新暦72年2月
クラナガン中央部郊外 [オール・ス・マイル]
セフィリアに案内されて、はやてはセフィリアの友人が経営するという店の前に立つ
はやて 「きれいでお洒落なお店ですね。」
セフィリア 「建物も新しく建てたみたいだし、そういうお洒落な建物とかに
慣れ親しんだやつだからね。」
セフィリアの口調から男性の友人だろうと推測する
はやて (もし女性やったら、フェイトちゃんになんて言ったらいいか分かれ
へんところやったわ・・・)
一応はやてはフェイトに、今夜セフィリアと二人でここに行くことを伝えていた
セフィリア 「じゃ、入ろうか。
今日は俺たち以外は呼んで無いそうだから、気楽にして大丈夫
だよ。」
セフィリア (もしあいつの両親とかいたら、緊張して味なんか分からないだろ
うしな・・・)
扉を開けると小気味のいいベルの音が鳴る
すると店の奥からセフィリアとは違う感じの好青年が現れる
アルフレッド 「おう、いらっしゃい。待ってたぜ、セフィ。」
セフィリア 「おめでとう、アル。」
アルフレッド 「こちらの美しい女性は?」
アルフレッドのこういうところが軽そうと言われる所以なのだが、こればかりは仕方
が無かった
なぜなら所謂上流階級の生まれだからである
幼少のころからパーティなどに出席することが多かったアルフレッドは、女性の扱いも
まるで貴族のようになってしまったのだ
はやて (面と向かって美しいなんて言われたん初めてや・・・)
セフィリア 「管理局の同僚でよくして頂いてる方でね。
今日はわがままを言って来てもらったんだ。」
はやて 「八神はやていいます。
セフィさんには以前から世話になってばっかりで。」
アルフレッド 「ここの店主でアルフレッド・ミハエルです。宜しく。」
はやて 「宜しくお願いします。」
アルフレッド 「しかしセフィ、お前いつの間にこんな美人の彼女作ったんだよ!」
セフィリア 「勘違いするなよ。彼女はただの同僚だよ。
俺がはやてちゃんみたいな美人に相手にされるわけないだろ。」
アルフレッド (でたよ・・・相変わらずの鈍感発言・・・)
アルフレッド 「ま、それはいいや。
もう準備出来てるから、早速食べて感想教えてくれよな。
八神さんも忌憚の無い意見をお願いね。」
はやて 「私のことははやてでええですよ。」
アルフレッド 「そう?じゃ、はやてちゃんも本当に遠慮しないでね。」
はやて 「はい。」
そして料理の味見が始まった
アルフレッド 「さ、とりあえず出来るだけいろんな料理を味見してほしいからさ。
一口ずつくらいで用意したから、食べてみてくれよ。」
はやて 「日本料理やないですか。」
アルフレッド 「そうなんだ。はやてちゃんも日本料理好きなの?」
セフィリア 「はやてちゃんは本場の人だからね。」
アルフレッド 「地球出身なの?」
はやて 「地球の日本出身です。」
アルフレッド 「そうなんだ!本場の人に感想を聞けるなんて最高だよ。
ありがとう、セフィにはやてちゃん。」
セフィリア 「しかもはやてちゃんは料理上手だからね。期待していいと思うよ。」
アルフレッド 「マジか!美人で料理上手なんて恋人にしたい人ナンバー1じゃん。
じゃべり方もなんか可愛いし♪」
はやて 「なんや照れます。からかわんといてください。」
セフィリア 「アルはこんな感じで話し方は軽いけど、そういうことで冗談は
言わないよ。
よくも悪くもまっすぐなヤツだからね。」
アルフレッド 「それ褒めてんのか?けなしてんのか?」
セフィリア 「場合によるかな?」
セフィリアは笑いながら冗談を言う
はやて 「仲ええんですね?」
セフィリア 「そうだね。
児童教育校からの付き合いだし、もしアルがいなかったら今の俺は
ないからね。」
アルフレッド 「ったく、いつまで経っても気にするよなぁ、セフィは。」
はやて 「何かあったんですか?」
セフィリアは、アルフレッドを怪我させてしまった過去を説明する
セフィリア 「俺のせいで管理局員として働けなくなってしまったんだ。」
アルフレッド 「いいんだって、かわりにお前がやってくれてる。
活躍は聞いてるし、俺もそんなヤツが友人で誇らしいよ、
龍を力で鎮めた[ストライカー]ってな。
新しい夢も見つけて、こうして叶っていってるしな。」
はやて 「セフィさんそやから昇進断ってはるんですね。
なのはちゃんたちと不思議に思っとったんですよ。」
ベルカ救国の件で管理局は、セフィリアに三等空佐への昇進を打診したが、セフィリア
は現場で働きたいとこれを断っていた
セフィリア 「出来る限り現場にいたくてね。
頭を使うのは身体が動かなくなってからでも出来るし。」
アルフレッド 「俺との約束なんか気にしないで上に行けよ。」
セフィリア 「アルとの約束はもう俺の夢なんだ、全力で危機にある人たちを
助けたい。
それに上の改革はクロノとはやてちゃんに託してるからね。」
初耳のことに驚くはやて
はやて 「わたしですか?わたしなんかまだまだですよ!」
セフィリア 「将来の話だよ。
勝手に期待してるだけだから何も言わなかったけどね。」
アルフレッド 「もしかしてはやてちゃんってすごいの?」
セフィリア 「上級キャリアでもう一等陸尉だからね。
早ければ今年にも三佐だよ。」
アルフレッド 「マジ・・・。すげぇ・・・」
はやて 「持ち上げてもろても何もでませんよ。」
セフィリア 「何もいらないよ。将来俺たちが働きやすい環境を作ってくれれば。」
悪戯顔のセフィリアにはやては
はやて 「せやからプレッシャーかけんといて下さい!
