新暦75年9月
公開意見陳述会襲撃事件の翌日
ガジェットの地上本部襲撃と同時に、機動六課隊舎もガジェットと戦闘機人の部隊に、
大規模な襲撃を受けていた
必死の抵抗も空しく、前線メンバー不在では抗いきれず六課の隊舎は全壊、六課隊舎に
待機していたメンバーも、ほとんどの人員が傷を負っていた
その上ヴィヴィオも連れ去られ、今や六課は再起不能状態であるった
はやて 「こっぴどくやられてもうたなぁ・・・
完全にうちの判断ミスや・・・
ヴィヴィオを救護した時、敵がヘリもろとも撃ち落とそうとして
いたことで、敵の目的とヴィヴィオは関係ないと、決めつけてし
もうた・・・。」
リインフォース「主はやてだけの責任ではございません。
我々守護騎士だけでも隊舎で待機していれば・・・」
はやて 「リイン・・・
まだや、まだ何も終わってへん!
全部取り返すんや!ヴィヴィオも奴らの思惑も・・・
このままいいようにはさせへん!
リイン、付き合うてくれるか?」
リインフォース「当然です、我が主。
我々守護騎士も、このまま引き下がってはおれません。」
はやてとリインフォースは、この状況の中不敵に笑っている
はやて 「うちの腹黒さ・・・、甘くみたら後悔すんで・・・
ジェイル・スカリエッティ!」
はやては空を睨みながら、憎き敵に対し宣戦布告する
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はやては隊舎の現状を確認した後、なのはとフェイトと一緒に、六課のメンバーが
現在入院している病院を訪れていた
シャリオ 「ごめんなさい、留守を任されていたのに私・・・
何も出来なくて・・・、ヴィヴィオが・・・みんなも・・・」
なのは 「泣かないでシャーリー。大丈夫!
奪われたものは取り返す、奴らの企みは絶対阻止する。」
シャリオ 「なのはさん・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁん。」
なのは 「ほらぁ、よしよし。」
フェイト 「アルトも大丈夫?」
アルト 「私達は大丈夫です・・・
でもヴァイス陸曹達は・・・私達を守って・・・」
襲撃の際シャマルやザフィーラそしてヴァイスは、最前線でガジェットや戦闘機人を
食い止め、かなりの怪我を負っていた
フェイト 「安心して。
ヴァイス陸曹もザフィーラもまだ意識は戻らないけど、命に別状は
ないって。
シャマルはザフィーラが守ってくれて、比較的傷も浅いらし
いし・・・」
アルト 「そうですか・・・。でも六課の隊舎もヘリも無いんじゃ・・・。」
フェイト 「大丈夫だよ。それは今はやてが頑張ってくれているから。
だからアルト達は何も心配しないで、身体の治療に専念して。」
なのはとフェイトは、傷を負いながらも責任を感じていた女性陣を元気づける
一方はやては男子病棟を見舞っていた
はやて 「こないなことになるやなんて・・・、ごめんなアルさん・・・」
アルフレッド 「・・・」
はやては眠っているアルフレッドに対して謝る
六課襲撃の際アルフレッドは、自身の魔力をほぼ失っているにもかかわらず、
戦う力の無い六課のメンバーの前に立ち、身を挺してガジェットから守ったのだ
はやて 「ありがとうなアルさん・・・
アルさんのおかげで誰も失わんとすんだ。
アルさんが守ってくれたおかげで、最後の希望が残った。
やっぱりアルさんは最高の彼氏さんや・・・」
そう言いながらはやては、眠っているアルフレッドの唇に優しく唇を重ねる・・・
はやて 「今はゆっくり休んでな・・・」
そしてはやては、六課再起の為に奔走するのであった
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数日後
首都防衛隊隊舎
イザーク 「セフィは引き続き地下保管庫の防衛任務だと!」
クイント 「そうらしいわ・・・。」
イザーク 「おかしいだろう!襲撃からもう二日だぞ!
一体何から防衛するって言いうんだ!?
