兄?」

 

ギンガ    「寝ちゃったね。」

 

ナカジマ家のリビングで出されたお茶にも手を付けず・・・

 

セフィリアは気絶するように眠りについてしまった・・・

 

 

 

 

夕方になってクイントとゲンヤが帰宅する

 

クイント   「ただいま~♪」

 

ゲンヤ    「帰ったぞ~。」

 

声をかけるといつもならギンガとスバルが出迎えに来るはずが来ない・・・

 

二人は不思議に思いながらリビングに入る

 

クイント   「ふふっ、幸せそうね♪」

 

ゲンヤ    「ふっ、そうだな。」

 

そこには大の字になって眠るセフィリアと、セフィリアの両腕をそれぞれ腕枕にして

眠るギンガとスバルの姿があった

 

 

 

 

クイントとゲンヤが帰宅して一時間と少し経ったころ

 

スバル    「セフィ兄、ごはんだよ~。おきて~。」

 

セフィリア  「う・・・ん。あ~、スバルちゃん、おはよ。」

 

ギンガ    「セフィお兄ちゃん、もう準備できるからお顔洗ってきたら?」

 

セフィリア  「ありがとう。」

 

眠気眼のセフィリアにギンガが顔を洗うようにすすめる

 

顔を洗って戻ってくると豪華な食事が準備されていた

 

クイント   「さ、セフィちゃん。座って座って♪今日は主役なんだから♪」

 

セフィリア  「なんのことですか?」

 

セフィリアは意味が分からず不思議そうな顔をしている

 

ゲンヤ    「お前ぇさんの昇進祝いだよ。」

 

セフィリア  「そんな悪いですよ。」

 

クイント   「いいのいいの。もう準備しちゃったし♪」

 

何も聞かされていなかったセフィリアは申し訳なさそうにする

 

スバル    「セフィ兄おなかすいた~、はやくたべよ~。」

 

セフィリア  「ごめんごめん。ゲンヤさんクイントさん、ありがとうございます。」

 

ゲンヤ    「おう。」

 

セフィリア  「ギンガちゃんとスバルちゃんもありがとね。」

 

ギンガ    「セフィお兄ちゃん、おめでとう。」

 

スバル    「セフィ兄、おめでと~。」

 

全員にグラスが配られそれぞれ飲み物が注がれる

 

クイント   「では、セフィちゃんの准空尉昇進を祝って・・・・カンパ~イ♪」

 

全員     「かんぱーい!」

 

こうしてセフィリアはナカジマ家の面々に昇進を祝ってもらった

 

当然のようにこの日はナカジマ家に宿泊し、2日間の休暇で十分に体を休め英気を養う

セフィリアだった

 

 

 

 

新暦67年 5月

 

管轄内で交通事故が起き、通常なら他の分隊が現地調査に向かう予定だったが、

生憎と出払っていた為セフィリア率いる第一分隊が出動していた

 

セフィリア  「とりあえずケガ人も無く、大事にはならなくてよかったけど・・・」

 

ダコスタ   「セフィ、事故車両の回収手配も終わったぜ。」

 

セフィリア  「了解しました。では隊舎に戻りましょうか。」

 

帰還しようとした矢先アマテラスに直接通信が入った

 

ゲンヤ    「すまねぇ、今大丈夫か?」

 

セフィリア  「はい。先ほど調査も終了し、今から戻ろうかと。」

 

ゲンヤ    「そうかい、丁度いい。ちょっと一人になれるか?」

 

ゲンヤの言葉と口調に、何か重たいものを感じたセフィリア

 

セフィリア  「少々お待ちください・・・

 

        ダコスタさん先に戻って後の処理と報告書の提出をお願い出来ま

        すか?」

 

ダコスタ   「・・・了解。おい!撤収だ!」

 

いつもなら報告書はセフィリアが作成するため何かあったのだろうと察した

ダコスタは、何も言わず隊舎に戻るよう隊員に指示を出し始める

 

セフィリア  「ナカジマ三佐、もう大丈夫です。」

 

ゲンヤ    「おう、すまんな。ちょいとお前さんに頼みがある。

 

        個人的なものになっちまうんでな、あまりでけぇ声じゃ言えねぇん

        だが・・・」

 

セフィリア  「なに言ってるんですか、水くさいですよ。」

 

ゲンヤが個人的なことで隊員を動かすなど、よほどのことではない

 

ゲンヤ    「さっきクイントから連絡があってな・・・

 

