ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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ルミナスウィッチーズが終わって随分と経ち少しづつストライクウィッチーズの作品が減ってきた気がします。誰か書いてくれませんか?


復讐の猟犬 後編

シャーリーが帰還した。それを聞いた501隊員の反応は二つに分かれた。一つはハルトマンも共に帰還したのではないかという希望を抱いた者、もう一方はシャーリーができる限り軽傷で帰還していてくれと願う者だった。

 

「シャーリー!大丈夫!?」

 

シャーリーストライカー・ユニットから煙が出ているのをみたルッキーニが心配そうに駆け寄った。

 

「ああ、ユニットが損傷しただけだ」

 

ルッキーニの問いかけにそう答えるとシャーリーは顔を歪めた。

 

「くっそ、一瞬で真下に潜り込まれた。相当手強いぞあのネウロイ」

 

「シャーリーさんでも追いつけないなんて…」

 

予想していなかったわけではないが現実としてその事実を突きつけられると中々に衝撃が大きかった。

 

「あの…、明日の救出はどうしますか?」

 

宮藤の問いかけにミーナ中佐は顔を俯けた。

 

「明日までに…決めます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エーリカの救出は失敗したわ」

 

シャーリーの帰還後、ミーナ中佐はバルクホルンに結果を報告するためにサウナに来ていた。

 

「だろうな。シャーリーのユニットは、トップスピードとそこまでの加速なら桁外れだがあのネウロイの急減速からの切り返しには対応できない」

 

昨日、エイラと話していた通りになった事にミーナ中佐は内心ため息を吐いていた。

 

「そんなネウロイ初めてだわ」

 

「次は私が行く」

 

「気持ちはわかるけど、シャーリーさんでも無理な相手よ」

 

「ミーナ、アイツが私を待ってるんだ」

 

「トゥルーデ…」

 

バルクホルンの強い瞳にミーナ中佐は言葉を詰まらせた。

 

「明日まで待ってくれ。頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、押し切られて明日の出撃を了承したと」

 

エイラの言葉にミーナ中佐は目を伏せた。

 

「あんな顔で頼まれたら断るなんてできないわ。それに……」

 

「バルクホルンなら対策を考えてハルトマンを救出してくれるってか?」

 

エイラの問いかけにミーナ中佐は頷いた。

 

「バルクホルンほどの実力者が二度も同じ敵に負けるわけがないって事には同意する。けどリスクが高すぎじゃないか?」

 

エイラとてもしネウロイに撃墜されたとしても(そんな事今まで一度もないが)二度も同じ敵に撃墜されるような愚を犯す事はしないという自信があった。

 

「それでも私はトゥルーデに賭けて見たいと思うの」

 

「……正直、助けられる可能性があるとしたらバルクホルンだけって言うのも事実だし救出に向かわせるのならバルクホルンを向かわせるのが正解だと思う。問題は…」

 

「エーリカが生きているかどうかが問題と言いたいのね」

 

ミーナ中佐の問いかけにエイラは無言で頷いた。

 

「たとえバルクホルンがどんなに対策をしようとハルトマンが生きていないと意味がない」

 

「けどあのネウロイを倒さなければベルリン奪還作戦において大きな障害となるわ。エーリカの、エーリカの生死に関わらず倒す必要があるわ」

 

「けどそれは必ずしも今じゃないといけないわけじゃない」

 

作戦までにベルリンへの道を整備できれば良く、そもそも作戦開始時期さえ不透明な今では早急に対処が必要とはいえなかった。

 

「けどネウロイと違ってエーリカの救出はできる限り早くなくてはいけないわ。早ければそれだけ生存率が上がる事につながるのだから」

 

「その通りだ。だから最後はミーナ中佐がどうしたいかで決めたらいいぞ」

 

エイラもどこまでハルトマンの救助作戦を続けるべきなのか判断がつかないでいた。

 

「スオムスなら話は簡単なんだけどなぁ」

 

ため息混じりにエイラは言った。

 

「どういう事?」

 

