ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

123 / 305
アニメ三期6話は2人の絆がわかる良い話でしたよね。


復讐の猟犬 前編

エイラが上申しアイゼンハワー元帥と作戦参謀達により精査されたキール軍港の奪還作戦、その先行偵察の任務に選ばれたのバルクホルン、ハルトマンのペアと宮藤、服部のペアの4人だった。海上を通る宮藤達はともかくネウロイの多い内陸部を通るバルクホルン達は困難な任務になると予想された。しかしバルクホルン達で有れば確実に任務を達成するだろうという信頼からミーナ中佐含め501の面々は心配などしていなかった。それだけにその報告を聞いた皆の衝撃は大きくそれはエイラも例外ではなかった。

 

「ハルトマンが撃墜された!?」

 

「トゥルーデもユニットを損傷して今宮藤さんと服部さんが護衛して帰還中よ」

 

バルクホルン、ハルトマンのペアは個人の実力も世界でトップクラスであると同時にコンビの実力もまたトップクラスに高い。そんな2人が撃墜され、残った方もユニットが損傷している、それも護衛がいなければならないほど損傷しているとあっては驚かないはずがなかった。

 

「撃墜されたハルトマンの生死は?」

 

「…現在のところは不明よ」

 

ウィッチは普通の人間よりも魔法力のおかげで身体が丈夫になっている。ある程度の高さから落ちてもかすり傷程度で済むがもしもネウロイの攻撃が直撃していれば生存は絶望的といえた。

 

「あんまりこういう事は言うべきじゃないんだろうけど……厄介だな」

 

思わずエイラは眉を顰めそう言った。

 

「エイラさん」

 

嗜めるようミーナ中佐にエイラはかぶりを振って答えた。

 

「だってそうだろ。生死がハッキリしていたら対応もハッキリした物になる。生きていれば助けに行けばいいし死んでいれば死体の回収が可能かどうか確認してできそうなら回収そうでないなら放置することになるしそう説明もできる」

 

生死が不明で有ればそのどちらもできず生きているかわからない以上は基本、生きている前提で動くがハッキリしているかどうかの違いは大きい。

 

「生きていれば助けるために可能な限りの戦力を出すけど生死不明だと最低限の戦力しか出せない。どう足掻いたって2、3人が限度になる」

 

生死がわかっていればその倍ほどの戦力を出せるかもしれないが不明とあっては仮に戦死していた時の事を考えると必要以上の数は出せなかった。戦死していていればそれほどまでの戦力を抽出してまで死体を回収する必要がないからだ。

 

「ハルトマンがそう簡単に死ぬとは思えないわ」

 

「わたしもそう思う。けど希望的観測に基づいて部隊を動かす事はできない。ちがうか?」

 

エイラもハルトマンの実力はよく知っている。まず間違いなく人類でも三本の指に入る実力者だ。それだけに撃墜されたという事実そのものが信じられなかった。

 

「わかっているわ」

 

当然ミーナ中佐もエイラの言うことなど承知の上だが撃墜されたのが長年一緒に戦ってきたハルトマンなだけに気持ちの整理に時間がかかっていた。

 

「エイラさん、貴女が助けに行く事はできる?」

 

「キール奪還作戦で少し忙しい。ムリだな」

 

今現在エイラがサン・トロン基地にいる理由もキール軍港奪還のために戦力を捻出する501の戦力補強という意味合いがある。ただそれはあくまでもサン・トロン基地防衛のためであり基本的にこの基地から大きく離れる事は想定されていなかった。

 

「そうなると人選は慎重に考えないといけないわね」

 

「場所を知っている宮藤、服部のどっちかは確定としてあと1人か…」

 

「いえ、それではダメね。宮藤さんは魔法力面で、服部さんは実力面で不安が残るわ。この際何があった時のために2人を一緒に行動させた方が確実にエーリカと接触できるわ」

 

「それは……」

 

ミーナ中佐の言動はまるでハルトマンの生死を確かめるためには2人のうちどちらかが犠牲になっても構わないと言っているようであった。

 

「別に2人よりエーリカが大事だっていう意味じゃないわ。確認に出す以上何の成果もなしで撃墜される人がもう1人出るよりは成果があった上で撃墜される方がまだマシだとは思わない?」

 

「その気持ちはわからなくはない。けどそれならハルトマンの救助を行わない方がいいんじゃないか」

 

その言動に思わずミーナ中佐はエイラを睨みつけた。

 

「1人が脱落して他2人も無事帰還できると考えているなら話は別だけどな。そうでないならハルトマンとバルクホルンがやられるほどのネウロイ相手に易々と撤退を許してもらえるとは考えない方がいいだろ」

 

「…そうね、確かにその通りだわ」

 

現時点で詳しいことはわからないがバルクホルン、ハルトマンの2人が倒されたという事実は大きいと見るべきだった。

 

「エイラさんなら誰をエーリカの救助を任せようと思う?」

 

「正直誰でもあんまり変わらないと思うけど、まぁ候補としては2人かな」

 

「…聞かせてもらえるかしら?」

 

ミーナ中佐の言葉にエイラは頷いて言った。

 

「シャーリーとペリーヌだな。2人とも実力、指揮能力共にバルクホルン達を除けば一番高い」

 

「最近は訓練で宮藤さんがペリーヌさんに勝つこともあるけど…」

 

「対ウィッチと対ネウロイは別だろ」

 

挙動、攻撃などどれを取ってもまったく違うと言ってよかった。

 

「そうね。ならルッキーニさんは?実力はかなり高いと思うけど」

 

「実力はな。指揮能力の方は信用できないから今回は見送るべきだな」

 

ルッキーニ自身は実力、才能共に目を見張るものがあるが基本シャーリーとしか行動しないこともあり実力はともかく指揮能力についてはエイラと出会ってから少しも変わっていなかった。

 

「あ、あとリーネはもしかしたらいけるかもな。遠距離から攻撃に徹して少しでも攻撃される可能性が有れば撤退するよう言っておけば何とかなるかも」

 

「指揮する人がいないけどそれはどうするの?まさか服部さんにさせるわけにもいかないでしよう?」

 

「そうなんだよなぁ」

 

「…トゥルーデは候補に入れないのね」

 

「行けると思うのか?」

 

僚機が落される事はエイラにも経験があり、それがどれほどショックな事であるかよく知っていた。

 

「やっぱり無理よね」

 

本土撤退を経験しているミーナ中佐もまた少なからず経験があるのだろう、ため息を吐いてエイラに同意した。

 

「なら後はトゥルーデからの報告次第ね」

 

ネウロイの戦い方によってシャーリーかペリーヌのどちらを向かわせるか決めることなった。

 

「そうだな。本当は中佐が助けに行けるならそれが一番いいんだけど…」

 

「ここを指揮する人間がいなくなるわ」

 

バルクホルンが次席指揮官ではあるが現状その任に耐えうるかわからない以上ミーナ中佐が基地を離れるわけにはいかなかった。

 

「せめて坂本少佐がいれば話は違ったんだけどなぁ」

 

ベテランの坂本少佐の指揮能力は高くエイラも安心して指揮下に入ることができた。

 

「上がりを迎えたんだもの。仕方ないわ」

 

それから数時間後、バルクホルンからの報告を聞いたミーナ中佐はシャーリー、宮藤、服部を救出のため向かわせることを決めた。




ふと思った。脂肪落とすとかどうとかでそんなにスピードって変わるものか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。