        つっても文章だけのもんだが・・・

 

        あいつが所属している部隊が調査を進めていた、違法研究所の調査

        なんだが・・・

 

        理由も無しに調査停止命令が出る気配があったらしくてな・・・

 

        それであいつんとこの隊長が、命令が出る前に強制調査に踏み

        切ったらしい。

 

        俺の思い過ごしならいいんだが、何か嫌な予感がしてな・・・」

 

セフィリア  「違法研究だというのに理由も無しで停止命令ですか・・・

 

        危険性を考慮しての延期で、再度より詳しい調査命令とかなら分か

        りますが・・・

 

        確かにおかしいですね・・・」

 

ゲンヤ    「正直職権乱用と言われても仕方ねぇ頼みなんだが・・・

 

        お前ぇさんくらいにしか頼めそうな奴も思い当たらなくてな・・・

 

        大分悩んだが・・・責任は俺が取る・・・

 

        頼まれてくれねぇか?」

 

セフィリア  「さっきも言いましたが、水くさいですよ。

 

        ゲンヤさんにもクイントさんにも何も恩返し出来てないですからね。

 

        いい機会ですよ。

 

        それにクイントさんに何かあったら、ギンガちゃんやスバルちゃん

        が悲しみますから。」

 

ゲンヤ    「すまねぇな、セフィ。恩に着る。」

 

こうしてセフィリアは、ゲンヤから確認したクイントが向かったという違法研究所へ

向かった

 

 

 

 

クラナガン南部 戦闘機人研究施設

 

クイント   「くっ!数が多い!」

 

メガーヌ   「形は違うけどあの時の機械兵器に似てるわね!」

 

クイント達首都防衛隊所属のゼスト隊は、以前の違法研究所調査の際に、

セフィリアが破壊したものに似た機械兵器の大群による襲撃を受けていた

 

クイント   「AMFこそ展開されていないけど・・・

 

        このままじゃジリ貧ね・・・」

 

メガーヌ   「先に向かったゼスト隊長達も襲撃を受けているでしょうね・・・」

 

クイント達が襲撃を受けているころ、セフィリアは目標地点の洞窟の入り口に到着し

ていた

 

セフィリア  「ここか?」

 

アマテラス  「奥で戦闘の反応があります。」

 

セフィリア  「よし、救援に行くぞ。セットアップ!」

 

アマテラス  「了解!」

 

騎士甲冑を纏ったセフィリアは迷わず洞窟の奥に飛翔していく

 

 

 

 

クイント   「きゃあ!」

 

メガーヌ   「クイント!」

 

クイントとメガーヌは機械兵器の大群にジリジリとダメージを受けていき、すでに

満身創痍になっていた

 

メガーヌ   「大丈夫?クイント?」

 

クイント   「はぁ・・はぁ・・、まずいわね、このままじゃ・・・

 

        あたしが囮になる、メガーヌあんたは何とか脱出しなさい・・・」

 

メガーヌ   「何言ってるの!」

 

敗北を察したクイントはメガーヌだけでも逃がそうとする

 

クイント   「あんたなら逃げるのに徹すればなんとかなるでしょ・・・

 

        行きなさい!」

 

メガーヌ   「わたしだけ逃げるなんてまっぴらよ!」

 

クイント   「あんたには生まれたばかりの子がいるでしょ!

 

        このままじゃあんたのこと顔も知らないままになってしまうわよ!」

 

そんな問答をしていると入り口側にいた機械兵器が突如爆発した・・・

 

と思ったら次々と他の機械兵器も爆発していく

 

そして爆発が二人にだんだんと近づいてくる

 

クイント   「なに!?」

 

メガーヌ   「何か来る?」

 

そこに双爪のデバイスを装備したセフィリアが現れる

 

セフィリア  「間に合ったみたいですね。」

 

メガーヌ   「セ・・・セフィちゃん?」

 

クイント   「あ・・あんた・・・なんで?」

 

セフィリア  「話は後です。とりあえずこいつらを潰します!

