第28話 機動六課始動
新暦74年4月
ミッドチルダ中央部クラナガン郊外 [オール・ス・マイル]
毎年この4月には何かしらおめでたいことが多い
今年も当然のようにおめでたいことがあり、この日はパーティとなっていた
レティ 「やっと受けてくれたわね、おめでとう。」
レティが握手を求める
セフィリア 「長い間お断りしてしまい、すみませんでした。」
この日の主役はセフィリアであった
何を隠そうセフィリアが三等空佐へ昇進したのだ
以前から打診はされ続けていたのだが、セフィリア自身の懇願によりずっと立ち消え
になっていたのだ
しかし・・・
レティ 『あなたの功績で、これ以上昇進がないのというのは、他の局員にも
示しがつかないのよ。
もう数年一等空尉のままで、その間の功績はベルカの救済も始め
多岐に渡ります。
あなたの意向も考慮して、今後移動があるとしても基本実戦部隊の
配属を中心に考慮します。
それに聖王教会からの申請もずっと来てるのよ・・・
ベルカの救世主といっても過言ではない彼の人を、いつまで
何の功績も無しにそのままにしておくのかって・・・
どうかお願い出来ないかしら・・・』
リンディ 『レティも困ってるのよ。
今回は受けてもらっても、今までと同じ扱いを約束するそうだし、
私個人としても、あなたには今よりもっと上に行って人を導く立場
になって欲しいのよ。
現場での事件解決にだけその力を振るうのでは無く、局員の道標
として立って欲しいの・・・』
クロノ 『海は僕が引き受ける、だから陸は君に任せたい。
僕たちがいつかそういう立場になることが出来れば、ミッドの
海と陸の連携は、今よりもっと強固なものになる。
それはこの世界を超え、次元世界全てにとっての希望になると
僕は信じている。
それも君の夢の一つの形だと思うんだ。』
ゲンヤ 『お前ぇさんももっと広い視野を持ついい機会だ。
ただ戦えばいいってもんじゃない、どうすれば事前に防げるか、
そもそもそんなこと起きない世界に出来るか・・・
悔しいがそれは上に立つ者にしか出来ねぇのも事実だ。
お前ぇさんにはその一端を担って欲しいもんだがな・・・』
ゼスト 『俺は今までこの空と陸を守る為に邁進してきた。
しかし、俺たちの時代もいずれは終わる・・・
次代に引き継ぐ時も近い・・・
俺とレジアスの夢・・・、貴様達に継いで欲しい。
現場にはイザークもいる、貴様はもっと上に行け。』
と、錚々たる顔ぶれに説得されては、いい加減断れなくなってしまったのだ
アルフレッド 「俺も鼻が高いぜ。俺の夢は現場で動くだけじゃねぇぜ。
セフィのお陰で、仲間である局員が危険なことをしなくて
すむようになるなら、それも一つの道なんだ。」
セフィリア 「最近アルの夢が、都合のいいように広がっていってる気がするん
だけど?」
アルフレッド 「気のせい、気のせい♪」
アルフレッドがニヤニヤしながら言う
この日参加したのは、アルとも交流のあったクイントにメガーヌにゲンヤ、
それ別にリンディとクロノにレティそしてイザークである
もちろんイザークは、ゼストの代わりとして、クイントに無理矢理引っ張って来られ
たのである
この日はお酒も出すことになっていた為、飲酒できる年齢のこのメンバーになったのだ
なのはやフェイト、はやてが所用で来れなかったというのもあるが・・・
ゲンヤ 「これでお前ぇも俺と同じ階級だ。
今後は対等に扱うから覚悟しとけ。」
セフィリア 「勘弁してくださいよ・・・。
まだゲンヤさんみたいにはやれませんよ・・・」
クイント 「セフィ~ちゃ~ん♪おめでと~♪」
真っ赤な顔をしたクイントが、セフィリアに抱き着く
