セキュリティ絶対突破するマン.EXE   作:エターナルマン.EXE

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 なんだかアンケートが大変なことになっていますね。もう決定でいい気がしてきました。早くて3日と言いましたが、もっと早まるかもしれません。
 おかしいな、ケロとアイリスは同程度のはず……

 それとは別に設定関連で大変なことが起きました。詳しくは後書きにて。


23話 日常へ

 列車の規則正しく揺れる音に混じって、遠くから地響きが聞こえていたのも、ほんの十数秒のことだった。

 熱斗は糸が切れたように座席に上半身を横たえて眠ってしまい、起きている渡も、メトロが秋原小駅に着くまでの20分弱を、ただ天井を見上げてぼーっとして過ごしていた。

 

 渡が熱斗を起こして、暗い地下から出れば、そこには出迎えが……ということもなく。最初にここへ来た時のように、誰一人外にはいなかった。熱斗が頭の後ろで手を組み、伸びをする。

 

「んんー……なーんか実感湧かないなぁ」

「それはそうでしょう、終わったと連絡してもいないんですから」

「ええっ!? 渡は起きてたんだろ?」

「地下は圏外ですよ。それに、僕の役目ではありませんから。光くんからお父さんに報告してあげてください」

「そうだよ熱斗くん、きっとパパもその喜ぶって! オート電話、かけるからね!」

 

 ロックマンが本当に電話をかけ、発信音に慌てて熱斗がPETを手に取る。緊急時だからか、電話が取られるのは早かった。

 

「熱斗! どうした? 無事でいるのか?」

 

 出たのは祐一郎本人だった。早口気味で、今も忙しなく動き回っていたのだろうとわかり、熱斗は笑って言った。

 

「パパ、オレたち、やったよ!」

 

 

……

 

 

 祐一郎は既に日暮たちから話を聞いていたらしかった。渡やロックマンも交えて祐一郎に詳細を説明した後、ひとまず、熱斗は待っている母親――光はる香のために帰ることになった。

 友人かつ当事者の渡も、熱斗の家に上がることになった。家の前まで来て、熱斗がドアを開けると、"ただいま"を言う前に、玄関に立っているはる香の姿が目に入った。

 

「ねっと~!」

「うぐっ」

 

 上履き用であろうスリッパのまま降りてきて、熱斗に抱きつく。渡は、リビングの方から、WWW壊滅を知らせるアナウンサーの声を聞いた。

 

「ん~! 無事でよかったぁ~!」」

 

 熱斗が、はる香の腕をばしばしとタップする。お構いなしに満足するまで抱きしめられた後、ようやく解放された。解放されたところで、今度は背後から現れたメイルが抱きつく。

 

「ねっと~!」

「うわっ!?」

 

 つんのめったところを引き戻され、肩を振って振り払い、振り向く。

 

「い、いきなり何すんだよ!」

「だ、だって、熱斗が帰ってきてたから……」

 

 メイルはずっと、自室で熱斗の無事を祈っていた。隣家ということもあって、ドアが開く音やはる香の声が聞こえ、飛び出してきたのだった。

 

「だからってぶつかってきたら危ないだろ!」

 

 メイルがしばし目を見開いた後、その頬が少しずつ膨れ始める。はる香は二人の様子を見て微笑んでいたが、スリッパで降りたことに気がついてか、手で持って奥へ去っていった。

 

「……なによ! ずーっと、熱斗が無事で帰ってきますように、って祈ってたのに!」

 

 前かがみで熱斗の目をまっすぐ見つめて怒るメイル。それに対して熱斗もむっとした表情で言い返す。

 

「そんなこと誰も頼んでないじゃん!」

「熱斗くん! もっと優しく!」

「ロックマンまで!」

「光くん、もっと優しく」

「わ、渡もかよ!?」

(助けに来る見せ場なくしてもうたからな。フォローせんとな)

 

 ロックマンの発言に乗る渡の表情も、先ほどのはる香のように穏やかだった。2人がかりで言われると、熱斗も気勢をそがれ、何か言おうとしたが、口を閉じた。

 膨れたままのメイルの前で、熱斗がどうしていいかわからず立ち尽くし、数秒。

 

「光くん。桜井さん、心配してくれたそうですよ」

「な、なんだよ」

(ほんまめんどくさいやっちゃな)

 

 小さく首を動かして渡を見る。渡は薄笑いを浮かべていた。

 