しかも通信もつながらないんだぞ!」
メガーヌ 「落ち着いてイザーク。私達に怒鳴っても仕方ないでしょ。」
首都防衛隊では、襲撃当日からセフィリアの安否を上層部に確認していたが、返事は
いつも同じであった・・・
[ロムレット三等空佐には、特別任務として引き続きロストロギア地下保管庫の防衛
を命じる。]
[ロムレット三等空佐は、現在も無事に任務を遂行中である]
[スパイ侵入の防衛策として、現在地下の保管庫とは通信を途絶してある為、
ロムレット三等空佐と連絡を取ることは許可できません]
と繰り返し返されるだけであった
クイント 「今ゼスト隊長が上層部に再度確認に行ってくれているわ。
結果を待ちましょう。」
イザーク 「いよいよになったら俺は突撃するぞ!」
メガーヌ 「その時は止めないわ。もちろん私たちも一緒だけどね。」
クイント 「セフィちゃんには何度も命を救ってもらったものね。
一度くらいお返ししないと、死んでも死にきれないわ!」
メガーヌ 「でも覚悟しておきなさい。
その時はよくて軍法会議、最悪懲戒免職よ。
ま、私は旦那も仕事してるし、職が無くても困らないけど♪」
クイント 「あら?わたしも頼りになる旦那様がいるから全然問題無し♪
問題はイザークの方でしょ?」
イザーク 「ふんっ!クビになったら民間の警備会社にでも転職すればいい。
何も問題は無い!」
それぞれがクビ覚悟であることを、冗談めかして宣言する
メガーヌ 「あら?意外とちゃんと考えてるのね。」
クイント 「なら全員覚悟はあるってことね。」
イザーク 「当然だ!」
イザーク達首都防衛隊の分隊長陣は、この時セフィリア救出を密かに決心していた
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ミッドチルダ地上本部 司令室
レジアス 「どういうことだ!最高評議会も奴も私を支持していたはずだ!
どうしてこうなった!何が悪かったのだ!」
・・・ 「あれ以降最高評議会のお歴々の方々からの連絡は、
[地下のロストロギア保管庫を封鎖]
そして、[セフィリア・ロムレット三等空佐の、保管庫防衛任務の
継続の命令を出せ]
それだけでございます。」
レジアス 「オーリス!ジェイルの反乱に関しては、何もないのか!?」
オーリス 「ただいま情報を集めておりますが・・・今のところは何も・・・。
陳述会の警備体制情報漏洩を考えますと、最高評議会が関与している
ことは、間違いないと思われますが・・・」
レジアス 「ジェイルめ・・・
本気でこの私に牙をむくとは・・・、思い知らせてやる!
オーリス!アインヘリアルの状況は!?」
オーリス 「ただいま90%まで完成しております。近日中には稼働可能です。」
レジアスとその娘オーリス・ゲイズは、自身の執務室で今回のジェイルの思惑と今後の
方針を話し合っていた
管理局高官 「ゲイズ中将!」
オーリス 「ノックもせず!どういうつもりです!」
慌てながら突然入室してきた局員に、オーリスが注意する
管理局高官 「し・・・失礼しました。しかし・・・」
レジアス 「なにごとだ!?」
管理局高官 「ア・・・アインヘリアルが・・・」
高官の報告にレジアスが中継映像を確認すると、そこには三基のアインヘリアルが
戦闘機人によって、全て破壊されている様子が流れていた
レジアス 「ばかなっ!!!」
オーリス 「・・・・・・・」
映像を見ながらレジアスは、今や完全に無力となってしまった自分に、ただただ絶望
していた
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六課壊滅からはやては奔走していた
はやて 「例の件・・・、何卒宜しくお願いします。」
はやてが深々と頭を下げている
クロノ 「・・・・・・」
はやて 「・・・・・・」
はやては頭を垂れながらも、うんと言うまで動かない!という眼でクロノを見つめて
いる
クロノ 「ふぅ・・・、引く気はまったくない・・・といった感じだな・・・」
はやて 「ここで引いてもうたら、何もかも失うてまう・・・
何も取り返せへん・・・
そんなんは絶対嫌や!
取られたもんは取り返す、やられた分はやり返す!
あたしに出来るんは全部やってやる、後悔するんはもう嫌や!」
クロノ 「機動六課再動の為、一時本部をアースラに移す・・・
確かにいくら廃艦が決まったとはいえ、アースラはまだまだ実用
には耐えられる。
しかし六課のメンバーはどうなんだ?
隊長陣以外・・・
特にバックヤードスタッフのほとんどが、重軽傷者だと聞くが?」
はやて 「うちの部隊はまだ死んでへん!うちは信じてる!
そやからうちの仕事は、みんなが動けるようになった時・・・
動きたいと思った時、すぐ動けるよう準備をしておくことや!」
クロノ 「はぁ・・・。まったく、相変わらずの狸ぶりだな・・・。
無茶な要求はせず、要求を私の一存で採決可能なことだけにしぼり、
今すぐにでも行動できる手筈を整えようとするとは・・・
しかし、圧倒的に戦力は足りないぞ・・・
全員の命を預かる覚悟は・・・あるんだな。」
はやて 「そんなんは部隊を設立した時から、とっくに出来てる!
