翌日、夜明けとともにC集団は進軍を開始した。それと同時に森の奥からは地上型ネウロイが現れ戦闘が開始された。
「ねぇ本当にわたし達が援護しなくてもいいのかな」
前方から聞こえてくる戦闘音を聞きながら思わずニパは聞いた。
「陸戦ウィッチもいるし飛行型が出てこない限り突破はできるはずだぞ」
「そうじゃなくて、わたし達が偵察とかすれば相手の陣形とか塹壕の位置がわかるから突破し易くなると思うんだけど」
「ニパ相手はネウロイだぞ。そんな人間みたいな事出来るわけないじゃないか」
呆れたようにエイラは言った。
「けどネウロイは人間みたいに作戦立てて補給路遮断してきたじゃん」
「確かに今までもネウロイが人間の様な動きをしてきたって言う報告は少ないけどある。けどそれはあくまで個々、もしくは群れごとの行動が偶然戦術的な行動になっただけだって言われてる」
「へー、そうなんだ。けど偶々今回塹壕を作ってる可能性もあるんじゃないの」
「そんな少ない可能性のために貴重な燃料を使うわけにはいかないな」
そうは言いつつもエイラはニパの懸念に対して不安を覚えていた。確かにネウロイは人間の様に作戦を立てる事は無いと言われていた。これはC集団は補給路を遮断されたがそれに対してA、B集団に対してはそれが殆どなかったことからも明らかである。本当に意図してのことであれば拠点となっているであろうペテルブルク方面の補給路を遮断していたはずである。それがされていないため偶然補給路が遮断されたと考えていた。
しかし仮にペテルブルクではなくネヴァ川近辺に拠点があったのであれば話が変わってくる。想定していた以上のネウロイがこちらに現れ、さらに補給も遮断された。こうなるとネウロイが明確な目的を持って行動していないと断言する方が無理がある。もしこの仮説が当たっていればニパの言った塹壕を掘られていることさえあり得る。そうなればこの作戦の成功率は格段に下がりC集団は全滅する可能性が高まってしまう。
「けどさ、2日分くらい燃料あるよね。後10キロくらいしかないんだからちょっとくらいいいじゃん」
「ダメだ。B集団との合流を考えると出来るだけ燃料は残しておきたい。それに」
そこまで言ってエイラは口をつぐんだ。もしもネヴァ川まで到達できなかったりB集団との合流に失敗した際にはC集団を見捨ててウィッチだけが撤退する可能性があるなど口が裂けても指揮官が言っていいことではないと思ったからだ。
「それに?どうしたのもったいぶって」
「なんでもない」
「えーなんだよ気になるなぁ」
「別に今教えることでもないしその時になったら言うよ」
それっきりエイラは口を閉ざして思索に耽た。
ニパの言った塹壕やネウロイの拠点などにぶつかることもなく約14時間後にC集団はネヴァ川に到達する事に成功し部隊の再編成と陣地構築を行なっていた。
「イッルの言う通りだったね」
「なにが?」
「塹壕とかネウロイが作るわけないって話」
「まぁ、ニパの言う通り本当に今回は偶々出なかっただけかもしれないけどな」
「なにそれさっきと言ってること違うじゃん」
「作戦中に部下が不安になる様なことを指揮官が言うわけないだろ」
「へー指揮官って大変だね」
「そうだぞ、もっと敬え」
「はいはい。それよりもこの後ペテルブルクに行くんだよね」
「そうだけど全部隊が行くわけじゃないからな」
「あれ、そうなの?」
「当たり前だろ。ネヴァ川を超えてくるかもしれないネウロイにも対処しないといけからな」
「あ、そっか。じゃあ誰が行くの」
エイラは少し考えると答えた。
「部隊を再編してから決めるよ」
「このままの編成でいいじゃん」
「ダメだ。わたしの隊はともかく第二小隊と第三小隊はユニットの損耗で稼働率が下がってるから再編して使えるロッテを増やしたいんだよ」
「じゃあ早く決めないと。ペテルブルクに行く部隊ってもうすぐ出発じゃなかったっけ?」
「そうだな。けどウィッチは少し遅れていくから大丈夫だ」
「そうなんだ。じゃあわたしもテントの設営とか手伝ってきた方がいいかな」
「ニパはペテルブルクに行くからその準備をしないとだめだぞ」
