つい数日前まではネウロイで満ち溢れていたリバウの地は第502統合戦闘航空団ブレイブウィッチーズと同隊の所属するペテルブルク軍集団の手により解放され平穏を取り戻していた。
そのリバウにある502部隊の基地の滑走路横に建てられたログハウス、そのテラスで数名のウィッチがトランプを楽しんでいた。
「イッル達は今度はどれくらいウチにいる予定なの?」
ニパがエイラに尋ねた。
「二ヶ月くらいの予定だな」
「あれ、今回は長いんだね」
グリゴーリ攻略時度々エイラが502部隊の元を訪れた際は一週間足らずでエイラは基地を去っていた事を考えると今回はかなりの長期間だった。
「休暇みたいなもんだからな」
「こんなところで?」
最近解放されたばかりのリバウは完全に人類の支配圏とは言えず連日ネウロイの襲撃があり休暇のために訪れるような場所ではなかった。
「国威発揚のためにネウロイ撃墜のスコアを二ヶ月の間に200にすれば後は自由にしていいってマンネルヘイム元帥から許可をもらってるから実質休暇みたいなもんだ」
「200!?そんなん無理だろ!」
菅野が桁違いのスコアに驚いた。
「イッルならいけるんじゃないかなぁ?今どれくらいなの?」
エイラの実力をよく知るニパからすれば200というスコア自体は驚くほどのものではなかった。
「えっと…たしか160後半くらいじゃないか?」
出撃機会が少ないせいで最近は殆どスコアを意識していなかったエイラは細かいスコアが思い出せず曖昧に答えた。
「違うわ。171よエイラ」
そのエイラの答えをサーニャが訂正した。
「170超えてたのか」
「自分のスコアくらいちゃんと覚えておいた方がいいんじゃないですか」
ポクルイーシキンが注意した。ハルトマンやマルセイユのような知名度の高いウィッチはともかくそうではないウィッチの場合は初対面の人にスコアを聞かれることが度々ありその際正確な数を答えられないよりかは答えられた方が当然良い。もっとも、エイラの知名度は決して低くはなく聞かれる事は滅多になかった。
「最近は前線で戦うことも減ったし何よりほかの場所での仕事が増えたせいであんまり気にしてないんだよなぁ」
「171ってことは後29ですよね?そんなにたくさん二ヶ月で倒せるんですか?」
ひかりが尋ねた。
「二日に一機のペースだろ?ここはまだ結構ネウロイが残ってるしできなくはないさ」
「そんなことされたら俺の分が無くなるだろ」
「ならとられないよう頑張るんだな」
「はっ!言われなくとも。中佐の方こそ俺が倒しすぎて200に届かなくても文句言うなよ」
二人が火花を散らす中、ポクルイーシキンがニパに視線を向け尋ねた。
「ところでニパさんはいつまでカードと睨めっこしているつもりですか?」
ポクルイーシキンの言葉に全員の視線がニパへと向いた。
「いや、えっと、その〜」
「なんだよまだ出してなかったのかよ」
次にカードを出す順番の菅野がニパを急かした。
「パ、パス」
「あれ?ニパさん四回目じゃないですか?」
六人は7並べをしていてルール上三回までのパスは認められているが四回目は失格となっていた。
「ええ、ニパさんは失格ですね」
固有魔法の関係から抜群の記憶力を誇るポクルイーシキンがひかりに同意しニパは失格となった。
「うぅ〜、デザート三日間なしかぁ」
ただゲームするだけでは面白くないという菅野の提案のもと6位は1位に三日、5位は2位に二日、4位は3位に一日、夕食のデザートを渡すことになっていた。
「こんなんじゃ勝てないよ」
そう言って開かれたニパの手札は1や13と言った端の方の数字しかなく、とてもではないが勝てそうになかった。
「お前一枚しかカード置いてなくないか?ついてなさすぎだろ」
エイラの指摘した通りニパが置いたのはダイヤの6ただ一枚であまりにも運がなかった。
「次菅野さんですよ」
ひかりが促した。
「わかってる。俺はパスだ」
「菅野二回目だぞ」
どこか期待したような目線を向けながらニパが言った。
「うっせぇ!お前はちょっと黙っとけ」
「私もパスです」
何故かニッコリと笑みを浮かべながらポクルイーシキンがパスを宣言した。
「サーシャさんは一回目だね」
「そうですね」
次の順番のエイラに視線が向けられるとポクルイーシキンに向かって一つ頷くとエイラは言った。
「わたしもパスだ」
「あれ、イッルもなの?」
「出すカードが無くてな。わたしも一回目だな」
「三人ともパスなんて運が無いですね〜」
ひかりがスペードの5を出し続いてサーニャがスペードの4を出した。
