今の所、世界の命運は俺にかかっている   作:流石ユユシタ

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六十二話 猫生活

 俺は叫んだ。気付いてくれと!!

 

『頼む!! 気付いて!!!』

 

「ん? 猫がいるわね……こっちに向かって鳴いてる」

「野良でしょうか? 黒くて小さくてかわいいですね」

「って言うか周りにうちの高校の制服落ちてない!? 事件!?」

 

お、早速三人が気付いてくれた!! 頼む俺って気付いて!!! このままだと野宿だよ!!

 

なんか雲行きも怪しくなって来たし、夜は雨降るかも……

 

三人が膝を曲げてお尻を地面に着けずに腰を下ろす……太ももが良い感じに見えちまう。銀堂コハクは肉付きが良いな。火原火蓮は引き締まってる中にもほのかな柔らかさがありそう。黄川萌黄の足はもうエロいね……いや、全員エロイんだけどね……

 

こんな事を考えてる場合じゃない。気付いてもらわなくては

 

『俺ですよ!! 黒田ですよ!!』

「この制服、男子ね……」

「何故、服が脱ぎ散らかされているのでしょう?」

「何か事件のにおいがするね……これ交番に届ける?」

「そうね。取りあえずって! ちょ、ちょっと待ってパンツもあるんだけど!!! 誰よ!!」

 

火原火蓮がズボンを持とうとした時中にパンツがあるのを見つけると大慌てで手を離し声を上げる。

 

「これはとんでもない変態の予感がするよ。争った形跡もないしきっと自発的に脱いだんだ……ほっといてコハクちゃんの家に行こう」

「そうね。何か危ない感じがするわ……」

「そうですね。見なかったことにしましょう」

 

銀堂コハクと黄川萌黄と火原火蓮は見て見ぬふりと言った感じで帰ろうとする。制服は良いから俺に気づいて!!! 制服も出来れば気付いて欲しいけど!!

 

「あ、この猫どうする? ……ちょっと僕好みかも」

「私も……なんか十六夜に似てる様な……」

「確かに……」

 

銀と赤と黄の二人は制服から猫化した俺に興味を移す。

 

「十六夜君にそっくりな目です!! ああああ、私決めました!! この子と一緒に住みます!!」

「ええ!? いきなりすぎじゃない?」

「そうよ、拾うならもっと慎重に選ばないとダメよ」

「もう決めました!! 貴方の名前はイザヨイです!!」

 

銀堂コハクが俺を両手で抱え目をキラキラさせる。制服どうしようかな……誰か交番に届けてくれるかな?

 

「ええ!? 彼と同じ名前を付けるの!?」

「いいんですよ! そっくりですし! ねぇ~、私のイザヨイ?」

「コハクの他の欲を感じたんだけど」

『それより出来れば制服も拾って欲しいです……』

「アハ、名前喜んでくれてますよ! ほら、にゃーにゃー言ってます!」

「喜んでるのかな? 僕にはわかんないや……でも後でちょっと抱かせて?」

「私も」

「いいですよ。ねぇ~? 私のイザヨイ?」

『制服を……拾っていただけませんか?』

「ああー、可愛い、最高。まさにこれは運命。私とイザヨイの運命の出会い」

 

彼女は俺を抱き寄せた……うぉぉぉぉぉ!!!! 上半身の存在感がすげぇぇぇぇぇ!! 息できないですよ!!! うぁぁぁあぁっぁぁぁあ猫ってさいこおおおおおおお!!!!

 

「なんか彼と猫を混同してない?」

「そうね。確かに十六夜と似てるってのは分かるけど……」

「あ~、可愛い、私のイザヨイ!! 私のイザヨイ!!!」

「アンタ、私のイザヨイって言いたいだけでしょう?」

「うん、僕もそう感じる……」

「なななな、何言ってるんですか!? そ、そんなことないですよ!? そうですよね!? 私のイザヨイ!?」

『ノーコメントでお願いします』

「ほらほら、私のイザヨイがそんなことないって言ってます!! だから、私は私のイザヨイと言いたいだけではないんです!!」

「あ、うん、それでいいわ」

「それよりコハクちゃんの家にいこうか?」

「はい、イザヨイはしばらく抱っこしてあげますからね? 何と言っても私のイザヨイですから!」

「アハハ、凄いね……それにしてもこの猫。殆ど汚れがないような……野良だよね?」

 

