機動戦士ガンダム進藤   作:ドロップ&キック

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とりあえず、週末らしくというか連休らしくというか、深夜アップですw

さて、今回はサブタイ通りのスーパーコーディネイターがメインテーマですが、さほど原作から外れていない筈ですが、「このシリーズなりの解釈」が入ってる可能性があります。

「まあ、そういうもんだ」と楽しんでもらえると嬉しいっす。




第037話:”スーパーコーディネイター その虚像と実像”

 

 

 

スーパーコーディネイターとは、いったい何なのだろうか?

 

ガンダムSEEDという作品において、()()()キラ・ヤマトの代名詞とも言える……物語の後半に連なるにつれ意味を持つ重要な単語だ。

 

それを追求する前に、元となるコーディネイターとは何なのかを確認したい。

アニメにおける設定としての定義は、「遺伝子調整(コーディネイト)によってあらかじめ強靱な肉体と優秀な頭脳を持った()()()」だ。

 

まず、この時点でツッコミどころ満載だろう。

「新人類」なんて昭和の時代から使い古された単語はさておき、「人間の個体差」を完全に無視している。

この表記をするなら「平均的に」という言葉を入れるべきだ。

また、コーディネイターの優秀さをアピールするセリフや設定がいくつか出てくるが、例えば原作における我らがオーブのMS-OS専門家、エリカ・シモンズ女史によれば、

 

『基本的に、コーディネイターの能力がナチュラルのそれを上回るのは、避けがたい事実であり、インターフェイスの性能が同じならば、彼らのほうが機体のポテンシャルをより有効に引き出すことができるのは、明々白々なことである』

 

との事だが、「だったらOS作る前にインターフェース替えれば?」と言いたくなる……というか、その回答が現在鋭意製作中であり、フレイがゲーセンにある筐体代わりにしている球体型(オーブ)コックピット”だ。

 

その程度、OSの変更やハードウェア程度で埋められる差しかないのだろうか?

原作ではそういう情報はないはずだが……例えばボアズやヤキンの戦いにおいて、、EDクレジットに名前がのるような存在でなく一般ザフト兵が乗る「MS製造にこなれたプラント製のゲイツ」と、同じく()()()()()の一般兵が操る『量産性と安定性、整備性のよさ以外は凡庸なストライクダガー』とのキルレシオ差は、そこまでなかったように思えてならない。

 

原作の設定資料を読む限り、ゲイツの方が明らかにダガーより高性能機であり、「その高性能を引き出せるハイスペックなコーディネイター」が操っているにも関わらず、だ。

演出上の都合と言われてしまえばそれまでなのだが、リアルの事象として考えるなら、一般兵レベル同士なら「OS乗せ換えたら、性能の劣る機体に乗ってもザフトと互角に戦えてしまった」と解釈してもおかしくない。その程度の差だったと。

 

 

 

他にも「D.S.S.Dの一級管制官の資格試験には、コーディネイターはナチュラルのおよそ1/3の平均学習時間で合格できる」というのがあるが、これも言葉の魔術で、そもそもD.S.S.Dを受験しようとするコーディネイターは、環境に恵まれて十分に伸ばせる環境にいた、勉学やら何やらに優れたいわゆる「エリート」だ。

その一握りのエリートが、ナチュラルのエリートの3倍の学習速度を持っていたとしても、一般解にすべきではないだろう。

 

後は、「その能力差は総じてナチュラルより高く、身体能力や学力が成人年齢に達するのもナチュラルのそれより約5年ほど早いとされる」

「年端の往かない彼らが陸海空軍海兵隊の役割を総合したザフト軍の厳しい訓練や任務に耐えられるのも、コーディネイターの優秀な能力ゆえとされている」

とかか?

 

即ち、「5年早く()()()()()から少年少女でも厳しい訓練に耐えられ、戦場に出せる」=逆説的に「5年すれば追いつける」って意味なのだが……それにしたって、

 

「これ、言っててプラントの大人は恥ずかしくないのか?」

 

(まあ、プラントのコーディネーターには恥って概念がないとか、プラントには本当の意味で大人はいないとか言われたら、それまでなんだけどさ)

 

オーブにもワタシやキラみたいに、望む望まざるに関わらず戦う羽目になってしまった若者はいるが、それは本当に「例外」だ。

ザフトのように「標準」じゃない。

いや、確かにオーブは建国前後からの歴史的背景やら諸事情で、義務教育を確実に終えられている16歳から「元服(成人認定)」とされ、選挙権が与えられ、やろうと思えば結婚もできるが……

だが、普段は議会承認が無い限り凍結されてる「選抜徴兵」は、原則18歳以上対象だ。

 

 

 

とまあ、アニメで記された描写や公式あるいは認定ムックのデータを主に列記した訳だが……もう、この時点で微妙な気分になってきたんじゃないだろうか?

