「王馬様…あのソラって怪人、はっきり言って今のままだと勝ち目がないです」
「分かってる、最初の不意打ち以外は当たる気配もしなかった…だけどここで弓美を見捨てたら俺はきっと後悔する」
もう誰も目の前で失くしたくない、策なんてなくても今は突っ込むしかない
「ハロー、君が仮面ライダーかな?」
「ソラ…!」
廃屋の窓から手を振る滝川空を睨み付ける
「弓美は無事なんだろうな」
「今のところはね、ライダーの力は持ってきたら帰してあげるよ」
手持ちのウォッチを全て見せる
「たった3つ?なんだ、指輪の魔法使いの力はないのか」
「魔法使い?」
「なんでもないよ、それを持って上がっておいで」
それだけ言うと部屋の中へ戻り姿が見えなくなった
「王馬様、それを渡せば変身できなくなってしまいます…それでも行くんですか」
「それでもだ、弓美を見捨てるなんて選択肢はない」
窓から見えた部屋に入ると縛られた弓美が気を失っていた
「約束通りライドウォッチを持ってきた、弓美を解放しろ」
「先にそれを渡してくれればこの子を返してあげるよ」
弓美を叩き起こし無理やり立たせる
「王馬…」
「安心しろ、今助けるから」
「同時に受け渡す、それでいいね」
「ああ」
ソラが弓美をこちらに投げ渡し俺はウォッチを投げる
「今だ!」
「体が…重い…!?」
重加速をかけソラの動きを止める
「ウォズ!」
「任せてください!」
ベルトの状態で待機させてあったウォズが飛んでいきウォッチを拾って戻ってくる
「お兄さんが…仮面ライダー様…」
「説明は後だ、そろそろ重加速も時間切れだ」
「そんな事まで出来るなんて、油断してたみたいだね」
弓美は助けた、ウォッチも取られてない…さてここからどうするか
「ウォズ!」
「はい!」
『仮面ライダージオウ!』
変身しジカンギレードを構える
「さっき勝てなかったの忘れたの?」
「そうだよ、逃げよう!」
「駄目だ、俺が逃げたらこいつは誰が止めるんだ?」
「アニメじゃないんだから奇跡が起こって勝てる確証もないんだよ」
「だから逃げるのかよ確かに確証は無いさ、でもここで逃げたら奇跡を起こすことも出来ないだろうが!」
ソラに切りかかるがあっさり弾かれ吹き飛ばされる
「もう不意をつけない様にここで終わらせてあげるよ!」
ソラの猛攻に一方的に追い詰められていく
「これは神頼みみたいなもんだからやりたくなかったがもうこれしかないか…弓美!お前もライダーの力に選ばれたんだ!」
「あたしが?」
もう頼れるのは弓美に渡したウォッチだけだ、あのウォッチに力が宿ればこの絶体絶命の状況を切り抜けられるかもしれない
「ああだから俺はあのウォッチを渡した、確かにこれはアニメじゃない…だったら俺達で見せてやろうぜアニメより凄い魔法をな!」
力を振り絞りソラを引き離す
「だから力を貸してくれ弓美」
弓美に手を伸ばす
「…怖くて足が震える…でもあたしも何か出来るなら…!」
手を取り立ち上がった弓美の鞄からブランクウォッチが光を放ち新たなライダーの記憶が見えた
「今のって…」
「ああ弓美が引き出したんだ、怖くても立ち上がった弓美の思いにライダーの力が答えてくれたんだよ」
弓美は鞄からウォッチを取り出す
「その力は…!?」
「借りるぞ弓美」
「うん、アニメより凄い魔法を見せてよね」
『ウィザード!』
「ああ見てろ、ショータイムだ」
『アーマータイム!プリーズ!ウィザード!』
魔方陣が現れ体を通過すると新たな姿ジオウウィザードアーマーに変身した
「ははっ!まさか指輪の魔法使いの力を手にいれたとはね」
「ソラ…いやグレムリンって呼んだ方がいいのか?」
「…その名前で僕を呼ぶな!僕はソラだ!滝川空なんだ!」
「たとえ人間に戻ってもお前はどうしようもなく化け物だよ」
「君も指輪の魔法使いと似たような事を言うんだね、そういうのイラつくんだよね!」
グレムリンは双剣を持ち切りかかってくるがウィザードの魔法、ディフェンドを使い壁を作り出す
「この魔法…」
「懐かしいか?」
「いつの間に!?」
リキッドを使い体を液状化させグレムリンに組み付く
「お次はこいつだ」
フォールの魔法を使い地面に穴を開け下の階に落りる
「倒す前に聞いときたいんだけど俺の事を誰に聞いた」
「教えると思うかい?」
「だよな、だったらここでフィナーレだ」
バインドの魔法でグレムリンの動きを封じる
「待ちなよ、僕なんかの相手しててもいいのかい?」
「あ?どういう意味だ」
「僕は1度魔法使いに負けている、だから今度は保険をかけておいたんだよ」
「保険?」
「ああ町にグールを放ったのさ、速く行かないと町は酷いことになるだろうね」
「町の人が人質ってことか、さっさとお前を片付けて町に行かないと」
「君一人じゃ皆は守りきれない、たとえ僕を倒せてもね!」
今度はこちらが不意を突かれ体制を崩した、その瞬間に上まで飛び上がり弓美を人質に取られた
「町の人どころか君は目の前の女の子も守れない、さあ!絶望してファントムを生むんだ!」
弓美の胸に剣が突き立てられる、それはあのライブの日以降見ていなかった鮮血だった