彼女は再び抱き寄せる。さ、酸素がう、薄い……でも、これで死ねるなら……満足かも。銀堂コハクで窒息死ならそれで……

 

◆◆◆

 

 

 何とか彼女のマンションの部屋の中までは生きることは出来た。それにしても猫って良いな。グへへへへ。童心に帰る感じ……

 

 

「それじゃあ、テストの要点を纏めましょう」

「分かったけどいつまで抱いてんのよ」

「猫窒息しちゃうよ?」

「ご、ごめんなさい。イザヨイ……大丈夫でしたか?」

 

彼女は俺を離す。ああ、急にむなしい……でも、ようやく空気がすえる……

 

「ああ、やっぱりちょっと弱ってる。しばらく放っておきなさい。空気を沢山吸わせてあげるの」

「そうですね。ごめんなさいイザヨイ……」

「コハク、イザヨイってよんで恥ずかしくないの?」

「全然大丈夫です。むしろ気分が良い感じです!!」

「そ、そう? 私は絶対無理ね……恥ずかしくて死にそう」

「僕も……良く分からないけど恥ずかしいから無理そう」

「そうなんですか? イザヨイゆっくり休んでくださいね……あ、その前にお風呂に……」

 

銀堂コハクは心配そうにしながら俺をお風呂に連れて行く。二人もついてきた。因みに帰りにちゃんと猫用のシャンプーを彼女達は買ってきた。

 

「えへへへ、イザヨイ隅々までキレイキレイにしてあげますからね……」

「顔が下種くなってるわよ」

「コハクちゃん優しく洗ってあげてね? 猫の皮膚は繊細だから」

「はい、優しく優しく……えへへ」

 

 銀堂コハクに体中の隅々まで洗って貰った……ちょっと如何わしい気分になったのは内緒だ。俺を休ませるために洗った後ソファーの上に置くと彼女達はダイニングのテーブルの方に向かう。そこで三人共勉強道具を広げる。

 

「それじゃあ、範囲教えてくれる?」

「はい、ここから……」

「だったら小テストも……」

 

三人が俺の為に……ううっ、嬉しいよぉ。やっぱり大好きだよ……可愛いよ……

 

 三人は二時間ほど机に向かい合い、要点などを纏めていた。小テストなども制作してくれた。

 

「こんな感じでいいのではないでしょうか?」

「そうね」

「大分集中してたからもう外も暗くなって来たね……僕はそろそろ……」

「でしたらお二人共泊って行ってください。夜中に女性を送り出すのはあまりよろしい事ではないので」

「ええ!? コハクちゃん泊っていいの!? じゃあ! 泊る!!!」

「火蓮先輩はどうしますか?」

「そうね。折角だから泊まらせてもらおうかしら」

「どうぞどうぞ。それじゃあ、夕食を作りたいのですが少し待ってください」

 

銀堂コハクは俺の元に来るとソファーから俺を手で抱っこし、自分がソファーに座ると彼女の太ももに俺を置いた。クっ、これが生殺しか……

 

「イザヨイとのスキンシップがありますから!」

「だったら私も」

「僕も」

 

彼女の両隣に二人が陣取る。可愛い顔が三つも……エロい太ももあるし。最高だな。おい。

 

「尻尾ふさふさです」

「ぼ、僕は肉球触ってもいいかな?」

「私は耳を」

 

や、やばい、くすぐったい……段々変な気分に……尻尾なんて未だ感じた事のない新感覚だ……

 

彼女達の絹の様な指で全身を触られる。優しくつねったり、さすったり、撫でられたりさっきのお風呂の時にも思ったが変な気分に……

 

「くすぐったいのですか? でももうちょっと我慢してください。イザヨイ……」

「イザヨイのミミって可愛いのね」

「肉球いいなぁ」

 

これ以上これやられたら新たなる扉を開けることになる。逃げないと!! 脱出しようとするが出来ない。簡単に力で押し付けられる。

 

「イザヨイ? 私達からは逃げられませんよ? 後もうちょっとだけですから……ああ、耳も……いい」

「ごめんね。イザヨイ。あと一分だから。ああ、肉球もいいわ」

「僕は尻尾。ああ、ふさふさ。ごめんね? あと一回だけだから」

 

