セキュリティ絶対突破するマン.EXE 作:エターナルマン.EXE
思えばエグゼ世界の掲示板はレスタイトルありでしたね……
[731]NO NAME
Re:マントのナビ
マジで消されるかと思ったぜ!
散々追いかけ回してきやがって、容赦なさすぎだろ
[732]NO NAME
Re:マントのナビ
流石はカメラ係、いい仕事したな
こっちまで出てこないとわかりゃ安心ってもんよ
[733]NO NAME
Re:マントのナビ
つええやつ同士、ベータの野郎と鉢合わせになれば面白そうだな
あいつと違って目撃証言が少ないから望み薄だが
[734]NO NAME
Re:マントのナビ
流石にそれは実況中継なんて無理だからな?
[735]NO NAME
Re:マントのナビ
ベータ見かけたら頼んでみようぜ
[736]NO NAME
Re:マントのナビ
触らぬ神に祟りなしという言葉を知らんのかお前は
よく今日までウラで生きてこられたもんだな
[737]NO NAME
Re:マントのナビ
案外とっくにマントのナビのことも知ってるのかもよ
最近の動きが妙なのはもしかして……?
[738]NO NAME
Re:マントのナビ
どうだろうな
他にも一風変わったナビが見つかったって話も聞く
一概に目的がそうとは言い切れん
……
ウラインターネット深部を行くベータ。これまではここに来れば狩りをしていたものだが、その頃とは打って変わって、ウイルスを積極的に追わず、辺りを見回しながらエリアを通過していくだけであった。
(はあーー……ウラ掲示板で目撃証言上がっとんのになぁ)
渡が探しているのは、マントを身に着けたナビ・フォルテと、エジプトの王の棺のようなナビ・ファラオマン。
いずれも、「ロックマンエグゼ」においてクリア後のみ戦える隠しボスという位置づけである。もし戦って勝利すれば、それぞれに設定された限定のバトルチップが入手できる。
そのうちフォルテは、シリーズ最終作まで最強の敵として登場し続けるナビだ。ドリームウイルスと同じ強度のオーラを纏う"ドリームオーラ"のチップが手に入る。
渡は、"ゲームではないこの世界なら、それ以外にも戦いを通してフォルテのデータがひとかけらでも手に入れられれば、何かできるのではないか"と前々から考えていた。
ドリームオーラ欲しさではなく、ほとんど未知の宝を求める心持ちだった。その期待があった分、こうして見つからない現状が歯がゆかった。
(イベントもないランダムエンカボスとはいえ、厳しいなあ。最悪今無理でもええっちゃええけど、どうせなら会っときたいし)
ウラインターネットに出没することは、この世界においても掲示板で裏付けが取れていて、その上で毎日探し続けている。
しかし、フォルテは一所に留まらないため、目撃証言のあった場所へ向かっても意味はなく、そして実際のウラインターネットはゲームのマップより遙かに広大で複雑である。
そうなると当然、手がかりなしで特定の誰かを探すというのは、困難を極める作業だ。
行けども行けども、ベータのストレージに換金用ジャンクデータやチップデータが貯まっていくばかりで、主目的を果たせそうな気配はなかった。
就寝時刻も迫り、今日も収穫なしかとプラグアウトしようとしたところで、PCモニタの端にちらりと、はためく布のようなものが目に入った。
(フォルテ来た!?)
一度置いたコントローラーを急いで手に取り、ベータを走らせる。角に消えていった影の方へ、多くのウイルスたちが向かっていった。方向を定めているということは、そちらに何かあるということである。
(見間違いやない! ようやく会えたなフォルテよお!)
誰もいない部屋で、興奮して口の端を吊り上げる渡。
ウイルスは多く、ベータの位置から前が見えなくなるような長く幅広い列をなしていた。追いかけるのにはいちいちデリートしなければならず、本命のフォルテとすぐに戦えないのがもどかしかった。
斬り裂き、殴り飛ばし、撃ち抜き、視界が開けたとき。先制攻撃のチップデータを送信しようとした渡の手が、ピタリと止まった。
確かに、そこにはナビがいた。
目を引く特徴は、蝙蝠の羽が生えたような黒いヘルメットと、首から下を覆い隠すマント、力に飢えた鋭い眼光……のはずだった。
(いや……いや、そうはならんやろ!?)
