ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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3期7話はカオスすぎて書けませんでした。


ポヨンポヨンするの その後

「にしても豊胸、じゃなくて豊穣祈願のための土偶でここまでの威力を発揮するなんて大昔のウィッチってのはやっぱりわたしらとは何もかもが桁違いだな」

 

先日、リーネが宮藤のために魔法力の回復に効く薬草を探しに行った事に端を発する騒動はリーネ自身の手で終息させたがそのインパクトはあまりにも大きかった。

 

「豊穣祈願のために9人のウィッチと1人の巫女が必要だからと言って魔法を込められた土偶自身が必要なウィッチと巫女を集めるなんて今のウィッチの常識じゃ考えられないけど探せば1人くらいそんな固有魔法を持っていてもおかしくないんじゃないかしら。芳佳ちゃんだって普通のウィッチじゃ考えられない大きさと強度のシールドを張れるんだし」

 

「宮藤みたいに自分に対してならともかく自分以外の物に対して魔法力を込めてそれが数百年の時が経っても動くって言う事が非常識だろ」

 

エイラの言葉にサーニャは頷く事で同意を示すと口を開いた。

 

「けど同じウィッチなのにどうしてこうも違うのかしら」

 

今と昔ではウィッチの出来ることは減少している。それこそ坂本少佐の言うようにウィッチに不可能がなかったのが過去のウィッチであり現在のウィッチよりもより万能だったと言われている。

 

「理由があるとすればそれは人類の進歩、いや進化の結果だろうな」

 

「進化?」

 

「人類は他の動物と違って自らを変化させるのではなく周りのもの、道具を進化させる事で発展してきただろ。その恩恵はウィッチも受けている。昔のウィッチはストライカーユニットではなく箒で空を飛んだけどどうして今それをするウィッチがいないんだと思う?」

 

「ストライカーユニットの方が簡単で早く飛べるからでしょう」

 

ストライクカーユニットで飛ぶには適性が必要でそれがあるウィッチは少数だ。だが箒で飛ぶ事が出来るウィッチはストライカーユニットで飛ぶ事が出来るウィッチよりもさらに数が少なくなる。ただこれはストライカーユニットで飛べるのであれば訓練次第で箒で飛ぶ事が出来るため単純なウィッチ個人の練度の問題という事になる。

 

「そう、それだ。わたし達ウィッチは使いやすく高性能なストライカーユニットのおかげで空を飛ぶことが箒よりも早くて簡単な物になったことで空を飛ぶ事にそれほど技術がいらなくなった。もっと言うと大昔のウィッチは箒なしでも飛んだなんて話もあるから箒の出現によっても多分同じような事が起きているはずだ」

 

「技術が上がってウィッチに技術が必要無くなったからウィッチの魔法が昔と比べて弱くなったって事?」

 

「必要のない技術は廃れていく。当たり前のことだけど自分達がその立場になるとなんというか……悲しいな」

 

本来ならば脈々と受け継がれていくはずのウィッチの技術は科学技術の発展と共に失われ代わりとなる機械に取って代わられていく。もちろんそれで良かったこともあるが事今回に限っては失われたウィッチの技術が図らずしも悪さをしたわけであり、もしその技術が失われていなければ破壊ではなくまた別の方法で事態を収められたかもしれなかった。特にペリーヌなどは胸が大きくなる副作用に喜びを感じていたようであったからその部分だけでも残されれば一部の人間にとっては希望となり得たことは疑いようがなかった。

 

「けどウィッチの技術なんて今の状態になってもう随分経つじゃない。箒もなく空を飛んだ最後の記録は300年以上前の話よ」

 

「別になんの力も借りずに空を飛びたいとは思わないさ。今のウィッチは固有魔法って形で別の魔法が使えるだけだけど大昔のウィッチは固有魔法なんかなくて色んな魔法を一人で使えたっていうだろ」

 

「それって伝承とかの話で正確な記録とかには残ってないわよね」

 

先ほども言ったように大昔のウィッチがそれこそ物語のような万能の存在であったのに対し、現在のウィッチは出来る事に限界がある。もしもペリーヌのトネールやハルトマンのシュトゥルムが一人で行使できるのであればネウロイとの戦いはここまで厳しい物にはならなかっただろうことは疑う余地はない。

 

