シンフォギア習作 振れば風の鳴る翼的な女の子   作:レノボのカナリア

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まったく重要でない話。

話の流れを変えたせいで弊害があったりなかったり。


ちょっと昔のほんのちょっと後の話

内閣情報官は日本政府が行う様々な情報収集を統括する立場にある。

国家において生命線ともいえる情報を多く扱う都合、内閣府の中でも特に高い重要度を持った役職であり、その補佐ともなれば相応の待遇が与えられていることは想像に難くない。

 

今現在その内閣情報官補佐の地位にあるのは日本政治界の支配者とよばれることが多い風鳴訃堂の八男である風鳴八紘その人だ。

自らの職権と風鳴家独自の網を最大限に利用して情報を入手するその手腕を買われ、数年の後には肩書きから補佐の2文字が無くなることがほぼ確実視されている。

 

だからという訳ではないが、八紘は情報官のために与えられた応接室を利用して様々な人間との間に対話の席を設けていた。

それは関係各所の役人だったり他国の大使だったりと本当に様々な立場にある者たちで、彼の仕事に必要な会見の場としてこの応接室は良く良く使われていたのだった。

 

相手の立場が立場であるので八紘は常に隙の無い衣服に身を包み込み、対等に渡り合う姿をそこで見せている。

その姿は上司である情報官や部下、同僚といった面々に心強さと頼もしさを感じさせるに十分であった。

 

 

そして今、八紘は普段通りに隙の無い格好をして上座に座っている。

対して下座に座るのは大層畏まった青年で、その隣には心底愉快な物を見る目をした若年寄が1人。

青年は大きな――数年後を思えばまだまだ常識的なものだ――身体を縮こませ、恐縮したように挨拶をする。

 

 

「この度はお招きいただき、ありがとうございます。久我顕房の三男、雅実と申します」

 

「内閣情報官補佐の風鳴八紘だ。忙しいだろうにわざわざ呼び出すような形になってしまったこと、まずは謝りたい」

 

「い、いいえ、俺、いや私は学生ですから忙しいなどとは……」

 

青年、雅実が硬めの愛想笑いを浮かべている姿を横目で眺め見た寛三郎は、珍しいこともあるものだなと素直に思った。

彼の甥である雅実がここまで恐縮している姿など、産まれてこのかた一度たりとも見たことがない。

 

――後で兄貴に教えてやろう――

 

と内心でニヤニヤの寛三郎である。

 

 

 

翻って内心ドキドキなのは雅実だ。

 

彼としては御礼の手紙と、どうせだから何か書けと言われて書いた【いざは常、常はいざなり】という書を渡したことで縁が切れたものと思っていたのに、突然このような場に引き摺り出されてしまって余裕などどこにもない。

ツヴァイウィングがようやく結成されたことで浮き足立ち、帰ったらCDでも聞こうかとルンルン気分での帰宅途中にちょっと来いと車に乗せられ、そうかと思えばあれよあれよとグレード高めの役所に連れ込まれ、気付けば目の前に八紘がいた、そんな感じある。

 

 

「そんなに硬くならずとも良い。今日は、私が個人的に君と話をしたかっただけなのだ」

 

「は、はぁ……」

 

言葉とは裏腹に真剣そのものな目線を向けてくる八紘に、雅実はますますこれはなんなのかと悩む。

話をしたいと言われても何を話せば?と思い隣を見れば、雅実の意を理解しましたと言わんばかりに叔父が頷いて立ち上がった。

 

 

「私が居てはやりにくかろう?席を外すから、2人でゆっくりと話してくれ」

 

誰もそんなことを頼んでないんだが?と吠えたくなるのを必死で堪える雅実が何かを言う前に、寛三郎はさっさと部屋を出ていってしまった。

 

 

「えっと……」

 

「うむ、では始めようか」

 

硬くならなくて良いなどというような口先の優しさが感じられない様相の八紘主導のもとで、こうして会見は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「様々な武道で才能を見出だされていると聞くが、熱心に通うのはどこも最初の3月ばかりでその後は月4、5回ほどしか顔を出さないとか。何故だね?」

 

「それで十分だからです」

 

「十分とは?」

 

自分は真面目にやってますよー!アピールのためとは言えない雅実は普通に答える。

 

