ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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今回短めです。


報告

ベルリンの司令部より帰還するなりスチュワード中佐は隊員達を集め結果を報告した。

 

「ベルリン解放記念式典でのルミナス・ウィッチーズの公演は無事許可されました」

 

その報告にルミナス・ウィッチーズのメンバーはホッと胸を撫で下ろした。

 

「準備を進めるにはギリギリのタイミングね」

 

シルヴィがこの後の準備を考えてため息混じりに言った。

 

「ベルリン奪還の記念式典だからまでの焼き回しというわけにはいかないわ」

 

「新しい歌に合わせた振り付けも作らないといけないのです」

 

マリアが言った。

 

「新しい歌はもう完成してるわよ」

 

「早いわね。ベルリン公演がだからかわからなかったのに作ってたの?」

 

ミラーシャの言葉にスチュワード中佐は驚いた。

作曲には時間がかかる。行われるかどうか定かではない公演に向けて作曲できるようなものではない。

 

「今回ベルリンで公演できなくてもいつかベルリンで公演する日が来ればいいなと思って作ってたんです」

 

「そういえば公演っていつなの?」

 

エリーが尋ねた。

 

「あ!聞き忘れてた……」

 

ベルリン公演の許可が出た事に舞い上がって書き忘れていた。

 

「私が聞いた話だと約2ヶ月後の4月20日に行われるらしい」

 

外で待っていたアイラはルミナス・ウィッチーズのファンだというエイラの参謀と世間話をしてその情報を入手していた。

 

「2ヶ月後……」

 

「練習を考えたら1ヶ月で振り付けとを完成させる必要があるな」

 

「この後2ヶ月後までにいくつか公演の予定があるからもっともっと早く完成させた方がいいのです」

 

アイラの言葉にマリアが反論した。

 

「たしかに早ければ早い方がいいけどマリア達振り付け担当の負担が大きくなるよ?」

 

エリーが心配そうに尋ねた。

 

「問題ないのです!」

 

マリアの故郷はカールスラントだ。故郷が奪還されその記念式典に出れる事に気持ちの高鳴りが抑えきれないようだった。

 

「あんまり無理しないでね」

 

ジニーが心配そうに声をかけたが耳に入っていないようだった。

 

予想外の連絡が届いたのはルミナス・ウィッチーズ全員がベルリン公演に向けて気合を入れ準備に取り掛かる事を再確認し終えた時のことだった。

ウィッチ隊総司令官であるエイラからのを命令書を携えたスオムス軍の参謀将校がルミナス・ウィッチーズが滞在する基地にやってきた。

タイミング的にはルミナス・ウィッチーズのベルリン公演に関する事である事は疑いようはないがなぜさっき会った時に渡さなかったのか不思議に思いながらも命令書を読んだスチュワード中佐の表情は驚愕に染まった。

 

「これは一体どういう事ですか!?」

 

スチュワード中佐の大声に何事かとルミナス・ウィッチーズの面々が近づいてきた。

 

「書いてある通りです中佐殿。第72統合戦闘飛行隊兵站支援中隊航空魔法音楽隊は、今日付けで解散となり連合軍指揮下より外される事になります」

 

「ルミナス・ウィッチーズが解散ってどういう事よ!?」

 

怒鳴り声を上げたミラーシャに連絡官は視線を向けると言った。

 

「小官は一連絡官に過ぎませんので理由までは分かりかねます」

 

「私達の扱いはどうなる。まさか前線で戦えというわけではないだろうな?」

 

アイラが掴みかからんばかりの勢いで尋ねた。

 

「それについても命令書の方に記載があるはずです」

 

視線を向けられたスチュワード中佐は頷いて答えた。

 

「全員連合軍より原隊に復帰、別命あるまで待機するようにとあるわ」

 

この場にいる全員がなんらかの問題があって戦闘部隊では戦えないと判断された者達だ。ミラーシャなどは一時は退役すら考えていた事から原隊に復帰してもできる事は何もない。引退を待つのみになる事は想像に難くない。

 

「ユーティライネン閣下より答えられる事については、できる限り答えるよう仰せつかっています」

 

「……少将は私達がベルリン公演をすると言った事に関してなにか言っていましたか?」

 

「それについてはこう答えるよう言われています。残念だ、との事です」

 

その言葉にスチュワード中佐は天を仰いだ。まさかベルリン公演を実行することが、エイラにこれほど強硬な策を取らせる事になるとは想像だにしていなかった。

 

「それで、いつまでにこの基地を出ればいいの?」

 

「それぞれの原隊より明日、命令が届く手筈になっています。それまでこの基地でゆっくり過ごすせば良いとのことです。その間できる限りの便宜は図るように命令されております。

何か必要なものがあれば総司令官に電話をいただければ用意いたします」

 

便宜を図るくらいなら解散の撤回をしてほしいと思いながらもスチュワード中佐は礼を述べた。

 

「それとこれは小官の個人的な意見なのですが、ベルリン公演の準備は辞めない方が良いかと存じます」

 

「解散される私達が準備してなんになるというんだ」

 

皮肉にしか思えない言葉にアイラが噛みついた。

 

「これは閣下からの伝言ですが、ベルリン公演に関して好きにしろと言った事に偽りはないと申しておりました」

 

「自分の指揮下から外れたから、何をしようがかまわないと?」

 

「小官はそれを伝えるように言われただけなので、それ以上は何も」

 

そう言って肩をすくめると帰っていった。

 

「まさかこんな急に解散する事になるなんてね」

 

シルヴィがポツリと呟いたのを皮切り皆感情を露わにした。

 

「マナ達バラバラになるの!?」

 

「こんな急に伝えるなんて、騙し討ち同然で卑怯なのです!」

 

「いっそストライキでもおこす?」

 

「けど命令である以上無視したら最悪銃殺とかもあり得るんじゃ……」

 

「……明日以降にある公演はどうなるんだろう」

 

ジニーの呟きに部屋は静まり返った。明日以降、カールスラントを中心に公演の予定があり今日付けで解散となればそれらに対して事情説明をしなければならない。

 

「解散する以上は中止に決まってるじゃない!」

 

投げやりな様子でミラーシャが言った。

 

「昔ならともかく今は俺達が公演するのに凄いお金がかかってるんだ。そう簡単に中止なんて出来るのか?」

 

ジョーの問いかけにミラーシャは黙り込んだ。

 

「中止する事って隊長が伝えていいのな?」

 

「勝手に中止を伝えていいものか分からないし、かと言って後に回していい事でもないわ。後で電話して聞いておくわね」

 

そう言うとスチュワード中佐は溜息を吐いた。

 

「もうどうにもならないのかな?」

 

いのりが言った。

 

「時間があればなんとかなったかもしれないけど流石に今日付けとなるともうどうしようもないわ」

 

もう一度スチュワード中佐は溜息を吐くと言った。

 

「決まってしまった事は仕方ないわ。各自移動の準備をしつつ明日に備えましょう」




ルミナス難しいなぁ。
公式で漫画なりなんなり出してくれれば早いんですけどアニメだけじゃやっぱり口調が難しい……
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