機動戦士ガンダム進藤   作:ドロップ&キック

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意味深長なサブタイですが、特にエロくはありませんw




第006話:”初めてはカガリと”

 

 

 

「あー、アルスターさん」

 

「どうかフレイとお呼びください♪」

 

あれ?

なんか、この娘って妙にグイグイ来てね?

理由はわからんけど。

フレイは、むったん(=ムルタ・アズラエルのことな?)とパーティーでバカ話してる所を見かけたって言ってたけど、こうしてちゃんと会うのは初めての筈なんだが……

 

(まあ、いいか)

 

「じゃあ、フレイさんで。えっと、足痛めてるんだよな?」

 

「ええ。申し訳ございませんが」

 

「なら、抱きかかえて走っていいか?」

 

「ほえっ!?」

 

あー、突然すぎたかな?

 

「フレイさんはその調子じゃ歩くのは厳しいだろ? 幸い、ワタシは女の子一人抱えて走るくらいどうって事はない」

 

「えっ、その、願ってもない申し出なのですが……」

 

何故か顔を赤らめながらチラチラとワタシを見てくるんだが……もしかして、フレイってそっちの趣味あんの?

確か、サイ・アーガイルが本来の婚約者だと思ったが……いや、前世でも同性愛者でも社会的立場の確立だのなんだのって理由で、異性婚してる人はいっぱいいたっけ。偽装結婚も含めて。

 

「よろしいのですか?」

 

「フレイさんの正体が分かった以上、ここで見捨てるって選択肢はないよ」

 

ワタシは、手で持ってたPDWをスリングで肩掛けにしひょいっとフレイを持ち上げる。

いや、フレイにもたせてもいいんだけど、フレイと銃の組み合わせはなんか嫌な予感がするんだよな~。

それにしても、

 

(うわっ、軽っ!)

 

「おおお、お姫様抱っこ!? は、初めてされちゃった……」

 

「悪いね。初めてのお姫様抱っこがこんなメスゴリラでさ」

 

そのぐらいの自覚はあるぞ?

女らしくないのは、もうどうにもなりそうもないが……まあ、ワタシの現在の身体能力(フィジカル)的な意味でのスペックは、おそらく「アニメのカガリ・ユラ・アスハ」を大きく凌駕してるはずだ。

 

元々、カガリは前世を基準にするなら「子供の頃から一つのスポーツに真面目に打ち込めば、国家代表どころかオリンピックの表彰台を狙える」くらいにハイスペックな基礎能力を持っていたんだと思う。

そんな感覚があったからこそ、大人のメンタルで忍耐強く、徹底的に鍛えたのだ。

幼少期、ワタシが一番気を付けたのは「成長を阻害するようなオーバーワーク」だったくらいだ。

 

根回しとか交渉とか駆け引きも好きだから、単純(シンプル)な脳筋として生きる気はなかったけど……だが、同時に最後に物をいうのは体力だってこともよくわかっていた。

気のせいかもしれないが、前世でなんかあったんかな? イマイチ、そのあたりはうまく思い出せない。

 

「いえ、むしろ初めてが”カガリ()で光栄ですというか、ありがとうございますというか」

 

「何を言ってるんだ、君は」

 

「す、すみません。実はちょっとパニックってます」

 

周りが阿鼻叫喚、モロに戦場になりつつあるのに、ちょっとパニクる程度で済んでる当たり、存外フレイは素で神経図太かったりするのか?

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

「すごーい! わたしが自分で走るよりずっとはやいはやーい!」

 

……極限状態で、実はフレイの知能指数が一時的に下がってるとかじゃないよな?

なんか、サーバルちゃんと島風が混じってた気がするぞ。

 

とりあえず、前に参加した特殊部隊の訓練で背負った装備よりフレイはずっと軽い(体感的にはフル装備の半分くらいにしか感じない)から、別に全力疾走しても大して苦にはなりゃしない。

 

両手が塞がってるから即時発砲できないのは確かに不安要素だが、

 

(よしよし。ついてきてるな)

 

フレイには見えてないようだが、いつの間にかソキウス・シリーズの「コンビニ・コンビ」ことセブンとイレブンが、ワタシを前後から挟むように警戒しながら並走している。

 

MSの流れ弾なんか飛んで来たら流石に全員仲良くお陀仏だろうが、並のコーディネイターならソキウス達の相手にならないだろう。

なんせ、本質的にはコーディネイターを殺すために作られたコーディネイターだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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主な戦闘区域が居住区画を挟んで反対側だったせいもあり、流れ弾が飛んできたりMS(ジン)が降ってくるような波乱も特になく、ワタシとフレイ、そしてソキウス一味は無事にオーブ軍の管理区画に辿り着くことができた。

 

報告に来た”ザ・ワン”によれば、一足先にカトウ教授を無事に宇宙戦艦(イズモ)に送り届けたらしい。

 

回りを見回せば撤収作業も最終局面、

 

(どうやら間に合ったようだな)

 

アニメ通りなら、ザフトの最初の襲撃からヘリオポリスが崩壊するまで6時間の猶予がある。

ワタシがフレイを拾ってしまったように、イレギュラーはいくらでも転がってるだろう。例えば、ミサイルやらなにやらの当たり所によってはヘリオポリスの崩壊が早まるかもしれないし、あるいは遅くなるかもしれない。

 

(とはいえ、”D型装備のジン”がもう派手に飛び回ったりしてない限り、いきなり崩れ落ちる事はないだろう)

 

ミサイルだのバズーカだのビーム砲だのと、コロニーの中で振り回すなんざ正気を疑うデカブツを背負ったジンが出てくるのは二度目の襲撃……キラ・ヤマトがストライクを動かして、ジンを返り討ちにしてからだ。

 

(つまり、D装備ジンとクルーゼのシグーが出て来るなら、()()()()は概ね原作通りの展開ってことだな……)

 

とはいえ、現状は把握しておきたい。

なので、ワタシは一番情報が集約しているだろうイズモのブリッジへと急いだ。

 

そう、後で気づいたのだが……”フレイを抱きかかえたまま”だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




セブン・イレブン、いい気分~♪(挨拶

このネタがわかる人は歳がばれる仕様(笑

「開いててよかった」

そして、何やらフレイが原作とは別のベクトルで変な方向に(^^



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