誰か新作書いて……
「さて、とりあえず注意喚起も終わった事だし」
「まて注意喚起とはなんだ。それではまるで私が危険人物のようではないか」
「本人の目の前で人攫いの相談をする奴は十分危険人物と言えるんじゃないか?」
そう言ったのはアフリカの星ことハンナ・マルセイユ少佐だ。
「人攫いとは人聞きが悪い。まだ攫ってないだろう」
「ラル、マルセイユ、2人ともその話はもう終わったんだ。本題に入るぞ」
これ以上話をややこしくするわけにはいかないとエイラは2人にそう言った。
「今後の事だけどベルリン奪還で西方のネウロイ占領地域は大幅に縮小した。今までよりも統合戦闘航空団同士の連携がしやすくなる事は間違いない」
今までは501部隊が必要とされる戦地へ派遣されることで現地の統合戦闘航空団と連携する事はあっても配置の近い統合戦闘航空団どうしが連携をとる事はなかった。
例外として義勇独立中隊時代の507部隊が502部隊と連携して作戦行動を行った事はあるがそれだけだ。
「けどそこで問題になるのが指揮権の問題だ。混成部隊であるだけに指揮官には派遣国を納得させるだけの地位と実績がなくちゃいけない」
統合戦闘航空団の活躍は大きい。それに伴い統合戦闘航空団に隊員を持つ国の発言力は大きくなり隊長を輩出したともなれば尚更それは大きくなる。
それを超える影響力を持つことになる統合戦闘航空団を複数指揮する立場にはそれ相応の地位と実績が求められた。
「おそらく最初に統合運用されるのはカールスラント東部のオラーシャ戦線に配置されている部隊だ」
つまるところそれは501部隊と502部隊を指す。戦争初期から戦い続けた特に精強な2つの部隊が統合運用されることに会議室は俄にざわついた。
「時期は未定だけど今後、オラーシャ領の奪還作戦が行われるのは間違いない。その際ワルシャワ、クラクフにあるネウロイの巣を撃破するために二つの統合戦闘航空団をまとめて運用することは極めて合理的だ」
「ベルリンの時のようにワルシャワとクラクフそれぞれに統合戦闘航空団を当てて同時に破壊するなら統合運用しなくてもいいのではないか?」
ラル中佐が尋ねた。
「場合によっては遊兵になっている508を動員して片方の巣に2個以上の統合戦闘航空団で奪還する可能性もある」
「私達508部隊は空母が基地になっています。ワルシャワ、クラクフ共に海から離れすぎていて航続距離の問題から届きません」
「一時的にどこかの基地に移動してもらう」
当然と言わんばかりにエイラが答えるとサッチ中佐は何色をしめした。
「しかし……」
「設立目的がどうであれ今の508部隊はわたしの指揮下にある。命令には従ってもらうぞ」
エイラの言葉にサッチ中佐は渋々頷いた。
「時期は未定とのことだけど作戦自体は立てているんでしょう?どれくらいに始動するとか目処は立っていないの?」
ミーナ大佐が尋ねた。
「ベルリンを奪還したと言ってもまだ攻勢計画を立てられるほど余裕がない。当面は無理だろうな」
エイラの言葉を聞きスッと手が上がった。
「それはウィッチ隊の数が足りていないという事ですか?」
尋ねたのはアフリカ、ストーム・ウィッチーズの加藤圭子少佐だ。
「……数は足りている。ただレーダーによる哨戒網が貧弱すぎてウィッチ隊の出撃が追いついていないんだ」
本来なら隙間なく敷き詰められるレーダーによる監視網もネウロイとの攻防で破壊されては再建しを繰り返しているせいで一向に向上しない。
本来なら十分なウィッチ隊がいるが哨戒網を突破されるせいで通常よりもより多くのウィッチが必要になっていた。
「ガランド中将の部隊が来てマシになったんじゃないの?」
「ベルリンの防衛体制はマシになったけどそれがネウロイが来ない事とは繋がらないさ」
「質問なんですがウィッチは余っているという認識であっていますか?」
再び加藤少佐が尋ねた。
「まぁ、あっているな。予備も含めて潤沢と言えるんじゃないか。あとはレーダー網さえ整えば完璧だな」
なぜそんな事を書くのかわからず不思議そうにエイラは答えた。
「ならアフリカにウィッチを回していただけませんか?」
「待て、それなら先に502に」
ラル中佐が補充を要求しようとするのを手を向けて宥めると加藤少佐に詳細を促した。
「アフリカではマルセイユを筆頭にごく少数のウィッチにより制空権を保っています。
