話は変わりますが私はアニメでエイラが出てくる回は多少のアレンジを加えつつ全て書くつもりです。
…あれを書くの無理じゃね?
その日エイラは執務室で書類作業をしながら今日着任するストライカーユニット回収班の到着を待っていた。予備のユニットの要求が却下された書類を見てエイラは中隊長に就任してからの約1ヶ月のことを思い返していた。
それを初めて見たのはエイラが中隊長に就任して一週間ほど経った日、ネウロイを撃破して基地に帰投している時のことだった。
「ねぇイッル、今日のおやつって何?」
「今日はブルーベリータルトだぞ」
「やった!わたしあれ大好き!早く帰ろう!」
そんなたわいもない話をしながら飛んでいると突然ニパの左脚のストライカーユニットが大きな音を立て黒煙を上げ始めた。
「お、おちるー!」
「まだ片方残ってるから落ち着いて飛べば落ちないぞ」
「片方だけで飛ぶとか学校で習ってないから無理だよ!」
話している間にもすこしづつニパは高度を落としていく。
「落ち着いてこう、ガーってやってグイってすれば飛べるからやってみろよ」
エイラがジェスチャーを交えながら教えた。
「ふざけてないで助けてよ!」
「ふざけてなんかないって。わたしが言ったようにすれば飛べるからやってみろよ」
その時ニパの右脚のストライカーユニットまでもが火を吹き飛ぶことができなくなったニパは地上に向かって真っ逆さまに墜落していった。
この事故でニパは無事だったがユニットは修理のため3日ほど使えなくなった。
二度目はこの事故から3日後、ユニットが直りニパがウィンドと飛行訓練をしていた時だった。執務室で書類仕事をしていたエイラの元にウィンドから突然ニパのストライカーユニットが足から外れニパが墜落したと報告が入った。
「ニパは無事なのか!?」
「本人はピンピンしてます。けど右脚のユニットが全損、左脚は見つかってません」
「場所はどのあたりだ」
「基地から南に2キロほどの森の中です」
「わかった。手の空いてる奴らにユニットの捜索に行かせる」
ウィンドとの通信を終えるとニッシネンを呼び出した。
「ニパが墜落して左脚のユニットが行方不明になったから第三小隊で探しにいってきてくれないか?」
「了解」
ニッシネン率いる第三小隊の捜索により一時間後にユニットは発見されたが完全に壊れていて修復不可能な状態だった。
これら以外にも5回、エイラが中隊長になってから約一ヶ月の間で合計7回も墜落し第一中隊の予備機が全て無くなった。さらにはニパの捜索やユニットの回収で部隊に疲労が蓄積されつつあった。
この事態に流石になんの罰則も無いわけには行かず現在ニパはサウナの掃除をしている。
エイラが1ヶ月の間にあったニパの墜落を思い出し少し憂鬱な気分になっていると扉がノックされウィンドが1人の女性を連れて入ってきた。
「陸戦ウィッチの方が隊長に着任の挨拶をしにいらっしゃいました」
そう言われて入ってきた陸戦ウィッチを見て思わずエイラは驚きの声を上げた
「ねーちゃん!?」
「よーイッル、久しぶりだな。1年ぶりくらいか?」
そう言ったのはエイラの姉であるアウロラ・E・ユーティライネン中尉だ。
「去年の9月以来だから1年2ヶ月ぶりだと思う」
「そうかそうか、どうりでイッルも大きくなったわけだ。ところで隊長のルーッカネンはどこにいる?」
「ルーッカネン隊長は1ヶ月前に移動になったよ」
「そうなのか。なら今の隊長は誰だ?着任報告をしたいんだが」
「わたしだけど」
「イッルが隊長なのか。なら着任報告をしないとな」
そういうと姿勢を正して敬礼した。
「ユーティライネン中尉及びストライカーユニット回収班着任しました」
「ご苦労」
普段あまり見る事のない真面目なアウロラの姿に驚きつつも答礼を返した。
「そういえばここは随分と激戦地らしいな」
「まだラドガ湖が凍結してないからそこまで激戦地じゃないけど」
「そんなわけないだろ。ユニットの損耗率がカレリア方面より高いって聞いたから私達回収班が来たんだぞ。」
「あー、それはニパのせいだな」
「ニパ?誰だそれは」
「わたしの僚機なんだけど1ヶ月で7回も墜落して予備機を全部使い切ったんだよ」
エイラはどこか呆れたような口調で言った。
「そんなに落ちてるのに病院に行かなくて大丈夫なのか」
「自己回復の固有魔法を持ってるんだ。だから怪我はすぐ治るんだけど落ちるたびに心配になるからもっと落ちないよう努力して欲しいんだけどな」」
「随分と便利な魔法を持ってるな。それでそのニパはどこにいるんだ?」
「サウナの掃除をしてるはずだけど」
「そうか。じゃあサウナに案内してくれ」
「わたしは仕事があるから無理だぞ」
「そんな事後にしろ」
「あの、私が案内しましょうか?」
その時2人の様子を見ていたウィンドが言った。
「手が空いてるのなら頼めるか?」