 

        お二人はここにいてください!」

 

そう言うと以前と同様にセフィリアの姿が消え、周囲の機械兵器が次々と破壊されて

いく・・・

 

ものの数十秒で援軍を含めた機械兵器を全滅させたセフィリアが二人の元へ来る

 

セフィリア  「クイントさんメガーヌさん、大丈夫ですか?」

 

メガーヌ   「相変わらずね、セフィちゃん。助かったわ。」

 

クイント   「セフィちゃん、どうしてここに?」

 

セフィリア  「ええと・・・その・・・第六感が働きまして。」

 

セフィリアがバレバレの嘘で誤魔化そうとする

 

クイント   (あの人の仕業ね・・・

 

        ま、ここは素直に感謝するとしましょうか・・・)

 

メガーヌ   「第六感って・・・ま、今はいいわ。

 

        隊長ならあの程度の敵は問題ないと思うけど、奥に進みましょ

        うか。」

 

三人が奥に進もうとしたと同時に通信が入る

 

ゼスト隊隊員A「副隊長!隊長が・・・俺たちを庇って!」

 

メガーヌ   「急ぐわよ!」

 

ゼストに危機が迫っていることを知った三人は研究施設奥に急ぐ

 

 

 

 

首都防衛隊ゼスト隊隊長ゼスト・グランガイツは、戦闘機人の襲撃から隊員を庇い

傷を負い、その傷が原因で戦闘機人に敗北していた

 

ゼスト隊隊員A「隊長!」

 

トーレ    「よくやったチンク。

 

        オーバー[S]ランク魔導師を一人で撃破するとは・・・」

 

クアットロ  「さぁ~、チンクちゃん。さっさと止めを刺しちゃいなさ~い。」

 

ゼスト隊隊員A「くっ!隊長が・・・」

 

隊員達は機械兵器に阻まれ、自身達も深い傷を負っていた

 

チンク    「あなたは強かった、せめて苦しまぬように・・・」

 

チンクが「止めを刺してやる」と言おうとした時

 

ウーノ    「あなた達至急離脱しなさい!」

 

彼女達の長女であるウーノからの連絡が入る

 

トーレ    「ウーノ姉。何事だ?」

 

ウーノ    「説明は後でします!いいから離脱しなさい!」

 

クアットロもチンクも何事かという顔をしている

 

クアットロ  「ここまで追い詰めたのにぃ~?」

 

・・・    「もうすぐそこに管理局員がやってくる。

 

        なかなかやっかいな相手でね。」

 

トーレ    「ドクター。」

 

・・・    「今君たちを失う訳にはいかないのでね。分かってくれたまえ。」

 

クアットロ  「仕方ありませんわねぇ~。チンクちゃんいくわよぉ~。」

 

チンクは無言で研究施設のある洞窟の更に奥へと走る

 

クアットロとトーレもそれに続こうとするが・・・

 

ゼスト    「貴様ら・・・」

 

重傷を負いながらも今だ鋭い視線を向けるゼストにトーレが答える

 

トーレ    「命拾いしたな・・・」

 

そう言い残し戦闘機人達は姿を消したが、機械兵器の脅威は今だ残っていた

 

すると洞窟入り口側の通路から、タイヤが地面を走る音が聞こえ人影が現れる

 

クイント   「隊長!」

 

クイントが声をかけるが気絶しているのかゼストからの返答がない

 

ゼスト隊隊員B「副隊長!」

 

ゼスト自身も危険だったが、隊員たちも機械兵器に囲まれ窮地に陥っている

 

セフィリア  「クイントさんとメガーヌさんは、ゼスト隊長をお願いします!」

 

英雄と呼ばれ、管理局でも有名であるゼスト・グランガイツの顔は、セフィリアも

もちろん知っていた

 

異常な信者であったアルフレッドの熱心な売り込みの賜物でもあったが・・・

 

セフィリア  「皆さんは全力で障壁を展開して、爆風に備えてください。」

 

ゼスト隊隊員B「何を言っているこの数相手に!」

 

隊長達が抗議の声を上げるがメガーヌが一括する

 

メガーヌ   「あなた達は彼の言う通り、黙って障壁を展開しなさい!!!」

 

普段温和であまり声を上げることのないメガーヌの形相に、隊員達が慌てて障壁を

展開する

 

セフィリア  「アマテラス、フォルムフィーア!」

 

アマテラス  「ビャッコフォルム!」

 

アマテラスが双爪に変化するとセフィリアは一気呵成に出る

 

セフィリア  「ストームストライク!」

 

セフィリアは、瞬間移動ともとれるほどの高速移動を行い、ほぼ一瞬で隊員たちの

周囲にいた機械兵器を一掃する

 

ゼスト隊隊員A「なっ・・・」

 

ゼスト隊隊員B「あいつ・・・何者だ・・・」

 

ゼスト隊隊員C「ま・・まだ奥から来るぞ!」

 

