機動戦士ガンダム進藤   作:ドロップ&キック

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今回は、心はいつも両性具有でCV進藤さんな人スペシャル(?)です(^^




第017話:”「ユニウスセブン以上の悲劇」とその意味”

 

 

 

ふむ。なんだか久しぶりな気もするが……肉体的にはともかく、精神的にはいつだって両性具有のカガリ・ユラ・アスハだ。

正直、性的にはワタシは両刀(バイ)なのでは?と思ってる。

 

今の所、肉体的同性(じょせい)経験はないが、なんだかいける気はするぞと。

 

それにしてもギナ兄(ロンド・ギナ・サハクな?)が、やけに上機嫌に「この私に具申するとは中々見どころのある奴だ」って新しいオモチャ見つけたみたいな顔をしてたけど、あれは一体なんなんだろうか?

 

(まあ、いいけど)

 

アークエンジェルが去り、それを追いかけるようにザフト艦(クルーゼ)隊も消え、今はヘリオポリスの救難作業も佳境に入りつつある。

 

『ザフトの襲撃によるヘリオポリスの崩壊』を”想定しうる最悪の状況の一つ”としていたから、軌道ステーション(アメノミハシラ)に待機していた追加の救難船団も迅速に駆けつけることができ、そのせいもあり想定よりも多くの人命救助がなってる事は素直に喜ばしい。

 

(それ以上に予想外、いや予想以上だったのが……)

 

「ロウ・ギュール一味やサーペントテールが、思ってたよりずっとプロフェッショナルだったのは嬉しい誤算だな~」

 

イズモの艦長席で胡坐に頬杖というヤン・ウェンリースタイル(厳密にやるなら、椅子ではなく机の上でやらなけりゃいけないけど)で、ワタシはそう呟いた。

口には出さないが、ギナ兄も彼らのことを認め始めてる気がする。

 

(救える命が多いのは、確かに喜ばしいことだけど……)

 

「だからといって取りこぼす命がないわけじゃない」

 

仮にも政治家だというのなら、それを……目の前の宙域に散らばる残骸の狭間には、数多の屍が漂っていることを見過ごしてはならない。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

少しスペースコロニーの話をしよう。

ヘリオポリスは、西暦1970年代にアメリカの物理学者ジェラード・K・オニールが提唱したいわゆる”オニール・シリンダー”と呼ばれるタイプの古典的なスペースコロニーの一種だ。

より細かく言うならオニールが提唱した三つのタイプのコロニーの中で、”島3号”と呼ばれる……そう、オリジナルにして原点の”機動戦士ガンダム”に登場する、アムロが住んでいたコロニーの仲間である。

 

円筒状の宇宙に浮かぶ超巨大構造物で、直径約8㎞/長さ約32㎞……やろうと思えば、数百万人規模の居住が可能だった。

 

もっとも、ヘリオポリスは「宇宙に浮かぶ研究学園都市」というコンセプトで建造され、研究所やら実験施設が多かったうえに、資源衛星(アステロイド)と接続されていたから実際の居住人口は100万人程度だった。

 

(だが、それでも最終的な死者/行方不明者は……)

 

「30万人を超える可能性が高い、か……」

 

ヘリオポリスの脱出ポッドを兼ねたシェルターは極めて秀逸で、戦車より分厚く頑丈な構造材に覆われ、特に致命的な破損が起きにくいように二重三重のセフティー・システムがある。理論上、コロニーが崩壊しても、かなりの高確率で生存可能なはずだ。

 

まともに機能すれば、例え満杯でも72時間は生存可能であるし、必要であればエマージェンシー・モードが作動し、酸素消費を抑制するためシェルター内避難者にソフト・コールドスリープ(スターゲイザーのラストに出てきたアレの弱モードみたいなもの)を施す仕掛けさえある。

 

だが、それでも壊れて全滅したシェルターだってあるだろうし、そもそもフレイのようにシェルターに逃げ込みそびれた人間だって多いはずだ。

 

放り出されたり漂流しているシェルターには救難ビーコンがついていて、それを頼りに捜索を続けてるが……現在確認できてる生存者数はまだ60万人に届いていない。

 

民間徴用分も含め、救難船に次々と回収しているが自ずと限界はやってくる。

 

(この宙域に留まれるのは、あと精々半日……三人に一人は死ぬ計算、か)

 

気が付けば、ワタシは爪を噛んでいた。

 

「オーブ建国以来、最悪の被災……」

 

いや、そうじゃない。

 

「戦災だな」

 

これは不可避な天災などではない。人の悪意が起こした人災だ。

 

 

 

(だが、ワタシはとことんロクデナシだな……)

 

人として正しいのは、間違いなく死者を……犠牲者を悼むことだろう。

だが、ワタシはどうしても思ってしまうのだ。

 

(どうして原作のオーブは、この状況を政治利用しなかったんだ……?)

