いよいよアニメも最終回、楽しみですね。
1941年11月16日、バルバロッサ作戦最後に発令された撤退命令によりペテルブルクに撤退してくるものがゼロにとなり、また同時にオラーシャ南部で行われていたタイフーン作戦も進行が停滞した事から二つの作戦は終了した。
バルバロッサ作戦の最終的な参加兵力と被害はスオムス軍が参加兵力204,632人のうち64,524人、カールスラント軍が参加兵力212,145人のうち153,751人、オラーシャ軍が参加兵力325,317人のうち240,642人。損耗率が6割を超えるというこの作戦が始まった時には考えつかないほどの被害を北方方面軍にもたらすこととなった。この作戦の失敗はネウロイの脅威を人類に再認識させることとなりこの後約2年間にわたって人類は大規模な反抗作戦を行う事はなかった。
ペテルブルクを奪還した事によりスオムスはネウロイとの戦闘が起こる場所がラドガ湖北方のヴェルツィレ基地に限定された。そのため新兵にどうやって実戦経験を積ませるかが問題となった。
それの解決方法として第24戦隊を基幹要員とその僚機を残して解体して新兵を編入し再編する事で解決した。またスオムス軍では小隊長クラスの士官が不足していたためこの再編に伴い第24戦隊では小隊を試験的に廃止した。廃止後は中隊の定員を8名とし中尉又は大尉が中隊を統率する事となった。さらにストライカーユニット回収班の配備と基地施設を拡張して新兵に対して万全の備えをした。これらの部隊の再編と配置は1月末日に、施設の拡張は11月から翌年1月中頃に完了した。
「見てみてイッル、サウナがすごく大きくなってる!」
「ニパもうちょっと小さい声で喋ってくれ」
拡張した設備の確認をしていたエイラは一緒に確認していたニパのはしゃぎ声が二日酔いの頭に響き苦しそうに壁に寄りかかりながらいった。
「もうすぐ新人が来るんだからしゃんとしないと舐められちゃうよ」
「気持ち悪いからムリ」
エイラがこうなった原因は昨日の夜にある。多くの被害を出したバルバロッサ作戦の敗戦処理にはかなりの時間がかかる事が予想され、一人でも多く人手が欲しい状況だったためこれにエイラも協力した。
この敗戦処理の慰労会がエイラが赴任する前日に行われていた。ここで酒を飲むよう勧められ一杯だけ飲んだのが全ての始まりだった。酒に酔った軍人の悪ノリにより次から次へと酒が注がれ、さらには普段は規則に厳しいカールスラント軍人もハメを外しこれに乗っかりエイラに酒を注いだ。幸か不幸かエイラはアルコールに強くなかなか酔い潰れなかったためそれらを次々と飲み干していった。気付いた時には翌日の朝、ヴェルツィレ基地の隊長室のソファで寝ているところをルーッカネンによって起こされたところだった。
「途中で断って帰れば二日酔いにはならなかったんじゃないの」
「うるさい」
「ていうか本当に大丈夫?医務室で薬もらってくる?」
覇気のないエイラの声にニパは心配そうに聞いた。
「いらない」
「ちょっとはマシになるかもしれないよ」
「絶対にいらない」
頑なに薬を飲む事を拒否するエイラたちの前に二人と同じように施設の確認をしていたアウロラが現れた。
「ずいぶん具合が悪そうだがどうしたんだイッル」
「昨日司令部の人達との慰労会で飲みすぎて二日酔いになったんです。だから薬を飲むように言ってるけど飲もうとしないんです」
「イッルは薬が嫌いだからな。昔イッルが風邪をひいた時は苦労したよ」
「へー意外と子供っぽいところあるんだ」
「懐かしいな、あの時も頑なに飲もうとしなかったな」
「どうやって飲ましたんですか?」
「イッルは純粋だからな、お菓子って言ったら簡単に飲んだ」
「じゃあ医務室で薬もらってお菓子って言ったら飲むかな」
「5年くらい前の話だしなにより目の前でそんなこと言われて飲むわけないだろ」
二日酔いで苦しそうにしながらもエイラは反論した。
「あ、そっか。じゃあどうしよう」
「薬飲まなくても二日酔いを治す方法はあるぞ」
「本当ですか?」
「これを飲ませればすぐに治る」
そう言うとアウロラはスキットルを取り出した。
「それお酒なんじゃないですか?」
「違うこれは私が昔モロッコで見つけた二日酔いに効く薬だ」