セフィリア 「クイントさんもう酔ってるんですか?」
クイント 「ダメなの~?お酒は酔うために呑むんでしょ~♪」
ゲンヤ 「クイント、今日のセフィは主役なんだ・・・
他の人間とも話さなきゃなんねぇんだから、遠慮しとけ。」
普段放任主義のゲンヤが止めるのは珍しい為、クイントは素直に引く
標的が他に移っただけとも言えるが・・・
イザーク 「また離されちまったな。まぁいい、いずれ追い付くからな!」
セフィリア 「ああ、イザークはすぐにでも一等空尉になれるよ。」
イザーク 「ふんっ、バカにされているような気もするが・・・
いいだろう!その挑発乗ってやる!」
鼻息荒くイザークが息巻いている所に、クロノが現れる
クロノ 「相変わらず、熱い人ですね。」
イザーク 「ハラオウン提督。」
クロノ 「ハラオウンだと紛らわしいですから、クロノで構いませんよ。」
セフィリア 「わざわざ来ていただいてすみませんね。
エイミィさんやカレルちゃんとリエラちゃんは元気ですか?」
クロノ 「ああ、最近は動き回って大変だよ。」
イザーク 「子育てか・・・。」
イザークは自分には縁のないことだとでも言うように呟く
セフィリア 「そう言えば聞いたことなかったが、イザークは恋人はいるのか?」
イザーク 「ふんっ、そんな暇はない!」
実はイザークも影で人気は高い、新人時代に比べれば性格も落ち着いて、今では隠れた
ファンが多い
しかし、直属の上司であるゼストと似た性格の為か、告白されたりといったことは
皆無であった
セフィリア 「硬すぎるのも考えものだよ。クロノだって結婚してるんだから。」
クロノ 「僕でもっていうのが少し引っかかるが・・・
まぁ外れてはいないな。」
クロノも性格は生真面目で堅い、エイミィがいなかったらセフィリアやイザークと
同じことになっている可能性は高かった
イザーク 「貴様に言われたくはないぞ、セフィ!」
セフィリア 「それはごもっともだ。」
メガーヌ 「イザークももう少し肩の力を抜けば、言い寄ってくる娘はたくさん
いると思うんだけどね。」
イザーク 「ふんっ、下手に言い寄られても迷惑なんだよ!」
イザークの言葉に、隣にいたメガーヌが反応する
メガーヌ 「あら?そんなこと言ってるといつか後悔するわよ。」
セフィリア 「女性を敵に回すと怖いよ~。
クイントさんに捕まっても、メガーヌさんが助けてくれなく
なるよ。」
イザーク 「ぐっ・・・それは・・・」
この後案の定イザークはクイントの標的になり、ゲンヤもメガーヌも助けてくれず、
結局酔い潰されたのであった
リンディ 「よかったわねレティ。」
レティ 「私としてはね・・・
でも無理強いしてしまったかもって、少し思っちゃうわ。」
リンディ 「彼なら大丈夫よ。
私の夢はいつかキャリア試験も受けてもらって、将官になって
もらうつもりなんだから。」
レティ 「悪い女ね・・・」
リンディの更なる野望を知る由もないセフィリアは、この日も大いに楽しんで
解散となった
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新暦75年2月
フェイトはここ最近、夕食をセフィリアの家ですますことが、更に多くなっていた
フェイト 「今日は肉じゃがです♪セフィさんが好きだってはやてに教わって。」
セフィリア 「懐かしいなぁ~、とっても美味しいよ♪」
数年前に地球ではやてが作ってくれた時の味を、セフィリアは思い出す
それと比べても遜色ない、いやそれよりセフィリア好みの味だと感じた
フェイト 「ちょっと疲れていらっしゃるみたいですね?」