それが一番難しいやないですか!」
セフィリア 「ふふっ、ごめんごめん。
はやてちゃんのペースで頑張ってくれればいいよ。」
アルフレッド 「はやてちゃん今度料理教えてくれない?
本場の味を食べてみたいし、覚えたいんだ。
セフィが忙しくなっちゃって、結局地球にも行けなかったしさ。」
はやて 「私なんかでよければ、いつでもええですよ。」
その後料理の感想を出しつつ、話も弾み楽しく感想会は終了し、
この日ははやてとアルフレッドの初めての出会いとなった
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新暦72年6月
セフィリア家
この日は朝からフェイトがセフィリアを迎えに来ていた
フェイト 「セフィさん、ネクタイ曲がってますよ♪」
フェイト (は~~、しあわせ~♪クロノ、エイミィありがとう♪)
セフィリア 「ありがとう、フェイトちゃん。」
この日はフェイトの義兄であるクロノと、幼少時から世話になっているエイミィの
結婚式であった
セフィリア 「じゃ行こうか。」
フェイト 「はい♪」
セフィリアの運転する車で結婚式会場へ向かう
セフィリア 「フェイトちゃん、今日は一段ときれいだね。」
フェイト 「あ・・・ありがとうございます。」
結婚式ということでドレスを着ていたフェイトにセフィリアは素直な感想を告げる
セフィリア 「なのはちゃんやはやてちゃんと一緒に行かなくてよかったの?」
フェイト 「なのはとはやてには、受付をお願いしたみたいで先に行ってます。」
セフィリア 「そうか、フェイトは家族だもんね。受付はないか。」
フェイト 「そうですね。」
そんなやりとりをしながら会場に到着した
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クラナガン中央部 結婚式会場
フェイト 「クロノ!エイミィ!おめでとう♪」
セフィリア 「二人ともおめでとう。」
会場の控室にいたクロノとエイミィに声をかける
クロノ 「二人ともありがとう。なんか気恥ずかしいが・・・」
エイミィ 「そうして並んでると二人の方が夫婦みたいだね。」
フェイト 「エイミィ!何言ってるの!」
クロノ 「僕としてはそうなって欲しいと願ってたんだが?」
クロノが珍しくフェイトをからかう
フェイト 「クロノまで!」
セフィリア 「二人ともあんまりフェイトちゃんをからかったら可哀そうだよ。」
クロノ (本気なんだがな・・・)
エイミィ (進展してるんだか・・・してないんだか・・・)
セフィリア 「とにかく今日はめでたい日だ。二人ともしっかりね。」
その後程なくして結婚式が始まる
司会者 「本日はお日柄もよく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
司会者が厳かに式を進めていく
リンディ 「思い出すわ~、私もあんな頃があったのよ。」
レティ 「あの小さかったクロノが結婚なんて・・・
私たちも歳をとったのね・・・」
セフィリア 「何を仰ってるんですか、お二人ともまだまだお若いですよ。」
実際二人の年齢は、外見からまったく予想がつかないほど若々しい
レティ 「あら♪お世辞でも嬉しいわよ。」
リンディ 「そうねぇ、クロノも結婚しちゃったし、私も再婚考えちゃおうかな♪
セフィさんを旦那さんにして♪」
フェイト 「義母さん!」
冗談だと思うが、この人は読めないとフェイトが釘を刺す
なのは 「二人とも幸せそうだね~♪」
フェイト 「クロノのあんな顔初めてみるよ。」
はやて 「そやなぁ、なんや感慨深いもんがあるなぁ。」
セフィリア 「結婚か・・・」
フェイトには意味深に呟く、セフィリアの独り言が聞こえていた
式も進み終了の時間となり、最後は全員が笑顔でクロノとエイミィの新しい門出を
祝った
セフィリア 「いい結婚式だったね。」
フェイト 「はい。幸せそうでよかった。」