今回の敗北は完全に私の責任や!そやから責任を取る!
これ以上何も失わず・・・そして全て取り返すんや!」
クロノ 「これ以上押し問答しても平行線だな・・・
どうせ私がこの件を蹴ったところで、次はもっと条件の悪い所に
いくんだろう。
自分の進退を犠牲にしてでもな・・・
分かった、本日中にアースラを引き渡す手筈は整えておく。」
はやて 「クロノ君おおきに!恩に着るわ!ありがとう!」
クロノ 「わかった、わかった。早くこのことを伝えて、明日からの準備に
かかれ。」
はやて 「かしこまりました。それでは失礼します。」
こうしてはやての提案で、クロノはアースラを機動六課の臨時本部としての使用を
許可され、六課再始動の準備は整っていくのであった
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数日後
機動六課はアースラを臨時本部として、再始動の準備が整った
リインフォース「主はやて、物資の搬入及び設備の点検完了しました。」
リインⅡ 「隊長陣含め志願した部隊の人たちも、全員乗艦しましたですよ。」
はやて 「そか、リインもリンツもおつかれさま。少し休んでええよ。
いつスカリエッティが動き出すかもわからへん・・・
そうなったらまた忙しゅうなって、休むどころやなくなるからな。」
リインフォース「ではお言葉に甘えて・・・、リンツいくぞ。」
リインⅡ 「はいです。」
夜天と蒼天の名を冠する少女達は、更なる万全を期すために、メンテナンス室へと向かうのであった
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シグナム 「どうだ、アルト?」
アルト 「やりますよ、私が。ヴァイス陸曹の代わりに。」
アルトはヘリを整備しながら、気合に満ち満ちた眼をしている
シグナム 「そうか・・・だが、まだ完治してないだろう。無理はするなよ。」
アルト 「ありがとうございます、でも大丈夫です。
みんなが起きて行きたいと思った時、行きたい所に運んであげられ
ないほうが嫌ですから!」
シグナム 「そうか・・・。」
それ以上は何も言わず、シグナムは黙ってアルトの作業を見つめていた
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シャリオ 「それこっちに持ってきて。」
ルキノ 「はい!」
シャリオ 「あとは解析したデータを全て入力して・・・」
ルキノ 「ここと・・・、次は・・・ここ・・・
これは・・・こっちじゃない・・・」
管制室では管制・通信スタッフが急ピッチで作業していた
シャリオ 「あとはこれを・・・、うっ・・・ゴホッゴホッ・・・」
ヴィータ 「シャーリー!」
ヴィータがシャリオに駆け寄る
シャリオ 「だ・・・大丈夫です・・・」
ヴィータ 「少し休め!まだ完治してねぇんだぞ!」
シャリオ 「ダメです・・・、もう後悔したく・・・ありませんから・・・」
ルキノ 「私達にも・・・責任がありますから・・・」
ヴィータ 「身体を壊したら元も子もないだろ。」
シャリオ 「今無理しないで、いつするんですか!」
シャリオが必死の形相で叫ぶ
ヴィータ 「!」
ルキノ 「ヴィータ副隊長お願いします。」
シャリオ 「ちゃんと限界は見極めますから・・・」
ヴィータ 「わかったよ・・・」
スタッフ達の覚悟を決めた眼に、ヴィータも何も言えず、ただ心配することしか
出来なかった
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なのはとフェイトは、半壊した六課隊舎の調査を進めていた
フェイト 「なのは・・・」
なのは 「フェイトちゃん・・・」
フェイト 「少し休んでね、ここは私が受け持つから。」
なのは 「私は大丈夫だよ・・・、フェイトちゃんだって寝てないんでしょ?」
フェイトは連絡の取れないセフィリアの安否を本部に確認したところ、何日経っても
同じ返答しか返ってこないことを不審に思い、密かに調べ続けていた
フェイト 「私も平気だよ・・・
なのはだってセフィさんの強さ知ってるでしょ。」
なのは 「でも好きな人だもん、心配はするよね?」
フェイト 「それはそうだけど・・・」
なのは 「私は大丈夫、はやてちゃんが現場に行けるようにしてくれた。
ヴィヴィオは取り戻す。取り戻せる!」
フェイト 「そうだね。」