「昔のスオムスはストライカーユニットの数に限りがあったから撃墜されたウィッチのストライカーユニットを回収する専門の部隊があるんだ。今は昔ほど不足しているわけじゃないけど目的を変えて存在してるんだ」

 

エイラの姉、アウロラ・ユーティライネンなど陸戦ウィッチを中心に編成されたこの部隊は大戦初期のスオムス軍航空ウィッチ隊を影から支えた立役者だった。

 

「今はどうなの?」

 

「やってる事はあまり変わらないさ。ただ昔ほど必死にストライカーユニットを回収する必要がないから比較的安全な場所に落ちたストライカーユニットの回収をしてるんだ」

 

「それとエーリカの事がどう繋がるの?」

 

「撃墜されたウィッチの救出もユニット回収部隊の役目の一つだったんだ。それは今でも変わらない。余程ネウロイの勢力圏奥深くでもない限り必ずウィッチを回収する。それがたとえ死んでいてもな」

 

元々スオムス軍航空ウィッチ隊の損耗率は他国のそれと比べて極端に低い。それはスオムス軍航空ウィッチの実力もさることながらストライカーユニット回収部隊の活躍も大きかった。

 

「そういえば昔グンドュラに聞いた覚えがあるわ。スオムスでは他と比にならないくらい撃墜されるけど必ず帰ってくるから他の場所よりも安心できるって」

 

「いや、スオムスのウィッチは敵の強さの割に他国と比べても撃墜率は低いからそんなに撃墜されるなんてことは……」

 

そこまで言ってエイラはふと一人のウィッチの存在に思い当たった。第502統合戦闘航空団に所属するスオムス空軍のウィッチ、ニパだ。

 

「多分それ意味が違うと思うぞ」

 

「あら、何が違うの?」

 

事情を知らないミーナ中佐は不思議そうに尋ねた。

 

「あそこにはニパっていう異様に墜落率の高いエースウィッチがいるんだけど毎週一回は墜落しては回収班に回収されてたからそいつの事じゃないかな」

 

「その話も聞いた覚えがあるわ。毎週一回はユニットを壊すから部品が不足しがちで困るって言われてユニットを融通した覚えがあるわ」

 

「それはラルの嘘だな。確かにニパはよくユニットを壊すけどスオムスにストライカーユニットの工廠がある影響でユニットが不足することはない。多分、予備のユニットを多く確保したかったラルが嘘ついたんだな」

 

自分の預かり知らぬところで勝手に利用されたであろう今はリバウにいる親友に同情の念を送りながらエイラは言った。

 

「グンドュラの言うことは一切信用できないわね」

 

ミーナ中佐はため息を吐いてそう言った。

 

「そもそもスオムスが物資不足って一体いつの話だよ。大戦初期はともかくそれ以降は他国の支援もあってロマーニャに匹敵するくらいには国力も上がってるんだぞ」

 

「ロマーニャに?それはもう地域大国と言っていいくらいの国力じゃない」

 

「と言っても人手をカールスラントとかオラーシャからの避難民に依存しいるからネウロイとの戦いが終わったら国力も小さくなりそうだけどな」

 

ネウロイによって国土を失い難民となった人々の対処に困る国は多い。そんな中スオムスは国土の割に人口が少なく、余りがちだった土地を利用することで上手く難民を受け入れていた。

 

「って、そんな事より今はエーリカの事よ」

 

「そうだな。明日、バルクホルンが例のネウロイに対して有効な対応策が作られていたらいいんだけど……」

 

「全てはトゥルーデ次第ね」

 

ハルトマンか救出されるかどうか全てが明日決まる。もし明日の救出作戦も失敗したらもうハルトマンを救出する事自体を諦める事になるだろう。そんな緊張感のもと二人は明日に思いを馳せるのだった。




そういえばオペレーションマルスで戦車とか出てましたけどアレの弾ってやっぱり対ネウロイ用○○みたいな奴なんですかね。そうじゃないと数揃えても意味ないですし。装甲も対ネウロイ用なんでしょうね。一体何が原料なんでしょうか…。
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