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オリキャラを出すことが決まったのでタグを追加しました。
幻晶騎士に乗るためには騎士になる必要がある、マティアスにそう言われミラは剣は現時点では教えてもらえないことは想像できていたため、エルも彼女の考えを察して魔法を教えてもらうことになった。
しかし、ここで一つの問題が発生した。
「…………文字が、読めない」
「そっか、翼くんこっちに来たばっかりだもんね」
転生したとはいえいきなり字が読めるようになるわけではない、ミラも独学で文字を覚えるのに二日の時を要したのだ。
「ミラ、その呼び方は…………」
「はいはい、ごめんなさい兄さま」
おざなりな返事を返しつつ、ミラは本棚に近づき適当な教本を取り出す。
「本当は母様達に教えてもらった方がいいかもだけどぉ、せっかくだったらとびっきり驚いてもらった方が面白そうだしぃ、私が手取り足取り教えてあげちゃうんだゾ☆」
前世で教師を差し置いて教鞭を振るっていたミラの教え方はとても分かりやすく、半日とたたずにエルはあっさりとこの世界の文字を覚えてしまった。
「昔から思っていましたが、ミラはほんとうに恐ろしいほどの天才です」
「誉めても何にもでないけどぉ、今日は添い寝というご褒美をあげちゃうわぁ」
実際はエル(翼)と一緒に眠りたいという欲望を叶える免罪符として利用しているだけなのだが、断られることもなくベッドに入ると仲良く意識を沈ませていくのだった。
これから添い寝の悪魔に憑かれることになるとは、二人はまだ知るよしもない。
■■■
エルは白木で作られた小さな杖からパシュッという軽い音をたてて火線を飛ばし、標的のど真ん中に焦げ目を残す。
「まぁ、エルはすごいわ。基礎式とはいえ、こんなにすぐに魔法を使えるなんて本当に凄いことよ」
「…………隣の人のせいで全くそうは思えません」
「はい?」
「私、何かやっちゃいました?」と今にも言いそうな顔を見ながら、エルは若干不満を溢す。
当然と言えば当然だろう。
本来人間は体内に触媒を持たない、そのため杖の先にはめた触媒結晶を通して魔法を使うものなのだがミラというイレギュラーには当てはまらない。
杖なしで魔法を使うのはまだいい、それはエルも知っている事実だからだ。
エルが不満を覚えたのは同じ魔法を使ったはずなのに、威力が全くの別物だっだということ。
ミラが放った魔法は、五メートルのクレーターを作るほどの威力を出すほどの別格なもの。
「あの子は魔力の放出量が別格だから、それはエルも知っていることでしょう?」
「…………ええ、そうでした。ふてくされている場合ではありません!」
魔法を数回は放った頃、体力の消耗とは違った疲労感をエルは覚えていた。
(兄さま疲れてる、大規模魔法を使った日には倒れてしまいそう)
潮時かと思い、エルが足ををふらつかせたのでミラは肩を貸す。
「無理は駄目ですよ。私がイレギュラーなだけで、兄さまはまだ魔力が少ないのは当然ですから」
「であれば、僕は魔力が増えるように特訓せねばなりませんね」
「体力を鍛えるのも忘れずにね」
■■■
日々地道な特訓を続けていたエルだったが、ある日魔法の教本に興味深い魔法を発見した。
「ミラ、これを見てください」
「? ああ、身体強化の魔法かぁ。でも、これ上級魔法だよ?」
身体強化とは使用者の肉体の強化、体力の向上、耐久性の向上と動作速度の向上の効果を与える魔法。
自身の身体の動作状態によって刻一刻と変化する対象を制御、さらには効果を発揮し続けるために継続して維持・発動し続けなければいけない。
「ふっふっふ。ミラ、少し面を貸しなさい」
「何で喧嘩腰ぃ? まぁ、いいけどぉ」
エルはミラを連れてリビングへ赴き、椅子で膝だちの体制をとる。
テーブルに肘を乗せ、握手をするように手を開く。
「ふーん、私に腕相撲で勝とうなんて百万年早いってことを教えてあげるよぉ」
「その言葉、そっくりそのまま返してあげましょう」
手を組んだ二人、意地の悪い笑みを浮かべ異質な空気間を作り出す。
まず、一戦目。
ミラの圧勝。
「あれれ~? おっかしいぞぉ? 一割も力を入れていないのに勝っちゃったぁ」
「…………その驕りが仇となることを証明してあげましょう」
二戦目。
エルの勝利。
「嘘よぉ! 何で、何で!?」
「身体強化を動作速度に極振りしただけのことです。あとは反射神経でどうとでもなります。おやおやぁ? 僕よりも才能があるあなたがこんなことも見抜けないとは、ひょっとして脳までただの筋肉の塊になってしまったのですかねぇ?」
何だかんだ言っても妹(従妹)に負けっぱなしでは納得がいかないのか、身体強化の術式を改良して部分的に使用するという手法を用いてまで勝負を挑んできたのだ。
盤外戦術を使ってまで勝ちにくる兄(従兄)に嬉しさを感じる反面、内心では腸が煮えくり返っていた。
あくまでもエルに怪我を負わせない程度に力を込めつつ勝負をすること十戦目、互いに五勝五敗を迎えた頃に二人よりも先にテーブルの方に限界がきた。
バキッという音を立て、テーブルの脚が耐えきれずに折れてしまい二人はだらだらと嫌な汗が吹き出してくる。
「「…………」」
どうしようと二人で解決策を模索しようとしたところで唐突に背筋がぞわっとした感覚に襲われ、ギギギ、と錆びたロボットのような動きでエルの背後を振り返る。
そこには、穏やかな笑みを浮かべているのに目が笑っていない兄妹の母、セレスティナが佇んでいた。
「これはどういうことか、説明してもらえるわよね?」
「「ごめんなさいーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」
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まだ日が昇りきってはいない早朝、風のように走る銀髪と金髪の兄妹がいた。
数百メートルは進んだだろうか、凄まじい倦怠感に襲われエルは『魔力不足』を起こし倒れ伏した。
自分がいなかったらどうするつもりだったのだろうか、そう思いながらエルを脇に抱えるミラ。
「消費魔力のこと、すっかり忘れてたなんて兄さまのうっかりさん☆」
「しばらくは地盤固めに集中したいと思います。ミラ、付き合ってくれますよね?」
「もちろんよぉ。一生だって付き合ってあげるんだからぁ、感謝してちょうだいねぇ」
念願の身体強化をそこそこの時間始められるようになるまで、おおよそ三年の月日が流れる。
特訓の度ミラの脇に抱えられること、おおよそ千回は越えていたとかいなかったとか。
ミラの口調が時々違うのは、『ミラ』と『空』使い分けているからです。
基本大人がいないときにだけ『空』成分強めです。
ミラの「~~~ゾ☆」とかはエルに可愛さアピールをしているつもりです。(鈍感主人公には通じない)
次回はキッドとアディとの出会いです。