カスピ海沿岸での戦いも終わり、IS学園御一行は保養地のホテルに泊まる事になった。何でも日本行きの便が数日後になるとのことらしい。
「ypaaaaa!!!!」
奇声を上げているのはもちろん3組。言っておくが彼女たちはロシア人ではない。北国の道民であることを留めて頂きたい。そして俺は今大浴場に居る。やたらロシア系北海道民の声が響くのはそいつらがそこにたむろしているからである。人の苦労も知らんイワン共め。
「露助共がうじゃうじゃと…」
キリキリと歯を鳴らして日本刀を抜かんとする篠ノ之さん。日本兵、いい加減にしてくれ。風呂場が真っ赤な絵の具で染まるじゃないか。
「あの時骨も残らず吹き飛ばしておけば…」
そっちもそっちだセシリア。淑女たるもの常に高貴に振舞うっていうのがイギリスのイメージだが彼女を見てるとそれは外見上のものであって中身はただのチンピラだったと思い知らされる。
唯一まともなのはシャルロットだ。イワンだろうが何だろうが分け隔てなく接する光景は日本兵とチンピラ貴族には是非とも習っていただきたい所存である。良く見れば可愛らしいロシア人とつるんでいるではないか。クソッ、ドイツもこいつも変人…訂正、ドイツは変人ではなかった。
「そっか、君はヴァシリ・ザイツェフの孫なんだ。だから…」
「でも後ろから首根っこ掴まれてドッグタグを分捕った揚句私の武器を持ち去られてスパナで気絶させられたら人間の盾になったら誰だって泣きますって!」
「あー大丈夫大丈夫泣かない泣かない」
さんざんに愚痴を洩らした揚句にシャルロットに泣きつくザイツェフ、いいのかロシアの英雄さん。そんな貧弱ロリで。そしてシャルロット、お前思いっきり棒読みだぞ。
「ふっ、イワンには良い気味ね。Suck my Pussy」
今女子としての一線を軽々と踏み越えていきやがったぞこのチンピラ貴族。
「中指を立てろ中指ィ!」
箒も箒だ。大概にせいそこの第二次世界大戦で頭が止まっているお二方。所でシャルロットの方を見てみるとザイツェフがすっかり泣きやんでシャルロットの胸にダイブしてご満悦の様子だ。
「むきゅ~。やっぱりおっきいのはいいですぅ、癒されます~」
「「ああ゛!?」」
聞き耳を立てていた約二名がとっさにそちらへと憤怒の視線を向ける。もうやめろ。見てて哀れだ。
「ヴェーラ・ザイツェフだから、そっか。名前の由来はウサギなんだ」
シャルロットが言ってようやく気が付いた。ザイツェフのネーミングはロシア語のウサギであるザーイカから来ている。とすればシャルロットが付けそうなあだ名はある程度絞り込める。
「じゃあ、ザイシャって呼んでもいい?」
「いいよぉ…眠い」
成程、子ウサギか。あの小柄さもあってなかなかいいネーミングセンスだ。
「ヴァシリ・ザイツェフ……そしてその孫のヴェーラ・ザイツェフか」
彼女は、もしかすれば最強の狙撃手となり得る存在なのかもしれない。
風呂からあがってホテルの部屋へと入るアルファ分隊御一行。中は保養地だけあってマンションの4LDKクラスの豪華な室内であった。巨大な窓からはカスピ海が一望できる。ここまで素晴らしい場所は日本を除いて他に存在しないだろう。
「は~い。今日のデブリーフィングを始めるよ」
仕切るのは谷本さん。もちろんみんな正座でご傾聴。
「まずはこっちの動き方だね。これに関してはもう何も言う事は無いよ。素晴らしい機動だった。最後を除いては」
最後、敵に囲まれたあの時か。あれは冗談ではなく死を覚悟したなぁ。
「あの時は想定外にも拘らず、冷静に私の指示に従ってくれてありがとう」
「いやぁ、言われた事をやっただけだよ」
とのほほんさんは言う。君はやる事はやったが余計なこと多すぎないか?
「でも人質を取ろうって案を出したのはしょうちゃんだったよ」
仕方なく人間の盾に使わせてもらっただけです。あれはそうするしかなかったんです。と自己弁護。
「でも終わった事だから気にしな~い」
のほほんさん。それは気にしないということではなくそんな事など機に留める価値すらないってオブラートに包んでいるのかね。
「結果として、クラス対抗コンクエストは1組の勝利。初めての戦いだったけどいい連携でした。それでは、デブリーフィングは終了。じゃあご飯食べに行きましょうか」
こうして、クラス対抗コンクエスト1回戦はこうして幕を閉じたのであった。
次からは再びIS学園編へと戻します。更新は多分少し後になるかと。
とりあえずエタッテる奴更新しなきゃ