 

「技は既に私の中にあるので、誰かにこれ以上教わる必要がないのです。あとは身体の成長に合わせて型を変えるだけで十分かと」

 

「……なるほど」

 

構えたり意識したりせずに発せられたあるがままの答えに八紘は瞠目し、本心であろうとただただ理解出来た。

彼自身は武術云々に対する知識も技術もないが、弟と父が達人であるがゆえに分かる。

 

出来ることを出来ると気負わず言えるのは、真の実力者だけなのだ。

 

 

「君はその才能で何を成す気なのか」

 

「いえ、特には何も」

 

「何も?道場を持ちたい、腕を極めたい、そういったものはないと?」

 

「はぁ、あいにくそういう事には興味がありませんから」

 

一族の当主として施設で下の者たちに稽古をつけていたのは、言いようによっては道場で指導していたとも言えよう。

腕を極める云々でいうのなら、雅実は既に自分が到達できる所まで辿り着けたという自負がある。

 

昔以上の規模の道場などこの世の中には不必要かつ無意味だし、仮にそれ以上を望むのだとしても身体が前世と同じくらいに育たなければそのスタートラインにも立てやしない。

そもそも他人に稽古をつけるだけならばそこらの空手教室だのに募集すれば良く、実際に雅実は子供たちに空手と柔道を教えている。

指導者の資格はないが、教室の師範代の補佐としてやる形を取っているので問題はないだろう。

 

 

「そうか………では、進路はどうするのかね。君は高校では進学クラス、優秀な成績だと聞いているが」

 

誰から聞いてるんだそれ、叔父か?と思う雅実。

全部寛三郎が話した、というのは後に知ることだ。

 

 

「日本皇道大学に進学するつもりです。進路担当の教員には1年の頃からそう言っているので、このまま問題がなければ推薦すると言われています」

 

「日皇大、ということは体育学部ということかね」

 

「いいえ、理学部に」

 

「む?理学部というなら他大の方が良いのではないだろうか。君の学力なら他にいくらでも選択肢があるだろう」

 

「あそこほど聖遺物の研究が盛んな大学は他にありませんから」

 

聖遺物という言葉を聞いた八紘の眼光が鋭さを増したが、雅実はシンフォギア関連だから反応したのかな?くらいにしか思わなかった。

 

 

「聖遺物の研究は何のために行うのか」

 

「必要だから、としか言えないですね」

 

ノイズが怖いから保険的な意味合いで通いますとは言えるわけがない。

アニメでノイズが沢山出てくるのは主人公たちがシンフォギア装者だからであって、普通ならノイズ被害に出くわすのは一生に一度くらいだというのが通説なのだ。

 

可能な事ならば聖遺物の研究でノイズを被害を少なくしたいなどとそれらしい言い訳がしたいが、シンフォギアの存在が世間に知られていない現状ではそれも難しい。

この言い訳は櫻井理論が公表されるまで出来ないだろう。

 

 

「ご家族との仲は良好だと聞いている。良いことだ」

 

「えぇ、まぁ……はは」

 

現時点で娘とわだかまりがある男にそんな事を言われても、雅実は困るしかない。

その愛想笑いを八紘は照れ笑いと勘違いした。

 

 

「いや、その年では答えづらい質問だったかな。忘れてほしい」

 

年齢的には思春期でも中身は違うので普通に答えられるのだが、勘違いしてくれるならそれで良いので雅実は神妙している。

 

 

「では最後に聞きたいのだが、君を嫌う分家の者たちを処理できる名分を得たらどうする?」

 

「皆殺しにしま」

 

直前まで素直に回答していたせいでまともにヤバイことを口走ってしまった雅実は、そんな失言に一瞬固まった。

当然、八紘も固まった。

 

 

「あ、いや、その、有馬の叔父や他少数のまともな親類は残しますよ?それに罪の無い女子供に手を掛けるのもね、ははは」

 

冗談だったんだと誤魔化すように笑って惚けてみたものの、八紘はなにやら考え込むように黙ってしまう。

雅実の額には汗が滲んだが、こちらは自業自得だ。

 

時間にしては1分と経たなかったが、感覚的には果てしない時間であったその1分未満の時が過ぎた後で、八紘は何かを決心したようにうなずいた。

 