しかしこちらのようなレーダーサイトはそう多くありませんから間に合わないこともありその時は後退を余儀なくされます。そのためアフリカ戦線は遅々として前進せず拮抗状態を保ち続けていますがそろそろ限界です。増援を求めます」
アフリカの現状はエイラも知っているが数が少ない割に強力なネウロイが多いアフリカに派遣できるウィッチはそう多くはない。
「それには数ではなく質が、実力者が必要だ」
「だろうな。ハルトマンとは言わないが並のエースでは簡単に落とされる。それがアフリカだ」
席から立ち上がって言ったのはマルセイユだ。
「いっそのことユーティライネンが来るのはどうだ?そうすれば私としても嬉しい。この間の決着もつけられるしな」
さもいいアイデアだと言わんばかりににこやかにマルセイユは言った。
「却下。わたしは全体の指揮を取らないといけないからここからは離れられない。アフリカみたいな通信設備が充実してない場所なら尚更無理だ」
エイラの答えにマルセイユは舌打ちをして席に座り直した。
「まぁ、事情はわかった。派遣できるウィッチがいるかは分からないけど検討はする」
「確約は……」
「無理だ。ない袖は振れない」
加藤少佐はガックリと肩を落とした。
「ユーティライネン、ウチのロスマンが上がりを迎えて出撃が困難になっている。代わりのウィッチを送って」
「却下。お前は送ろうが送るまいが勝手に引き抜くだろ」
ラル中佐がロスマンの代わりを要請しようとしたがエイラは即座に却下した。
「……それは勝手に引き抜いてもいいと言う解釈で構わないか?」
「なんだよ、わざわざそれを聞くのか?」
昔のラル中佐ならそんな事を尋ねず問答無用で勝手な引き抜いていたはずだ。
「私とて最低限のマナーは弁えている」
ラル中佐に胡乱な視線をミーナ大佐が送っているがラル中佐はまったく気づいていないようだった。
「もちろんそうだ。引き抜けるもんなら引き抜いてみろよ」
エイラの返答に会議室には罵声がこだました。
「ふざけないでエイラさん!」
「ちょっとイッル、そりゃないよ!!」
「ユーティライネン!それはうちの部隊も引き抜いていいと言うことか!?」
「ふざけるな。ウチの隊員を勝手に引き抜くなと許すわけがないだろう!!」
皆が思い思いの意見述べるのをエイラは宥めると口を開いた。
「とまぁ見ての通りみんなメチャクチャ警戒してるから引き抜くのは不可能だと思うぞ」
「1人別のことを言っていた人がいた気がするのだけど……」
「気のせいだろ」
グリュンネ大佐の言葉をバッサリと切り捨てた。
「仕方がない、諦めることにしよう」
ラル中佐は肩をすくめたが皆疑うような視線を変えるのはなかった。
「まぁ、ロスマンの代わりは考えておくよ。他の部隊も上がりを迎える奴が増え始めているし代わりの人材は必要だからな。各国と協議してエースを寄越すように要請するよ」
ここにいる隊長たちも殆どが上がりを迎える年齢か、もう上がりを迎えている。それだけでなく505のようになかば自然発生してそれを指揮系統に加え込んだ部隊は補充も満足に行われず殆どが20歳前後になっていた。
「これまでは統合戦闘航空団が各自で行っていた人員の補充、それはわたしの役目になったから最初はまずわたしに要請してくれ」
今までの統合戦闘航空団の人員補充は坂本少佐が宮藤を誘ったようなスカウトか、各国が各国が自主的に派遣するしか補充がなかった。
ラル中佐が勝手に隊員を引き抜いているがラル中佐以外しているものはいない為これは例外である。
「と言う事は今後、私達は人員の補充に悩む必要はないと言う認識でいいのかしら?」
「要請は受け付けるけど人員の補充は確約できないな」
「ちょっと、それどう言う事?」
「つまり将軍経由で各国にウィッチの派遣要請を出すけどそれが通るかどうかはわからない、と言う事ですか?」
ドッリオ中佐の問いかけにエイラは頷いた。
「だから自分達で人手を探すのも継続してやってくれ。個人的なツテがあるならそれを使った方が多分手っ取り早いしな」
エイラの言葉に会議室にいる隊長達が頷いた。
「何か質問はあるか?
なければこれで終わり、解散!」
作中では1946年になってますけど史実の大戦は1945年で終わっているわけでどうやってこの先の戦いを描くがだいぶ悩みます。
朝鮮戦争あたりをベースに戦闘を行わせるか、それとも今まで通り続けるか。
まぁ、戦闘描写は殆ど書いたないんであまり関係ないかもしれないですけど戦車とかどうするかなぁ。