今の所、世界の命運は俺にかかっている   作:流石ユユシタ

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九十三話 マグロ対アジフライ兼キスの天ぷら 中編

 その日、僕は目覚ましで目覚めた。最近はコハクちゃんが朝一で起床して朝ごはんを作ってくれるのだが、偶に僕も作らないといけないと思い、いつもより早めに目覚ましを設定したのだが既に隣にはコハクちゃんがいなかった。彼女だけでなく火蓮ちゃんも居なかった。

 

 コハクちゃんなら未だしも、あの寝坊助さんで有名な火蓮ちゃんが布団で気持ちよく寝ていないなんてあり得ない。いつもとは違う現状に違和感を抱きながら体を起こす。コハクちゃんと火蓮ちゃんはいないがアオイちゃんはすやすやと寝ていた。

 

 いつ見てもいい寝顔だなぁ。ちょっかいを出したいが二人が気になるのでその場を後にする。リビングには居ない、お風呂、トイレ、家の中に靴もあるし……まさかとは思うけど……

 

 直感を信じるままに二階に上がって行く。そして、とある部屋の前で足を止めた。この部屋にはあまり立ち入らないようしていたのだが……こっそり覗くように扉を少しだけ開けて、目をキョロキョロ動かす。

 

 そこで彼のベッドに目が止まった。そこには二人の美女に挟まれた彼が。完全に両腕をロックされた状態で彼を逃がさないと言う心境がそのまま寝相に現れているようだ。しかし、そんなことはどうてもよくて、一つ気になることがある。事後? 事後? 全て済んでしまったのか? さ、三人で!? 嘘でしょ!? 流石に無い気がするけど……どうなんだろう……

 

 三人……俗に言う3Pってこと? あの二人がそんなこと許すわけ無いし、きっと取り合いしながら寝たとか、添い寝したとかそんな感じだろう。そう感じたところで何となく心が軽くなったので一階におりて朝ごはんの準備を始めることにした。

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 朝ごはんを作ったのだが……未だに誰も起きてこない。コハクちゃんは朝から家事をしなくてもこの時間には起きてくるんだけど……疲れてるのかな? 寝た時間が遅かったのかと考えると変な方向にイメージが走ってしまうので深くは考えずにテキパキご飯を並べていく。そこまでしてようやく部屋のドアが開いた。

 

 

「おはよ」

「おはよう!」

「三人は?」

 

少し、眠そうで言葉遣いが少しまったりしている彼女は部屋の中を見渡して皆が居ない事に気づく。メルちゃんはかなり不規則な生活だからお昼ごろに起きるのが普通になっているからこの時間に起きていない事は特に意識しない。だけど、三人は今日は学校なのにまだ起きていない。更に言うなら二人は布団にいなかったのにここにいない事が彼女には疑問で仕方ないのだろう。

 

「ああー、一緒に寝てる……」

「え? なんで?」

「さ、さぁ?」

「……ふーん、あーしからしたら、ワリガチのマジでどうでもいいけど」

「どうでもいいんだ……」

「どうでもいい。でも、そろそろ起きないと朝ごはんがゆっくり食べれなくて三人が困るだろうから起こしてくる」

「あ、そう。お願いね」

「おけ」

 

彼女はスタスタ歩いていった。相変わらず無表情なのに大体考えてることが分かってしまうから不思議だ。そこが可愛いし、友達として付き合いやすいって事もあるんだけ、他にも彼女と仲良くしやすい理由がある。それはアオイちゃんって冬美ちゃんと似たところがあるんだよね。若干のギャルっぽさって言うかなんて言うか、彼女も冬美ちゃんもだけど時々言葉遣いが荒くなることがあってだけどちゃんと芯を通してる。

 

 

アオイちゃんが来て益々学校が楽しくなった。修学旅行も楽しみだなと先のイベント考えながら心を躍らせた。

 

 

 

 

◆◆

 

 

 三人が気まずそうな顔で下に降りてきた。こちらもそんな顔を見せられると気まずいよ。

 