 

 

「最後と言ったが、もうひとつ聞かせてほしい」

 

「はい」

 

「婚約者はいるか?」

 

「今のところ居ませんが?」

 

「そうか、うむ」

 

「………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イチイバル紛失の折、さるやんごとなき人間が言った

 

「風鳴の家に不安を覚える」

 

との言葉。

その言葉は宮内庁の職員であり、じゃんけんに負けて貧乏くじを引かされるはめになった有馬寛三郎の口から風鳴訃堂へと直接伝えられた。

 

訃堂はその言葉を聞いた瞬間に怒りを露に…………はしなかったが、身に纏う空気やまなじり等々から相当に怒り狂っているのが分かる状態に。

勿論その矛先の全てはイチイバル紛失を招いた自家に向いていたのだが、普通の人間である寛三郎には分かるはずもなく、ただただビビり散らしていた。

 

そのような空気に寛三郎は覚えがあったが、訃堂のそれに当てられた時にはそんなことを思い出している余裕などないわけで……………その殺意がまだ幼い雅実から時折立ち上る、仄かに暗く重たい雰囲気と同じなのだと思い出したのはそれから数年が過ぎた頃。

その時には訃堂は表立っては引責辞任をして引っ込んでいたし、別に思い出したからどうということになるわけでもなかったからまた忘れたのだ。

 

 

そして先日。

 

高松宮から甥の雅実へ筆が下賜されるとなったとき、殿下と呼ばれるようなお人から筆を渡されては久我の家に血の雨が降るということで中継地点を探していた。

高松宮の外遊日程を詰めるためにたまたま八紘が部屋に入ってきたからそのまま中継地点にしたまでは良かったのだが、問題はここからである。

 

八紘に雅実とはどのような人物なのかを問われた寛三郎が、子細詳しく説明していた時にまたまた殺意がどうとかを思い出したのだ。

だから説明している時に何気なくこう付け加えてしまった。

 

 

「御前に似た威圧感というか殺気を感じたことがままあるな。普段、というか分家の爺様婆様に絡まれたりしなければそんなこともないのだが……」

 

と。

 

 

並外れた身体能力、優れた知能、奇行に走ることは多いが比較的まともな思考回路、家族に対する愛情と敵対する人間に対する重い殺意。

遣り手政治家の基盤を継いだ若手政治家の弟。

 

風鳴訃堂に近しい物を感じさせるという威圧感。

 

 

注目せねばならない男が出てきたな、とこの時の八紘はそう思うだけだった。

 

 

 

その考えが変わったのは御礼の手紙と書を受け取った時である。

 

結局高松宮からの筆だと本人にバレてしまったらしく、当然御礼の手紙の内容は形式から外れない極々在り来たりなものになり、特筆すべき何物もないものになった。

下手な内容ではなかったし、形式ばった文章というのも公職に就いている訳ではない青年が書くには難しいだろうがそれは親の教育が行き届いている証左でしかない。

 

 

しかし書は別だった。

 

受け取った書を広げた八紘は、そこに書かれた【いざは常、常はいざなり】の言葉に目を奪われた。

この言葉は八紘が、否、風鳴の者が良く口にする常在戦場と同じ意味合い。

 

流れるように滑か且つ力の籠った筆から、この言葉はただ書かれたものではないと読み取れた。

おそらく雅実自身がこの言葉を心に刻んでいるのだろうと、八紘には思えたのだ。

 

雅実は単純に、常在戦場って言ってる翼ちゃんのパパだもんね!くらいのつもりで書いているから深読みである。

 

 

 

尋常な存在ではない。

 

風鳴家のように護国を報じ、防人として教育を受けてきたのなら理解もできようが久我は違う。

本筋は貴き血の一族、戦いの心得などあろう筈もない。

 

なのに雅実は、誰に教わるでもなくそれを理解しているのだ。

 

 

――この男が善悪どちらに転ぶかによって、日本の政治は大きく変わるかも知れない――

 

国家の安寧を謀る情報官補佐として、防人の家系として、会ってみないといけないだろうと八紘は考えて、寛三郎へ仲介を頼んだ。

八紘を信用していた寛三郎は二つ返事で了承し、当人の頭を飛び越えて兄である顕房へ話を通した末にこれを実現させてこんにちに至る。

 