不敵な笑いから一転、息を呑む渡の目に映ったのは、蝶の髪飾りに長い髪、淡い色のスカート。
ネットナビらしからぬ、人間の少女が電脳世界に迷い込んだのかと錯覚させるような容貌。無表情ながらに儚げで、漠然とした不安や物寂しさを感じさせる目元。
(――アイリスうう!?)
およそ1年後、「ロックマンエグゼ6」の始まりに、光熱斗の前に突如姿を現すはずのキャラクター、アイリス。フォルテとは異なり、それまでは物語において影も形もない存在。
(なんで今ここにおるんや!? この時期にアイリスは存在せん――いや、
電子機器を操る能力を持った軍事用ネットナビとしてワイリー博士に生み出されたアイリスは、戦場で敵の兵器を操る道具として運用され続けた後、ふとした拍子に電脳から電脳を彷徨うようになったという過去がある。
過去があればその分だけ、表舞台に出ずとも、確かに存在していたはずではある。どういう巡り合せか、フォルテを探してウラインターネットを回っていた渡は今、その過去に偶然触れてしまった。
追ってきたウイルスが次々と倒されたのに気付いて振り返ったアイリスと、ベータの目が合った。渡は戦闘態勢を解きつつ、目は画面に釘付けだった。心臓が早鐘を打つ。
レアなウイルスを前にして、どうやって取り逃がさず、確実に仕留めるかを考えている時の感覚に似ていたが、緊張度合いはその比ではなかった。
(どうする? 戦う気バリバリやったから都合よく傷つけんと足止めできるようなフォルダにはなっとらん。脅して連れて行く……のは後々まずいことになる気がする。見逃せば……知ってる通りの流れで行けば、助けるタイミングはいくつかあるけども……そもそも、それまでに捕まったり、今すぐにでもデリートされる可能性が残るか。放っておくのは危険や)
渡が手を止めたために微動だにしなくなったベータを気にしてか――表情は全くないが――アイリスがゆっくりと近付いてくる。
(冴えた方法は思いつかん……手札切って正面から行くしかあらへんか!)
キーボードで文章を打ち込み、メールを作成、送信。ベータの手に持たせる。数度深呼吸をしてから、渡はベータとして話しかける。
「アイリスさん……ですよね? このメールを読んでください。後の判断は任せます」
「! ……」
ベータが封筒を持った手をその場で伸ばすと、アイリスは一度足を止めた。知らない相手に名を呼ばれたからか、無視して背を向けるでもなく、硬直している。表情はない……が、やや目を見開いているようだった。
「……」
(なんか喋ってくれんと自分も困んねんけど)
ベータを前に、小さく首を動かして左右を見るアイリスを、渡は釣り糸を垂らして魚がどう動くか観察するような気分で見守る。
数秒の後、安全と判断したのか、その手が封筒に触れた。アイリスは添付ファイルなどの埋め込みがないことを確認すると、メールを開封した。その内容はこうだった。
"あなたとカーネルのことは知っています。ワイリー博士は、あなたを再び軍事利用するために探している。それを望まないなら、あなたを保護させて下さい。 オペレータ・七代渡"
(逃げよったら無理にでも連れて行くしかない。頼むで……!)
「……」
手に持ったメールをじっと見つめて固まっていたアイリスが、顔を上げてベータを見る。先ほどと違い視線が少し逸れ、ベータと目を合わせようとしない。ダメか、と渡が誘拐を決断しかけたタイミングで、小さく口を開いた。
「……どこに……行けばいいの?」
……
気がつけば、渡はもう寝る時間だというのに冷や汗でびっしょりで、PCとの接続を切ったPETの画面の中からアイリスがその顔を(微妙に瞳だけ逸らして)見ていた。
渡は、思いがけず早期にアイリスに接触し、あまつさえ保護にまで成功した喜びで、フォルテのことや翌朝の業務内容、あと眠気も吹き飛んだが、息を整えてから、ふと思った。
(……これからどうしたらええんや? こいつ……)
今回もアンケートがあります。
急遽6を復習したんですが、カーネルが生まれたのって(ネットワーク史的に)かなり昔なんですね。
アイリスも大抵のナビに比べればお年寄りサイドなのでは……?
あと、キャラの一人称に頭を抱えています。同じ作品の中でも違っている現場を見てしまった……
(X5話)謎アンケート
-
あ
-
す
-
は
-
へ
-
ま