シンフォギア習作 振れば風の鳴る翼的な女の子   作:レノボのカナリア

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短いデス


出歩いてた話

 

「ふふふ、楽しかったです!ね、暁さん!」

 

「そ、そうデスね、とても楽しかったデス……」

 

「ははは、そうかそうか。他にも興味があったら言うんだよ?案内するからね!」

 

とっととハシレタローの音楽に合わせて走り回るダチョウモドキの群れから別れた俺たち三人は、大学の構内を歩いて回っていた。

切歌ちゃんとセレナちゃんを肩に乗せ一度はサークル棟までたどり着いた俺だったんだが、その時には他の子達は何かがあったらしいマリアと合流するという連絡が切歌ちゃんの携帯に来ていたんだ。

 

緊急そうで緊急でなさそうな何からしく、両肩の二人は今のまま遊んでいろという話らしい。

最初に構内で切歌ちゃんと遭遇した時に言っていた先輩一人ともう一人っていうのは、装者関係ではないらしくどうやら此処に知り合いがいるとかで他所へと出歩いているんだとか。

 

だから、ふぅん世の中って狭いんだね!とかなんとか思いながらそこらを練り歩き、セレナちゃんがマップを指差した所へと向かってあちらこちらへフラフラフラフラとしているのが今の俺たちなのである。

 

 

「大学のお祭りってこう、凄いんですね!」

 

剣道部提供の竹刀型ポテトフライ(竹刀に見えるとは言っていない)を片手にセレナちゃんが言う。

周りにはたくさんの出店があったり展示物があったり、なんか良く分からないイベントをやったりしているサークルがあったりととんでもないカオスだ。

 

 

「そうデスねー、リディアンでも秋桜祭って学祭をやってるデスけどそれとはやっぱり桁違いデス!」

 

「うーん、まぁ凄いには凄いんだけどね。 ウチは特に学生の力が強いところがあるからさ、色々とやることなすことが酷くて……去年までは未成年相手に大っぴらに酒を売るようなこともあったし突然喧嘩が始まったりもしてたんだよ」

 

一年目と二年目で俺が念入りに潰したから今年は無いだろうが、俺が居なくなったらまたやりそうだから卒業しても学祭には来るつもりでいる。

出展やらイベント権やらで幅を利かせたがるOB連中は未だにやって来るし、なんなら今日だって来るだろうから俺がそれを潰しに来たってイーブンだろう?

 

 

「それはちょっと怖いですね」

 

「あぁ、いや、しっかりと絞めてあるからそれなりに健全な祭りなってるし、そこは安心して良いんだよ? それに相手がノイズでもなければ俺でどうとでもなるからね!」

 

「ノイズならアタシたち二人がなんとか出来るので、向かうところ敵なし、デス!」

 

そうかな、そうかも?

いやでもアタシたちってことはセレナちゃんもギア纏えるんだなぁ……………なんの聖遺物なんだろう?

 

 

 

 

――――

 

 

 

 

一通り、といってもセレナちゃんや切歌ちゃんの気の向くままにだけど、辺りを回った俺たちは少し休憩しようってことになって研究棟を訪れていた。

此処と隣の文化棟の出店は落ち着いた喫茶や展示物が多いから、表に比べればだいぶ人も少な――――いや言葉を飾りすぎた、殆んど居ない。

 

一応俺が世話になっている中村教授が開いている研究部とほとんどその部員くらいしか顔を出さないゼミを受けている連中が開いたカフェと研究実績の展示解説はあるんだが、聖遺物関連の研究なんて本当に政府関係者とか外国のそういった連中くらいしか興味を持たないしカフェだって別に特色が有るわけでもないからわざわざこんな所に来なくても良いってなるよ。

 

 

「まぁだから休憩スポットなんだけどね!」

 

「「なるほど~」」

 

いやぁ周りからの視線を気にしないで住むのは楽で良いわ。

女の子を肩に乗せているのはさすがに目立って仕方がなかったからなぁ………ほらほら、俺たちは客だぞお冷やもってこい!