その後、直ぐに開放してもらったが……後ほんの少し遅ければ俺は完全に新たなる扉を開けていた。

 

 

彼女達は一緒にクッキングをして夕食を終える。俺はキャットフードを出されたが一口だけ興味本位で食べて後は食べなかった。

 

いつになったら猫嵐は元に戻すんだよ? いや、充実はしているが……猫のまんまは

 

「お風呂入りますか? すでに湧いているのでお先にどうぞ」

「そうね。萌黄先良いわよ」

「いやいや、ここは三人で入ろう!!」

 

お風呂か……まぁ、猫だし……俺も入りたいな……変態か、俺は? 

 

「三人ですか? 私は良いのですがイザヨイを放っておくわけには行かないのでイザヨイもいいですか?」

「うん!」

「それじゃあ、少し狭いですが入りましょう」

 

 

彼女達に連れられて脱衣所に……三人が衣服を……

 

「ふぅ、最近熱くなって来たわね」

「そうですね。ちょっと服の中が蒸れて……」

「あれ? コハクちゃんまた大きくなってない?」

「もう、思っても言わないでください! 恥ずかしいんです!!」

「けっ、二人して私を虐めて……」

 

 

下着だ……クッソエロい。銀堂コハクは白。黄川萌黄は黄色。火原火蓮は赤。全員がそれぞれエッチい。

 

ゴクリと生唾を飲んでしまう。

 

そう言えば彼女達の体も成長するんだよな。銀と黒は最終的にH、黄はF、青はE,赤はB。俺は何を考えているんだあぁあああ!!!

 

「アハハ、そんなつもりはないんだけどね」

 

そう言いながら下着に黄川萌黄は手をかける。二人も……俺は目をつむった……

 

流石にこれ以上はダメだろ。……薄目ならギリ……嫌ダメだ。

 

お風呂に三人が入ると俺は目を閉じる。

 

「あん、きゅ、急に揉まないでください!」

「良いではないか。良いではないか!! この存在感!!」

「けっ、イライラさせるわね」

 

ちょっと、目を開ける。そこでバスタオルで隠しているがいつもより肌が良く出ている彼女達……まぁ、これくらいなら前世で見てるしいいよね!! あ、生はヤバい!!! 悶える声がお風呂場を反響して俺の耳にダイレクトに!!

 

 くぁあぁぁ、たまらないよぉぉぉぉ。マニアにはファンには……たまらないよぉぉぉぉ。頭の中でこのようなシーンは何度も見たけど生はヤバい!! 何度でも言おう生はヤバい!!

 三人の天国が終わるとそれぞれが体と髪を洗う。その時は紳士なので目をつむったり薄目で見るという紳士ぶりを見せた。

 

「湯船に三人は入れますかね?」

「行けるよ!!」

「萌黄テンションが高いわね」

 

三人で湯船に入る。彼女達が浸かることで中の水があふれ出す。俺は湯船には浸からずでも彼女達がよく見える浴槽の手をかけるところで彼女達を眺める

 

「ふぅー、いい湯ね……」

「火蓮ちゃん、何か雰囲気がいきなり変わったね」

 

彼女達は会話を始めた。落ち着いた風呂の中本音がこぼれてしまうのかもしれない

 

「そうね。ゆっくりで良いって分かったからかな? 私って自分で言うのもなんだけどツンデレって感じがするの」

「そうですね……確かにそんな感じがします」

「まぁ、確かにそうだね」

「それが十六夜も良いって言ってくれて。だからアピールしたくてでも無理に脚色してた。その必要が無くなったって思うと肩の荷が下りたって感じ」

 

彼女はゆっくりと肩を回す。そ、そうか。俺の好みに……何か恥ずかしいな……

 

「誰かを好きなるって面白いわね。気持ちが目まぐるしく変わるけど、十六夜の事を考えるとドキドキするのだけは変わらない。この気持ちは譲れない。コハク。愚問だけど十六夜の事好き?」

「はい。好きです」

「朝も言ったけど負けないから」

「望むところです」

「勿論、十六夜に迷惑かけない範囲でね?」

「分かっています」

 

……えええええええええええええええええ!? 察しは付いていたけどこんなハッキリ言われたら恥ずかしいよ!!! 