「あ、朝ごはんありがとうございます」

「い、いいよ。大丈夫」

「お、美味しそう、流石もえき……」

 

 

二人共やってしまったと言う感じである。ここで気にしなくてもいいよ、事後じゃない事なんて分かってるよ、なんて言うのも、何か変な含みがある言い方になるし……

 

 

アオイちゃんはあんまり反応はせずに、席に着いた。彼女につられるように皆して席に着いてブレックファーストタイムに入る。互いによそよそしい中、彼女が疑問を提示する。

 

 

「なんで、そんなにきょどってんの?」

「え、いや、そんなことないですよ!!」

「そ、そうよ!」

 

す、すごい。ピュアだからこそ聞けるド根性ストレート!! 女二人は挙動不審で下手に出れない感じ。アオイちゃんには弁解はしなくても大丈夫そうだけど、僕に二人は弁解したそうだ。そして、コハクちゃんと火蓮ちゃんの当人同士もムズムズ状態。そこで彼がバンっと立ち上がった!

 

 

 

「俺達、添い寝してただけで変な事はしてませんから! 変なことしてないですからいつも通り行きましょう! だって、健全な一夜で何もなかったんですから! いつもみたいにジャム取ってとか、醤油取ってとか言いあいましょう!」

 

 

それを言ってしまう君がナンバーワンだよ。年頃の男の子が言いずらいことランキング一位くらいのことを息を吐くように言うなんて、凄いを通り越して、一周して結局凄いよ。

 

 

「そ、そうよね! 何もなかったんだから! 何もなかったんだから! 萌黄、醤油とって!」

「うん」

「萌黄先輩この卵焼き美味しいです! 原点回帰の料理って感じがします!」

「ありがとう」

 

 

火蓮ちゃんは何もないと言う事を入念に主張して、コハクちゃんは卵焼きを一口で食べる。どうやら彼が場を支配したようだ。

 

食べ進める中で僕は飲み物の準備を忘れていることに気づく。席を立って冷蔵庫の中を開けると……一本の水が入ったペットボトルがあった。これは……水だよね? これしかないので五人分に均等に分けて持っていく。

 

「ありがとうございます」

「ありがと。萌黄」

「サンキュー……」

「萌黄先輩ありがとうございます」

 

コハクちゃん、火蓮ちゃん、アオイちゃん、彼の順番でそれぞれお礼を言ってくれた。彼らに配って回ったあと再び食事に戻る。最初にその水に手を付けたのは彼だった。彼が一口飲むと……倒れた……

 

 

「ええ!? 大丈夫!!??」

「十六夜!?」

「十六夜君!?」

「どったの!?」

 

 

皆が心配の声をかける。数秒後、彼がいきなり再起動を開始する。皆、無事でよかったと安心したのだが彼の瞳を見て違和感を全員が覚えた。その瞳はまるで視ている世界が違うんじゃないか。と思わせるほどだ。

 

 

すると直ぐに右手を抑えた。震える右手に何か膨大で忌まわしき伝説的力を宿し、それを抑え込むように。さらについでと言わんばかりで右手をさらに右目に当てて呟いた。

 

 

「おさまれ、俺の悪式掌握(デーモンハンド)神の魔眼(アルティメット・フォース)……ダメだ……封印が……」

「「「……」」」

「大丈夫ですか!? 十六夜君!?」

 

僕たち二年生組は彼を冷ややかな目で見てしまったがコハクちゃんは彼が心配の様で背中をさすってあげる。何故ここで天然ピュアを発動するんだろう? そして、彼は水を飲んだら変になった……これ、僕のせいなのかな……

 

 

 

「ああ、まさか、轟雷主神(オーバーゼウス)が未来に仕掛けた、未来の自動攻撃(エンドレス・ゾーン)が俺に精神攻撃(メンタルブレス)してくるとは……背信行為(エンゲージ)がバレたようだ。咄嗟に防御は最大の防御(レンダート・アクティラ・ロザリオ)使用(ウーズ)したが……クソ、その代償(リバウンド)で封印が緩んだかッ……」

 

「「「……」」」

 

 

