ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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ルミナスメンバー、話してるサンプルが少ないから口調等少し自信がないです。特にメンバー同士の呼び方で変なところがあったら教えていただけると幸いです。アニメ見て確認した上で変更します。


ルミナス・ウィッチーズ

ベルリンの司令部より帰ってきたらスチュワード中佐達の話を聞いて最初に質問したのはカールスラント空軍のマリア・マグダレーネ・ディートリヒだった。

 

「つまり少将はマリア達がベルリンで公演するなら前線が安定するか武器を持って戦う覚悟を持つ必要があると言っているのですか?」

 

「そうよ。ルミナス・ウィッチーズが音楽隊であり戦う力を持たない以上は後者を選ばざるを得ないけど……」

 

「マナ達は戦えないから待つしかないんじゃないの?」

 

スチュワード中佐の言葉に対してそう言ったのはニューゼーラント空軍のマナイア・マタワウラ・ハトだ。

 

「いつ安定するかも分からない前線のために何ヶ月もスケジュールを空けとけれるほど今の私たちは暇じゃないわよ」

 

ロマーニャ空軍所属のシルヴィ・カリエッロが反論した。

 

「けどベルリンでの公演はスポンサーになってる人達からの要請でもあるんだよな?」

 

部隊最年少、ジョーことリベリオン海軍のジョアンナ・エリザベス・スタッフォードがいうスポンサーとは今回の場合カールスラント政府の事だ。

ルミナス・ウィッチーズは連合軍所属の部隊ではあるがその成り立ちは通常の部隊とは異なる。

ブリタニア政府を中心にウィッチによる音楽隊を作ろうとしたのが始まりであり統合戦闘航空団と違い必ずしも必要に駆られて作られたわけではない。不必要であると判断されればいつ解体されてもおかしくないなか、彼女たちはその価値を示した。

解体される事なく今日まで至っているのは彼女たちの実力は勿論それが生み出す富が莫大な事にある。世界中にファンがいる彼女たちが訪れるとなればその国の各地から人が集まる。人が集まると言う事は経済が動くと言う事だ。長いネウロイとの戦争で疲弊した国にとってはこの経済効果は馬鹿にならない。各国はこぞってルミナスウィッチーズの公演を望み、このベルリンでの公演もまたベルリンに臣民を戻そうという意図を持ったカールスラント政府及び一部皇族からの要請だった。

 

「要請はユーティライネン将軍にも届いてるはずだよね?どうしてそんなこと言ったんだろう……」

 

疑問を口にしたのはブリタニア空軍のナイトウィッチ、ヴァージニア・ロバートソンだ。

 

「いつもはこんな風に断られる事ないもんね」

 

扶桑皇国陸軍の渋谷いのりが同意を示した。

 

「ミラーシャさんはどう思う?」

 

いのりの問いかけにミラーシャことオランダ帝国陸軍のリュドミラ・アンドレエヴナ・ルスラノヴァは一枚のブロマイドを見てニヤニヤと機嫌良さげに笑うだけで返事をしなかった。

 

「……ミラーシャさん?」

 

いのりは呼びかけに気付く様子のないミラーシャを下から覗き込むようにして再び声を掛けた。

 

「わぁ!な、なによ!?」

 

「ユーティライネン将軍の要請に対してどう思うかって話だよ」

 

「そんなのエイラ様の要請に応えるしかないじゃない。私達の仕事は歌う事よ。現地司令部との交渉は仕事私達の仕事じゃないわ」

 

ジニーの言葉にミラーシャは間髪入れずに答えると再びブロマイドに視線を落としニヤニヤと機嫌良さげに笑いはじめた。

 

「ミラーシャちゃんさっきから何見てるの?」

 

ルミナス・ウィッチーズがベルリンで公演するかしないかの大事な話の中でも見るとは余程凄いものなのだろうとミラーシャの手元を覗き込んだ

 

「エイラ様のサイン入りブロマイドよ!!!」

 

「それってアイラさんに頼んで断られた奴だよね?」

 

ミラーシャはアイラ達がベルリンの司令部に行く前にアイラにエイラのブロマイドにサインをしてもらうよう頼み込んでいた。しかしそれをアイラはそんな暇はないと一蹴し断っていた。

 

「エリーさんが貰ってきてくれたのよ!」

 

アイラに断られてしょんぼりとしているミラーシャを見て声を掛けたのがエリーだった。

 

「私の宝物よ!」

 

「アイラさんとマルセイユ大尉のも持ってなかったっけ?」

 

「あるわよ。ちゃんとケースに入れて保管しているわ」

 

ミラーシャは公演で各地に飛ぶと時折、現地のカッコいいエースウィッチの直筆サインをブロマイドに書いてもらっていた。代表的なのは世界的にも人気のマルセイユだがエイラもまた人気の高いウィッチであった。

 

「少将も驚いていたわね」

 