セフィリア 「うん・・・、最近ちょっと忙しくてね・・・」
佐官になったことで、セフィリアの業務は倍増していた
最近になって、やっとイザークと仕事の分担が出来るようになってきた為、
ようやく時間が取れるようになっていた
セフィリア 「明日は久しぶりの休みだからね。少しゆっくりしようかな・・・」
フェイト 「そうしてください。」
夕食後はいつものようにソファでテレビを見たり、時折話したりしながらゆっくり
していると
フェイト 「セフィさん?」
セフィリア 「す~・・・す~・・・」
フェイト 「本当に疲れてるんだなぁ・・・」
いつの間にかセフィリアは眠ってしまっていた
そしていつか自分がしてもらった時のようにそっと膝枕をする
フェイト (顔が・・・近い!かわいい♪)
そしてこれもいつもしてもらっていた時のように、セフィリアの頭を撫でる
フェイト (はぁ~、幸せだなぁ・・・
疲れて寝ちゃってるのに不謹慎だってわかってるけど・・・
たまにはこういうのもいいなぁ♪)
そしてセフィリアの頭を撫でながら・・・
いつの間にかフェイトも夢の中にいた・・・
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セフィリア 「ん~・・・あ・・れ?寝ちゃってた・・・」
セフィリアが眼を開けると、目の前にフェイトの寝顔がある
セフィリア 「え!?」
膝枕をされていることに気付き、驚きつつ起きる
セフィリア 「びっくりした!」
寝ているフェイトを起こさないように時間を確認すると、大分遅い時間となっていた
セフィリア (こんな時間か・・・、起こしちゃうのもかわいそうだな・・・
フェイトちゃんも明日は休みだって言ってたし、このまま寝かせて
あげようかな。)
そして来客用のベッドを準備し、フェイトを抱きかかえる
もちろんお姫様抱っこ状態だ
セフィリアとは別室に準備したベッドにフェイトを寝かせ、しばらく頭を撫でながら
寝顔を眺める
セフィリア 「本当に・・・、俺にはもったいないくらいのいい娘だ・・・、
綺麗で・・・、優しくて・・・、よく気が付いて・・・・・・
本当に・・・・・・・・・・いいのかな?
・・・・・・父さん、・・・・・・母さん」
寝顔を眺めながら小さく呟く、そして部屋を出て自分の部屋へ向かう
そしてセフィリアが部屋から出ていき、フェイトが一人になる
フェイト 「びっくりした・・・、今の・・・どういう意味だろう・・・」
顔を赤くしながら呟く
実はセフィリアが抱き上げた際に起きていたのだが、
少し驚かそうと狸寝入りをしてたら、起きるタイミングを失ってしまったのだ
フェイト 「セフィさん・・・」
フェイトはセフィリアの呟きがどういう意味なのか分からず、その言葉が頭の中を
ぐるぐる駆けまわっていたが、しばらく考えているうちにまたいつの間にか眠りに
ついていた
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翌日
フェイトが朝食の準備をしているところにセフィリアが起きてきた
フェイト 「おはようございます、セフィさん♪」
セフィリア 「おはよう、フェイトちゃん。」
フェイト 「朝食、食べられます?」
セフィリア 「うん、お腹空いちゃった。」
フェイト 「もうすぐで出来ますから、少し待ってて下さいね。」
セフィリア 「じゃコーヒーは俺が淹れておくよ。」
二人で朝食を食べ、ソファでくつろぐ
フェイト 「今日はゆっくりしましょうね♪」
セフィリア 「フェイトちゃん、どこか行きたいところとかないの?
出かけてもいいよ?」
フェイト 「ダメです!