 

 

そして当日の朝、雅実が結成されたばかりのツヴァイウィングのファンになったと寛三郎から連絡があった。

 

しかも

 

「産まれる前からファンでした!」

 

と訳のわからない事を口走りながら購入したCDを周りに配り歩くほどの熱烈なファンであるという。

 

八紘は当初雅実が自分と会うと知って話題作りにしようとしたのではないかと邪推したのだが、本人に内緒にしている寛三郎がそれを強く否定。

あまりにも強い否定をされたので事情を聞けば、雅実は叔父にも布教の手伝いをさせようとCDの束を渡してきたのだという……ノルマは20枚だとか。

 

 

「第一、あれはそういう下心で動く奴ではないよ」

 

自信ありげな寛三郎を八紘は信じた。

下心で動く男がそう言うのだから信じるしかないだろう、好きなアーティストの布教を叔父にやらせるのが下心でないのかという疑問はさておくしかないが。

 

そして八紘は雅実と会い、話をして決心した。

翼を護るための盾として身内に引き入れるという決心をしたのである。

 

 

非道だと謗られる類いの謀だとは分かっている。

自分の娘の為に他人を利用するようなことは本来八紘の望むところではない。

 

それでも翼を護るのは父親である自分の役目で、その為ならば娘本人に嫌われようともやれるだけの事はしてしまいたかった。

既に家から出したとはいえ訃堂がその気になれば幾らでも連れ戻せてしまう状況のままで置いておけるほど、八紘の心は太くない。

 

血の濃さを保つという理由で息子の嫁を奪うような男だ、同じ理由で翼に手を出さないという保証はない。

そういう意味で言えば雅実は実に都合が良い人材だった。

 

 

遡れば天皇の孫が祖という超が付くほどの優れた血統で、実力者とはいえ歴史がさほど長いわけでもない風鳴の血に勝る価値を持っている。

そんな久我の家人でありながら三男という比較的自由な立場を持ち、婚約者もいない。

性格が破綻している様子もなく文武両道と言って差し支えない成績をしている。

成長期のただなかである現時点で既に弦十郎並の身躯は、さらに大きくなることを加味せずとも頼もしさという点においては比類ないものだ。

 

これだけの材料があれば訃堂から穏便に翼を引き離せる、まさに翼のための人材と言えるだろう。

 

 

なによりツヴァイウィングのファンということから翼を嫌うとは考えられず、娘を妻とすれば訃堂のみならず様々なものから護ってくれることだろうと思えた。

父親としては煩わしい家から出ていかせたのだから自由恋愛をさせてやりたいという気持ちがあるのだが、実際問題そうはいかないのが現実である。

 

だからこそ、少しでもマシな方向に持っていけたら良いと頭を悩ませる八紘であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は現在の風鳴本邸にて、正座させられている翼を見下ろすように腕を組み、眼光鋭くマリアが言った。

周りには弦十郎と緒川慎次もいる。

 

 

「ねぇ翼。ちょっと小耳に挟んだのだけれど貴女、雅実がパパさんと会っていたことを知っていたって本当?」

 

「あぁ、知っていたが」

 

「「「はぁ………」」」

 

「何故に私が咎められる空気に!?」

 

保護者3人から溜め息が漏れたことへ釈然としない思いを抱いた翼が声を挙げると、やれやれといった面持ちで弦十郎がそれに答える。

 

 

「雅実君がお前の見合い相手になった理由がそこにあるからだよ」

 

「そうなのですか?」

 

「政府から許可がようやく降りて、俺たち3人が親父と会ってきたのは知っているな?」

 

「はい、それは勿論」

 

訃堂から見合い相手のことを聞くべく半年近く前に面会を申請していたのだが、それが叶ったのが昨日のこと。

とうの昔に雅実への不審を無くしていたため申請していたことすら頭の外にあったSONG面々は、通達されたのが当日の昼だったことも相まって弦十郎、マリア、慎次の3人で慌ただしく動くはめになったのだ。

 

 

「今となっては聞く必要もなかったんだがな、一応聞いておこうと思って雅実君の話を聞いてみたんだが……親父も良く知らなかったんだ」

 