スキットルの蓋を開けエイラの口元に持っていき飲むように促した。
「ねーちゃん本当に酒じゃないんだよな」
「勿論、私がイッルに嘘をついたことなんかないだろ」
「いや薬で嘘ついてるじゃん」
考えるよりも先に口が動いた。
「けどこれは本当に二日酔いに効く薬だ」
スキットルを手渡し真剣な様子で飲むように進めるが薬を飲まされた時も同じ様子だった事をエイラは思い出した。
「ニパ匂い嗅いでみろ」
「自分で嗅いだらいいじゃん」
「匂いで二日酔い酷くなったりしたら嫌だから無理」
スキットルを受け取ったニパは蓋を開けると匂いを嗅いだ。
「うわっお酒だ!」
「ねーちゃんどう言うつもりだよ。勤務中の飲酒は規則違反だぞ」
「それは酒じゃない、薬だ」
アウロラは頑なに中身を酒とは認めようとしない。
「いやニパが酒って言ったじゃないか」
「いいかイッル扶桑には酒は百薬の長という言葉がある」
「なにそれ」
「酒は薬ってことだ」
「それ結局中身は酒ってことじゃん」
「そうだな、けど迎え酒って言って二日酔いに酒が効くのは本当だ」
「勤務中の飲酒は規則違反だから飲まないからな」
「けどそんな状態じゃあまともに仕事できないだろ。少し酒を飲むだけで改善されるなら飲んだほうがいいんじゃないか?」
そう言われて一瞬飲む事に心が揺れ動きそうになったがあと一時間程度で新兵も到着するのに酒を飲む事は出来ないし薬を飲むのもいやなエイラはこのまま我慢する事にした。
「あと一時間もあれば流石に酒も抜けるだろうし我慢する」
「抜けないと思うけどなぁ」
この会話から約一時間後エイラはブリーフィングルームで新兵達との顔合わせをしていた。
「イッル大丈夫?やっぱり薬飲んだ方がいいよ」
未だに二日酔いが治らず苦しむエイラの背中をさすりながら再び薬を飲む事を勧めた。
「いらない」
「強情だなー」
そんな事を話しているとルーッカネンがエイラを呼び自己紹介をするように言った。
「エイラ・イルマタル・ユーティライネン。第一中隊中隊長で階級は大尉。よろしく」
手早く自己紹介を済ますし先に戻ろうとするエイラをルーッカネンが引き止めた。
「まてイッルせっかくだからもう少し何か話したらどうだ」
「別に今じゃなくても良いじゃないですか
「こうやって全員に対して話す機会はそんなに無いだろうから開戦から戦ってきた先輩としてアドバイスとかしたらどうだ」
「隊長がやったら良いんじゃ無いですか」
早く席に戻りたいエイラはそう言った。
「私よりも年の近いお前の方が適任だろう」
そう言われて気持ち悪いのを我慢してもう一度前に出て話し始めた。
「ここにいるみんなが飛行学校でなにを学んだかは知らないけど一度全て忘れろ。新兵に必求められるのはベテランに必死についていって生き残ることだ。他はなにも必要ないしそれ以上はなにも求めない」
「もし新人しか居なかったらどうしたらいいですか」
「良い質問だな。新人だけが接敵した時は援軍を呼んでネウロイの位置を把握し続けるだけで良い。わたしか隊長が許可するまでは新人だけでの戦闘は何があっても禁止だ」
気持ち悪いのを必死に押し殺して辛うじて話きったエイラは席に戻って再びニパに背中をさすられ始めた。
11話に502とか506が出てきた事のを見てベルリン奪還後の506がどうなるかについて気になったことがあるので考察。
小説ノーブルウィッチーズを読んだことがある人ならわかると思いますが506部隊は政治によって作られた部隊です。統合戦闘団をガリアに配置したいなら501部隊を再結集させて配置すればよかったはずです。
しかし貴族ウィッチの部隊をガリアに配置したいブリタニアとそれに介入したリベリオンよってそうはなりませんでした。
この部隊はガリアにいる事が存在意義であってネウロイと戦う事は副次的な効果でしかありません。そのためベルリン奪還後にカールスラントに進出する事は設立理由から殆どあり得ません。しかし後方になったガリアに統合戦闘団を置き続けるのは国際社会からの避難を招くことになりますしそうなるとガリアが国際社会での立場を弱くします。そのためどうなるのか皆目検討もつきません。
ただ一つ言えるのは貴族ウィッチの部隊を望んだブリタニアとB部隊を作ったリベリオンにはダメージがかけらもないという事ですね。