これも、応援してくれた皆様のお陰です。
ありがとうございました<(_ _)>
さて、記念すべきアニバーサリー回ですが……ちょっと柔らかい話と、そして、ちょいエロくない意味での少々ハードな描写、そしてラストは……?
「キラ・ヤマトが来ていたのか?」
アークエンジェルが光学映像で捉えられなくなったあたりで、ワタシにそう声をかけてきたのは、言うまでもなくカナード・パルスだった。
「ああ。まあ、イズモには乗艦しなかったがな。あっ、『お姉ちゃんだよ』をやるのはワタシが先だからな? お前の『お兄ちゃんだよ』はその後だ。順番は守れよ?」
「誰がするか!」
本日も無駄に元気な弟で何よりだ。
最近、血色も良いし、肌や髪の色艶も申し分ない。
きっと、良い食事とベッドの上も含めた適度な運動が功を奏しているのだろう。
あっ、
こっちもサムズアップで返しておくか。ドヤ顔はせんが。
☆☆☆
「そうですか……いよいよラクスを、返すのですね?」
「流石にいつまでもイズモに置いておくわけにもいかないだろ? まさか、いきなり亡命させるわけにもいかんだろうし」
一応、今回の決定を最近妙にラクスと仲のいいフレイにフォローを兼ねて伝えたところ、予想はしていたが何となく浮かない顔をされてしまった。
「もしかして、寂しいのか?」
ツンデレの
「そ、そんなわけありません! むしろ、ようやく帰ってくれるのかと清々しますわ」
予想通りの返し、ごっつあんです。
あと後半、明らかに勢いが衰えたな? まあ、指摘はしないが。
「それに”
何かブツブツ言ってるが、ツッコんではやらんからな?
「名残惜しい気持ちも分かるが、今は残されたラクスとの時間を楽しんでおけ」
「楽しんでませんから! 断じて! ただ……」
「ただ?」
「ちょっとこのままシミュレーターで負けっぱなしなのが悔しいだけですよーだ」
ハイハイ。理想的ツンデレ乙。
☆☆☆
「はぁ……もうすぐ、この芋ようかんも食べ収めですわね。残念でなりませんわ」
そこかよ。
ラクス・クライン=腹ペコキャラでも定着させたいんかい。
まあ、どちらかと言えば雑食系腹ペコ娘ってより甘味専門なんだが。特に和菓子を好むってか?
「いや、例え戻らなくてもオーブに帰るまでは食べ収めだからな? もうストックねーから」
栗羊羹までひっくるめて目の前にいるピンクの暴食宇宙生物に、もふもふとほぼ食べつくされましたとさ。
丸っこくなく女、それも美人の姿をしてる分、タチが悪いよな~。
怒るに怒れん。
「そうなんですの?」
「実はそうなんだ」
どちらともなく、ワタシ達はプッと吹き出し、
「単純に遊びに来るのか、今度こそ本気の亡命なのか、それとも普通に移民するのか知らんが、お前さんがオーブに来たら、思う存分、心行くまで食わせてやるよ」
「確か、カガリ様お気に入りの甘味処、そこの自家製だったかしら?」
「ああ。”
”ごちうさ”に出てきそうな店だが、直接的なつながりはないはずだ。
年代が違いすぎるし、それにあそこの婆ちゃんが、年取った千夜とかだったらちょっと……いや、かなり嫌だ。
まあ、実際名前が違うことは確認済みだが……
(だが、実際に元軍人が開いているBAR&カフェや、ロップイヤーのうさ耳ハーブティー喫茶が同じ町内にあるんだから、オーブも侮れん)
まさか、ワタシ以外にも転生者とか居た、もしくは現在進行形で居んのかねぇ~。
(居るなら居たで、首根っこ掴んで引きずり出し、泣こうが叫ぼうが仕事手伝わさせてやるとこなんだが……)
”ごちうさ”の再現する前に、オーブの運営手伝えとな。
「どうかしましたか?」
「いや、お前がオーブに来たらどこを案内してやろうかと考えてな」
「うふふっ♪ 楽しみにしてますわね?」
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さて、
『不運にも乗船が
の報は、国際救難チャンネルを通じて、電磁波のみならずレーザー通信なども用いて全方位に発振。その情報は、瞬く間に世界に拡散した。
同時にその現場に
先頃、我が国が保有するスペースコロニー”ヘリオポリス”は、ザフトと思われる勢力に襲撃され崩壊し、プラントが事あるごとに主張する
”血のバレンタイン”を上回る民間人死傷者数
を出した。
だが、現時点において両国が公式な見解を出してない以上、この場で殊更、物事を荒立てるつもりはない。
国民感情を考慮するならば、”10億人殺しのシーゲル・クライン”の娘であるラクス・クラインを害するという選択肢も確かにあるのだろう……
だが、ワタシは断言する!