「え、わたしがいくの?」
自分が行く事になるとは思ってなかったニパは驚きながら聞いた。
「そうだ。ニパは1人欠員がある第二小隊に移動してペテルブルクに行くんだ。今からそのユニット持って第二小隊の車に行ってきてくれ」
「はーい。あれ、けどイッルの僚機はどうするの?」
魔法力を発動してユニットを発進機から取り外しながらいった。
「わたしはニパが帰るまで基本的には地上から指揮するよ」
「わたしがいなくても大丈夫なのか?他の人に行ってもらった方が良くないか?」
期待のこもった様な目で見ながら言った。
「大丈夫、わたし1人でも小隊分の働きはできるからな」
「そう言うわけじゃなくて」
「じゃあどう言う意味なんだ?」
「だからー、イッルはわたしが第二小隊に行って寂しくないのかなーって」
「別に、うるさいのがいなくなってむしろ嬉しいかな。ニパは寂しいのか?」
そうエイラはからかう様な口調で言った。
「そ、そんなわけないだろ!イッルのバーカ!」
そう言って駆け足で第二小隊の車がある方に行った。
それを見送ると今度は第三小隊のニッシネンに第二小隊に移動しウィンドの指揮下に入る様に連絡をし、第三小隊の残余はエイラが直接指揮をする事にした。
「おーい、ハッセ!」
そう言いながらニパがハッセのいる車に駆け寄った。
「あれ、ニパどうしたんだい?」
「イッルにこっちに合流してペテルブルクに行けって言われて」
「あぁ、補充員はニパになったのか。後1人は誰だろ」
「私だ」
ハッセの後ろから近づいたラプラが声を上げた。
「あれ、ラプラなんだ第三小隊はいいのかい?」
「隊長が面倒みるって言ってた」
「随分とこっちに戦力が偏ったね」
「そういえばそうだね。ラプラまでこっちに来るなんて」
「いやいや、それもそうだけどニパもだよ」
「わたし?なんで」
「ずっと隊長と組んでるから一年くらい前と比べて飛行技術が他の子達と比べて格段に上がってるよ」
「だから余計に隊長の考えが分からない」
そう言ったのはラプラだ。
「そうだね。隊長と組んだ方がネヴァ川の防衛が強固になると思うんだよね。隊長は何か言ってなかった?」
ハッセに聞かれてさっきの言葉がよみがえり思わず語気を強めていった。
「うるさいのがいなくなって嬉しいって言われた。せっかくわたしが残ろうかって聞いたのに!」
それを聞いたハッセは少し考えてから言った。
「やっぱり変だね。ペテルブルク方面への展開が難しいって考えてるのなら隊長が指揮を取るはずなんだよね。けどネヴァ川の方にいるって事は防衛の方が厳しいと見てるって事だけど」
「それならこっちに展開する部隊の方が強すぎるな」
ハッセの後を引き継いでラプラが言った。
「つまりどう言う事?」
ニパはハッセとラプラの会話を聞きながら意味が分からなくなってきていた。
「なにも分からない事が分かったな」
「それ意味ないじゃん」
「まぁなにを考えてこの編成にしたのかは分からないけど緊張感を持って油断せずに行こう!」
この後ペテルブルク方面に向かったニパ達は一体のネウロイとも会うことがなくペテルブルクへと到達することとなった。そしてB集団からはちょうどニパ達がネヴァ川に到達した頃の時間にネウロイが一斉に撤退したと言う報告と、ペテルブルクの解放が伝えられた。
さて、今回はガリア解放後のガリアのウィッチについて考えようと思います。
ぶっちゃけ殆ど分かりません。と言うのもノーブルウィッチーズでは506がガリア防衛の要になってるぽいですけど設立当初はそこまで期待されていなかったんですよね。てことはかわりになるほどの部隊がいると思うんですけど出てきてないんですよね。個人的にはガリアが征服された後カールスラントの様に一つの政府ではなく複数の政府が立てられたせいでかなり一つの国に複数の軍隊がいる様な状態になってたのかなと考えます。そのせいでウィッチを効果的に運用できずに複数の部隊が同じ空域を受け持つとかしてものすごく効率の悪い防空体制を築いていたとかそんなところでしょうか。あるいは裏で政治闘争があったとか。まぁ、はっきり言って分からないんで今日はこのまで!