「了解です。ではユーティライネン中尉、私が案内しますね」
「わかった。じゃあイッルまた後で来る」
そういうと2人は執務室を退室した。
サウナに向かいながらアウロラがウィンドに聞いた。
「イッルは君たちの隊長としてどんな感じだ?よくやってるか?」
「ユーティライネン隊長は戦闘技術はもちろん指揮も上手くていい指揮官だと思います」
「そうか。ところでユーティライネンでは私とイッルで紛らわしいから私の事はアウロラでいい。それか妹の方をイッルと呼んでもいい」
「ではアウロラ中尉と呼びますね」
「その中尉というのもいらんよ。私達はこれから暫くの間同じ基地で過ごす仲間なんだから他人行儀なのは良くないだろ」
「しかし」
「もしかして君はイッルの事も階級や役職で呼んでるのか?」
「はいそうです」
「それは良くないな」
「上官に対して階級や役職名で呼ばない方が良くないと思います」
「確かに普通の部隊ならそうだ。しかし私達はウィッチだ。ウィッチは数が少ないからウィッチ同士の繋がりを大事にする必要がある。仮に隊長が自分達より歳上の上がりを迎える寸前のウィッチなら隊長は若いウィッチを導く者として役割を果たすから敬語でもいいだろう。だがイッルと君はそうではない。むしろ共に歩んでいくぐらいが丁度いい。だからいつまでも他人行儀な敬語よりももっと砕けた方がいいと私は思う」
「けど私よりもネウロイの撃墜数も多くて少し恐れ多い気がします」
「恐れ多いか、私にはよくわからないな。私にとったらイッルはいつまで経っても可愛い妹でしかないからな」
そう言ってから暫く無言の時間が続きサウナに到着した。
「ニパ、いるかい?」
そう言って中に入ると掃除が終わったところだようで掃除道具を片付けようとしているところだった。
「あれ、ハッセどうしたの?」
「ニパに会いたいって人がいたから連れてきたんだ」
「わたしに?」
「やあ、ニパ。私はアウロラ・ユーティライネン、妹が世話になっていると聞いて会いにきたんだ」
「妹?ユーティライネンってことはイッルのお姉さん?」
「そうだ。ニパはイッルの僚機なんだろ?」
「そうです」
「なら私より最近のイッルのことをよく知ってるだろうから教えてくれないか」
「あの、わたしは僚機になってからまだ1ヶ月くらいしか経ってないからあまり話せることはないと思います」
「その1ヶ月の間に7回も墜落しているなら色んなエピソードがあるんじゃないか?」
そういうとニパは顔を真っ赤にして恥ずかしそうな顔をした。
「な、なんでそのことを知ってるんですか!?」
「イッルが言っていたからな」
「あの、イッルは怒ってませんでしたか?」
「怒ってはなかったな、ただ呆れてるようだった。それがどうしたんだ?」
「最後の予備機を壊した時すごく怒ってたから嫌われたのかと思って」
「予備機を壊したくらいでイッルは友達を嫌ったりしないさ」
「そうかな。わたしはイッルの事友達だって思ってるけどイッルは思ってないかもしれないし」
「イッルはニパが落ちるたびに心配になるって言っていた。友達と思っているからこそ自己回復のあるニパ相手でも心配するんだと私は思う」
「本当ですか?心配してるとか一度も言われた事ないです」
「恥ずかしいんだろ。案外イッルはカッコつけたがるからな。だから出来るだけ落ちないように気をつけて飛んだ方がいい」
「が、がんばります」
アウロラさんはかなり好きなキャラなのでやっと出せて嬉しかったです。
さて、今回はインカムに関して軽く考察を書きます。
ウィッチがつけてる明らかにオーバーテクノロジーなインカム。あれって実はそこまで万能じゃない説が個人的にあります。あのインカムって多分固定された2つくらいの周波数にしか対応してないと思います。具体的には半径1キロから2キロ程度に対して全てのインカムをつけた人物と通信可能なオープン回線。ウィッチが所属する基地との直接通信回線。作中の描写を見てもこの二つで多分全て説明がつきます。
オープン回線は二話で、みんなが集まるシーンの時ある程度近くまで何故か通信を行っていないこと、すぐに通信ができるようになったことから同じ周波数であり、かつ短距離しか使えないと考えられます。
ちなみにブレイブのフレイアー作戦ではペテルブルクの基地ではなく司令部との直接通信回線に設定されていたと考えます。
それとエイラとサーニャがひかりを迎えに行った時インカムではなく通信機を持っていたのはフレイアー作戦に使う周波数のインカムが手に入らなかったからだと考えられます。多分周波数を変えるのは専門性のある職種があるのではないかと考えます。
もしかしたら後一つくらい通信回線を増やせる余地があるかもしれませんが作中でおそらく描写がないので分かりません。
最後に、来週はエイラとサーニャが主役っぽいので放送前に投稿する予定です。それといつも通りの日曜日も投稿します。