戦闘機人が入っていった奥の通路から大量の機械兵器が出現するとともに、

更に奥から大きな爆発音が何度も轟く

 

ゼスト隊隊員B「なんだ?・・・爆発?」

 

クイント   「おそらく施設の破棄をかねて爆発させたんでしょうね・・・」

 

セフィリア  「とりあえず残りの敵を殲滅しますので、クイントさんとメガーヌさん

        は負傷者の救助をお願いします。」

 

クイント   「わかったわ!」

 

メガーヌ   「ええ!」

 

セフィリア  「アマテラス、フォルムドライ!」

 

アマテラス  「セイリュウフォルム!」

 

セフィリアの腕にあった双爪が大きな槍に変化する

 

セフィリア  「アサルト・・・ストラーイク!!!」

 

セフィリアは槍を突き出し一直線に洞窟の奥に突撃する

 

通路から一直線に固まっていた機械兵器と一緒にまだまだ通路の奥にいた機械兵器も

一掃する

 

ゼスト隊隊員C「す・・すげぇ・・・」

 

ゼスト隊隊員A「化け物だ・・・」

 

セフィリア  「とりあえず敵機の反応は消えましたが、ここにいては危険があるか

        もしれません。

 

        皆さん一旦洞窟の外に移動しましょう。

 

        動ける方は重症の方に力をかしてあげて下さい。」

 

こうしてセフィリアの助けもあり、重傷者は出たものの犠牲者無くゼスト隊は帰還する

ことが出来たのだった

 

 

 

 

クラナガンに戻って負傷者を病院に送り、現在は首都防衛隊隊舎の医務室で軽傷者の

治療を行っていた

 

クイント   「セフィちゃん、今回は助かったわ♪」

 

メガーヌ   「ゼスト隊長も命に別状はなかったし。ありがと♪」

 

セフィリア  「無事でなによりですよ。

 

        もう少し早く来れればよかったんですが飛行許可申請ができな

        くて・・・」

 

クイントとメガーヌも軽症の為、治療に立ち会っていたセフィリアだったが、

話をしている中でつい口が滑ってしまった

 

クイント   「やっぱり無断出撃なのね!」

 

メガーヌ   「もともと秘匿任務で私達以外は誰も出動を知らない筈だも

        のね・・・」

 

クイントとメガーヌは今回のセフィリアの救援は、もしかしたら管理局上層部が

ゼスト隊の出動を知り、救援命令を出してくれたのかもしれないと極々淡い期待を

していた

 

が、その期待はあっけなく裏切られた・・・、

 

セフィリア  「あ、いや・・・その・・・」

 

根回しもないまま大事になれば、自分だけでなくゲンヤや情報を漏らしたクイントも

ただでは済まなくなる

 

一番の方法は、ゼストが目を覚ましたあとゲンヤと口裏を合わせて、

 

[事前に救援依頼を受けていた]という流れが一番なのだ

 

それでも報告をおこたったということで訓告程度はあるであろうが・・・

 

メガーヌ   「いいわよ、今は何も聞かないでおくわ。」

 

クイント   「隊長が目を覚ましたら相談してあげる。」

 

ゼストは基本堅物で命令違反や規律違反は許さない・・・

 

しかし部下を大事にするのも大な人物なので、

今回のような場合融通がきく可能性が高いとクイントは見越していた

 

セフィリア  「す・・すみません・・・宜しくお願いします。」

 

とりあえずこの日は隊の被害状況の確認などもあるため、一旦解散となりセフィリアは

隊舎へと戻っていった

 

 

 

 

4日後

 

クラナガン中央病院

 

ゼストの入院から4日経ち意識も戻ったという連絡を受け、セフィリアは病院まで

お見舞いに来ていた

 

メガーヌ   「どうぞ。」

 

セフィリア  「失礼します。」

 

メガーヌ   「あら、セフィちゃん。隊長のお見舞いに来てくれたの?」

 

セフィリア  「はい、グランガイツ一等空尉の意識が戻られたと伺ったので。」

 

ゼスト    「君は?」

 

セフィリアは敬礼しながら答える

 

セフィリア  「陸上警備隊・陸士108部隊所属セフィリア・ロムレット三等空尉

        であります。」

 

ゼスト    「そうか君が・・・」

 

寝たままで答えるゼストだったが顔色は良さそうにみえた

 

セフィリア  「お体の調子もよさそうでよかったです。」

 

ゼスト    「なに、君のおかげだ。」

 

セフィリア  「間に合ってよかったです。」

 