セフィさん疲れているんですから、今日はゆっくり休んでもら
います!」
フェイトは涙目で少し怒ったように言う
セフィリア 「わ・・・わかったよ、ごめんなさい。
今日はおとなしくしています。」
フェイト 「分かってくれればいいんです。
セフィさん紅茶のお代わりいりますか?」
セフィリア 「お願いします。」
フェイト 「はいどうぞ。
そうだセフィさん、また眠くなったら言ってくださいね。
いつでも膝おかししますよ♪」
言いながらフェイトが自身のふとももを叩く
セフィリア 「い・・・いや・・・それは・・・」
フェイト 「ふふふ♪」
そんなやり取りもそこそこに、フェイトは自身の出向の話をし始める
フェイト 「そういえば今度出向が決まったんです。古代遺物管理部に。」
セフィリア 「古代遺物管理部?また急だね?移動じゃないんだ?」
フェイト 「はやてが新しく部隊を作るんです。
古代遺物管理部の機動六課っていうんですけど。」
セフィリア 「新部隊を作るのか。はやてちゃんももう二佐だもんね。
どういう意図の部隊になるの?」
やはり新部隊となると気になるのか、セフィリアも身を乗り出して聞いてくる
フェイト 「基本はロストロギアの対策専門です。
広域捜査は五課までに担当してもらって、初動を早くして事件を
早急に解決に導く。
それが主な任務ですね。」
セフィリア 「なるほど・・・
管理局地上本部の初動の遅さに対応した部隊ってことか。
次元航行部隊で俺がやってたことと、似たような感じかな・・・」
セフィリア (しかし、そう簡単に新部隊を設立するなんて出来ない。
いくら二佐といえども部隊の設立には人材も資金も、何より
管理局上層部に了承を得なくてはならない・・・
はやてちゃんの理想の部隊なんだろうが、上層部を納得させる
だけの何か理由があるはず・・・)
フェイト 「そうですね、でも動くのはロストロギア絡みの場合だけです
けど・・・
セフィさんの時みたいに、誰でも何処でもっていう訳じゃ無い
ですね・・・
まだ人材の確保の段階なんですけど、予定では四月には活動を
開始します。
基本一年間の試験運用で、その間は機動六課の隊舎内にある寮で
生活することになるんです。
ですから今までみたいに頻繁に来れなくなっちゃうんです
けど・・・」
セフィリア 「残念だけど、それは仕方ないよ。はやてちゃんを助けてあげて。
その代わりお休みがあったら、遊びに行こうね。」
フェイト 「はい、絶対ですよ。」
セフィリア 「はじめは大変だと思うけど頑張ってね。
ただし!無理はしちゃいけないよ!」
フェイト 「セフィさんに言われたくはありません!
せっかく一緒にいるのに、居眠りしちゃうくらい疲れている人
には!」
いじけたように拗ねるフェイトに、セフィリアは慌てる
セフィリア 「それは・・・ごめんなさい。
機嫌直して・・・フェイトちゃん。
今度また遊びに行ったとき何かご馳走するから・・・」
フェイト 「ふふふ、冗談です♪
あ、でも遊びにはちゃんと連れていって下さいね♪」
そんな感じで、二人は共に穏やかな休日を過ごした
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新暦75年5月
管理局地上本部 首都防衛隊・前線部隊隊舎
はやての新部隊・機動六課設立からおよそ一ヶ月過ぎたころ・・・
今首都防衛隊の前線部隊では、セフィリアと分隊長三人での定例会議が行われていた
イザーク 「なんなんだ!あのガジェットドローンとかいうやつは!」
クイント 「確かに厄介よねぇ~。」
メガーヌ 「遺物管理部からの情報では[レリック]というロストロギアの
回収が目的の兵器みたいだけど・・・」
イザーク 「何か対策は無いのか?このままじゃ・・・
うちの部隊でも単独で対処できるのは5~6人だぞ!」
メガーヌ 「AMFが厄介だものねぇ・・・」
クイント 「それはそうとあのガジェットドローンとかいうの、昔見た機械兵器
に似てない?」
メガーヌ 「そうね・・・、似ているというより発展型ね。
明らかに同じ技術で作られているわ・・・」
セフィリア (それなんだ、明らかにあの時の機械兵器と類似点がある。
とすると[レリック]を欲しているのは[あの男]・・・
声しか分からないが・・・
今まで表立って行動していなかったヤツが、ここにきて動き出したと
いうことか・・・
今まで自ら行動を起こさなかったヤツが動き出したということは、
何か大きな計画が動き出したということか・・・)
イザーク 「セフィ、さっきから黙っているが何かあるのか?」
セフィリア 「いや、すまない・・・。
現状では、ガジェットドローンに対する有効な手立ては無い・・・
情報ではだんだん性能も上昇してきているらしい・・・
もっとも確実な方法は、操っている元凶を何とかすることだろうが、
今だ捜査中でそれも判明していない。
とりあえず、我々が対処しなければならなくなった場合、我々隊長陣
を含む対処できる者のみで、特別部隊を組むことも考えていかねば
ならないでしょう。」
イザーク 「それしかないか・・・
だがそうなると他の任務に支障が出る可能性も考慮に入れて、
部隊編成を考え直す必要も出てくるな。」
クイント 「忙しくなりそうねぇ・・・」
メガーヌ 「ぼやかないの!