 

 

「後輩のくせに態度でけぇな久我ぁ!」

 

言葉とは裏腹にちゃんと三人分のお冷やを持ってくる研究室の先輩。

しかしまぁ、あははは、いやいや何を勘違いしておられるのやら。

 

 

「俺は客だから神様なんですけど?その態度はとっても不敬では? 接客の教育がなってませんなぁ?」

 

「神様向けの教育も何も人間が来ることしか見越してねぇよ! いやそれよりも穴場とはなんだ穴場とは。全体で見ても数少ない喫茶店だぞ、需要有りまくりだろうがよ」

 

「需要ねぇ、今日の来店者はいかほどで?」

 

「喜べ、お前とお嬢さん方合わせて記念すべき三人目だ」

 

ZEROだったんじゃないか。

 

 

「おかしいなぁ、予想だともうちょい人が入るはずだったんだが」

 

「此処に来るくらいなら隣の棟の大正風メイド喫茶とか、自作マンガ喫茶とか色々有るじゃないですか」

 

「教授から貰った紅茶やコーヒーという強み有るんだが?」

 

「それ、試飲だっていって一週間前に全部飲んでしまって、慌ててインスタントを俺が買いに走りましたよね? 提供する食物も一緒に食べてしまったからって業務用スーパーの安物を俺が買いに走りましたよね!?そんでもって用意してた看板だって全部書き直したじゃないですか!俺が!昨日までに!」

 

事前準備が全部無駄になっちゃったんだぞ!

お品書きだって気合い入れて書いたのに消されたりして!

 

 

「そんなもん美味い飲み物と食い物、チンチロリンが弱いお前が悪い」

 

「ち、畜生開き直りやがって………」

 

ギャンブルが弱いのが悪いってなんだよ。

いや、こんなんだから暇になるってんで俺が自由に回れるようになった事自体は構わないんだけどさぁ!?

 

「で、このお嬢さん方とは一体どういう関係なんだ?」

 

「こっちの切歌ちゃんが俺の見合い相手の後輩で、あとこっちのセレナちゃんは…………どうなんだろう?」

 

「俺に聞かれても……ていうか、そっちが見合い相手じゃないのかよ!仲良く歩いてるってことだから見合い相手なのかと話してたのに!」

 

「ははは、違う違う」

 

見合い相手は翼ちゃんだからね。

 

 

「あのー」

 

「切歌ちゃんだっけ、どうした? あぁ注文ならなんでも頼みな、久我に全部出させるから」

 

「それは後でお願いするデスけど、アタシたちが一緒に歩いているのって噂になってるデスか?」

 

「あぁ、なってるね」

 

そうなの?

 

 

「とぼけた顔をするな久我。お前がだらしなくデレデレとした顔で女を連れて歩いてるって学内のネットに出回ってんだよ、見合い相手に違いないってな」

 

「プライバシー!俺のプライバシーはどこにある!」

 

「そこに無ければ無いですね」

 

メニューを指差して言うんじゃない!売りものじゃないんだぞ!

 

 

「しかしまぁ見合い相手に怒られないのか? 相手方の後輩とはいえ他の女の子とデートまがいの事をして」

 

「こんなのデートまがいにすら成らないですよ。ただ案内して回ってただけなんですから、だろう二人とも」

 

「そうデス、つば………先輩はこんなことじゃ怒らないデスよ」

 

「えっと………」

 

「セレナ?」

 

俺の言葉にセレナちゃんが首を傾げて何やら考えるそぶりを見せている。

あれか、翼ちゃんが怒るかどうか悩んでいるのか?

 

 

「あ、皆さんが言ってた風鳴さんのお見合い相手って久我さんの事だったんですね! !」

 

「「…………………」」

 

「カザナリサン?」

 

すごくすごい自然に暴露したー!!!???

 

 

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