遅い夏休みなので、変な時間にアップです。
ヘリオポリス内にある大西洋連邦オーブ軍管轄の機密区画。
そこへ隣接する港にその船……オーブ連合首長国が誇る宇宙戦艦イズモ級1番艦”イズモ”は外の喧騒には無関心なように静かに停泊していた。
何気に宇宙戦艦ヤマトも好きな、心はいつも少年……いや、両性具有のカガリ・ユラ・アスハだぞっと。
何か重要なことを忘れてる気もするが、とりあえずワタシはイズモのブリッジへ向かっている。
艦内を走ってるだけじゃ気付かないが、実はこのイズモも厳密に言えば「ワタシがアニメで見たイズモ」とは割と違う船だ。
全体的なデザインや印象はそこまで大きく変わらないが、あれほどの規模ではないが、イズモ級の船体はオーブの国土同様に大型化している。
例えば、原作では290mだった全長が約15%増しの333mまで伸びている。つまり、まだ竣工してないだろうがピンクの戦艦”エターナル”よりでかく、世代は違うが”ミネルバ”とほぼ変わらないと書くと、大きさのイメージが伝わりやすいだろうか?
全体的に一回り大きくなっているが、印象としては胴体(メインハル)部分が、バランス的に
それに333という3並びはいかにも日本人が源流のオーブ人が好きそうな数字ではあるが、それ以上のこだわり……いや、隠された意図や忍んだ思いを感じる。
333mって数字は、在りし日の日本のランドマークの一つ、多くの物語の舞台となった”東京タワー”の高さと同じだ。まあ、偶然の一致と呼ぶには無理がある。
C.E歴が始まってまだ70年あまり。日本という国がまだ歴史用語になる前に多感な時期を過ごした「最後の世代の日本人」である第一世代オーブ人もまだまだ大勢生き残ってる。
オーブの80代は、男女を問わず元気な年寄りが多いのだ。
それはさておき、図体がでかくなった分、イズモ級のスペックはそれなりに上がっていて、出力やペイロードの上昇はもちろんだけど、原作より余裕のある設計なため拡張性や冗長性が高い。
いやむしろ、「将来的にMSが開発されることを前提に、必要ならその運用を可能とするだけの余力をもった設計」がなされた最初のオーブ軍艦がイズモ級ということだろうな。
ああっ、言っておくが設計にワタシや
少なくともワタシの認知できる範囲で転生者はいないはずだ。それに匹敵するぐらい奇人変人、紙一重の有象無象は随分と心当たりがあるが。
実はこうなったのは、物語の都合で設定が作れるアニメではなく、歴史の積み重ねであるリアルならではの事情というものが関係していた。
オーブが未だにナチュラルとコーディネーターの融和政策を国是としてるのは誰でも知ってることだが、その成果の一つとも言えるが『MS開発計画の早期察知』だ。
要するに、プラントにも親オーブ派のコーディネイターはごまんといる。
というか、コーディネイターとて所詮は人間。金で簡単に裏切る者もいれば、地球の重力を愛おしく思う者だっている。
無論、中にはターミナルだのファクトリーだの、その裏側にいる更に怪しい連中と繋がっていて、何らかの得体の知れない意図で動いてる連中もいるだろうが……
とにもかくにも、パトリック・ザラやシーゲル・クラインらが中心となりMSの開発が本格的に始まったのがC.E.63年とされるが……オーブはザフトが結成される65年にはMSの概要をつかんでたとされるから、相当に早いだろう。
実際、ザフトの結成に呼応するようにオーブで発令されたMS開発予備命令と同時に、イズモ級の開発も始まっている。
勿論、設計段階でMSの現物は存在しないので、予想と予測だけで設計を仕上げたわけだが……MSがいざ実用化された場合に備えあちこちが工夫され、現役の軍艦の中でも極めて改修のやりやすい部類に入るだろう。
大型化で直接的な戦力強化につながっている部分は、MSの運用数が常用12機(最大搭載数ではない)となっていることに加え、やがてビーム兵器が主流になることを見越して今頃はこちら以上に大わらわであるだろう”アークエンジェル”と同じラミネート装甲を全面に採用し、また同じく110㎝バレル伸長式リニアカノン”バリアントMk.8”をエンジンブロック側面に左右合計2門追加している。
加えて、艦首の上下カタパルト部分がオーバーハングになっているが、その上下のオーバーハングに挟まれた部分に船体の大きさを生かしてバルジを追加、そこに225cm連装高エネルギー収束火線砲”ゴットフリートMk.71”を格納式で搭載している。
要するに、上下に加えて左右にもゴットフリートを、合計連装4基8門装備している。
防御力と攻撃力の増強に加え、機関出力自体の大型化に対応した出力向上に加え、各種バーニアやスラスターの推力増加や数自体の追加もしてるので、むしろオリジナルより機動力も上がっているだろう。
これらの変更で、アニメのそれと大きな印象の変化はなくとも、幾分マッシブになってるのかもしれない。
個人的にだが、設計が練りこまれてるなと思うのは、バリアントが追加され、ゴットフリートが増設されても射線が干渉することなく、死角を埋めるような配置になってることだろう。
やっぱ宇宙戦艦って良いよな~♪
まず、宇宙戦艦って響きそのものに浪漫がある!