基本レリック及びガジェットの対応は、遺物管理部の機動六課が
担当するそうだから、そっちとも連携取ってうまくやっていくしか
無いでしょうね・・・」
セフィリア 「最悪は俺が一人で出撃することも、考慮に入れておいて下さい。
現状の部隊編成を変更せずに一番現実的なのは、それですから。」
クイント 「ダメよ!危険すぎるわ!」
セフィリア 「最悪の話・・・ですよ。
部隊を動かすのに、各分隊長はどうしても必要です。
うちの前線部隊は三部隊しかありませんからね。
一部隊でも破綻してしまえば、通常任務もままならなくなって
しまう。」
メガーヌ 「なるべくそうしたくはないわね。
人員の増員も含めて隊長に相談してみましょう。」
結局この日の会議では、有効な解決策は出ないまま終了となった
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ミッドチルダ中央区 古代遺物管理部、機動六課隊舎
ホテルアグスタでのオークション警護任務も何とか終了し、新人フォワードの四人の
訓練も進んできたある日
ヴィータ 「そうだ、訓練の続きは明日からだ。」
フェイト 「皆部隊に来てから訓練続きだったからね、今日はこれでおしまい。」
なのは 「皆今日は思いっきり羽を伸ばすといいよ。」
そうして機動六課の新人フォワードである、スバル・エリオ・キャロの三人に加え、
フォワードリーダーであるティアナ・ランスターを含めた四人は、訓練漬けの毎日を
ほんのひと時だけ忘れ、貴重な休日を楽しむために街へ出かけて行くのであった
なのは 「今日は私達も隊舎で待機だし・・・」
ヴィータ 「お客さんも来るしな、フェイト。」
フェイト 「そ・・・そうだね。準備しないとね。」
ヴィータに話しを振られたフェイトは、なぜか慌てている
なのは 「大事なお客さんだもんね♪」
ヴィータ 「大好きなお客さんの間違いじゃねーのか?」
ニヤニヤしながらヴィータがフェイトをからかう
フェイト 「ヴィータ!もう!」
走り出すヴィータをフェイトが追いかける、その様子をなのはは微笑みながら見ていた
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機動六課視察一日目
セフィリアははやての依頼で、この日から十日間、特別訓練と機動六課視察の任務に
就くことになっていた
・・・ 「お・・・おま・・・お待ちしておりました。
セフィリア・ロムレット三等空佐。
じ・・・自分は古代遺物管理部・機動六課所属
ヴァイス・グランセニック陸曹であります。」
セフィリア 「そんなに緊張しないでくれ。今日は宜しく頼む。」
セフィリアはヴァイスの緊張をほぐすように笑顔で話す
ヴァイス (ったく・・・勘弁してくだせぇよ、シグナム姉ぇさん!
