東京喰種 √鬼   作:MM氏

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東京喰種の別の話を書いてみたくて書いてみました。


第一話 解放

「はぁ〜。いつまでここにいんのかね」

 

 

 

そう呟く男が部屋に1人。いや部屋というよりは監獄というべきだろうか。何故なら彼の体は鎖に繋がれていて、そこから一定の距離以上動くことを許されていなかったからだ。少し身体を動かすたびにジャラジャラとなる鎖に耳障りを感じる。

 その鎖に繋がれている彼の肉体は筋肉に覆われており、痛々しい数の傷跡も含めて、彼はとても常人と呼べる身体ではなかった。

 

なぜ彼がこれほどまで外部との接触を遮断され、鎖に繋がれているのか。彼が極悪な犯罪を犯し、牢に入れられているのか。いや犯罪を犯したには違いないが、まず前提として彼は人間ではなかった。人間ではないのなら何だというのか。人の形をしており、人の言葉を喋るのだ。人と認識するには十分な情報だ。しかしこの世界には、その情報が一致していたとしても、根本的に違う人ならざるものが存在していた。食物連鎖の頂点であり、食べるものは人間という所謂、食人族のようなものだ。しかし彼らが摂取できるのは人間だけであり、身体の構造上は確か食べれないのだ。そんな彼等を人は喰種(グール)と呼んでいた。そしてここは、その喰種を収監するために作られたコクリアという施設である。そこに収監されているということは、彼は間違いなく喰種であるということだ。

 

「いつまでここにいるんだろうな...」

 

そう彼が呟くのも当然だ。なにせ、彼がここに入れられてから五年の月日が経つのだ。何もない部屋で外部との接触も絶たれ、体も拘束されているこの状態。常人なら精神的におかしくなっても仕方がない。しかし彼は日々孤独と闘っていた。7年経った今でも、冷静に物事を考える頭も持っている彼を常人と呼んでいいものか。

 

 急に彼の寝転がっている地面が震えだした。ここにいて初めての体験だったので彼は警戒する。すると外から、小さくではあるが様々な声が飛び交っていた。

 

(何かここで問題でも起きたのか?)

 

そんな疑問は目の前の固く閉ざされた扉が開きだすと同時に頭の中から消えていた。本来、ここの扉が開かれることは処刑時以外にあり得ないことだ。しかし、先程の地響きや人の声、そのあらゆる情報から処刑ではない可能性を見出していた。

 

「開放しにきました」

 

そしてこの言葉でそれが確信に変わったのだ。拘束されている彼の前に立っているのは白髪の青年だった。顔には眼帯のマスクをつけており、その目は酷く冷たかった。

 

「へぇ〜俺はおとぎ話のお姫様ってわけだな」

 

「すぐに外しますね」

 

彼の言葉を無視して青年はそう言い放つと同時に、身体から赤い結晶体のようなものを出現させる。こんな芸当ができるのは無論、彼が人間ではないからだ。彼もまた喰種であった。そして喰種である彼の体から出現しているこの赤い結晶体は赫子と呼ばれてる。喰種特有の筋肉のようなものである。青年はそれを、横たわっている彼の体を繋いでる鎖めがけて叩きつけた。ピシッという音と共に鎖は崩れ落ち、彼の体は二年ぶりに自由の身となった。

 

「ありがとよ王子様。ところでお前、誰だ?」

 

純粋な疑問に戸惑わず彼は答えた。

 

「僕は金木研といいます。先程言った通り、あなたを解放しにきました」

 

金木の言葉に彼は頷き、大きく深呼吸をした。

 

「感謝するぜ。なんせ、7年ぶりのシャバの空気を吸えるからよ...。それにしても、ここコクリアによく入りこめたな。それとも強行突破か?」

 

彼がそういうのも当然だ。コクリアは喰種達にとって入ったら最後死ぬまで出られないという鉄壁の要塞のようなものだ。そんなところに入りこみ、ましてや自分を解放してくれようなどとは思いもしなかっただろう。

 

「1人では無理でしょうね。僕は”アオギリの樹”という組織に属しています。この襲撃は組織絡みです。コクリア内は現在大勢の喰種で埋め尽くされているでしょう」

 

「ん?アオギリ...そうか。お前アオギリの樹なのか」

 

アオギリという言葉を聞き彼の雰囲気が変わった。それを金木も感じ取ったようだった。疑問に思いながらも金木は話した。

 

「それで、貴方には解放を条件にアオギリの樹に」

「断る」

 

金木の言葉を遮り彼はそう口にした。

 

「何故?理由をお聞きしても?」

 

「まぁ色々あってね」

 

そう言った彼は神妙な顔つきになっていた。まるで何かを隠しているかのように。しかし金木にとって今は時間がなかった。一刻も早く他の喰種達の解放をしなければいけなかったからだ。

 

「そうですか...ならば力づくということでいいですか?」

 

そう言いはなち、眼帯から出ている片目を赤く光らせ、背中から赫子を出現させた。

 

「疑問形のくせにやる気だな兄ちゃん。ただ....」

 

突然、金木の前にいた彼は目に見えないスピードで金木の背後に立っていた。

 

(この人、とんでもなく早)

 

先程まで前の敵を捕らえんとしていた金木の視線は一瞬で下を向いた。いや向かされた。背後を殴られたのだろうか。金木は怯んだ。

 

 

「やる気なら相手に時間を与えちゃだめ」

 

そう言って彼は、金木の背中から出ていた赫子を掴み引きちぎった。引きちぎられた同時に、金木はあまり痛みに声をあげた。

 

「がはっ」

 

「いい赫子持ってるよお前」

 

そう言って、彼は先程金木からちぎった赫子を口の中に入れた。ガチガチと赫子が砕かれる音に金木は恐怖する。なにせ自分の一部を今食べられているのだから。

 

「あなたは一体......何者なんだ」

(この人には)

 

「俺か?ん〜まぁただのおっさんっていうのもあれだし」

(勝てる気が....しない)

 

ここで初めて彼の名前が明かされた。

 

「まぁ名前は四方龍二ってんだ」

 

「!!!」

 

To Be continue

 

 

 

 

 

 

 

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