我が祖国、オーブ連合首長国は、そこに住まう愛すべき民は、そのような蛮行を望まぬと!!
例え相手が宣戦布告もせずに他国の領土を踏み荒らし、
民よ! かつての日本の魂を引き継ぐオーブの民よ!
我らは、在りし日に世界の如何なる国より平和を望んだ国民の末裔として、先祖に、散っていった英霊達に恥じる行為は、断じて行ってはならぬのだ!!
故に、ワタシはラクス・クラインをプラントに返そう!
確かに私の行動を偽善と、あるいは別の言葉で非難する者もいるだろう……
だが! だからこそ、誇り高き民の一人として、人道と己の良心に従い
声明ではなくこれじゃあ演説?
いいじゃないか。オーブ人が納得できればそれでいいんだからさ。
とりあえず内容を要約すれば、
『テメェらみたいな野蛮人と違って、文明人のワタシらはちゃんと民間人は生かして返してやるんだよ。阿呆が』
ってことだ。完全にプラント/ザフトDisりだな。
まあ、肝なのはプラントを国家、ザフトを軍だとは絶対認めん事。
あと、コーディネイターだのナチュラルだのという単語は決して入れてやらん事だ。
どうにもプラント/地球連合を問わず、この戦争をコーディネイターとナチュラルの種族間闘争にしたい奴が多そうなので、それに対するちょっとした意趣返しも兼ねている。
(まあ、ここまで煽れば食いついてくれるだろうが……)
これで無反応とかだったら、流石に打つ手ないぞ?
あっ、言い忘れていたが引き渡し場所は、向かってる先の”アルテミス”の近辺宙域座標を指定してある。
要するにアークエンジェルを追いかけてるなら、逆戻りしなければならないってことだな。
☆☆☆
さて、それは程なく”アルテミス”が光学センサーでなら確認できようという位置に着いた時だった。
「救難ビーコン? それも大西洋連邦の? こんな所で?」
「ソキウス。ニュートロンジャマーの影響のせいかかなり微弱ですが、間違いないでソキウス」
んー? どういうことだ?
「まあいい。確認しろ」
そして、光学センサーが捉えたのはフェイズシフト・ダウンを起こした、壊れかけのRadio……じゃなかった。壊れかけの灰色ボディでキュートな、
「は? なんでこんなところに”
カガリは、実は
ホント、この女(?)は前世で何やってたんでしょうね?(^^
神様が転生させたかは分かりませんが、覚えてない部分は相当ヤバかったんで、転生させた何者はカットオフしたのではないのかな~と。
キラ・ヤマトの存在が段々軽くなってきてる気がするカナードに、ちょっとわずかながら誤差に範囲でもラクスとの別れが少し寂しく見えなくもないフレイ、芋羊羹や栗羊羹にありつけなくなるのが残念そうなラクス(ヲイ。それでいいのか歌姫?
まあ、カガリが無自覚に口説きまくってるので(笑)、そのうち出てくるでしょう……という前に、イベント発生!
果たして二コルは無事なのか?
時間的にも死んではいないでしょうが、安否は気にかかるところです。
次回は、その辺りがメインになりそうな……?
重ねて、応援ありがとうございました。
この短い時間で50話まで書けたのは、お気に入り登録していただいた皆さん、高評価をくださった皆さん、感想を書いてもらえる皆さんのお陰です。
いつ終わるかわからない物語ですが、これからも、どうかよろしくお願いいたします。