機動戦士ガンダム進藤   作:ドロップ&キック

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本日、休みが取れたので臨時アップです(^^

今回はメカニカルの話と、ちょっと「とある国が滅んだ話」が出てきます。

ちょっと閲覧注意かな?




第024話:”オーブコックピットと、その裏側にある歴史の苦さ”

 

 

 

さて、唐突だが球体(球殻)は耐圧容器として優れた特性を持っている。

細かい理屈は省くが、内部に高圧の物体を封入するにも、外からの圧力負荷に耐えるのにも他の形状に比べて強い。

なら、コックピットを球殻装甲で覆うというより、フェイズシフト素材で形成した球殻の中にコックピットを備えるというのは、割と自然な発想だ。

機体(母機)とは独立したエマージェンシー・バッテリーユニットを球殻内部に搭載し、機体が破壊されたときの自動排出機能(オートインジェクター)と自動発信の救難ビーコンと相乗させれば、簡易とはいえかなり優秀な脱出ポッドになりそうだ。

 

さて、せっかく球殻構造のコックピットなら、その内壁にプロジェクションマッピングの技術的な応用で周囲の状況を投影できるようにすれば、構造的に脆くなりがちなディスプレイ類を内側に満遍なく張らなくても全周囲モニターの完成だ。

 

加えて、ヘルメットにも少し細工をしておこう。

なに、大した細工じゃない。

ただ、全周囲モニターに加えより細かい情報を網膜に投影できるようにしよう。この辺りはAR(拡張現実)の技術で応用できる。

それならいっそ視線追従照準やコマンド、音声によるインプット/アウトプットも可能としてしまおう。21世紀のスマホですら音声で受け答えできたのだから、まあそれなりの形にはなるだろう。

 

勿論、パイロットスーツには熱や衝撃、薬品に強いだけでなく人工筋繊維を用いた高G環境でのソフト・パワーアシストなど最新の耐G機能を付与するけど、それだけじゃあ不安。

電磁力場による瞬時展開/瞬時格納する使用回数制限のないクッションバッグも用意するが、まだ不安。

ならいっそ、パイロットシートを半浮遊式にしてしまうか? ということで電磁浮遊(リニア)シートを採用。

C.E年間前の西暦時代の末期さえ、リニアモーターカーが実用化されていたのだから、むしろこの辺りは十分に熟成した技術ともいえる。

 

そして、メインとなるハンド・インターフェースは、HOTAS(Hands On Throttle and Stick=両手をスロットルとスティックにおいたまま)の概念を導入したスロットルレバーとコントロールスティックという従来型から一歩踏み込んだ、多機能でありながらより感覚的に使えるハンド・インターフェース”アームレイカー”を装備しようじゃないか。

いや、オリジナルが手が滑り落ちやすいという欠点があるのなら、しっかりと「手で鷲掴み」するタイプの発展型、”イーグルレイカー”を採用するとしようか。

 

 

 

やあ、前世ではUCガンダムもマクロス・シリーズもMuv-Luvも大好物だったカガリ・ユラ・アスハだ。まあ、リアル系は結構何でも好きだったような気がするが。

 

それにしても科学の発展ってのはすごいよな?

20世紀の終わりには「SF作品の中に出てくる想像の産物」だったギミックが、全部ではないせよ21世紀の前半には、多くが「実用化できてしまう領域にある技術」だったんだからさ。

 

再構築戦争で、一度は文字通り『人類は衰退しました』なってしまったが、妖精さんが出てくるのはまだ時期尚早だったらしく、人類はしぶとく存続し、それどころかかつて持っていた技術のさらにその先へと辿り着いたってわけだ。

 

なので、ワタシが長々と冒頭で書いてきたシステム、実は基礎技術自体は既にある物ばかりで、単にそれをトータルパッケージングとして構築する者がいなかっただけだ。

 

そこで、ワタシの普段はあまり使う機会がない転生者知識をフル活用したってわけだ。

実はコックピットの先進性ってUCガンダムとそれに付随する世界が一番進んでたんじゃないか?と思う時がある。

 

いわゆる転生物の定番設定で、この世界にはやはり「ガンダム・シリーズ」は()()()()()()()

代わりに、それ以外のアニメは()()()()()()()()()()普通にあったようだ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

歴史的事象はいずれ詳しく書くつもりだが……正直、21世紀を生きる日本人にとっては、かなり胸糞悪くなる歴史だぞ? 再構築戦争周辺の出来事は。

 

