今回は前話のあとがきで予告した、『その頃一方アークエンジェルは?』的なお話です(^^
本来の主人公含む、怒涛の原作キャララッシュに見せかけて、出てくるのは三人だけな罠w
時間が時間だけに呼んでくれる人と、ネタがわかってくれる人がいたら嬉しいなっと。
ザフトのクルーゼ隊に奪われたGAT-X102、通称”デュエル・ガンダム”は両腕とも健在である。
「いきなり三人称で何を言ってるんだ、このバカは?」とお思いかもしれないが、カガリ・ユラ・アスハという女だか両性具有だかTSキャラだかわからない転生者の目線から語られる「アニメで見たフィクション」と「生きてるリアル」とは、そのぐらいの差異や誤差は山ほど存在する。
「くっそおーーっ!」
ザフト驚異のメカニズムが生み出した銀髪のおかっぱ型拡声器……もとい。ザフトの誇る赤服の一人、”イザーク・ジュール”は、強奪しそこなったGAT-X105”ストライク・ガンダム”から放たれた強力なビームを避けられた事に内心安堵しながらも、打つ手がない事に悔しさを感じていた。
その巻き添えなのか因果律変化なのか知らないが、原作では落ちなかったジンが消し飛んだが、そこに悔しさは感じないようである。
所詮、
まあ、こういう結果になったのも一つはアニメより操縦技能が誤差の範囲で高かった事、何より幸運値という目に見えないパラメータが異常に高いことがあげられる。
イザークは悪運というのも含めて運のよい男だ。
断言できるのは、腕が消し飛ばなかったことではない。
フレイと、それ以上に”某幼女”をはじめとしたオーブの民間人がこれから追いかけるだろうアークエンジェルに艦しなかった事だ。
彼女たちは現在、イズモをはじめとしたオーブ艦隊に救助されている。
もし、万が一……この男が、原作同様に面白半分に、あるいは腹いせに『アークエンジェルから脱出しようとする
間違いなく殺されていた。
例え戦場で死ななくても、戦後に殺されていた。
『サイコパスの
戦争犯罪人ですらなく、裁判にすらなく、問答無用に殺される以外のENDはなかっただろう。
そしてその時は、母や一族郎党諸共この世から抹消されていたに違いない。
HN”オーブの仔獅子さん”を怒らせるというのは、そういうことなのだ。
イザーク・ジュールは、本当に運のよい男である。
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さて、差異というのはどこでも生じる。
サイ・アーガイルがどうという話ではなく。
そしてそれは、ミゲル・アイマン操るジンを退けたばかりのGAT-X105、”ストライク・ガンダム”の狭いコックピットの中でも起きていた……
「お、終わったのかな……?」
「えっ、ええ。多分」
その少年……生まれて初めて搭乗したはずのMSを『
「うっ、うわぁぁぁぁーーーーーーーっ!!?」
「ちょ、ちょっとどうしたの!?」
キラは大声で泣き叫ぶと同時に、ガンガンと狂ったようにコンソールを叩き出してしまったのだ。
「ぼ、僕は人を……人を殺してっ!!」
(なんて心優しい少年なんだろう……そんな子に戦わせてしまったなんて、私は……)
”ズキンッ”
その時、マリュー・ラミアスの豊満な胸の奥が、後悔の念とともにずきりと痛んだ。
そして同時に思考を巡らせる。
この優しい男の子に、自分は何ができるのだろうかと……
マリュー・ラミアス、大西洋連邦軍大尉(技術士官)
正式なフルネームは、マリュー・”ミレイユ”・ラミアス。
欧米では洗礼名だけでなく恩人や親しい人物の名をミドルネームに付ける習慣があるが、彼女は”
GAT-X開発計画の中でもフェイズシフト装甲開発チームに所属している、素材工学のエキスパートにしてその分野の博士号持ち。
年齢は、
繰り返すが
それで同じ大尉なのは納得いかないかもしれない。しかも同じ技術士官なのに、だ。
無論、これには理由がある。
マリュー・ラミアスという少女は、ナチュラルであってもいわゆる”秀才”であった。
裕福な家の生まれではなかったが、持ち前の優れた頭脳を生かして奨学金をゲットし、飛び級で大西洋連邦の一流理工系大学へ進学を果たすほどの才媛だった。
だが、マリューの運命が狂い始めたのは卒業まで1年を切った頃だ。
彼女の研究分野は、”次世代型
軍のスカウトチームは彼女の研究分野と成果と才能に目を付け勧誘。具体的には卒業後に士官短期養成コースへと誘った。
当時はまだプラントとの戦争は始まっておらず、マリューは深く考えずに「技術職でご飯が食べれるなら」と受諾。
短期コース卒業後に少尉として任官し、技術士官としてこれまでやってきた。
つまり、マリュー・ラミアスという妙齢の美しい女性は、技術者としては優秀でも士官としても軍人としても最低限の教育しか受けてない、言うならば『促成栽培の将校』だった。
☆☆☆
だが、それがすべて悪いとか、裏目に出るかと言えばそうではない。
確かにマリュー・ラミアスは、戦闘向きの軍人ではない。
能力はともかく(実は原作では負っていた銃創が今の彼女にはない。何気に無傷であの窮地を切り抜けていた)、性格が致命的にザフトの急襲を受けるような状況向きじゃない。
だからこそ……だからこそ、
「落ち着いて。ねっ?」
”ぎゅ”
母性を感じる大きな双丘にキラの頭をそっと埋めるように、優しく彼を抱きしめた。
「えっ……?」
「大丈夫。大丈夫だから。パイロットは脱出したから……大丈夫。キミはまだ、誰も殺してないわ」
2歳若いせいかもしれない。
2歳若いせいで、ザフトとの戦いで恋人を失った経験がなかったせいかもしれない。
もしかしたら、アスラン弾で受けた傷がなかったからかもしれない。
だが、原作では拳銃を突き付けていたキラを、マリューは我が子をあやす母親のように、ただ優しく抱きしめていた。
この出逢いは、『キラ・ヤマトがほんの少しだけ心が弱かったら』、あるいは『マリュー・ラミアスがほんの少しだけ軍人である前に女だったら』……そんな誰にでもちょっとしたことで起こる、些細な差異から始まるのだった……
(マリューさんって優しくて綺麗だ……)
(キラ君、可愛いなぁ……)
始まるのだった。
おねショタはジャスティス!(挨拶
ただし、キラが乗るのはフリーダムなはず。きっと、多分、メイビー。
ちなみにワルサーP99と『ミレイユ』の名は、中の人ネタです(^^
コッペリアの棺とか懐かしいな~♪
ちなみにマリューの戦闘技術は、再構築戦争を子供を守りながら生き抜いたおばあちゃん譲り(おばあちゃん仕込み?)。そりゃあ無傷でやり過ごせる訳ですw
この世界のマリュー自身、あんま治安のよくないとこ出身みたいですよ?
少なくともハイソな家の出じゃないです。
イザークは軽く流すとして……(ヲイ
変わってしまいましたね~。
拳銃の代わりに抱擁を
果たしてこの先どうなることやら……