シンフォギア習作 振れば風の鳴る翼的な女の子   作:レノボのカナリア

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お久しぶりです。
ゾンサガにハマりました。
こんにちは。

新しいスマホ、文字入力がし辛いのなんの……


お話

 

「カザナリサン?」

 

セレナちゃんがその気もなく普通に暴露した名前を飲み込んだ研究室の先輩は、一瞬、二瞬、もしくはもうちょい固まった後で俺の方を見てきた。

その視線に込められた意志にこれはバレたなと思う俺へ

 

「この子の言うカザナリサンってのは………あの風鳴だよな」

 

と先輩。

 

 

「あの、というのが何を指しているのかは定かじゃないが、そうですね!」

 

「あー………なるほどね、なるほど。だから復帰ライブのチケットなんて用意出来てたのか」

 

「まぁ、そうですね!」

 

他の誰かなら適当に誤魔化せるかも知らないが、この人は俺と同じ聖遺物の研究室の人間だ。

流石に風鳴の名前は聞き逃されないよな。

 

 

「そりゃ相手なんて言えないな。学友君には、特に」

 

良くわかってるな先輩よ。

翼ちゃんがお見合い相手だなんてアイツが知ったら俺とくっつけようとするもんな。

 

 

「で?」

 

「はい?」

 

「はいじゃない。付き合いは続いてるんだろ? いつ結婚するんだ?」

 

「付き合いってものじゃないし、結婚なんてしませんけど……ただの見合いですし」

 

「はぁ? 何もったいねぇこと言ってんだお前。 結婚したらお前の大好きな翼ちゃんとも親戚付き合いが出来るだろうが。最高じゃねえの?」

 

翼ちゃんと親戚付き合いってことは、勘違いしてるな………どうやって誤魔化そう。

うーん。

 

 

「えー、雅実さんがお付き合いしてる人はデスね、ちょっと特殊な立場な人なので、風鳴は風鳴だけどなんといいますか、名前が風鳴なだけ!そう、名前だけなので風鳴翼さんとは親戚付き合いなんて出来ないのデス!」

 

切歌ちゃんの助け船、うそは言ってない、翼ちゃんと結婚したら翼ちゃんと親戚にはなれないからな。

 

 

「あー、風鳴って後ろ暗そうなお家だもんなぁ色々有るかぁ」

 

「そうなのデス!」

 

色々有るかぁで済むかどうかわからないけどな。

 

 

「だが、そういうことなら逆に優良物件なのかもな、その見合い相手の子自身は」

 

「一体どういう意味で言ってます、それ?」

 

「ん、あー………お前がここに入る前くらいにな、教授んとこに風鳴機関っつー諮問機関から引き抜きの話が来てたんだよ 」

 

は? いつの時期だ、それ。

風鳴機関が有るってことはAXZ前か?

 

 

「その時俺は修士課程に入ったばかりだったんだが、この道を進むんなら大学の研究室よりちゃんとした施設のあるうちの機関に入らないか?って俺まで唆されたわけ。正直プレゼン聞かされた時は待遇の良さに揺らいだもんだ…………ここの資金調達が芳しくないのは久我も知ってる通りだろ?教授も一緒だって言うなら本当に良い話だと俺は思ったぜ」

 

だが、と先輩が続ける。

 

 

「その頃の教授はSONG、前は特異災害なんたらって名前だったが色々と面倒な組織があったんだがそこに対抗心を燃やしさててさ、なんでもそっちの責任者も風鳴家の人間だっていうじゃねぇか」

 

責任者っていうと弦十郎さんだな。

二課時代ってことは無印頃なんだろうが。

 

 

「だから断る!って教授が突っぱねたんだよ。そうしたら来るわ来るわ、分かりやすい圧力がすっげー来るんだよ…………あれだぜ?変なハニワだの青銅の刀剣だの、うちに有るあれらは教授が当たりをつけた所から発掘されたんだぜ?」

 

「まじですか!?」

 

「おう。で、教授がいうには更に奥には多分装飾品の類がまだ有るだろう!って話だったんだけどな」

 

「だけど?」

 

「横取りされたんだよ、発掘現場を」

 

発掘チーム相手にはえげつない圧力だな、それは確かに。

 