「すごく心配してくれたこんな時、かける言葉があると思うんですよ」

「……あー! もう、わかったよ!」

 

 両手を振り上げて叫ぶ。メイルは驚いてのけぞったが、真っ直ぐ立って熱斗の次の言葉を待った。

 

「メイル、その……ありがとな、心配してくれて」

 

 熱斗は頭をかき、目をそらしながら言った。その言葉を聞いてようやく、メイルはふっと笑った。

 

「熱斗ったら、こんな時だけ男らしくないんだからっ」

「あんだと!」

「熱斗。わたしからも、ありがと。帰ってきてくれて」

 

 怒って向き直り、メイルのその笑顔を見た熱斗は、気まずそうに言葉に詰まって、「かっ」とか「くっ」とか言った後、わずかに頬を染める。

 

(よしよし、軌道修正としては充分やろ)

 

 いい雰囲気になった2人を見て、渡は満足そうに頷いていた。ふと、PETからオート電話の着信音が鳴る。

 

「おっと、失礼」

 

 玄関から出て軒下を回り、家の横辺りで電話に出る。

 

「はい、もしもし」

「七代渡さんですか? 私、オフィシャルの津戸と申します」

(あっ)

 

 

……

 

 

 あの後、光一家から昼食の誘いを泣く泣く断り、渡はオフィシャルセンターに出頭していた。今回WWWの研究所で何をしたかの他に、ベータの名で色綾まどいを間接的に引き渡した件の説明を求められるということだった。

 事情聴取を担当するのは、電話口でも話した津戸という壮年の男だった。午前中の騒ぎのおかげで忙しかったのだろうか、渡と顔を合わせてから数度、目をしばたたかせたり擦ったりしている。

 

「驚いたなぁ。噂に聞くベータのオペレータがきみのような子供とは。もうひとりも光祐一郎のお子さんだっていうし」

「そういうこともあります」

(ただの事情聴取とわかっとっても、圧迫感あるなあ)

 

 取調室に通された渡は狭い部屋をぐるりと見回した。こうなるとわかってはいたが、それでも気分はよくなかった。

 

「それじゃ、事件に関わることになったきっかけから話してくれるかな?」

 

 渡は、科学省に出入りする二階堂がWWW団員だったこと、その二階堂の忠告でWWWの研究所へ行ったこと、そこで起きたことを話した。

 そもそもきっかけである水道局の出来事については、熱斗と会った日に偶然起きたと言い、色綾まどいを闇討ちした件も、WWW団員だと言っているのを聞いたとウソをついた。後で口裏を合わせなければ、と心に留めた。

 11歳の子供が大の大人をスタンガンで襲って拘束したという事実に、津戸はため息をついた。罪に問われるのかと渡が尋ねると、不法侵入と合わせて功績で帳消しだという。日本とはえらい違いだな、と渡は思った。

 洗いざらい話した渡が、そろそろ帰れるかなと掛け時計を気にしていると、そういえば、と津戸が口を開いた。

 

「きみ、海外旅行行ったことある?」

「? いえ、ありませんが」

「そう? ……まぁ、今更聞いても仕方ないか」

(マジで何の話や? 世間話にしても唐突すぎるし)

 

 唐突で心当たりもない話題に、きょとんとする渡。その表情を、天井に据え付けられた監視カメラが記録していた。

 

 

……

 

 

 渡が家に帰り着いたのは、昼の2時過ぎだった。子供相手だからということだったのかはわからないが、とりあえずオフィシャルとしては渡を拘束する理由はもうないようだった。熱斗たちに合流するには遅く、結局昼食を取るタイミングがないままだった。

 帰りのメトロから翔やみゆきに一報を入れ、腹を空かせて家の扉を開けた。

 

「ただいまー」

 

 奥から、麻婆豆腐の匂いが漂ってきた。帰りがけに渡がリクエストしたものだった。靴を脱いで居間まで上がると、翔はいつものようにテレビを見ていたが、渡が入って来るなり、ずんずんと近づいて両脇の下に手を添え、持ち上げた。

 

「わっ」

「おかえりー! 早かったなあ!」

(やたら元気やな)

 

 そして回転。肩掛け鞄が揺れて翔の手に当たるが、翔はそんなことは気にならないようで、笑って我が子の困り顔を見上げていた。

 キッチンの方から、鏡子の声がする。

 