「ええ!? それは一体、どのような事態なのですか!? 大丈夫なんですか!?」

 

 

痛い、痛い、痛い。見ているこっちが痛い。僕は中二病とは無縁だけどこれは流石に見ていて辛い事この上ない。余波がこっちにも来るなんて……

 

「十六夜……大丈夫かしら……流石にこれは……ね?」

「この水、メルが何かしたんじゃね? それしかありえない。あーしたたき起こして聞いてくる」

「お願い、アオイちゃん……」

 

 

これは……放って置いたら不味いやつだ……

 

「十六夜君、大丈夫ですか!? 病院! 病院にいきましょう!」

「フッ、そこじゃあ何も変わらない……聖母神(マリア)からの聖樹の枝(ユグドラシルの枝)が必要なんだ……」

「それは、どこで手に入るんですか!?」

「別次元に広がる宇宙に近い場所だ……」

「何処ですか!?」

 

 

火蓮ちゃんが胸を抑えている。ああ、彼女も被害者か……

 

「なんか、こっちが痛いわね……」

「そうだね……」

 

 

 

 

「連れてきた」

 

アオイちゃんがメルちゃんを連れてきた。メルちゃんは寝起きの様で髪がぼさぼさ。メルちゃんは事情が大体分かっているようで、食卓の水を眺めた後、説明を始めた。

 

「これはあれやな。ワイの研究中の水を飲んだからこうなったんや」

「なんで、そんなの冷蔵庫に入れてたのよ? おかげで十六夜が変な時空に飛ばされたじゃない」

「あれは学界の研究材料だったんや。冷やして保存しようと思ってたら、良い容器を見つけたんでそれにいれて冷蔵庫に入れといたってことやな」

「ことやなじゃなくね? どしたら治んの? はよ、説明プリーズ」

 

 

火蓮ちゃんとアオイちゃんがメルちゃんに詰め寄って行く。彼女は冷や汗を垂らしながら説明した。

 

「……表裏一体って言った方が分かりやすいかもしれへん。アイツのもう一つの側面やで……ただ、側面を過剰に押し出してしまい、本当に馬鹿になってしまうんや。一日位で治るで……」

「何てこと……このまま一日中……暴れ続けるなんて……十六夜が治った後、絶対悶え死ぬじゃない!!」

「……あーし達でフォローしてあげるしかない……」

 

 

中二病が彼の裏の顔って事なのかな? 裏って言うか表にも偶に現れるけど。しかし、いまだに彼の言葉を真に受けてコハクちゃんは彼の背中をさすっている。

 

「すまないな。コハク」

「いえ、これくらい……今……呼び捨てに……み、皆さん聞きました!? 今、十六夜君が私を呼び捨てにしましたよ!!」

「コハクはいつまでバカやってんの! こっちにきて、傷跡を軟膏を塗った絆創膏で治癒作戦の計画を建てるからこっち来なさい!」

「嫉妬ですか?」

「違うわ!!」

 

二人がギクシャクすると彼が彼女達の間に入る。

 

「コハクも火蓮も、落ち着いてくれ。俺なら大丈夫だ」

「そんなわけないからこっちは気を遣って……今、火蓮って呼んだ! ねぇ、萌黄、アオイ、私今呼び捨てにされたぁぁ!」

 

「「……」」

 

 

火蓮ちゃん、も……目をキラキラさせて……満面の笑みでこちらに笑いかけてくる。それに僕もアオイちゃんもため息を吐く。でも、これって僕の責任のもあるから……

 

「ごめんね…‥変なの飲ましちゃって」

「萌黄、気にするな。この程度で死ぬなら、ドラグレス王国で俺はとうに死んでいる」

「何処の国なの? それは……でも、ありがと………え? 僕も呼び捨て?」

 

 

途端に顔が熱い。いきなり距離詰めるとか反則じゃん……僕が少し、モヤモヤしているとアオイちゃんが頬を膨らませていた。

 

「……何それ? なんで、急にそんなことしてんの? 意味わからんずで草なんだけど、寧ろ森なんだけど」

 

