Armored Core Eastern War   作:ちょっとだけ別口

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 霧雨魔理沙は、霊夢の親友であり、同時に良きライバルの関係でもある。そんな彼女が死した親友の遺品を整理する。人の遺した物を他人が片付けるのは、もう幻想郷では当たり前の光景となってしまった。

 霊夢が死んだあの日からずっと放置されていた戸棚を漁ると、古くなった替えの服や記念品以外に行き先のない、博麗の名がしたためられた札の下に埋もれるように、一つの映像装置があった。



Chapter 2 『The end is never ending』
Relics word《Again》


 まさか本当に見つけるとは。

 

 戦闘を終え帰ってきた私は、そう呟いた。

 

 私はにとりと手分けして遺品の整理整頓に当たっていた。そんな時に、こんな掘り出し物を見つけるとは、思ってもいなかったのだ。年代物......とは言っても私には価値がわからないものだが、にとりから言わせれば幻想郷に現存するビデオデッキの中でも、製造年月日から見て最も古いものだという。

 

「で、これが一番古いんだよな?肝心のビデオテープは?」

「安心して。ここにあったよ」

 

 にとりが一番下の段の棚から、一本のビデオテープを取り出した。それをにとりから受け取ってビデオデッキに挿入し、再生ボタンを押す。押し込んでカチリと鳴ると、テレビモニタに今は亡き博麗霊夢その人が写った。

 

『おはよう。またはこんばんは?......まあ、あなた達でなくとも見て分かると思うけど、霊夢よ』

 

 テレビの中の霊夢は、普段と変わらない様子で無愛想に答えた。違いはそこにいない事と、話が一方的という事だけだったが、それを除けば彼女は私たちが見知った霊夢と全く同じだった。

 

『私が死んだ後に結界が緩むようにしていたから、私が死ぬまでコレの入っていたタンスは開けられないの。裏を返せば、これを見ているということは、私は間違いなく死亡している。恐らくは、戦いの中に斃れたのでしょうね』

 

 そう言って画面の中の霊夢は前髪をかきあげる。

 

『嫌な物よ、自分の死が間近だと感じるのは。魔理沙もその時が来たらきっとわかる、どうしようもなく、死の影が近付いてきていると本能的に悟ってしまうの。一種の予知能力に近いわね』

 

 にとりがそこまで聞いて、一時停止ボタンを押してから私に向き直り、聞いた。

 

「じゃあ、霊夢は死ぬとわかっていて戦っていたの?...........それこそ、魔理沙や私にも悟らせないように?」

「どうだろうな......どちらにせよ、いつ死ぬかわからないまま戦うのは私も......霊夢も嫌だろうぜ」

 

 にとりの言葉に答える。再生ボタンを押すと、霊夢はまた話し始めた。

 

『そういう事だから、私はこのカメラを使って急遽映像に残そうとしたわけ。手紙じゃ寂しいでしょ?決して、声の方が考えるより楽って訳じゃないわ』

 

「はっ......霊夢らしいよ」

 

 面倒臭がりの霊夢が確実に言うセリフだ。

 

『......まあ...........そんな感じだから、今何を話そうかとかは特に考えてなかったわ。けどこれだけは言えるわ。私はただで死ぬつもりはない。きっと何か、するはず。生き延びて戦うために』

 

 そう言って霊夢は口角を上げニヤリと笑った。

 

「......魔理沙、これって......!」

 

 にとりがビデオを一時停止させ、私も画面の中の霊夢が発した言葉に驚き、そして笑みを隠せなかった。彼女の発したその言葉は、すなわち生きている可能性がゼロではない事の証明なのだから。

 

「そうと決まれば、やる事は一つだ。普段通りに行こうぜ。霊夢が帰ってくる時までさ」

「よし、わかったよ。電波を復旧させるから、依頼が来たら受けよう」

 

 そう言ってにとりは神社を出て地下室に入り、ジャミングシステムのスイッチをオフにした。心做しか明かりが強くなった気がする。にとりが戻ってくるまで、私はビデオの中で不敵に笑う霊夢の顔を見続けていた。

 

「霊夢......会えるなら、どこかでまた会おうぜ」

 

 そう言って私は茶の間を出て地下ガレージに向かう。タンスから、黒焦げた一枚の札が剥がれ落ちた。

 

どの話を優先的に完結させるべきか?

  • 射命丸文編(アリーナ編)
  • 霊夢・魔理沙編(機械化八人衆編)
  • メインストーリー(オムニバス)
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