機動戦士ガンダム進藤   作:ドロップ&キック

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今回はメカニカルな話の予定でしたが……まったくそんなことはなく、人体の神秘(?)と、新キャラの話になってしまいました(^^




第023話:”打岩に似た漆黒の球体 そして繋がっていた縁”

 

 

 

さてさて、フレイを連れてやってきたのはイズモの格納庫。

イズモ級はオーブ初の将来的に「MSの運用を視野に入れて」建造された船で、MSの格納/整備ブロックは非常に気を遣って設計されており、またMSの大型化などに備えて発展的拡張余地のある間取りになっている。

 

そんな一角に、ほんの少し前まで”国営企業(モルゲンレーテ)”の最高機密エリアに置かれていた代物があるのだが。

それを形容しようとすると……、

 

「えっと、お姉様……なんです、この前衛芸術作品的な黒球オブジェと言いましょうか、人間より巨大なボーリング玉と言いましょうか……とにかくこの大きくて黒くて丸っこい物体は?」

 

格納庫の一角にドドンと鎮座していたのは、何本もの電源ケーブルやデータケーブルが接続されている台座と、その上に居座る『直径2m程の漆黒の球体』だった。

 

「これは”打岩”と言ってな。巨大な黒曜石の塊に手足を打ち付けて削り、真球なるべく近づけるという……」

 

「流石に嘘ですわよね?」

 

「まあね」

 

だが、あえて言わせてもらおう……ワタシは烈海王が好きだ!

ただただ強さに焦がれ、武の果てを求めて突き進む姿は、実に清々しかった。

 

「んもう。だと思いましたわ。いくらお姉様が優れていても、コーディネイターじゃあるまいし、無理だと思いましたわ」

 

「まてまてまて。コーディネイターとか無関係に、打岩とか人類には普通に無理だから」

 

フレイはコーディネイターを何だと思ってるんだ……?

連中、如何に遺伝子いじっててもフィジカルとかは、まだ普通にホモサピエンスの範疇だぞ?

間違っても、「格闘漫画なのかオカルト漫画なのか議論の余地がある」とされる作品の登場人物達みたいに、正真正銘のフィジカル人外スペックとか持ってたりしないぞ?

スペック的には頂点のはずのうちの弟(スーパーコーディネイター)だって、拳打で音速出したり、素手で自由の女神を倒壊させかけたりとかできないからな?

 

あれ? そう考えると、コーディネイターって割と常識の範疇にいないか?

 

「でも、毒手くらいなら何とか……ほら、ナチュラルは死ぬけどコーディネイターは死なない毒みたいな」

 

それなんてS2インフルエンザだよ?

というかフレイ、随分マイナーなモン知ってるな?

そんな時、

 

「おや? カガリ様じゃないですか?」

 

そう言いながら巨大漆黒球体の陰から出てきたのは、今は子煩悩なマイホームパパでも、何やら脱ヲタする前は萌え系美少女アニメキャラがプリントされたTシャツ着て、声優のアニソンサマーライブの会場でサイリューム両手に持ってヲタ芸を披露してた過去がありそうな白衣を羽織った小太りの中年男性と、

 

「あ~、カガリ様だぁ~。やっほ~」

 

素材はいいのに、なんかそのヌボ~ッっとした雰囲気とだら~っとした身のこなしのせいで、何やら色々台無しになってる柔らかそうな髪をサイドポニーにした作業着(ツナギ)姿の女性……

 

()()()主任に、ユン。調整しててくれたのか?」

 

「まあね~」

 

「とりあえず、”MBF-P01(ゴールドフレーム)”の調整と、”MBF-P04(グリーンフレーム)”の組立は、ひと段落つきましたしね」

 

 

 

さて、この2人は誰だろうか?

って、もう分かってる人もいるよな?

勿論、オリキャラとかではないぞ。

 

中年男性の方は、原作アニメ(種死の方)に1カットだけ登場した後爆死した”シンパパ”こと、”コウ・アスカ”氏。

モルゲンレーテ・MBF-P0(アストレイ)開発チームのハードウェア統括主任という中々のお偉いさんだ。

 

天然を地で行くサイドポニテ娘、”ユン・セファン”外伝の方(アストレイ)に登場する女性キャラで、アスカ一家がシン一人を残して亡くなったオーブ脱出戦のおり、シンと同じクサナギに乗船する予定だったが、トラブルから乗り遅れてオーブに置いておかれ、途方に暮れてる所をモルゲンレーテ跡地を漁りに来たジャンク屋組合に拾われるという数奇な運命を辿った。

 

原作ではエリカ・シモンズの部下だったが、後に作業用MS『レイスタ』をほぼ独力で設計したように得意なのはむしろハードウェアの方で、その為か今はアスカ主任の部下となっていた。

 

(二人そろって直接的な意味で親父殿、いや……)

 

ウズミ・ナラ・アスハの被害者だ。

悪いが、この2人もまた優秀だ。エリカ・シモンズは確かにMS制御系ソフトウェア部門のエースだが、アスカ主任もユンも優秀さでは勝るとも劣らない。

 

(まったく、原作のオーブ、いやウズミはどんだけオーブに無駄な人材損失をさせてるんだか……)

 

ここだけの話、ワタシは既に『アスカ家()()()()()がある。

シンと、妹のマユについてはいろいろ語りたいことはあるが……一言だけ言っておく。

 

シンは愚かなんかじゃない。『愚かに見えるほど()()()だけだ。

 

よく、家族を殺されてカガリ(ワタシ)を殺さなかったと思う。

ワタシが同じだったら決して許さない。必ず根絶やしにしてたし、もしディスティニーが手元にあったら、オーブを焼き滅ぼすまで止まらなかったろう。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「お姉様、こちらの方々は?」

 

「アスカ主任にユン、まあ仕事仲間ってとこかな?」

 

「それは光栄ですな」

 

「えへへ~。照れるね」

 

さて、説明の適任者もいることだし、そろそろ種割れ……じゃなかった種明かしをするとしますか。

 

「アスカ主任、悪いがこの娘(フレイ)にも体感させてやりたい」

 

「よろしいので? 一応、お国の軍事機密ですが……」

 

「提唱者のワタシが良いと言ってるんだ。誰にも文句は言わさんさ」

 

「しからば……」

 

アスカ主任は白衣のポケットからリモコンを取り出し、

 

開けゴマ(オープンセサミ)

 

ポチっとなをすると、球体の一部が機械音を立てて開き……

 

「ガフの扉が開くよ~」

 

いや、ユン……そんな大層なもんじゃねーから。

 

「これって、操縦席……?」

 

中を覗き込みながら目を丸くするフレイにワタシは頷き、

 

「ああ。”次世代を担うコックピット”

 

 

 

ワタシは思うんだ。

なぜ、OSだけで解決しようとするのだと。

ソフトウェアだけでやろうとするから苦労するのであれば……

 

インターフェース(ハードウェア)からも攻めればいいじゃないか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




バキ・シリーズの登場人物達に比べれば、ナチュラルとコーディネイターの差なんて誤差の範囲だと思う(挨拶

とりあえず、出てきましたね~。シンパパとユン、どっちもマイナーなのはご愛嬌って事で(^^

でも、『転生者であるカガリが気にかける十分な理由がある』二人でもあるんですよ。

あの「ウズミのやらかしとその顛末」には、まだまだ鬱屈したものがあるような……?

そして、黒い巨大球体の正体はコックピットでした~。
ひねりがない?
いや、まあ元ネタはモロバレでしょうしw

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