ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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なんとかこの2人を出せました。


食い意地

エイラに次の配属先が告げられて数日後、エイラとサーニャに501部隊再結集の為にパリにある西ヨーロッパ戦域統合作戦本部に出頭するよう命令が下された。

 

「うぅ〜サーニャさんがここからいなくなるなんて寂しくなるな」

 

エイラとサーニャがリバウを去る前日、パーティーをする為の料理を作っているサーニャを見ながら寂しそうにジョゼは言った。

 

「元々501の所属だからいつかいなくなるのはわかっていた事でしょ?」

 

同じように料理を作っている下原がジョゼを宥めるように料理から視線を上げて言った。

 

「そうだけどもう一ヶ月も一緒にいたんだよ?寂しいよぉ」

 

「それに貴女が寂しいのはサーニャさんがいなくなる事ではなくてサーニャさんの手料理が食べられなくなる事でしょ」

 

「そんな事ないもん!」

 

否定するジョゼに下原は疑うような視線を向けると言った。

 

「ジョゼ、よだれがついてるわよ」

 

「えっ!嘘!?」

 

下原の指摘にジョゼは慌てて口元を拭った。

 

「冗談よ」

 

クスクスと笑いながら下原は言った。

 

「もぉ!定ちゃん酷いよ〜」

 

その様子を見てサーニャが笑いながら言った。

 

「ベルリンを解放できればきっと会えるようになると思います。その時また作りますから。それまで我慢してくださいね」

 

サーニャが言うとジョゼは嬉しそうな表情を浮かべた。

 

「うん!それまで我慢できるように今日はいっぱい食べるね!」

 

「ならお腹が一杯になっちゃうし今日は私が作るご飯はいらないかしら?」

 

「定ちゃんが作ったのも食べるよ!」

 

思いもよらない下原の言葉に食い気味に言った。

 

「はいはい。あんまり食べすぎてお腹壊したりしないでね」

 

「魔法を使ってお腹を空かしとくから大丈夫!」

 

ジョゼの言葉に下原はため息をつくと言った。

 

「ジョゼ、私達がいるのは最前線なのよ。いつネウロイが来るのかも分からないのにそんな事で魔法力を浪費してはダメよ」

 

「定ちゃん。いくら私が食べるの好きでもそれくらい分かってるよ」

 

冗談のつもりが真剣な表情で説教をされた事にジョゼは不服そうだ。

 

「ごめんなさいジョゼ。あまりにも真剣な顔をしていたから本気なのかと思ったわ」

 

「も〜!!!」

 

そんな2人の様子にサーニャが笑い始めつられてジョゼと下原も笑い出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人が和やかな雰囲気で料理作りを楽しむ中、それを面白く思わないものがいた。エイラだ。

 

「なんでわたしとサーニャの為のパーティーなのにサーニャが料理作ってんだよ」

 

ニパ達とサウナに入っているエイラは不機嫌そうな顔で言った。

 

「ジョゼさんが最後にサーニャさんの手料理を食べたいって言ったからね」

 

なぜか見送る側ではなく見送られる側が料理を作るという不思議な状況にニパは苦笑いを浮かべながらエイラを宥めた。

 

「けどジョゼさんの気持ちもわかるなぁ」

 

2人の会話を聞いてひかりが言った。

 

「サーニャさんの手料理すっごく美味しいから最後に食べておきたいじゃないですか!」

 

「食い意地張りすぎなんだよ」

 

呆れたように菅野が言った。

 

「えー、菅野さんはサーニャさんの手料理食べたくないんですか?」

 

「そういうわけじゃねぇよ!」

 

サーニャの手料理が食べたくないかどうかで言えば食べたい。しかし菅野もまた見送る側がもてなされている現状に違和感を感じでいるようだった。

 

「それにしても随分急に移動する事になったけどガリアってそんなにヤバいの?」

 

本来二ヶ月ほど滞在する予定だったエイラ達が一ヶ月ちょっとでリバウを離れる事になった原因がガリアにあるのではないかと思っていたニパはエイラに尋ねた。

 