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

アニメの状況……崩壊した後も短時間とはいえアークエンジェルとクルーゼ隊の間で戦闘が継続されたこと。

戦闘宙域だった為、即座に救助できたのはアークエンジェルだけだったこと。

軍艦、しかも実験艦的な側面が強いアークエンジェルに収容できる人数には、物資的な面だけでなく物理的な容積限界で低いこと。

ザフト襲撃を想定した準備をしていた描写がないため、原作の救難救助船団が来たとしても到着が遅れただろうこと……

 

(特に災害発生時は、初動の遅れが要救助者の生存率に大きく影響を与える……)

 

これだけの悪条件だ。

出来うる限りの準備を重ね、原作ではありえないロウや劾達の手まで借りた現状より、被害者数が少なかったとは思えない。

 

分母であるヘリオポリスの居住者数が少なかった可能性もあるが、コロニーの大きさや形にほぼ差がない以上、大きな人口差はなかっと考えた方が自然だろう。

 

(むしろ、原作の方が人口が多かった可能性さえある)

 

 

 

だが、原作では不思議なほど、あるいは不自然なほど『ヘリオポリス崩壊とその際に生じた()()()()()()()』を、オーブは問題にしなかった。

 

ここをガンダムSEEDをアニメ作品の中として見るなら、答えは簡単でもいいだろう。

例えば、制作サイドの都合で『必要以上に視聴者がプラントに悪印象を持たれても困るので、あえて被害の詳細を出さなかった』でも、なんだったら『設定上、プラントは6000万人しかいないんだから、ある程度間引きしても問題無し』でもいいかもしれない。

 

(だが、生憎とここは現実だ)

 

少なくともワタシの主観でここは現実で、ワタシの身体の中では心臓が鼓動を刻み続けてる。

なら、あえて問いたいことがある。

 

例えば、2020年時点の人口統計で、「俺ガイル」で有名な千葉県千葉市の人口が100万人弱、ヘリオポリスの人口とそう変わらない。

どこの国でも構わないし、なんなら国じゃなくてもいいが……ある日突然、宣戦布告もなく「自分達に敵対する国の研究所があるから」という理由で千葉市が攻撃され、30万人以上の犠牲者が出たとする。

その攻撃した勢力の罪を問わずにいられるのか?

あるいは、その攻撃した勢力を糾弾しない政府を、国民は支持できるのか?

 

 

 

(オーブが連合に攻められた時は、あれだけ悪と断じたのにな)

 

はっきり言って、ウズミに限らずアニメのオーブ首脳陣は国の舵取りを任せられないほど無能だ。

だが、

 

(それだけで説明できないことが多すぎる)

 

ここには「制作サイド」なんて物はいない。例え”一族”のような歴史の黒幕気取りはいても、それ以上の存在ではない。

 

「なら、とことん利用させてもらうぞ?」

 

人の命は安くはないんだ。

これから戦時立法により満場一致に近い形で可決されるだろう数々の法案、そこで戦没者に制定されれば、国は特別会計の『戦没者遺族年金』を遺族が生きてる限り、あるいは国がなくならない限り払い続けなければならないだろう。

それがケジメというものだからだ。

 

そして、ヘリオポリスの死者/行方不明者は象徴的な意味も含めてその第一号認定になるだろう。

その総額を考えただけでも頭が痛い。

 

(きっと小さな国なら傾く金額だろうな……)

 

アニメより遥かに巨大な、メラネシアの大部分を領土にもち、地球在住の避難コーディネイターの流入で人口2億に届こうかという”今生のオーブ”にだって楽な額じゃないだろう。

 

(だから、払ってもらうぞ……)

 

プラント主張の『血のバレンタイン』の死者は、24万3721名……

 

『宣戦布告なくコロニーを襲撃し、()()()()()()()()()()()()()

 

ってツケをなっ!!

 

(ザフト、プラント待っていろよ……)

 

ああ、今こそはっきりと自覚したさ。

ワタシはロクデナシどころじゃない。立派な人でなし(ヒトデナシ)だ。

ワタシは国民が殺されたことに怒ってるんじゃない。

アニメの設定や背景ではなく、「30万人が死ぬ」という現実として認識してなお

 

「テメェらに正当性なんて何一つないこと、その身に教えてやんよっ!!」

 

(たかぶ)る!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




カガリは思いの外苛烈だった件について(挨拶

スペシャルというよりカガリ一人のモノローグだった罠w

そして、プラントに政治的死亡フラグが立ったような……?(もしかしてウズミもか?)

次回は、「変な決断」で色々と原作とズレだすかも……




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