シンフォギア習作 振れば風の鳴る翼的な女の子 作:レノボのカナリア
俺の二度目の生家である久我家は辿れば公家であったらしい。
他にも源氏がどうとか公爵?侯爵?がどうとかそういう小難しい話を寝物語として母親からされてはいたが、いや歴史とか頭痛くなるからマジで勘弁願いたいとスルーしていた。
そんないい加減な態度が許されていたのはその時の俺が幼かったからなのか、それとも父から長男へと代替わりした後に産まれた三男坊という軽い立場からなのか……まぁ7歳になった日からは習い事だの稽古だのとで多少厳しくはなったんだけど、それでもいい加減に俺は生きていた。
この世界がモブに厳しいシンフォギアの世界だと気がつくまでは。
生きた活字に慣れろと、ある日から渡され始めた複数の新聞。
今って203◯年なんだーとのほほんとしながら社会欄を読み、聖遺物という文言が出た時点で違和感を感じたのだが…………国連総会にてノイズと呼称される存在が災害認定されたという記事で、はっきり理解できた。
これシンフォギアだわ。
そこからはもう、いざと言うときノイズから逃げられるようにと準備に次ぐ準備を重ねた。
習い事であった柔術剣術弓術はもちろん、持久力を付けるためのランニングも欠かさず行い、身体を作るために栄養価の高い食事をしっかりと摂取し睡眠時間も確保。
おかげで、前世程ではないが身体は出来た。
身体だけではダメだ。
自由に行動させても大丈夫だと家の者に思わせるために学業にも力をいれたし、同じく習い事だった書道と茶道もしっかりと励んだ……いや、書道に限っては前世から好きだったからというほうが大きな理由だけども。
ほとんど添え物、壁の華ではあったが家の付き合いにも顔を出して「やってますよ!」アピールも完璧。
努力の賜物とも言えるこれらの結果16歳になった時には俺への両親からの信頼は天元突破状態で、そこからは一人で出歩いても誰も何も言わなくなった。
家、学校、稽古場、その他生活圏のすべてを歩いて周り、いつノイズが出てきても逃げられるようにとシミュレーション。
ソロモンの杖がこの世界から消えるフロンティア事変まで今の生活で耐えれば、ノイズの自然発生はほぼなくなり、俺も枕を高くして眠れるようになるだろう。
キャロルの事件……名前は忘れたがそれの時期にはどこか別の所に避難して、サンジェルマンたちの時もどこかに逃げて、それでシェムハの時もなんとか乗り切れば………
俺の勝ちだ!
二度目の20歳の誕生日、俺の目の前で和装美人が綺麗な正座をしていた。
腕の良い庭師が丹精込めて造り上げた庭先から太陽が差し込み、いっそ眩しく感じるような日だまりのなかで、背筋を伸ばし、まっすぐ此方を見据えた彼女は、その姿と同じかそれ以上に美しい声でこう告げた。
「はじめまして、風鳴翼と申します。今日はよろしくお願いします」
「は、はじめまして………こちらこそ、よろしくお願いします」
上擦った俺の挨拶に、隣に座る母が笑った。
頭が悪い系主人公と、風鳴翼の見合話。