「別に特に問題は起きてないみたいだぞ」

 

戦線に大きな影響のない小さな問題は多々あるが大きな影響のあるものはエイラの耳には入っていなかった。

 

「そうなのか?新設された506とかあんまいい話は聞いた覚えがないぜ」

 

貴族ウィッチで構成された第506統合戦闘航空団はリベリオンウィッチとその他のウィッチの仲が悪くそれぞれ別々の基地に駐屯している程の問題児集団だという話を耳にしていた菅野はその506を引き合いに出してエイラの意見に疑問を呈した。

 

「ネウロイの侵攻もせいぜい一機とかニ機の少数の個体が時々くるだけで戦争なんてまやかしなんじゃないかって言われてるくらい何もないみたいだぞ」

 

ネウロイとの激戦が続いている北部や東部からすれば信じられない話だが一部の前線部隊はまるで安全な後方にいるかのようにだらけきっていて度々ネウロイの侵入を見逃すと言う信じられないような醜態を晒している噂もあった。

 

「じゃあなんでパリに行く事になったんですか?」

 

「近々ベルリン攻略作戦が開始されるからその関係だな」

 

「そういや最近隊長も忙しそうだったな」

 

エイラの言葉に菅野はラルが忙しなく動き回っていたのを思い出した。

 

「まだ詳しい事は分からないけど多分わたしもパリに行ったら攻略作戦の手伝いをする事になると思う」

 

エイラほど階級の高い現役ウィッチは稀な存在である為こき使われる事を予見して憂鬱そうに言った。

 

「それならサーニャさんはここに残ればいいのに…」

 

残念そうにひかりが呟いた。

 

「お前それどう言う意味だよ」

 

まるでエイラはいなくてもいいと言うような意味にもとれるその言葉にエイラは強い口調で尋ねた。

 

「別にエイラさんはいなくていいって意味じゃないですよ!」

 

焦ったようにひかりが首を横に振った。

 

「ただ階級が高いエイラさんはともかくサーニャさんはそこまで階級も高くないしここにいても支障はないんじゃないかなぁと思って…」

 

「サーニャの手料理が食べれるからじゃなくてか?」

 

エイラは揶揄うように口元に笑みを浮かべると言った。

 

「私はジョゼさんみたいに食い意地は張ってませんよ!」

 

「ジョゼさんも別に食い意地を張ってるわけじゃないと思うけど…」

 

食い気味に否定するひかりの様子にニパは思わずジョゼを擁護した。

 

「いやあれは食い意地張ってるだろ」

 

しかし菅野はひかりに同意見だったようでニパの言葉を否定した。

 

「あれはただサーニャさんの手料理が食べたいだけで食い意地を張ってるわけじゃ……あれ?けど普段から下原さんの料理をたくさん食べてるような……あれ?これって食い意地張ってるって事なのかな?」

 

ジョゼを擁護しようと言葉を紡いでいたがだがニパはだんだんと自信がなくなってきて思わず疑問符を浮かべた。

 

「だからそう言ってるだろ」

 

混乱しているニパの質問を菅野はバッサリと切り捨てた。

 

「ま、まぁサーニャさんの手料理は美味しいって事だね!」

 

強引にニパが話を切り上げると立ち上がった。

 

「そろそろ水に浸かろっか。上がればちょうど夕飯ができるくらいの時間だしね」

 

「えー!もうちょっとサウナにいましょうよ〜」

 

ひかりはもう少しサウナにいたがったが夕飯が近い事もあり渋々水につかりにいくのだった。




全体的に下原とジョゼって出番が少な目だからいまいちキャラクター像が掴め切れなくて書くのが難しかったです。ジョゼにいたってはちょっと食い意地張らせすぎたかも?

ルミナスウィッチーズ、ミラーシャがウィッチを止めようとしてましたけどそれって可能なんでしょうか?いくら射撃成績が悪くてもシールドが張れるのなら使い用はいくらでもありそうな気が…。
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