セフィリア 「フェイトちゃんはこの後どうするの?」
フェイト 「なのはとはやてとお茶しようかって。」
セフィリア 「そうなんだ、だったら送っていってあげるよ。」
フェイト 「セフィさんもご一緒します?」
セフィリア 「いや、今日は遠慮しておくよ。
三人じゃないと話せないこともあるだろうしね。」
フェイト 「そう・・・ですか。」
こうしてセフィリアは、なのは達三人を車に乗せて会場から移動した
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クラナガン中央部 カフェ
セフィリアはカフェで女子会だというなのは・フェイト・はやての三人を送り届け
そのまま帰宅した
残された三人娘は、それぞれ好きな飲み物を口にしながら談笑している
なのは 「エイミィさんきれいだったね~。」
はやて 「ほんまやねぇ。」
フェイト 「いつか着たいね、ウェディングドレス♪」
フェイトは期待を膨らませてうっとりしている
はやて 「こん中やとなのはちゃんが一番早そうやけどな。」
なのは 「なんで?フェイトちゃんだって可能性あるでしょ?」
はやて 「何となくやけど・・・
セフィさんって恋人作らんようにしとるんちゃうかなって感じる
んや。」
フェイト 「はやてもそう思う?」
なのは 「何か思い当たるの?」
はやて 「いくらセフィさんが鈍感いうたかて、あんだけモテるんに流石に
おかしいやろ?」
フェイト 「いつも一歩引いてるというか、壁を作ってるというか・・・」
はやて 「その点なのはちゃんは相思相愛やろ。」
なのは 「そんなことないよ・・・ユーノ君も何も言ってくれないし・・・」
はやて (あのアホまだなんも言うてへんのかい!?)
心の中でユーノに毒づくはやて
はやて 「せやからなのはちゃんからアピールせな!」
なのは 「うん・・・でも・・・きっかけがなかなか無くて・・・」
フェイト 「はやては?
シグナムが最近はやてがウキウキしてるって言ってたよ?」
なのは 「そういえばヴィータちゃんもいってたな~。
たまにお洒落してウキウキして出かけてくって。」
あの後はやては、アルフレッドの店に何度か訪れ、料理を手ほどきしていた
はやて 「そそそそ・・・そないなことあらへんよ・・・!」
なのは 「その慌てぶりは怪しいなぁ~。」
フェイト 「私達だけ言わせて自分だけ言わないのはズルいよ!」
はやて 「怖いで二人とも・・・」
なのは 「お話聞かせてもらうよ。」
なのはの常套句が出た以上はやても諦める
はやて 「二人が思っとるようなことやないで・・・
セフィさんの知り合いでお店やっとる人に、たまに料理教えたり、
新メニューの味見しとるだけやよ。」
フェイト 「それって前に新しくお店出したって人?」
はやて 「そや、そのお店が日本食のお店やから。」
なのは 「で?カッコイイんだ?」
なのはがカマをかけてみる
はやて 「そやねん!
最初はちょうかるい男の人かな思てんけど、セフィさんの親友ゆう
だけあってなかなか誠実でな、ええ人やねん~♪
料理しとる横顔もな、めっちゃ凛凛しゅうてかっこええねん・・・
もう見とれてもうて・・・・・」
自分の恋愛話となると恥ずかしさからか、つい早口で聞かれてもいないことまで喋って
しまったはやて
はやて 「アカン・・・、ついよけいなこと喋っても~た・・・」
フェイト 「ふふっ、よかったじゃない。はやてもいい人見つかって。
セフィさんの知り合いだったら安心じゃない。」
なのは 「なんて名前なの?」
はやて 「アルフレッド・ミハエルさんやて。」
フェイト 「ミハエル?」
フェイトが何か引っかかるのか意味深な顔をしている
はやて 「フェイトちゃん知っとるの?」
フェイト 「いや・・・
ミハエルって、ミハエル・エレクトロニクスと一緒の名前だ
けど・・・」
なのは 「そういえば・・・」
はやて 「ミハエル・エレクトロニクスて、ミッドでも有数の大会社
やで・・・?