エイラとの会談が終わった直後の事だった。あっ!と何かを思い出しかのうに声を上げてエリーはエイラの元に駆け寄りブロマイドへのサインを強請ったのだ。

流石のエイラもそのタイミングでサインを強請られるとは思っておらず何が言われたのか理解できず一瞬動きを止めるほどだった。

 

「時と場合によって態度を変えない事はわかっていたがまさかあのタイミングでサインを頼むとは思わなかったぞ」

 

「だってあの時以外に頼むタイミングってないじゃん」

 

たしかに全ての用事が終わった後でありサインを頼むのなら最適なタイミングではあるがその直前にしていた話の内容から常人であれば頼みづらく感じる場面だった。

 

「それはそうだが……」

 

言葉に詰まるアイラを見てジニーがそう言えばと前置きすると言った。

 

「アイラさんとエリーさんはどう思ってるんですか?」

 

「ガランド中将の部隊が展開したし少し前と比べてベルリンはだいぶ安全になったでしょ?最悪武器を持って飛んだとしても私達が戦うような事態にはならないんじゃないかな。

だから私はみんなが飛びたいならしようの要請通り武器を持って飛べばいいと思うしそうでないなら別に公演はしなくてもいいと思うな」

 

エリーの答えを聞いてまだ答えが出ていない人物、アイラに視線が集まった。

 

「私は……私は嬉しいと思った。

私も怪我が原因で前線で戦えなくなったウィッチだ。そんな私の、私達の思いを努力を無駄にしないように行動してくれている事が何よりも嬉しいと思った。だから私もエリーと同じように飛ぶなら武器を持ち戦う覚悟をすべきだと思う。だが今の私にはその力はないしこの部隊のウィッチはまともな戦闘経験がない。なら答えは一つ、大人しく身を引くべきだろう」

 

アイラの言葉に部屋は静まり返った。彼女達は現役のウィッチと関わることはあっても引退したウィッチと関わる事は殆どない。故にその思いを仲間の口から聞き果たして本当に今ベルリンで歌を歌うべきなのか各々が深く思案していた。

 

「……隊長はどう思う。元ウィッチとして何か思うところはないのか?」

 

「将軍の言うことは一理あると思うわ。けど仮にルミナス・ウィッチーズが戦わずに撤退したとしても果たしてその程度で崩れるほどウィッチは信頼されているのかどうか分からないのよ。事実、戦争初期には眼下の人を置き去りに撤退した事例は多いわ」

 

スチュワード中佐とて元ウィッチだ。ウィッチに対する一般人、一般兵の信頼は痛いほど知っている。しかし同時にその信頼を裏切る事があった事もよく知っていた。大陸からの撤退時、ウィッチは全ての空を守ったわけではない。時には眼下に人を残しながら撤退したことも一度や二度ではない。

今更ウィッチが撤退したところで失われる程その信頼が強固なものなのか、スチュワード中佐は自信が持てなかった。

 

「人類が盛り返してきた今と、人類が負けていた過去とではウィッチの信頼も違うのではないか?」

 

「そうね、そうかもしれないわ。私は人類が負けている時に引退したからその時の考えで固まってしまっているのかもしれないわね」

 

再び部屋が沈黙に包まれ、やや重くなった空気の中唐突にエリーが手を叩いた。

 

「じゃあ多数決を取ろっか!ベルリンで公演すべきだと思う人!!」

 

その言葉に手を挙げたのはジニー、シルヴィ、マリア、ジョーの4人。

 

「じゃあすべきじゃないと思う人〜」

 

これにはエリー、アイラ、いのり、ミラーシャ、マナの5人が手を挙げた。

 

「隊長はどっちなんですか?」

 

「え!?私もなの?」

 

ジニーの問いかけにスチュワード中佐は驚いた様子を見せた。

 

「だってルミナス・ウィッチーズのメンバーじゃないですか」

 

ジニーの言葉に頷きと共にスチュワード中佐に視線が集まった。

 

「私は……、私はやるべきだと思うわ。歌が人を救う。その思いわ今も変わらないし今その救いが必要なのはベルリンにいる人々だと思う。なら私達はベルリンで公演すべきよ」

 

「割れたな」

 

スチュワード中佐の答えにアイラが呟いた。

合計10人のルミナス・ウィッチーズで多数決を取れば当然こうなる可能性は予想できたがこの大事な時にとアイラは思わずにはいられなかった。

 

「次に将軍と会うのって1週間後だよね」

 

「そうよ。それまでに答えが出ればいいけど……」

 

果たして皆が納得する形で答えが出せるのか一抹の不安を残しながらアイラ達がルミナス・ウィッチーズは答えを出すため議論を始めるのだった。




ルミナスウィッチーズ、戦わないウィッチーズ。後に続くウィッチ隊を作れそうですけどやっぱり貴重な戦力であるウィッチを簡単に音楽隊にすることはできなさそうですよね。
場合によっては単独、もしくは2人1組くらいで各地に慰問に行ってそう。
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