そして再び菅野に順番が回ってきた
「パスだ」
「菅野さん三回目ですよ〜。後がないですね」
「うっせえな!お前だって同じだろうが!」
ひかりは既に3回パスをしていて後がなかった。
「パスです」
「パス」
再び菅野がパスを宣言し続いてポクルイーシキン、エイラもそれに続いてパスを宣言した。
「三人ともついてないですね」
ひかりがスペードの3を出しサーニャがスペードの2を出した。
「パスだ。くそっ!誰だよクローバーの10押さえてる奴は!」
そう言って開かれた手札はスペードの12と13。そしてダイヤの11とハートの4、クローバーの2と3だった。
「菅野さんデザート二日ですね」
「次はサーシャさんだけど…」
菅野のカードが戦いに関係のないカードばかりだったことから出さないだろうと思いながら視線を向けるとポクルイーシキンはダイヤの10を出した。
「サーシャお前持ってんのかよ!」
「悪いですか?」
「いや、悪くねぇけど…」
続いてエイラもクローバーの5を出した。
「イッルも持ってたの?」
「当然だろ」
「2人とも持ってるならどうして出さなかったんですか?」
そう言いながらひかりはクローバーの4を出した。
「菅野さんを確実に倒すというのと後あわよくば他の人もパスになればいいなと思ったんです」
サーニャが少し考えてスペードの11を出した。
「へー。そうなんですね」
ポクルイーシキンがハートの5を出した。
「二人とも性格悪りぃぞ」
「わたしはサーシャに合わしただけだ」
そう言いながらエイラはハートの11を出した。
「なっ!私のせいにしないでください!」
ひかりはダイヤの11を出した。
「お前がパスしなければわたしはパスしなかったぞ」
サーニャはスペードの12を出した。
「貴女私に向かって頷いてましたよね!?」
そう声を荒げながらハートの12を出した。
「そうだったか?」
エイラはダイヤの12を出した。
「そうです。それに出せるカードがないとか嘘も言ってました」
ひかりはダイヤの3を出した。
「流石サーシャ、記憶力がいいな」
サーニャはダイヤの2を出した。
「パスです。誤魔化さないでください」
「わたしもパス。別に誤魔化してなんかないさ」
「やった!上がりです!!」
そう言ってひかりはクローバーの10を出した。
「ひかりテメェだったのか!!!」
それを見た瞬間菅野が怒鳴り声を上げた。
「わぁ!菅野さんなんですか!?」
「テメェなんでもっと早くクローバーの10を出さねえんだよ!!!」
「なんでって他に出せるのがいっぱいあったからですよ」
菅野が怒る理由が分からず不思議そうな表情でひかりは言った。
「菅野自分の運が悪いからってひかりに当たるなよ」
ニパが言った。
「うっせぇぞ。ビリは黙っとけ」
「ビリは関係ないだろ」
三人の争いもどこ吹く風とばかりにサーニャがスペードの2を出した。
「パスです」
少し眉を顰めながらポクルイーシキンがパスを宣言した。
「……パスだ」
ため息を吐きながらエイラはそう言った。
「上がりです」
サーニャはハートの4を出した。
「ではエイラさんが4位という事で、今日の分のデザートお願いしますね」
そう言ってポクルイーシキンがハートの3を出した。
「お互いパスしない方がよかったかもな」
そう言ってエイラはハートの2を手から投げ捨てた。
「そうかもしれませんね。けど今回は私の勝ちですね」
書いたかもしれませんがネウロイの考える機能、つまり脳について。
そこまで知能は高くなさそうに見えますが意外と戦術的、戦略的行動をする事のあるネウロイ。パッと見た感じ脳に当たる期間はなさそうです。
どこで考えているのか、考えられるパターンとして一つはコアそのものが演算機能を持っているパターン。二つ目は体のどこかにマイクロチップみたいなサイズの高性能のCPUのようなものがあるパターン。三つ目はそもそもネウロイの体全体が演算機能を持っているパターンの三つかなと思います。
普通に考えるとコアがそうなのかなとも思いますけどコアそのものがビームなどのエネルギー源であった場合そこに脳の機能まで付け足せるキャパシティがあるのかどうか少し疑問です。脳が心臓の役割も持つようなものですしちょっと無理があるかなとも思います。
しかしコアを持たない小型ネウロイがビームを撃つこともあるのでコアがエネルギー源ではない可能性もあります。その場合エネルギーは体全体で作っているとかでしょうか?それならコアが脳でもおかしくないかもしれませんね