デスクワーカーの持病、腰痛と戦いながら書き上げたのは……ギナ兄の説得?w
あと、どっかのオトンがディスられ(?)ます。
ふむ。本人的には『ベッドの上では乱れ桜』なつもりだが、なぜだか同好の士たる”
だがな、”むったん”……ベッドの上で動けなくなった挙句、涙目で「このけだものぉ……」とか言うのはどうかと思うぞ?
余計に欲情してしまうではないか。
解せぬと言えばルビが何やらおかしかった気もするが……まあ、細かいことは気にする必要はないか。
それより今は他にやるべき事がある!
「はあ? ユニウスセブンの残骸を見に行きたい? いきなり何を言ってるのだ、愚妹」
あれれ?
何故かギナ兄にアホの子を見る目で見られてしまってるぞ。
「ギナ兄……妹分扱いは光栄だが、愚妹は流石にひどくないか? それに何故、憐れんだ目でワタシを見る?」
「実際、混じり気なしにお前の頭の中身を憐れんでるからだ」
ひどくないかっ!?
「それと最低限、ブリッジではギナ艦長と呼ばぬか」
ブレないなー。
「いや、ちゃんと理由はあるんだ」
「言ってみろ。聞くだけは聞いてやる」
いきなり”聞く耳持たぬ”ではなく、とりあえず聞くだけは聞いてくれるんだから、原作と比べると人間丸い、いや器デカイよな~。
☆☆☆
「は? プロパガンダの素材集め、だと?」
「うむ」
ワタシは腕を組んで艦長席に座るギナ兄に頷く。
「本国に戻ったら、追悼演説という
平たく言えば、「立てよ国民!」という奴だ。
悪く言えば、
「その時、背景の巨大スクリーンに流す画像の一つとして、”崩壊したヘリオポリス”と『対になる絵』が欲しい」
「なるほど、確かに民衆が喜びそうな演出ではあるな。それなりの効果は期待できるか……いささか迎合的ではあるが」
「現代政治など主義主張に差こそあれ、大衆に迎合してなんぼだろ?」
結局、大衆支持の得られない政治基盤なぞ脆弱なだけだ。
「政治の基本はパンとサーカス」なんて言葉は、古代ローマには確立されている。
こいつは何も生存に不安のない食料の安定的供給と娯楽の提供を揶揄しただけの言葉ではない。
皇帝という現代政治なら成立しないあやふやな地位に権威や権力が集中できたシンプルな社会構造を持つ古代でさえ、大衆の、民衆の心を掌握しなければあっという間に権威は失墜し権力は瓦解する。
そして、王侯貴族という権威が維持できなくなるほどより複雑高度に発展した現代社会において、民衆の心を掌握する……民意の察知、民衆の潜在的欲求を探ることは政治家の死活問題だ。
親父殿……ウズミ・ナラ・アスハが、政治センスが皆無といっていいのに代表首長に上り詰められたのは、
つまり『ウズミ様なら困難な局面でもなんとかしてくれる』というイメージが、能力というよりそのヴィジュアルと強気な言動からあるのだろう。
一言で言えば、取るに足らないイメージ先行、大衆の”幻想”だ。
前世知識で恐縮だが、確かに1960年代のケネディとニクソンの大統領選の時のエピソードだと思ったが……ケネディがその時に大統領に当選できたのは、『ケネディの方がテレビ映りがよかったから』だという。
ウズミが今まで代表首長でいられたのは、その現象に近い。
確かにウズミは「整った男性ホルモン」が具現したような筋骨隆々とした体つきと力強い漢らしいルックスに恵まれている。
即断即決もできるし、果断さもある。
声も落ち着きや深みのある声で、その言動は力強く、高度な教育を受けた者特有の知性を確かに感じさせる。
ユーモアセンスは致命的にないが、それはウズミ・ナラ・アスハという”
だが、
(それだけだ……)
☆☆☆
所詮、それだけの男でしかない。
『ヘリオポリス崩壊』という『この世が確かに残酷な場所であること』の証明がなされるまでは、ウズミの言葉は
なぜなら、オーブ建国の祖たちが残した言葉のエッセンスを集め、「オーブの理想という理念」として体系化させた物に端を発するからだ。
だから、
(平時ならそれでもいいかもしれないけどな)
だが、ウズミは乱世にとことん弱い。
”理想や理念”ありきだから、現実をおろそかにしがちだ。
そして政治センスもだが、それ以上に外交センスが欠落している。
(オーブの理念はオーブの理念であるが故に、オーブにしか通じない……)
それをあの男は、本質的には理解してない。
(だから原作では、大西洋連邦相手にオーブの理念なんぞ振りかざす、理解不能な行動ができる)
あの主張も、最後の集団自決も政治的には何ら意味がない……少なくとも、ワタシはそう思う。
つまり、
(ウズミは政治家ではないのだ)
じゃあなんだといわれても困るが……”無力で痛い理想主義者”程度の評価が関の山だろうか?
確かにメラネシアの大部分を領土に持ち、2億の人口を抱える”今生のオーブ”はアニメのそれと比べて巨大、単純国力なら10倍はあるかもしれない。
だが、世界全体を比較対象にし相対的に見るなら、
(オーブは未だに小国、小勢力に過ぎない)
間違っても『世界の王』などではない。
そんな勢力が、無条件に世界を動かせるわけはない。
政治は、力学でもあるんだからな。
「劇場型政治、大いに結構さ。ワタシが道化になる程度で、国民がわずかにでも”この残酷な世界”を認知してくれるなら安いものだ」
とある赤い彗星の
だが、あえて言わせてもらおう。
(それの何が悪い)
時には道化や役者になる覚悟もできなくて、何が政治家だというんだ。
「全てがそうだとは言わないが、オーブ国民は未だ多くは夢の中だ」
だから、ウズミなんて戦時においては何の役にも立たない『張子の虎』を呑気に担ぎ上げていられる。
「その目覚ましの素材集めか?」
「ああ。これだけの戦力があれば、ザフトとエンカウントしてもどうにかなるだろ?」
「まあ、面白くはあるか……」
良かった。
どうやら話はまとまりそうだ。
あっ、そうだ。
「ギナ艦長にもう一つ頼みがあるんだが」
「言ってみろ」
「”フレイ・アルスター”のブリッジ立ち入り、その無制限許可が欲しいんだ」
集団自決は、政治家の職務に含まれないよなぁ(重めの挨拶
とりあえず、ギナ兄の説得は成功、宇宙戦艦イズモはユニウスセブンに向かうみたいですよ?
書いてて思ったけど、どこのマジカル幼女隊長さんとはタイプとジャンルが異なるし、あそこまで先鋭化されてないけど、カガリって「シカゴ学派型社会学/政治学的解釈」を好む傾向があるな~と。
そりゃあ、親子としてはともかく、政治家としてはウズミと真っ向対立するわけだわと(^^
ウナトやアズラエル、サハク姉弟と気が合ってよくつるむ理由も同根かなっと。
そして、何やら再びフレイに出番がありそうな……?