「え?」

 

「御前に仕えていた緒川忍群に雅実さんの情報がないのはおかしいとは前々から思っていましたが、どうにも八紘さんから御前に見合い話を持ち出したということなんです」

 

「お父様から?」

 

「はい。それで八紘さんが会って話したこと、それとまとめた情報を元に2人の見合いをセッティングしただけで、直接見たことも調べてもいないと」

 

当時はノイズ被害が今ほど深刻ではなく、櫻井了子による聖遺物の実験も表立っては本格化しておらずシンフォギアの有用性も確立されていない時期であったので、訃堂の野心は眠っており本当に隠居する気でいたらしい。

そんな合間の出来事であったから、八紘の画策はものの見事にハマった。

 

 

「雅実君の話をしたら驚いていたぞ、俺より遥かに大きい男なら自分の目で見てみたかったとな」

 

「叔父様より大分大きいですからね……というより私と見合いをした日よりもっと大きくなってますし」

 

「成長期とは恐ろしいですねぇ」

 

「あれを成長期なんて言葉で収めるんじゃない!」

 

見合い前の調査では2メートルちょっとだった身長が、たった半年足らずで30センチ近く伸びている。

病気を疑うような伸びであるが、雅実本人は多分そろそろ伸びるだろうなぁと思っていて、実際その通りに伸びたのでさもありなんと言ったところ。

 

この男、昔からそろそろ身長が伸びそうだと周りに伝えては伸びるので、きっと前世は竹の子か何かだったのだろうと家族に思われている。

 

 

 

「それで、あの、そろそろ正座を崩しても」

 

「ダメ」

 

「いやでも」

 

「デート中のどうでもいい話は私にするくせに、こんな大事な事は言わないってなんなのよ。今日はとことん説教させて貰うから」

 

「待ってくれないかマリア。今回に関しては私は悪くないぞ!」

 

遺憾だ、遺憾だぞ!と挙手する翼。

他3人が顔を見合わせてから言葉を促す。

 

 

「そもそも私は、雅実さんが私のファンだと言うことすら教えられて無かった。私が変に意識しては駄目そうだから情報をあまり回さなかった、そうだな?」

 

「えぇ、そうね?」

 

「そんな私からすれば、雅実さんはお祖父様と縁があったのだと思っていたわけだ」

 

「ふむ」

 

「それで、デート中に話の流れで「私は父と似ていると友に言われた」と伝えたら「確かに似ているね」と言われたのだ。だからお父様を知っているのかと訊ねたら」

 

「会ったことがある、と?」

 

「そうだ。呼び出されて色々と話した、と。雅実さんが特に意識するでもなく普通に言うものだから、マリアたちもこの事を知っているものだとばかり思っていたんだが…………」

 

「「「…………」」」

 

翼の言葉に3人はふたたび顔を見合わせてから

 

 

「やれやれ、今回だけだぞ翼」

 

「足を崩して良いわよ」

 

「大変でしたね、翼さん」

 

と微笑みながら言うものだから、翼は言葉を失った。




――――

2度しか呼んでないので伏線にもなってない伏線でしたが、基本的にフルネームか名字でしか頭のなかで呼ばない雅実が八紘のことを「八紘さん」とか「八紘氏」と頭の中で呼んでいたのは会っていたからです。

雅実は単に呼び出されて質問されたという印象しかなかったからこれが見合いに繋がっているとは思ってません。
あくまで叔父のせいでアニメの登場人物と遭遇してしまった、くらいの感覚。

ちなみにマリアの小耳に挟ませたのは世間話から気づいた未来です。




見合い話が持ち上がった時に訃堂が雅実を調べていたら絶対に見合いなんてさせなかった位には、ツヴァイウィング結成以前の雅実は
ストレスで色々とヤバい感じ。
八紘はそれを感じられるほど戦いに関する知識も経験も知覚もなかったから気づかず、XV以降の弛んだ雅実しか知らない弦十郎は言わずもがな。

雅実とって良かったのか悪かったのか、こうしたスレ違いが重なって見合いが現実となりました。


――――


ネイチャとタキオンが好き、とかなんとか言ってみたり。
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