 

「そんなことがまかり通るんデスか?」

 

「悲しいかな。案外通るもんなんだよ、世界ってのはね」

 

「酷いです!」

 

「だろう? しかも発掘現場にノイズが出て、調査チームの人たちが死んでしまったから現場は封鎖されてしまったし」

 

「ノイズがですか? それは相当運が悪かったですね……」

 

アニメじゃ馬鹿みたいに出てくる雑魚ノイズも一般人は死ぬまでに一度も見ないことなんて普通らしいからな。

一応聖遺物もどきみたいな物が発掘されていた現場だし、湧きやすいのかね。

 

 

「あぁ、教授としてもやりきれないだろうよ。天羽さん達とは古い友人だったらしいし、外された時に一緒に辞めさせれば良かったと嘆いていたよ」

 

「「「なるほど……」」」

 

ふーん、蒲生?って人たちも、本当に運がないな……

 

「まぁそんなんで風鳴にはあまり良い気がしないわけなんだが、そういうのと関わりが無いのなら良いんじゃないかと思ったんだ」

 

深読みも深読みだけどな。

 

 

「さて、久我はともかく君たちには分からない変な話をしてしまったな。とりあえず何かジュースでも飲むかい?」

 

「いただきます!」

 

少しいたたまれない感じの空気になったのを嫌った先輩が切歌ちゃんたちに飲み物のメニューを見せているのを眺めながら、俺は少し考えを纏めることにした。

 

 

 

 

俺はこの世界をシンフォギアXV後、幾度かの物語があった世界だと思っていた。

いやそれ自体は間違っていない思うんだが、俺の考えだと今現在も新しい物語の最中のハズだったんだ。

 

蜻蛉切なんて聖遺物もそう、翼ちゃんのお見合いなんて良く分からない出来事もそう、見合い相手の俺こと【久我雅実】もそう。

どう考えても物語のイベントや人物そのものじゃないか、とね。

 

 

「あ、向こうも話が終わったみたいデスよ。響さんが合流しようって」

 

「えっと、じゃあ此処に来てもらいましょうか?」

 

「そうするデスよ!」

 

「おや、お友達を呼んでくれるならサービスしちゃうぞ?」

 

ただそうだとするとおかしな事があるんだよ。

 

俺、結構な頻度で翼ちゃんとデートしたり調ちゃんと連絡を取ってるんだけど、なんか全然新しい敵がー!とか出撃だー!なんかをしたりしているような緊張感が感じられないんだ。

なんだろう、こう、暇ゆえの弛緩した空気というか、そんな感じ?

 

「良いんデスか?」

 

「勿論、久我に奢らせるからモーマンタイ。じゃあ俺は引っ込むからごゆっくりー」

 

 

幾らなんでもゆるすぎないか?

 

仮になんらかの懸念事項があったらもうちょっと、それらしい感じになるだろう?

今日だってそうさ、わざわざ聖遺物の研究をしている所にマリアが赴いてシークレットでライブをする?それを見に装者が集まっている?

 

いやいや、どう考えても何か起こるだろ!

 

切歌ちゃんに届いた何かがあったからマリアに合流するって連絡だって、普通に考えたら不穏な物に違いない。

 

なのにそんな気配は微塵もないんだ。

 

 

中東でぶっとばしたアヌンナキはどうした?

 

あれは学友の前で殺しをやらかす気なんてさらさらなかったから適当に殴り飛ばしただけだ。

手応え的には生きてるはずなのに未だに姿を現さないのは流石におかしい、あれから何ヶ月経ったと思ってるんだ。

 

奴は俺たちを見て同胞がどうとか言ってた気がするが俺にはなんにも心当たりなんかねぇし、学友が神かと聞かれたらいやまぁ縁結びの神かもしれないが、神コミュ力なんてアヌンナキ云々は関係ないだろ?

 

 

「今更なんですけど暁さん、久我さんと他の人って面識あるんですか? ほら、今から皆さん来るわけですけど」

 

「有ります有ります。ガッツリと有りますとも」

 

 

なんだかなぁ、スッキリしないなぁ………俺ってばなにか勘違いしてるのかなぁ。

 

幾らなんでも何も無さすぎるんだよなぁ。

 

 

 

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