思ったより筆が乗りましたので、
とりあえず、アルテミス突入前の1シーン的な話ですが、「原作ではない」一面が見れるかもしれませんよ?
あと、ちょっとした秘密兵器が出てきますw
「やっぱりブルパップ式の小銃っていうのは使いにくいな……感覚が掴みづらい」
と言いながら、原作に出てきたそれより、実在するFN社のF2000自動小銃に近いデザインの大西洋連邦制式自動小銃を、言葉とは裏腹に割と手慣れた様子で撃つサイ・アーガイルに、
「無重力での射撃っていうのが、それに拍車をかけてるよなぁ。慣れるまで撃つしかないんじゃないか?」
とぼやくトール・ケーニヒはフルオート射撃を難無くこなし、
「でも、
とは、スナイピングを得意とするミリアリア・ハウの弁。
「バジルール中尉、小銃に
「ショットガンはないが、グラネードランチャーは、まああるが……艦内で使うのか? バスカーク
どうやら、流石に”候補生”では銃を持ち歩かせさせる訳にはいかないと思ったらしく、四人そろってめでたく「下士官の一番下」である伍長に仮任官したようだ。
「火力不足で泣くのは、旧大日本帝国陸軍だけで十分だと思います」
なんかこの時代ではマニアックな返しをするカズイであった。というか、銃持った途端、雰囲気違わね?
☆☆☆
ここはアークエンジェル内にある射撃スペース。形状から言うなら、ウナギの寝床のような細長い空間だ。
軍人は、たとえ歩兵でなくとも「年間、〇〇発の実弾射撃をこなせ」というような服務規程があるので、例え実験艦要素が強くても軍艦であるアークエンジェルに、このような施設があってもおかしくはない。
おかしくはないが……
「なんで、みんなそんなに射撃が上手いの?」
「あっ、それはですね」
疑問顔のマリューと感心したようなナタルの前に四人は整列し、覚えたてのちょっとぎこちない大西洋連邦式の敬礼と共に、
「カレッジ射撃部分室
「同じくCQB研究会、速攻が持ち味のフロント・アタッカー、トール・ケーニヒ伍長っす!」
「同じくスナイパーのミリアリア・ハウ伍長でーす♪ あっ、私は写真部と兼任なので、カメラマンも兼ねてました」
「同じくカズイ・バスカーク伍長。ポジションは
「えっ?」
「なるほど……そういうことか」
素直に驚くマリューに、某
「ところでヤマト少尉、貴官はなぜ何も言わん? 同じ研究会にいなかったのか?」
と定位置のマリューの隣にいるキラに降るナタルに、
「CQB研究会、整備担当、射撃が一番下手なキラ・ヤマト少尉です。痛いのが嫌なのでゲームには出ませんでした」
唐突に自虐ネタをぶっこんでくるキラ・ヤマト。
”キミはどこぞの防御力極振り少女か?”とカガリが居れば、即座にツッコんだことだろう。
全くこの場にいないとは、惜しいにも程があるシチュだった。
「だ、大丈夫よ! キラ君、キミは十分にすごいから! だれも動かせないストライクを動かして、こうやって今までみんなを守ってこれたんだもん!」
”動かして戦ってきた”と言わない辺りが、実にマリューらしかった。
ただ、それは「自衛以上の戦いはしたくない」と言ってるのに等しく、物資欠乏が心配される
「マリューさん……ありがとう」
「キラ君……」
手を握り合って見つめ合う二人だったが、生憎ここは射撃場で衆人環視の中だ。
そして、二人には
ここにあるのはエヴァではなくてガンダムなのだから。
「そこ。唐突に自虐ネタからの二人の世界に突入しない。今は勤務中だ」
「「ごめんなさい」」
もはやナタル、既にマリューに上官として接するのをあきらめたようだ。
吹っ切れたのか、振り切れたのかは判断が微妙なところだが。
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「さて、戦う覚悟を決めた諸君には、アークエンジェルにはガンダム以外にも秘密兵器が搭載されていることを伝えておこう」
ピッとコンソールを操作するナタル。繰り返すがマリューでなくナタル。
だが、そこに疑問を挟まないマリューを含む面々。
そして程なくブリッジにぎっちょんぎっちょんと入って来たのは……
「紹介しよう。我が大西洋連邦が誇る”
本当にここにカガリが居ないのが残念だ。
彼女(?)がここにいればきっと、
『何でこんなとこにガンダム00の”オートマトン(
と小気味よいツッコミを入れたことだろう。
まあ、この手のロボットウエポンというのは00に限らず、数々のアニメ/ゲームに登場する……どころか、既に一部では実現されている。
数々の自立型軍用ドローンやセントリーガンなんかは、その代表格だろう。
まあ、このエリミネーターもセントリーガンをAI制御の自立移動型にしたというのが大筋で、同じ様なコンセプトで作られたオートマトンと似通ってしまうのは仕方ないのかもしれない。
事実、ボディ色はアークエンジェルに合わせたのか白基調で、細部を見れば所々だいぶ違うため、全体の印象は結構違う。
「なんか凄いのきたっ!?」
ストレートな反応は、トールの魅力だろう。
「えっ? ”エリミネーター”、この船に積んでたの? じゃあ、ザフトの襲撃の時、なんで……」
マリューの疑問は当然だが、ナタルは首を小さく横に振り、
「艦全体で”エリミネーター”は8基しかなく、ザフトがいつ機密の塊であるアークエンジェルの艦内に侵入するか分からない状況では、表に出せませんでした」
そう言われてしまっては、マリューとしても納得するしかない。
そもそも自分は階級が上とはいえGAT-Xシリーズの開発スタッフで、ナタルのような純粋な戦闘職ではない。
”エリミネーター”が搭載されているのをナタルは知っていて、マリューが知らなかったというのはそういうことだ。
「んで? エリミネーターが8基あるのは分かったが、それをどう使う気なんだ?」
根本的な疑問を口にするムウに、ナタルはうっすらと笑った……
「フラガ大尉、ユーラシア連邦の宇宙要塞”アルテミス”に、この大西洋連邦のアークエンジェルが入港、それも連中が喉から手が出るほど欲しがってる”完成品のMS”と共に入れば、どうすると思いますか?」
「なんのかんの理由をつけて、接収しようとするだろうな。連中は盗賊と中身は変わらん」
事もなげに言い切るムウだったが、オーブ出身者には少々物足らなかったらしく「ゴブリンだよな?」「ゴブリンだよね?」と小声で囁いていたのが妙に印象的だった。
「小官もそう思います。そしてその場合、そこそこの身分の者が来るとは思いませんか?」
「……お前、まさか」
ナタルは笑みを強くして、
「良からぬ目的で、ノコノコやって来る方が悪いんです。どうせなら
実は、カレッジーズは”特攻野郎Aチーム”だった!?(挨拶
このネタ通じるか不安だ……(汗
ナイトライダーとかエアウルフとか、80年代のはっちゃけたアメリカTVシリーズが大好きな筆者です(^^
現役で見たかったなぁ~。
実は銃の扱いに慣れていたカレッジ組と、この時点ではそこまでではなかったキラ君の巻w
まあ、彼はそのうち上手くなっていくでしょう。
そしてナタルは、相手が違うだけでここでも人質を使うみたいですよ?