SEED MSVの解説か何かだと思ったが、設定を担当とした森田繁氏によれば「主権国家としての日本は既に存在しておらず、オーブ建国の礎となった」。

公式によれば、「日本は物語の展開にあまり関係が無い上、現実と下手にリンクさせると様々な誤解が起きる場合があるので敢えて触れずにいる」ということらしい。

 

アニメとして考えるならば、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった中国とか、制作サイドや放送局の反米左派的な性格や発想を考慮すべきだろうが……

 

 

 

だが、もしガンダムSEEDをリアルの延長線上にある世界だと仮定すると、

 

・東アジア共和国=北海道を除く日本、中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国大韓民国、モンゴル国、台湾など極東地域が集合した共和国

 

・北海道はユーラシア連邦に()()()()()()()

 

この状況を、当時の(21世紀の)日本人が喜んで受け入れると思うだろうか?

果たして、肯定的に捉えられるだろうか?

日米同盟がありながら、なぜ大西洋連邦にいないのか?

そもそも、日本が共和国……だと?

 

つまりは、「そうなるような、相応の出来事があった」ということだ。

繰り返すが、日本はこの歴史では()()()()()

だから、()()()()()()()()()()()()()のだ。

歴史は時に苦く重い。

 

 

 

そして、日本の後継者と自負する我が国(オーブ)には、その偉大な文化遺産(サブカルチャー)が多数(あるいは根こそぎ)持ち出され、継承されている。

 

まあ、ワタシが「同好の士と書いてむったんと読む」背景には、ここいらのことも微妙に関係しているのだが……

とりあえず、大西洋連邦の子供たちには「宇宙人が攻めてきて、それを少年少女たちが必死に立ち向かう」感じの「70~80年代初頭テイストのリメイク作品」が大うけだ。

 

現代の高画質VRで見る”コンバトラーV”とか”ボルテスV”は中々の見ものだぞ?

 

(そういや、キャンベル星人にミーアってのがいたっけなぁ~)

 

特に深い意味はないぞ?

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

とにかく、そんな日本から継承されたSFを含むアニメは、リメイクという形で花開いて再びサブカルとして根付いた。

ワタシが開発を主導……というか、計画書と稟議書とプレゼンテーション用の自主製作イメージ動画をモルゲンレーテに持ち込んで実現させた、そうだな、

 

(仮称球体型(オーブ)コックピット”とでもしておくか)

 

正式名称は、”次世代人型~”とかやたら長いので、このくらい短い方がいいだろう。

とにかく、そのオーブコックピットは、それらからインスピレーションを得たという説明をしている。

 

そして、それが妙に受けて現在に至るというわけだ。

コンセプト自体は至極簡単で、『とにかく高G環境でも情報が見やすく入力しやすく感覚的に使える人にやさしいインターフェースを考えられる最大限の効率で配した』ってところだ。

平たく言えば、「結果として入力量を増やすやり方」だな。

 

まあ、実は腹案としてGガンのモビルトレース・システムじみたモーション・トレース式の操縦システムもあったんだが……

 

(無重力環境では、流石に無理がありすぎたなぁ)

 

あと、人間は直立姿勢だと衝撃や慣性にひどく脆弱だ。

満員電車が急ブレーキをかけた時の、立ってる乗客と座ってる乗客の挙動をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれない。

 

それに「動きをトレースする」から、パイロットの負担もかなりシャレにならない。

やっぱりあれは、コーディネイターどころじゃない”超人”の領域にいるガンダムファイターだから使いこなせるシステムなのだろう。

 

(ともあれ、せっかくだ……)

 

「フレイ、試しに乗ってみるか?」

 

「はい! お姉様!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




公式で日本という国が亡くなってるガンダムSEEDェ(挨拶

今回はちょっと反応が怖いですね~。
ただ、よほどの事がないと日本が東アジア共和国なんて赤色っぽい匂いがプンプンする国の一部になったり、公用語が日本語のオーブが生まれたりって展開はない気がするんですよ(^^

評価のダダ下がりが怖いですが、このシリーズって割とオーブの持つ「東アジア共和国とユーラシア連邦への軋轢」や、その反動である「大西洋連邦への好感」が無視できないんですよね~。

そういうシリーズだと思ってくれれば嬉しいです。


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