……小声で無意識なのかどうなのか分からないけどぼそぼそ話す彼女。その後、彼女は彼の近くに寄った。

 

「どうした?」

「……クイズやんない?」

「ほぉ、俺にクイズとは……いいだろう」

「じゃ、イオアの反対って何か分かる?」

「……アオイか?」

「……正解……じゃ、そういうことで……」

 

そのまま彼の近くから離れる彼女は無意識なのかどうなのか分からないが、足取りが少し軽いように見えた。

 

 

「なぁ、そろそろ学校の時間やないんか?」

「「「「あ」」」」

 

 

急いで準備をして学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名前は野口夏子。ただの女子高生である。さてさて、最近恋のバトルが白熱して楽しみであるんだけど……なにやら黒田君の様子が可笑しい。腕を机に組んでそこに頭を乗せてずっと黙っている。そして、それを心配そうに見ている銀堂さん。

 

「おい、黒田」

「悪いな、今はそういう気分じゃない……」

 

 

「おい、十六夜」

「……後にしてくれ」

 

 

「おい、黒田」

「すまない。今は並行世界の波紋現象について考えているから後にしてくれ」

 

 

いや、何があった!? 彼はまるで孤高のような振る舞いをしている。いつもなら誰に対してもしっかり接するのに。

 

 

周りでざわざわ騒ぎが起こり始める。そこで転校生で恋のライバルであるマグロ君が黒田君の前に立ち話しかける。

 

「おい、俺と勝負しろ」

「……」

「俺は昨日とは違うぞ。お前に勝って、俺の方がカッコよく、おまえより優れていて彼女にふさわしいと証明する」

 

 

彼の正々堂々の発言に周りの女子たちがキャーキャー騒ぎ始める。男子はブーイングである。

 

「きゃー」

「カッコいい!」

 

「っち、クソが」

「落ち着け、何言っても無駄なのは金親で良く分かっているだろう」

 

 

 

周りが騒ぐ中、黒田君は未だに沈黙。痺れを切らしたマグロ君が大きな声でもう一度話しかける。

 

 

「おい、聞いてるのか!?」

「……ああ、すまない。ブラックホールと超新星爆発の話だったか?」

「全然違う! 何を聞いていたんだお前は!? 俺と勝負すると言う話だ! 勿論昨日のように彼女は賭けの商品にはしない! 俺がお前に勝ちたいから勝負すると言うだけだ! 話を聞け!」

「すまんな。昔から……集中しすぎると周りが見えなくなるんだ。以前、朝から剣の素振りをしていたらうっかり一年経過していたくらいでな……それで、パラドックスと相対性理論の話だったか?」

「馬鹿にしてんのか!?」

 

 

いや、中二病ならぬ高二病なの!? しかも、うっかり一年素振りなんてするわけないじゃん!! 周りでも厨二の再来ではないかと議論が始まった

 

「い、十六夜君。あの水のせいで……」

 

不穏な言葉が聞こえたんだけど そして、再び男二人に戻る。

 

「とにかく、勝負だけはしてもらう!」

「無意味だな。そうやって人は争いを繰り返してきた……貴様……」

 

そこまで言うと彼は視線をさらに鋭くして彼に向けた。

 

「成長しろ」

「お前がな!!」

 

 

マグロ君の強烈なツッコミが入る。その後、マグロ君は黒田君に指を差して宣言した。

 

「だったら勝手に勝負させて貰う! いいな!」

「今日の空は何処か歪んでいるな」

 

全然話を聞いてない。窓の外の晴天を眺めて彼は呟く。マグロ君はその後、席に戻った。まぁ、黒田君の真後ろなんだけど……

 

 

 

そして、ここから勝手に勝負が始まった。数学の時間の出来事だ。

 

 

「ええ、この問題が分かる人はいるか?」

「はい!」

 

殆どの男子が手をあげずに黙りこくり、銀堂さんや私、金親君、女子たちが黙って手を挙げるなかマグロ君は大きな声で返事をして自分が問題を解くというアピールをする。

 

 

「ええ、では黒鮪、解いてみろ」

「はい!」

 

 