 

ヤバいよ!! 友情が生まれてる感じは凄くいいけど。俺が意識しちゃうよ!!! 絶対人間に戻ったら意識しちゃうよ……どうしよう……二人と接することが出来なくなるかも。

 

 

「……二人共一気に仲良くなりすぎじゃない?」

「なんでかしら? 私もよくわからないけど」

「私もよくわかりません」

「アハハ、二人が仲良くなってよかったよ……」

「はぁー、でも私は不利なのよね。胸が小さいし。コハクはデカすぎ。生意気」

「お母様も大きいですから遺伝が強いんだと思います。それに良いことばかりじゃないんですよ? 肩こりますし、服着ると太って見えるんです」

「ああ、ごめん……豚って言ったの気にしてる?」

「もう、良いですよ。気にしないでください」

「それならいいけど。萌黄も結構大きくない? 生意気」

「僕はDだけどDってそこまでじゃないよ? まぁ、最近今のブラきつくなって来たけど……」

「……どうしたら二人みたいに大きくなるの?」

「火蓮ちゃん、それは揉むことだよ!! さぁ、万歳して!!!」

「ちょ、ちょっと待って。いきなり」

「火蓮先輩、手伝ってあげますよ。大きくしたいんでしょう?」

「に、二対一は……」

 

 

銀と黄に赤は迫られ湯船の中で両手を抑えられて……

 

「ん、ああ、ちょ、あん、本とうに。は、激しい……」

 

銀堂コハクが片方の手を抑えて空いた手で触りまくる。黄川萌黄も同じようにして揉みまくる。

 

ホホーウ、エエですな……縛っていないロングの赤髪が湯船に浸かり、彼女が悶えることで湯がバシャバシャと揺れる。血行が良くなっているようで顔が朱に染まって行く。

 

端的に言えばエロい。

 

 

「はぁはぁ、ここまでにしなさい。イザヨイにガン見されて恥ずかしいんだから」

「確かに、ずっと見てましたね」

「猫にも火蓮ちゃんの魅力が分かるのかな?」

 

火蓮いじりが終わり三人の再びなんてことない会話が始まる。そこで再び猫の俺の話題になる

 

「ねぇ、もう一回イザヨイ触りたくない?」

「触りたい」

「私もです」

「あの感触忘れないわよね?」

「うんうん」

「私のイザヨイを一回捕まえましょうか。その後はイザヨイを三人でさわさわしましょう」

「「賛成」」

 

銀堂コハクが俺に手を伸ばす。俺は新たなる扉を開ける可能性がある為躱す。

 

「もう、逃げないでくださいよ」

「そうそう」

「ここはお風呂だから逃げられないわよ」

 

彼女達は湯船から上がり俺を捕まえようとする。風呂の中は逃げ場なんて殆どない。

 

三人は俺を捕まえようとするがここでつかまったら俺は……本当に……

 

しかし、猫の俺は簡単に捕まる

 

「イザヨイ、捕まえました! もう、ほんのちょっとさわさわするだけですから暴れないでください」

 

や、ヤバい。堕とされる……逃げないと……

 

彼女に軽く押さえられ赤ちゃんのように高い高いされる。

 

「えい、抱っこですよ!」

 

彼女は胸に押し付けた。おいいいいいい!!! や、ヤバいいい

 

「次は私よ。ああ、可愛い!!」

 

ほっぺをすりすりされその後、胸に抱いた。ほのかな柔らかさが……俺の顔にぃぃぃ。ねこってさいこうおおおおお

 

 

「次は僕ー。ほれほれ、ミミ触ると気持ちよさそうだね。えいえいえい」

 

ミミ触られ、抱っこ。耳の触り方がエロいんだよ!!!!

 

 

 

 

このままじゃ……マジで堕とされる……その時俺の体が発光した

 

 

「「「え?」」」

 

 

そして

 

「いって!!」

 

俺は人間に戻った。俺を支えられなくなった彼女が落としてしまい尻を下に打つ。

 

俺は現在裸だ……彼女達の前には下半身全裸で……彼女達は俺の顔を見ると顔を赤くして

 

「「「ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」

 

 

 

「「「へ、へんたああああああああい!!!!」」」

 

 

シャンプーや桶が飛んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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