「そうだけどさぁ。もし固有魔法以外の魔法を使えればネウロイに対してもっと優位に戦えただろ。だから他の魔法を使う方法くらいは現代にも残していて欲しかったな」

 

「思ったのだけどその技術が残らなかったのって結局それよりも科学の力を借りた方がより強くなれるって考えたから消えていったんじゃないの?」

 

「一概にそうとも言えないんじゃないか?一部の天才にとっては科学の力を借りない方が良かったとしても大半のウィッチは天才なんかじゃない。そんなウィッチ達が科学の力で天才に追いつく方が簡単で早いって考えれば天才の考え方なんて廃れていくだろ。なんせそんな天才は一握りなんだからさ」

 

「そういうものかしら」

 

「そういうもんだろ。いつだって少数派の意見っていうのはどんなにいい意見でも無視されがちだしな。なによりウィッチの魔法は科学の発展にも寄与しているからウィッチ以外の人間もそれを推奨するだろうから尚更だろ」

 

基本的に現代の航空機の発展はウィッチの飛行技術の発展に付随する形で発展をしている。ウィッチがより高性能なストライカーユニットを履けばそれのデータを元に新たな航空機を使っている事が理由として挙げられるがこの事実だけでもいかにウィッチとそれ以外の人間とが密接な関係にあるかという事がよくわかる。多くのウィッチにとっても、それ以外の人間にとってもウィッチと科学の発展のためには両者が手を取り合う必要があり一部の天才だけが高みを目指す事など許されるはずがなかった。

 

「まぁ、多分本当にごく一部の天才しか魔法ってもんを極められなかったからこそ今の形になったんだろうし無視するとか以前の問題だった気がしないでもないけどな。なんせ間違いなく現代のウィッチの中でもトップクラスの才能と実力を持った奴らが集まってる501でさえ現代のウィッチっていう括りから抜け出さないんだからな」

 

「才能の限界と言う事?」

 

「と言うよりは知識が足りてないと見るべきじゃないか?古いウィッチの文献とかを見れば今のウィッチが知らない、あるいは理解できないような魔法理論が書かれている事があるしな。そもそも科学と魔法が融合した事でそれが現代にも有効な方法なのかって問題があるけど知っているのと知らないのでは間違いなく知っている方がいいだろ」

 

「そもそも古いウィッチの文献とか読み解くのってかなり難しいわよね。エイラわかるの?」

 

「わかんない。そもそも前提となる知識がないから仮に読めたとしても基礎知識に関する文献じゃなかったら意味ないしな」

 

ウィッチは排斥されていた時代も存在していたことからその技術の伝承は書物よりも口伝によるところが大きく特に基礎的な知識に関しては文献が残っていない傾向がある。そのため仮に過去のウィッチがどれほど素晴らしい魔法を残していたとしても現代のウィッチにはその魔法理論は理解できなかった。

 

「なんか話していたら虚しくなるな。過去のウィッチが簡単にできたであろう事が現代のウィッチにはできない。もしかしたらわたし達が持っている固有魔法すら過去のウィッチにとってはシールドみたいに簡単に行使できる物だったとしたらって考えたら…」

 

「それって考えるだけ無駄じゃないかしら。結局記録として残っているのはごく少数だしそれが必ずしも当時のウィッチの常識とも限らないんじゃない?一部の天才が大きな功績を残したから記録に残っているだけで他の多くのウィッチは実はわたし達とそんなに変わらない、なんてこともあるんじゃないかしら」

 

サーニャの意見にエイラは目を瞬かせた。

 

「言われてみればそうかもしれないな。過去のウィッチの技術がごく一般的なものならもう少し現代に残っていてもいい筈だしそうでないって事は多分才能あるウィッチだけが独占していたんだろうな」

 

納得するようにエイラは頷くとエイラは立ち上がり言った。

 

「ちょっと長話をし過ぎたかな。もう外が真っ暗だ。明日はキール方面に出撃するしそろそろ寝ないと」

 

エイラの言葉にサーニャも立ち上がると二人は部屋へと戻っていった。




アニメを見ていると昔のウィッチが現代と比べて明らかに色々な事ができていますよね。それが固有魔法なのかどうかわかりませんけどなんらかの理由で技術が廃れたのではないかと個人的には思っています。
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