悲鳴、血飛沫、嗚咽、涙、逃げ惑う人々、そんな景色が見える
「逃げろ…王馬…」
伸ばされた手は血まみれで熱が引いていく
「父さん!」
返事はなく先程まで伸ばされていた手には力がなくぴくりとも動かなくなった
「王馬…ごめんね…私はもう……」
「母さん!」
こちらを涙を流して見つめる母は大きな瓦礫に押し潰され、鮮血が俺の顔に飛び散った
「お兄ちゃん…助け…」
逃げ出す人の波に浚われ離れ離れになる妹…人の波をかき分けて妹の元に着いたがもう手遅れだった、妹の衣服と灰が残り既に妹はこの世に居ないと悟った。そして目の前にはノイズの波が次はお前の番だと言わんばかりに襲いかかる
「皆…今そっちに…」
手を伸ばしその波に飲まれようと足を前に出した所で重たい目蓋を開き辺りを見渡す、どうやら病院のようだ、点滴が右腕に刺されておりカーテンを隔てた隣のベッドからいびきが聞こえてくる
「生きてる…」
自分の頬をつねると痛みを感じる。どうやら夢でも無いようだ
「たしか…ノイズにやられて…」
「目が覚めましたか、良かったです」
看護婦さんがカーテンを開けてベッドの横に腰掛けた
「あの、俺ノイズに押し潰されて…」
「ノイズに?瓦礫の下に閉じ込められては居ましたがノイズは近くに居ませんでしたよ、それにノイズに触れるとどうなるか、知っていますよね」
ノイズ、そう呼ばれる化け物は人に触れると自らもろとも灰になる、だから触れられて生きているはずが無い
「夢…だったのか?」
「明日の朝に検査をして状態が良かったらお家に…あっ」
看護士さんのしまったという顔があの夢が事実だと俺に伝えた
「死んだ…んですね」
「…すいません」
「大丈夫です、地震や火事にあったみたいな物です…仕方なかったんですよ…」
次の日、特に体に異常も見られず、無事に家に帰ることができた、家に帰ると1枚の手紙が置いてあった
「ノイズの被災金か」
ノイズは認定特異災害とも呼ばれており、その名の通り災害なのだ、被災した場合補償金が振り込まれる事になっている
「金なんかで納得できるかよ…」
ベッドに入ると目蓋が重たく閉じていく
「なんで…俺だけ…生き残って……」
何の抵抗もせずそのまま微睡みに落ちていく、今は何も考えたくない……
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「見つけましたの…私の王様!」
世界の何処かにある洞窟で王の誕生に喜び飛び回る影が1つ
「日本ですか…流石に遠いですね~少しお待たせしてしまうかも…いや!どれだけかかろうとも必ずお側に向かいますとも!」
その影は人の形ではなく生き物と虫や動物とも似つかなかった
どっかでにわかな部分が出ると思いますがお許しください