なのは 「フェイトちゃんこそ行きたいんじゃないの?」
フェイト 「大丈夫、私も信じているから!」
なのは 「そっか。」
フェイト 「うん。」
その後なのはとフェイトもアースラと合流し、スカリエッティの所在を探し続けた
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地上本部 首都防衛隊隊舎
地上本部襲撃から四日
一向に連絡の付かないセフィリアの現状に、イザークは我慢の限界であった
イザーク 「もう我慢ならん!俺はいくぞ!」
クイント 「そうね、やられたにせよ捕まったにせよ、
確認しなきゃ始まらないわ。」
イザーク 「あいつがそう簡単にやられるか!」
メガーヌ 「はいはい、怒鳴らない。
それにしてもイザークったら、そんなにセフィちゃんのこと信頼
してたのね♪」
イザーク 「そんなんじゃない!嫌って程あいつの強さを知ってるだけだ!」
クイント 「そういうことにしておきましょ♪行くならさっさと行くわよ。」
イザーク達は、セフィリアを助けるために地上本部に向かおうとしたその時
ゼスト 「貴様ら・・・、どこに行く気だ!」
扉の向こうにゼストがいた
クイント 「げっ・・・、ゼスト隊長・・・」
イザーク 「止めても無駄です!」
メガーヌ 「全員覚悟は出来ております。」
しばらくの沈黙の後、全てを察したゼストが口を開く
ゼスト 「お前達何を勘違いしている、全ての責任は俺が取る。行け!」
イザーク 「・・・はい!」
こうしてイザーク達は、急ぎ地上本部地下にあるロストロギア保管庫へ向かった
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地上本部地下エレベーター前
地上本部局員 「ちょ!困ります!上層部の命令で地下には誰も通すなと!」
イザーク 「そんなことは知っている!知ってて通ると言っているんだ!」
地上本部局員 「命令違反で逮捕しますよ!」
イザーク 「ほぅ・・・、やれるものならやってみろ!」
クイント 「上には無理矢理押し通られたと、そう報告すればいいわ。」
メガーヌ 「それとも怪我したい?」
首都防衛隊の前線部隊分隊長三人に、同時に殴られるなど考えたくもない・・・
地上本部局員 「いえ・・・遠慮しておきます・・・」
地上本部の局員は引きつった笑顔で道を開ける
クイント 「おりこうさん♪」
そしてイザーク達は、エレベーターで保管庫のある最下層フロアへたどり着く
エレベーターを降りると、通路のあちこちから赤い糸のような魔法が、蜘蛛の巣のよう
に張り巡らされていた
イザーク 「なんだこれは!バインド系の魔法か!?」
クイント 「見てあれ!」
クイントが指差した方向には、体中を赤い糸で拘束されぐったりとしているセフィリア
がいた
メガーヌ 「セフィちゃん!」
イザーク 「まて、気を付けろ!
この壁中にある機械から強力なAMFが発生している!」
クイント 「これのせいでセフィちゃんが拘束されているのね!
片っ端から片付けるわよ!」
そう言うとイザーク達は次々と壁や床の機械を破壊していき・・・
そして・・・全ての機械を破壊した
クイント 「セフィちゃん!」
クイントがセフィリアを抱き上げ声をかけるが、返事は返ってこない・・・
メガーヌ 「まずいわ・・・かなり衰弱している!早く地上へ!」
イザーク 「まさか・・・襲撃日当日からずっとこのままか!
こいつを殺す気だったのか!」
クイント 「いいから行くわよ!」
イザークがセフィリアを背負い、エレベーターで地上へ戻る
イザーク 「クイントすぐ車を用意だ!
メガーヌ無駄でも構わん、治療魔法をかけろ!
そこの貴様!すぐに飲める水を持ってこい、常温でだ!」
イザークが、エレベーター前で揉めた局員に指示する
地上本部局員 「誰だそいつ?・・・そいつ、いやその方は!」
ベルカ出身である局員は、セフィリアの顔を見て態度が一変する
イザーク 「急げ!」
地上本部局員 「了解!」
その後セフィリアは病院に搬送され、ひどく衰弱していたものの、なんとか一命を
取り留めた
第三十七話でした
オリ主なんとか生還・・・
(人間は3日水分を取らないと命に関わるそうなのですが、4日ならなんとか・・・)
今回は悲壮感たっぷりの回で特に笑いはありませんでしたね・・・
次もあんまり笑いのある話にはできないかなぁ・・・
ではまた次回もよろしくお願いします