そんなわけ・・・」
フェイト 「そうだよね・・・」
なのは 「ははは・・・」
まさかそんな大会社の息子が、ミッドの郊外で小さな日本料理店をやっているとは
夢にも思わなかった三人娘であった
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新暦72年6月
クラナガン北部 聖王教会
カリムから教会騎士団の訓練教習への参加要請がセフィリアに届いたため、この日
セフィリアは朝から聖王教会に来ていた
カリム 「皆さん・・・
本日は皆さんもよく知る時空管理局・首都防衛隊・前線部隊総分隊長
であり、我々ベルカの民にとって救国の英雄といっても過言では
ない、この人に来ていただいています。」
カリムの紹介でセフィリアが壇上に上がる
カリム 「救国のストライカー、セフィリア・ロムレット一等空尉です。」
セフィリア 「ご紹介に預かりました。
セフィリア・ロムレット一等空尉であります。
本日は皆様の訓練に参加させて頂けることを大変嬉しく思います。
少しでも皆様のお力になれたらと思っておりますので、宜しく
お願いします。」
カリム 「では以降はシャッハ、お願いしますね。」
シャッハ 「お任せください、騎士カリム。」
挨拶と紹介を終えたカリムは自分の執務室へ戻る
シャッハ 「ではロムレット様、午前は全体をご覧になりながら、各騎士に
個別でご指導をお願いします。
騎士カリムと昼食を取って頂いた後、全体で摸擬戦を行いますので、
その際は仮想強敵としての参加をお願いいたします。」
セフィリア 「かしこまりました。」
そして午前中セフィリアは騎士達に個別指導を付け、午前の訓練は終了となった
カリム 「本日は私の無理なお願いにも関わらずご了承下さって、
ありがとうございますわ。」
セフィリア 「いえ、正規の手続きを踏んでいただいていますし、問題はありま
せんよ。
個人的にも大変勉強になりますし。」
カリム 「まぁ♪少しでもセフィ様のお力になれたのでしたら大変光栄です。」
セフィリアの感謝の言葉にカリムの声が弾む
セフィリア 「やはり聖王教会騎士の方々は練度が高いですよ。
数は管理局員の方がもちろん多いですが、個々の力ではやはり
教会騎士の方との差が大きいのも事実ですね。」
カリム 「しかし騎士団にはセフィ様のような突出した存在がいないのも事実
ですわ。
騎士ゼストや騎士シグナムといった強者も存在しますが、やはり前提 としては管理局員ですから・・・
こちらで問題が発生した時には、協力要請というプロセスを踏まねば
なりませんし・・・」
セフィリア 「その為の本日の訓練です。
もちろん一度や二度の訓練で、騎士団全体の底上げは難しいですが、
私としては協力を惜しみませんよ。」
カリム 「本当ですか?やはりセフィ様はお優しい方ですわ。」
カリムはセフィリアの手を取り、顔を寄せながら言う
セフィリア 「と・・・当然ですから・・・」
カリム 「ふふっ♪あっ!お料理が冷めてしまいますね。いただきましょう。」
セフィリアはカリムと昼食を取り、午後の訓練が開始された
午後の訓練では、セフィリア率いる仮想強敵の逃走阻止訓練や、仮想強敵からの
逃走訓練など、様々なシチュエーションの訓練が行われ、最後には全員が
ボロボロになっていた
カリム 「残念ですわ・・・
遠慮なさらなくても、お部屋を用意しましたのに・・・」
訓練を終え帰宅しようとしたセフィリアに、カリムが教会に宿泊するように薦めてきたのだ
セフィリア 「お気持ちだけ頂いておきます。
明日も早朝から任務がありますので・・・」
カリム 「次はぜひお時間のある時にいらして下さいね。」
セフィリア 「その時はぜひお願いします。それでは失礼します。」
カリム 「お気をつけて・・・」
そして、なんとかカリムの宿泊の薦めを断ったセフィリアは、自宅に帰っていった
セフィリアが帰宅した後カリムの執務室では
シャッハ 「騎士カリム・・・少し露骨なんじゃないですか?」
カリム 「あら?セフィ様のような方には押しの一手ですわ。
それに私も騎士ですから、攻め時と引き際は心得てますわよ。」
シャッハ 「それにしても、今どき珍しいくらいの奥手な方ですね。」
カリム 「そこが宜しいのではありませんか♪
私がお傍に寄った時のあのお顔・・・可愛かったですわ♪」
シャッハ 「まったく・・・」
カリム 「それに悠長にしてはいられませんわ。
どうやら強力なライバルがいらっしゃるみたいですしね・・・」
カリムはフェイトへのライバル心を燃やしていた
第二十四話でした
はやてとオリ親友の回でした
クロノとエイミィの結婚式なんてあっさり終わらせてしまった・・・
カリムも何か理由を付けないと出番が全く無くなってしまう・・・
登場人物も増えて来て段々難しくなってきたな・・・
三人娘の恋模様も乞うご期待ですね
ではまた次回もよろしくお願いします