俺ぁこんな人送り届けるような、上等なヘリパイロットじゃねぇっ
すよ・・・
ドラゴンスレイヤー・・・
今や管理局最強の一角を担う[ストライカー]を運ぶなんて・・・)
操縦であれば、そこいらのパイロットに負ける気など微塵もないヴァイスだが、
こういったお偉いさんを乗せるパイロットに、自分が相応しいかと聞かれると
自身が無くなる
ヴァイス 「でで・・ではこちらへ・・・」
セフィリア 「ありがとう。」
セフィリアはヴァイスの操縦するヘリに乗り込む
ヴァイス 「では出発します、よろしいですか?」
セフィリア 「頼む。」
そしてへりはゆっくりと上昇していき、機動六課隊舎へ向かう
道すがらヘリは当然二人だけの空間となり、ヴァイスは息苦しさを覚える
ヴァイス (き・・・緊張する・・・、胃に穴が開きそうだ・・・
これが終わったら、うまいもんたらふく食わしてやるから、
堪えてくれよ・・・
シグナム姉ぇさんや八神二佐の話じゃ、とても穏やかで優しいって
事だったけど、女性相手と男相手じゃわかんねぇからな~・・・)
上官からは人柄に関して心配するなと太鼓判を押されたが、この人物の逸話から判断
すればとても信用できない
数々の現場でその規格外の実力を発揮し、常に最強やら瞬殺やらの話題が
尽きない男・・・
挙句の果てにベルカの守護龍との戦闘だ・・・
話だけでは無く実際に記録映像をヴァイスも見た・・・
出した感想は・・・、人間の姿をした化物である・・・
当然冗談というか比喩であるが、あの映像だけをみれば苛烈な人物にしか
思えない・・・
しかも機動六課の女性陣は美女揃いなのだ、どんな苛烈な男だろうがそりゃ優しくも
なるだろう・・・
セフィリア 「今日はわざわざすまないな。」
ヴァイス 「へ?」
セフィリア 「はやてには自分で行くと言ったんだが、断られてしまってな。
[こちらからの依頼で来て頂くのに、出迎えもしないなんて
不義理は出来ません]
だそうだ・・・、君の手を煩わせてしまって申し訳ない。」
ヴァイス 「いえ!自分はまったく構いませんので!」
セフィリア 「そう言ってもらえると助かるよ。」
ヴァイス (本当に空気の柔らかい人だな・・・、
本人目の前にすると、話に聞く逸話の方が信じられねぇ・・・)
思っていた人物像と違ったことに驚きつつも、わずかに緊張も解け少しづつ話も弾む
ヴァイス 「ロムレット三佐はいつから八神二佐とお知り合いで?」
セフィリア 「俺のことはセフィでいいよ、公式の場でさえちゃんとしてくれれば
問題無い。」
ヴァイス 「そんなわけには・・・」
セフィリア 「堅苦しいのは嫌いでね。
皆と早く打ち解けるには、砕けた話し方の方がいいだろ。」
ヴァイス 「で・・・でしたら自分のこともヴァイスでかまわねぇッス。」
気付かないうちに口調が砕けているヴァイス
セフィリア 「そうか?ではヴァイス陸曹と呼ばせてもらおう。
それで、なんだったかな?はやてちゃん達との出会いか・・・
大体10年くらい前かな?」
ヴァイス 「10年って~と、八神二佐が入局した時くらいからですかい?」
セフィリア 「そうなるね。」
ヴァイス 「そりゃ長い付き合っすねぇ。」
気がつけば普通に話をしながら、ヘリは機動六課隊舎へ向けて飛行を続けていた
第二十八話でした
お待たせいたしました。
(別に誰も待ってない・・・)
少しだけ手直しをかけて[StrikerS編]投稿となりました・・・
同じシーンでの登場人物が多くて、影が薄くなってしまうキャラがいますが、
そこは見ないふりでお願いします
(そのキャラ押しの方には申し訳ないです・・・)
ではまた次回もよろしくお願いします