ゼスト    「メガーヌすまないが、飲み物を準備してくれるか。」

 

メガーヌ   「はい。買ってきます。」

 

セフィリア  「あ、お構いなく。すぐ失礼しますから。

 

        この後隊舎に戻らなくてはいけませんし。」

 

仕事中に時間を作って来ていたセフィリアは、すぐ戻ることを告げる

 

が、ゼストがそれを引き留める

 

ゼスト    「少々話したいこともある、少し付き合ってくれ。」

 

セフィリア  「は、はぁ。」

 

メガーヌ   「じゃ、いってきます。」

 

メガーヌが病室を出ていくとゼストが話し始める

 

ゼスト    「君が今日来たのは、無断出撃のことではないのか?」

 

セフィリア  「いえ、その件はナカジマ三佐に任せろと言われておりますから。

 

        それにもし問題が起きた場合の手段は考えてありますし・・・」

 

ゼスト    「ほう?考えとは?」

 

セフィリア  「私の独断行動で通します。」

 

やはりなという顔でゼストはセフィリアの考えに反論する

 

ゼスト    「独断行動を主張しても、結局どこから情報が漏れたかは追及される。

 

        クイントやナカジマ三佐の処罰は免れんぞ。」

 

セフィリアが一人で罪を被ろうとしていると感づいたゼストは、詰めの甘さを突く

 

セフィリア  「・・・。

 

        私には例の機械兵器と因縁があります。

 

        まったく同じではありませんでしたが、おそらく同系統のもので

        しょう。

 

        幼少のころに父と母を失った事件の際にも、昨年の違法研究所調査

        の際にも、今回の機械兵器と関連があるものに襲われています。

 

        ですので、独自に調査をしていた理由も存在しますから、自分で

        突き止めたということで押し通します。

 

        ナカジマ三佐達は自分を庇って頂いていることにします。」

 

ゼスト    「なるほどな・・・・

 

        それならば三佐やクイントの罪は訓告程度だろうな。

 

        だが、君はそうはいかんぞ、よくて降格・・・

 

        最悪免職もありえる。」

 

セフィリア  「覚悟していますよ。

 

        私は父の遺志を継いで管理局で働いています。

 

        助けられる者を見捨てることは出来ません。

 

        それにあなたは私の親友の憧れの人なんですよ。

 

        私のせいで管理局を退局になってしまった・・・

 

        あなたと同じ空を飛ぶことを目標にしていた親友の憧れの人なん

        です。

 

        その人を護ってクビになるなら本望ですよ。」

 

すでに覚悟が決まっているのか、セフィリアは淡々とした口調で話す

 

ゼスト    「ふっ、やはりアンドリューの息子だな。

 

        そんなところはそっくりだ。」

 

セフィリア  「父をご存じで?」

 

まさかゼストから父の名前が出るとは思ってもみなかったセフィリアは驚く

 

ゼスト    「私も、それなりに長く管理局に努めているからな。

 

        任務で数回一緒になったことがある。

 

        性格はあまり似てないようだが・・・

 

        顔と他人を助けるために自身のことには無頓着なところなどは

        よく似ているよ。」

 

セフィリア  「そうかもしれません。

 

        もともと権力にはあまり興味がありませんから・・・」

 

ゼスト    「君がどんな人間かはわかった。

 

        無断出動については、すでにナカジマ三佐に連絡をしてある。

 

        当日出撃前に、私から口頭でナカジマ三佐に救援依頼を願い出た

        ことになっている。

 

        君も口裏を合わせておいてくれ。」

 

セフィリア  「りょ・・了解しました。」

 

堅物と聞いていたゼストの意外な処置にセフィリアは目を丸くした

 

ゼスト    「ふっ・・・改めてだが・・・

 

        部下を救ってくれて・・・ありがとう。」

 

セフィリア  「いえ・・・」

 

ゼストの意外な一面に面食らいながらも、アルフレッドが憧れるのも分かる気がする

と思いながら、セフィリアは病室を後にし隊舎へ戻った




第十四話でした

ゼスト隊長他二名の生存ルートでした

辻褄合ってる・・・か?

ちなみにクイントがゲンヤに出動をバラしたのは何かあったら娘達を宜しく的なやつ
です
(決して救援よろしくではありません)

誰が何と言おうと私はハッピーエンドが大好きなのです!

皆さんに届け、私の想い!

今回からは[AS]と[StrikerS]の間ということで[作間期]とします

ではまた次回もよろしくお願いします
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