彼は席を立つ。黒田君の隣を通り過ぎる時にフッと挑発するように笑った。しかし、黒田君は逆にフッと彼を馬鹿にするように笑った。そう、まるでお前の答えなど分かっている。そして、それは間違いだと言わんばかりで

 

 

マグロ君が前で黒板に問題の解答を丁寧に書くと先生が正解の丸をつける。

 

「正解だ」

「さすがね」

「すごいわね!」

 

黒板の前で女子たちに褒められ、銀堂さんも拍手した。チラチラ黒田君の方を見ながらであるが……

 

マグロ君はそれが面白くなく、苦渋の顔つきで席に戻り黒田君を挑発した。

 

「これで俺の勝ちだな」

 

勝手に勝負とはこのことだろう。そして、こうしていれば黒田君がいつか土俵に上がってくると言う算段なのだろう。なるほど、よく考えられている。マグロ君も凄い、だが、忘れてはいけない。

 

黒田君は難攻不落の鉄壁最強女子である銀堂さんを、落としており普通とはかけ離れた存在と言う事に……

 

彼の勝利宣言に黒田君は笑った。彼を、いや、世界をも笑うように

 

「まさに井の中の蛙、天を知らないちりめんじゃこと言ったところか」

「なんだと!? 俺の答えが間違っていると言うのか!?」

「そうじゃない。この授業俺とお前では見ている視点が違うと言うことだ。この授業は全てが罠だ」

「なんだと!?」

 

 

マグロ君の声に数学の先生が反応する。

 

「どうした?」

「いえ、大したことではないのですが彼がこの授業が全て罠だと訳の分からない事を言うので……」

「黒田、何か不満があるのか?」

 

先生がそう言うと黒田君は再び笑った。

 

「不満ではない。ただ、いつまで大根芝居をするのか気になっただけだ」

「保健室行くか?」

「俺は気付いているぞ。お前の正体にはな」

「……どうやら、やる気満々のようだ。この問題お前が解いてみろ」

 

そう言われると黒田君は席をたち、前に向って行く。そして一言

 

「FF外から失礼する」

「何を言っているんだ。お前は」

「なに、気にするな」

「そうか、ではその問題を解いてくれ」

「その前にお前の正体について言及しようか」

「問題について言及してくれないか?」

 

 

先生に向かって大口をたたく彼。そして彼は黒板のとある数字に〇をつけ始めた。黒板には色々な数字があるが彼が〇をつけたのは6.

 

「この6という数字全部で黒板に三つ。この授業中に必ず存在していた。つまり、666、これはお前の正体が世界的秘密結社であると言う事を示唆している」

「そうか。それで、この問題は解けたのか?」

「a=√3」

「普通に正解するんかい」

 

先生がとうとうツッコミ役に回った。というか黒田君解けたんだ。さては、何だかんだ真面目に授業は受けてたな……

 

「しかし、これも実は全く違う言語で構成されている問題の可能性もある。そうなると先ほどの解答を撤回しなければならない。フィジカル先生、ラプラスの悪魔を召喚して回答を確かめての良いか?」

「先生は三井という名だ。そして、私はお前が召喚した場合、お前の親を召喚しないといけない」

「では、こちらはカードを一枚伏せてターンエンドと行こうか」

「熱でもあるんじゃないか?」

 

 

 

ヤバい、黒田君絶対可笑しい。銀堂さんも心配そうに見ているがそこで彼女は何かがはちきれたようで手を挙げた。

 

 

「先生、十六夜君は実はかなりの高熱なので保健室に連れて行ってもいいですか?」

「そうだな。そうした方が良い」

「行きましょう。十六夜君」

 

彼女は彼の手を取って教室を出ていった。一体、何だったんだろう。あれは……黒田君のいつもの様子と違い過ぎた。

 

 

 

「何か、大分可笑しかったな」

「熱があるんだ」

「多分、大分高熱だね……」

 

 

その日、黒田君と銀堂さんは早退した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょっと今回は過激すぎた感じも否めなく、モヤモヤするので、もしかしたら消すかもしれません……

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