 

そして、遺伝子操作を受けた()()コーディネーターにも、割とどうしようもない欠点があるようだ。

結論を先に言えば、『設計図通りのスペックが反映されずに生まれる』事だ。

例えば、

 

・青い目に生まれるようにコーディネイトしたのに青い目に生まれなかった。

・自分の遺伝子を使い、自分と同じくコーディネイトし、教育にも金をかけたのにたのに自分の才能が受け継がれなかった。

・長身の夫婦が長身に育つようにコーディネイトしたのに子供は短躯だった。

 

笑ってはいけない。

カイト・マディガンとサーカスの例を出すまでもなく、これが原因で育児放棄や児童遺棄が多発するのがコーディネーター(特にプラント)だ。

その原因は、母胎内での不確定情報変動とされるが、正直なところはいまだ不明だ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

では、ここで表題のスーパーコーディネイターに話を進めよう。

スーパーコーディネイターとは、上記の欠点を克服した存在。

即ち、「最高の性能を発揮できる塩基配列に調整された遺伝子」を持ち、「それが完全に誕生した肉体に反映された存在」だ。

 

ただ、そうなってしまうと語義的には「人類を超越した人類(スーパーコーディネイター)」というより、「遺伝子情報を完全反映した人類(パーフェクトコーディネーター)」という方が正しいのだ。

 

この辺、誤解される事も多いが、本当にワタシことカガリ・ユラ・アスハとキラ・ヤマトは二卵性の双子だ。キラは体外受精の”試験管ベイビー”ではない。

 

ワタシは母(抵抗あるなぁ……)、ヴィア・ヒビキの胎内で育ち、キラは受胎した受精卵の状態で摘出された後に遺伝子調整を受けて、()()()()情報変動がないとされた人工子宮で培養された。

 

「とーころがぎっちょん!」

 

サーシェス、良いよなぁ……あの絵に描いたような悪党っぷりがたまらん。

 

「この人工子宮ってのが曲者でね。理論上は変動がないとされていても、実際には頻出する……原因は不明。つまり、技術的には未完成もいいところなのさ」

 

「まさか……」

 

「そのまさか、さ。キラ・ヤマトは技術的に未完成な人工子宮の中で、()()()()()()で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なのさ」

 

まさにその辺りがガチャなんだよなぁ……

 

「嘘だ……それが、スーパーコーディネイターの真実だというのか……」

 

だからこそ、残酷な現実を告げなければならない。

 

「ああ。よく聞けカナード・パルス……お前が、ユーラシア連邦の外道どもに何を吹き込まれたのか知らん。だが、お前が失敗作とされたのは、断じて”性能がキラ・ヤマトに劣っているから”じゃない」

 

そうだったら、もっと簡単だっただろう。

だが、考えて欲しい。

生まれてすぐの赤子や幼児をどうやって性能比較しろと?

第一、比較しようにもカナードが”製造”された時に、まだキラ・ヤマトは生まれてないのだ。

 

「お前が失敗作とされたのは、ただ単に”遺伝子情報の肉体への反映が、()()()()()()()()()()()()……それだけだ」

 

 

 

そう、優劣の問題じゃないのだ。

事実はもっと無味乾燥で、もっと無情だった……

 

(性能至上主義のコーディネイターとして生まれたのに、性能の問題じゃないと失敗作認定され廃棄されかけたんだ……)

 

まあ、ショックだろうな。

 

(だからこそ、)

 

「わかったか? カナード……お前が例えキラ・ヤマトを倒そうと、性能で上回ろうと、決してスーパーコーディネイターにはなれないんだ。そういう風にできている」

 

ワタシはとどめを刺した。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「があぁぁぁぁーーーーーっ!!?」

 

ついに精神的負荷から狂乱状態となったカナードだったが、

 

(まあ、予想通りか……)

 

ワタシは内心で溜息をつきながら、

 

”どすっ!”

 

首筋に手刀を落として、精神が摩耗しきる前に意識を刈り取った。

 

「メリオル・ピスティス」

 

「はっ、はい!」

 

ワタシは状況についてけなさそうなガネっ娘に、

 

「こいつは寝床へ運んどいてやる。お前は起きるまでついててやれ」

 

「えっと……」

 

「尋問というか、事情説明は翌日以降だ」

 

そこ、そんなに困惑するところか?

 

「それと報酬の前渡しだ」

 

ワタシはニヤリと笑い、

 

「起きたら慰めてやれ」

 

「はっ、はい! ()()()()!!」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

やれやれ、だな。

 

(これで第一関門突破ってあたりか?)

 

だが、よほど下手を打たない限り、この先かかる時間もそう長くないだろう。

 

「随分とお優しいのですわね?」

 

「お前が何を言ってるのか、ワタシにはさっぱりわからんぞ? ラクス・クライン」

 

「カナード様……でしたか? 前へ歩みだすためには間違いを正し、過去を断ち切る必要があった。違いますかしら?」

 

「……フン。ワタシは優しくなんてないさ」

 

優しい奴ってのは、プレア・レヴェリーみたいな奴の事を言うんだろうからな……

 

「ラクス、ワタシをどう思おうが勝手だが、いずれにせよワタシはカナードを手に入れる」

 

「ちょっと羨ましいですわね……カガリ様にそこまで求め(ほっ)せられるなんて」

 

「そんな大層な話じゃないさ。単に弟だから見捨てられないだけだ」

 

「では、そういうことにしておきますわね♪」

 

だからなんで楽しそうなんだよ?

 

 

 

「あー!? ()()()、なにまたどさくさに紛れてお姉様の好感度稼ごうとしてるのよっ!?」

 

「うふふ♪ 冤罪ですわよぉ~☆」

 

最近、お前ら仲良いなぁ~……って、いつの間に仲良くなったんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




カナード受難編(挨拶

そして、シリアスが続いたので最後は百合に逃げましたw

カガリは悪人ではなくても悪党思考だな~と(^^
そして、割とツンデレ?w

さて、次回は後日譚というかフォロー回かなっと。
もうちょい緩い話になる予定です。

そろそろ、アークエンジェルの様子も気になりますし(笑


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