機動戦士ガンダム進藤   作:ドロップ&キック

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そう言えば、ここのところMS戦とか書いてないなぁ~と(ガンダム二次なのに……
あとバトルモードのギナ様も(^^

という訳で、ガルシア君とのお楽しみシーン(?)の前に、エクストラ・イベントです♪





第057話:”意外な相手とエンカウント・バトル”

 

 

 

「雑魚ばかりと思いきや、それなりに見るべきものはいるという事か?」

 

その時、ロンド・ギナ・サハクは好戦的な笑みを浮かべたのだった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

ロウ・ギュール、あるいは”レッドフレーム”という疑似餌(ルアー)に寄ってきたのは、何れも()()()()()雑魚ばかり。

鹵獲品だか横流し品だか知らないが、ジンを操る事はできるようだが、傭兵を名乗る割にはその動作はキレが足りておらず、攻撃も単純で稚拙。期待外れもいいところだとギナは思っていた。

 

(現状では、MSを入手し動かせるだけでも、傭兵という商売は成り立つということか?)

 

正直、”ゴールドフレーム改”の相手に相応しい標的がいるようには見えなかったが……

 

「なんだ。妙に(イキ)が良いのがいるではないか」

 

そんな中に、現状ではとてもレアな”()()()”はいた。

 

ジン・アサルトとは珍しいな!」

 

オーブ軍では”フルアーマー・ジン”とも称される『アサルト・シュラウドを装備したジン』は、ギナも資料映像など存在することは知っていたが、動いてるソレを生で見るのは初めてだった。

この時点では……いや極めて少ない生産数から逆算されるエンカウント率から考えれば、紛れもなく大戦全期を通じてのSSR級の機体だ。

これで操縦者の腕がイマイチなら興ざめもいいところだが、

 

(喜ばしい誤算とでも言えるか?)

 

どうやら、ギナのお眼鏡にかなったようだ。

レアなMSと腕が立ちそうなパイロットの組み合わせは、なるほど確かに闘争本能を刺激するに相応しい。

 

「このジン・アサルトは我が獲物に定める! 他の雑魚共はお前(ソキウス)達で分け合うがよい!!」

 

”ゴールドフレーム改”の性能を多少は引き出せねば勝てぬかもしれぬ相手の登場に、ギナは心躍らせるのだった。

 

(それにしてもの()()()()()()()()とは、また珍奇な得物(エモノ)を使っているな……)

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「なんなんだコイツっ!?」

 

その日、原作の叢雲劾から立ち位置がスライドしたように”()()()()()アルテミス”防衛の依頼を請け負っていた”カイト・マディガン”は、エクストラ・ミッション『()()()()()()()』をその報酬に釣られて気安く請け負ってしまった、数時間前の自分の迂闊さを心底呪っていた。

 

謎多きコーディネイター専門の傭兵養成機関(コーディネイト失敗作の漂着先)”サーカス”(もうこの時点で凄まじく胡散臭く後ろ暗い機関だと言うことが分かる)出身のマディガンは、自分の腕……操縦技量に絶対の自信を持っていた。

 

そりゃそうだろう。まだMSがザフト以外じゃ物珍しいこのご時世、MSを動かせるだけでも一目置かれるのに、MSを扱うようになってからの歴史は浅くとも過酷さで知られる”サーカス”の脱退試験を生き延び、晴れて自由の身となったのだ。

このジン・アサルトもその時の餞別代りにあてがわれたのだが……

 

「クソッ! 上には上が居るってことかよっ!!」

 

そして現在、”見たこともない()()M()S()”の奇襲をくらい、苦戦を強いられている真っ最中であった。

 

「こなくそっ!」

 

それにしても、実に皮肉な図式ではある。

この時間軸では相対的未来にあたり、この原作とは異なる流れを取る世界線でもそうなるとは限らないが……

 

現在、”ゴールドフレーム改”が、アスカ主任を筆頭とする”イズモ”搭乗のアストレイ開発スタッフ(マッド・エンジニアーズ)の不断の努力でストライカーパックっぽく搭載している”ゲイボルグ”は、彼が乗るかもしれない”()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”に搭載されるそれと、基本同じ物だ。

ついでに言えば、この世界線ではありえないが……ギナ自身もカーボンヒューマンというイレギュラーな形で復活し、同僚となったりするのだが。

 

「くっ!」

 

そんな未来が来るのかは不明だが、今のマディガンは機体の性能差もあり押されまくっているのが現状のようではある。

だが、彼はしぶとさに定評のあるカイト・マディガン。

ここで諦めるという選択肢はない!