☆☆☆
ところでアニメ版の設定でも、イズモ級はアークエンジェルの雛型の一つとされているが、今生では両者はより近い感じだ。
個人的な主観では、宇宙戦艦としての戦闘力は、イズモ級の方が実験艦としての要素が強いアークエンジェルより上じゃないかと思っている。
単純に波動砲……もとい陽電子破城砲”ローエングリン”の搭載数がアークエンジェルの2門に対し4門とオーバーキル気味に倍なせいもあるが、武装の配置とかもイズモ級の方が元々実戦的で死角が少ないように思う。
しかも、今生のイズモ級はゴットフリートの搭載数も倍加している。
もっともアークエンジェルはイズモ級にない大気圏内運用能力があるため、一概には比較できないが。
(実際、アークエンジェルを原型に大気圏内外運用可能な船の設計計画が動き出してるしな~)
オーブ製のアークエンジェル・タイプも見てみたいが、それらは今の所ワタシの手のひらにはない。
だが、MSなどの搭載機のことを考慮しないで宇宙戦艦としての戦闘力を単純比較すれば、現時点ならイズモ級……ではなく、イズモの方が圧倒的に高いと思う。
なぜなら、
「ただいま、ギナ
「おかえり。だが、カガリ」
その長髪黒髪の男はキャプテンズ・シートに頬杖を突きながらじろりとワタシを見て、
「私のことは艦長と呼べ」
ノリノリだなロンド・ギナ・サハク!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
わかってる。
色々説明は必要だろう。
イズモがヘリオポリスに停泊してるのはともかく、なんでそのブリッジでギナ兄ことロンド・ギナ・サハクが居座ってるのか……
すまないが、大した大きな理由も重い理由もない。
「面白そうだったから」とか、「暇を持て余してたから」とか本気でどうしようもない理由もありそうだが……だが、一番大きいのは、
(一刻も早く自分の目で”
まあ、気持ちはわかるけどさ。
正直、開発期間が長かっただけあって、原作より高性能だし。
ただ、一つ納得いかない事があるとすれば、
「ギナ兄、そのお召し物は一体……?」
どっからどう見てもオーブ軍の公式ユニフォームではない。
いや、ワタシの目がおかしくなってないのなら、むしろ沖田十三の艦長服(
するとギナ兄、ふふんと自慢げに鼻を鳴らし、
「艦長席に座るなら、やはりこの服だろう?」
本当にノリノリだなっ!?
「なに、心配せずともオーブ軍服として出向前に正式に登録済みだ」
「公私混同っ!?」
拝啓
敬愛すべきオーブ本国の種族人種軍民問わず皆々様、今日もギナ兄は絶好調です。
フレイはどこへいった!?(挨拶 or Q
A:まだカガリに抱っこされとります。
ギナ様:「教えてやろう……船の性能差が決定的な性能差ではないということを」
魔乳様:「教えてあげるわ……艦長の性能差が決定的な性能差ではないということを」
あれ? なんか後の人は自虐ネタのような……?
とはいえ、イズモとAAが殴り合うことはないです。多分、きっと、メイビー。