「おかえりなさい。もうご飯出来てるから、手を洗ったら食べましょう。遅いお昼になったから、私たちもお腹ペコペコよ」

(遅いお昼? なんでお父さんとお母さんが? ……あっ)

 

 テレビに映されたワイドショーでは、まだWWWの話題が尽きていないようだった。翔と鏡子は、昼前にテレビで渡の勝利を知り、ずっと帰りを待っていたのだと、渡も気付いた。

 

 翔に降ろされ、手を洗い、一家揃って席についていただきますをしてから、食事に手をつける。

 最中、しきりに翔が武勇伝をせがんだが、渡は「ほとんど熱斗くんについてっただけみたいなもんやし」と苦笑気味にごまかした。

 

 ドリームウイルスを倒したが、これはゲームではない。エンディングムービーも、感動的な音楽もかからない。知らないタレントやどうでもいい評論家の的外れな対話をBGMにして、いつもとそう変わらない食事風景が続く。

 

(……うん、修学旅行の帰りって感じやな。昼やけど)

 

 みゆきからメールで食事の誘いが来ているのに気付いたのは、夜寝る前だった。

 しまらない一日の終わりになってしまったと、渡は思った。




 今回もアンケがあります。特に締め切りは設けませんが、テキトーなタイミングで締め切ります。その程度のものです。が、ご協力ください。


 ようやく届いた「ひみつ」に「クリームランドの第一王女」と記載されていて、あれっ? と思ってエグゼ2本編の台詞見直したら……

 普通に王女でした。女王じゃなかった。まさかの見間違い。
 なんということでしょう。凡ミスで設定を作り直しになるとは……
 ということで、後々、序盤の本文を修正します。幸い大した量にはなりませんし、話の流れも変わりません。
 読者の方々を混乱させてしまい申し訳ありません。修正が完了したら、その次に投稿する最新話の後書きででも修正点をお知らせします。以下の説明で充分かもしれませんが。

 ひとまず設定の追加と修正は下記のようになります。上の項目ほど独自解釈度が低いです。

・プライドはクリームランド第一王女で王位継承者
(後半は明言されていなかったはずだが、他に誰がいるという話もないため)

・ネットワーク導入を行ったのは祖父の代。時期は20~22年前で、当時の父が13~17歳程度、プライドはまだ生まれていない
(「ひみつ」にて、「2」当時11歳の熱斗の生年月日がネットワーク(※別に西暦があるので恐らく元号。すごい)12年6月との記述あり。
 23年前のニホンで世界初のネットワーク(プロト)が導入されたとすると、30年程前にネットワーク学が政府に選ばれていたという情報とひとまず齟齬はない。
 クリームランドはどこよりも率先してネットワークを導入したという話なので、遅くとも20年前には導入しているだろうと考えられる。
 クリームランドは小国なのでなおのこと結婚する年齢はゆるく見積もれないことから、王位継承者は20歳程度で結婚するものとして計算)

・祖父の代から他国の妨害によって再度の衰退が始まり、祖父・父はそのことで他国を恨んでいて、プライドもその影響を少し受けている。
(でなければ「2」で復讐という言葉は使わない)

・祖父母は既になく、両親は事故や病気で植物状態。そのため、幼すぎず大人並に働ける唯一の王位継承者であるプライドが実権を握っている。プライドにきょうだいはいない
(親なしに近い状態でもなければプライドが「2」のように追い詰められる事態にならないし、こうすれば親やその代理、プライドのきょうだいの話が全くないことにも説明がつく。
 逆に親が健在なら実行犯がプライドでも親が責任を取らされてしまうし、そのことをきちんと理解しているであろう真面目なプライドはゴスペル加入なんてそもそもできない。自分自身以外失うものがない状態であることは絶対に必要)

 結局のところ、現状とあまり変わりません。両親が「死んでる」から「生きてない」になったくらいですね。原作においてプライドがゴスペルで活動している、という事実がほとんどの原因です。
 つくづく不幸な国です。こんなのでよく「5」までに立ち直りましたねプライド……

(23話)22話アンケでアイリスに投票した理由は?(正直にお答えください)

  • 原作知らないからキャラデザで選んだ
  • 6が遠いので登場前倒し自体が望み
  • 喋るナビを渡につけたくて
  • 渡とくっつけたいから
  • その他(できれば感想でお聞かせください)
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