シンフォギア習作 振れば風の鳴る翼的な女の子   作:レノボのカナリア

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現実逃避の話

前にも言ったような言ってないような気がするが、俺の家である久我は相当古くから根付いた家で、その歴史相応なくらいには裕福な名家であり、政治家の親戚や宮内庁、はたまた警察の奥深くにいる親戚もいるようなご大層なお家柄だ。

若くして(政治家としては)引退して野に下っていた父親は実業家としてもそれなりの名声を持っていて、二人の兄は叔父のコネと父の基盤があってか政治家として若手有望株と言われている。

 

 

傑物揃いの男家族の中、他二人の兄と違って今の俺は大学生なわけだが、父の仕事を継ごうとかはしていないし、兄達のような政治家になろうとか警察になろうとかも考えては居なかったから気儘に学生生活を謳歌中。

 

 

 

というか気儘に生活することを、何故か許されている状態だ。

 

 

 

生き残るため、または多少なりとも先んじて危機を察知できるようにと聖遺物の研究が盛んな大学へと進学しそこでは結構励んでいるわけなんだが、普通の人々からすれば聖遺物によってもたらされる超常の力なんてその存在からして理解できるわけがない。

政治の深い所に踏み込んでいるような叔父や宮内庁勤務の親戚だけは別なんだけど、後の親類達は聖遺物の研究をただのオカルトマニアにしか意味の無い歴史学か何かだと思っている節がある。

 

そりゃそうだと、思わないでもない。

 

 

普通に考えて

 

「なんか知らんけど、出土した青銅器?的な器の力で室内の放射線量が減りました」

 

だの

 

「なんか知らんけど、立て掛けてた朽ちた槍にトンボが止まった結果天井ごとトンボが真っ二つになりました」

 

なんてオカルトの噂話だしな。

いや、研究室に入って早々の実体験なんだけどさ。

 

 

で、それを俺を嫌う親戚が居るとこでこんなこと有ったんだよなーなんて言った俺も悪いとは思うが、あれから更に一部の敵意が増えた気がする。

 

昔から生存活動的な行動に対して嫌みや苦言を言われてもいのちをだいじに!と無視して身体を鍛えて来た俺が、成人間近になって突然頭のおかしい電波発言なんてしたらそうなるよなって感じはするけど…………いや、オカルト発言自体よりも、そこまで嫌われてるんだったら行くとこまで行くかなー!とやけっぱちになって久我家伝来の宝剣を研究室に勝手に持っていったのがイケなかったのかもしれない。

 

しかも、それがただの偽物だったというのが最高に最悪だったのか?

でも偽物だったのは俺のせいじゃないっていうか、そもそも骨董品なんて大体偽物なんだしそれくらいで目くじら立てるなよとか、色々言いたいことがあるけど……

 

 

「恥を掻かせおって!」

 

っておじいさん連中が本気でキレ散らかして青筋立ててたからそれは黙っておいた。

俺は空気は読むし。

 

あ、俺とは逆に親戚一同から溺愛されている妹sがこっそり教えてくれたことだが、ますますもって狂ってきた俺を久我から追い出そうとしている動きも出てきたんだそうな……パパは庇ってたよ、とも教えてくれたことだけが救いかな。

 

 

 

 

 

結局何が言いたいのかって?

 

 

お見合い相手の彼女と二人きりで散策している時の話題に困って、相手は聖遺物については知ってるんだしこれが話の種になるかなと何気に口にしたら………

 

 

「私が聖遺物関連の事を知っていると、なぜわかったのですか?」

 

ってきつい目を向けられてるからだよ!!

 

 

 

俺、貴女が聖遺物を知ってるとは言ってないんですが? ただ俺が聖遺物関連の勉強をしてるって言っただけなんですが? ……………(震え)

 

 






翼ちゃんは早とちり大好き防人。
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