 

(ならば、奥の手!)

 

「”アサルト・シュラウド”、パージ!!」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「ほう……やるではないか」

 

獲物に逃げられたというのに、その時ギナは上機嫌に笑っていた。

そう、強制解除されたマディガン専用ジンの”アサルト・シュラウド”には各所に相手の光学センサーを一時的にオーバーフローさせる強力な閃光弾や、チャフ/フレアーなどの各種ジャミング装備が組み込まれていたのだ。

さすがのギナも、その一見自爆にも見える捨て身じみた攻撃に虚を突かれ、

 

「なるほど。敵ながら天晴(あっぱれ)。良い引き際だ」

 

 

射程外に飛び去ってゆく、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を入れたジン”を見送っていた。

それなりに敬意を払う相手と判断したのか、はたまたただの気まぐれか?

追撃をかける気はないようだ。

 

(悪くない腕ではないか。少し調べておくか?)

 

新進気鋭のフリーのMSパイロット、カイト・マディガンの名をギナが知るのはしばし後の事だが……

 

「ソキウス達よ! 奴の残したアサルト・シュラウドを回収せよ! 技術班への良い土産になるだろうからな」

 

返ってくる複数の『ソキウス!』という返事……残りの傭兵たちを苦も無く”()()”したソキウス達に満足を感じる。

 

だが、この時点でザフト謹製のアサルト・シュラウドを入手できたというのは、それなりに大きな意味がある。

何しろこれでも、立派な『量産型アストレイの強化フラグ』だ。

 

「これも”戦利品”ということにしておくか」

 

そう”ゴールドフレーム改”が手を伸ばしたのは、マディガン去り際の刹那、トリケロスのビームサーベルで()()()()()()「拳銃型装備を握ったままの右腕の肘から先」だった。

ロンド・ギナ・サハクは、ただ黙って敵を見逃すほど、詰めの甘い男ではなかったのだ。

 

というか、地味に「MSの腕を拾う」という細やかな原作再現の1コマだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「俺もまだまだ甘い……もっと、もっと強くならなければ」

 

カイト・マディガンが「初めての1対1での大敗北」、それに起因する口惜しさと反省を鎧と愛銃と右腕を失ったカスタム・ジンの中で苦く噛みしめてる頃……

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「あいつ、なんだか気にいらない……」

 

二人分の体液が染み込んだシーツを頭から被り、ギナの計らいで見れるようになっていたリアルタイムの戦闘映像(ゴールドフレーム改のカメラ映像だろう)を見ながら、二コル・アマルフィはそう呟いていた。

 

愛し合ったベッドの上に半裸でちょこんと座りながら、その視線は唯一この宙域から脱出に成功したらしいMS後ろ姿を捉えていた。

 

危険はないと判断された二コルは、もはやなんの拘束もされていない。

だが、同時に彼はこの部屋……ギナの私室を、理由がない限り出たいとは思っていなかった。

あるいは彼の安息の場所は、今の所もうここしかないのかもしれない。

クンとシーツの匂いを嗅いで、

 

「ギナ様とボクが混じり合った匂いだぁ……」

 

恍惚とした表情を浮かべる。

その瞳に蕩けるような……深く(よど)んだ光を(たた)えながら……

 

「ギナ様、この場所はボクがきっと守るからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ギナ兄って、「ひなたのつき」とか好きそうだよな~(挨拶

ちなみに「ひなたのつき」とは、知る人ぞ知るとある()()()()()()()()(笑)のゲームで……ま、まあ、可愛いのは確かデスヨ?(滝汗

因みにオーブではVR化され再販、更に続編まで作られ紳士淑女に大変喜ばれてるという噂が……

とりあえず、ギナ様ってばまた新しい男にちょっかいかけてw(ナニカチガウ
基本的には、ガルシア君は叢雲劾 with サーペントテールを諸事情で雇えなかったので、代打で雇われた1人が、新進気鋭で売り出し中のフリーのMS乗り、”カイト・マディガン”だったようです(^^

マディガンが再登場するかは未定ですが……二コルには色んな意味で要注意だぞっとw



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