内容としてはハイスクール・フリート2本、艦これ1本です。
「いよいよ始まるな。どうだ、三つの統合戦闘航空団を直接指揮してモスクワ奪還に向かう気持ちは」
「これで長かった戦争にも区切りがつくと思えば安心するよ」
ラルの問いかけにエイラは肩をすくめた。
「これほど多くの精鋭を率いるというのに高揚しないのか?」
人材収集癖のあるラルらしい言葉だった。
「高揚しないといえば嘘になるけどそれよりも安堵の方が大きいな」
「……モスクワを奪還すれば戦争は終わると思うか?」
「残るはバルカン半島とアフリカだけだけどバルカン半島には強力なネウロイは少ないしアフリカは質はともかく数は少ない。終わらないわけがないだろ」
「ユーティライネンの言うことは正しい。だが……」
ラルは周囲を伺うとインカムを外しエイラにも外すよう要求するとエイラの耳元に口を近づけた。
「ガリア南部およびノイエ・カールスラントできな臭い動きがあるようだ。もしかするとネウロイとの戦い終結が遠のくかもしれん」
「反乱が起きるってことか?」
「情報の確度が低いから断言ではできないが……」
反乱が起きるかどうかはラルも自信がないようだがその忠告をしなければならないくらいには危険な状況となればエイラも無視はできない。
「この戦争に影響がある可能性があるんだな?」
「わからん。もしかすると事が起こるのは終わった後かもしれないしそうでないかもしれない。私も噂程度でしか聞いていないからこれ以上は何も言えん」
そう言うとラルはエイラの耳元から口を離しインカムを付け直した。
「私は何も起こらないと信じているが断言はできない。できる限り早く戦争を終わらせるとしよう」
「……そうだな。長引くとその分だけ苦しむ人間が出てくるからな」
エイラの言葉を聞くとラルは満足そうに頷くと持ち場へと飛び去った。
「エイラさんラル隊長と何を話してたんですか?」
問いかけたのはエイラの指揮下に入ったひかりだった。モスクワのネウロイの巣を奪還するにあたりエイラは501、502からそれぞれ宮藤とひかりを借り受けて指揮下に収めていた。これによりエイラが指揮する部隊はエイラとサーニャを合わせて四人。一個小隊となりある程度戦術的な行動が可能になった。
「世間話だよ」
「そんなわけないですよ。二人ともすごい怪しい雰囲気してましたし」
「ひかりちゃんの言う通りですよ。絶対悪い事話してました!」
「どうして悪い事って断定すんだよ」
心外だとエイラが宮藤を睨みつけた。
「だってエイラさんいつもコソコソ動いてるじゃないですか。人にバレたくないって事はよくない事をしてるって事じゃないですか」
「……そんなにわたしってコソコソ動いてるか?」
思わずサーニャに尋ねた。
「動いているわ。一緒にいるわたしでさえエイラがする事の三分の一は悪い事だと思っているし芳佳ちゃんなら全部悪いことに見えても仕方ないと思うわ」
「さ、サーニャ? わたしは悪い事なんてこれっぽっちもしてないぞ」
まさかサーニャからまで悪い事をしていると思われているとは思わずエイラはたじろいだ。
「エイラさんやっぱり悪いことしてたんじゃないですか!」
「そんなわけないだろ!! グンドュラ・ラルって言う世紀の大悪党と一緒に話してたくらいで悪人判定するなよな!」
その言葉にサーニャとひかりはそれもそうかと納得し宮藤は不思議そうな表情を浮かべた。
「ラル中佐って悪い人なんですか? そうは見えませんでしたけど」
「アイツほど悪いウィッチはこの世にいないよ。人の部隊から勝手にウィッチを引き抜く、物資を横取りする。言っとくけど宮藤もラルが502に引き抜こうとしてたことあるんだからな」
「そうなんですか!?」
「と言うか統合戦闘航空団に所属してるやつでアイツの標的になったことない奴なんいない。サーニャなんか何度もわたしの下から引き抜かれたんだからな。何より悪いのはアイツ部隊の隊長だろうとお構いなしに引き抜こうとすることだな」
思い出すとなんだか腹が立ってきたエイラはこの機会に宮藤にラルの悪評を伝えるだけ伝えておこうと思いさらに続けようとした。
「エイラ、統合戦闘航空団はみんな配置についたわ」
しかしそれはサーニャの言葉により遮られた。
「そっか、残念だな。地上部隊の方はどうだ?」
「そっちも配置についたわ。こっちの攻撃開始と同時に部隊を前進させるって」
「そうか。ならみんなに攻撃開始を伝えて……いや、やっぱりわたしがやるよ」
バルカン半島にもネウロイの巣はあるがおそらくこれ以後は統合戦闘航空団がこの規模で運用されることも、下手をすると前線での運用も無くなるかもしれない。そう思うと自然とエイラはそう言っていた。
「この作戦に参加するウィッチのみんな。長く苦しい戦いだったけどいよいよモスクワの奪還は目前だ残すところ後わずかとなった。
たとえ苦しくてもわたし達の戦いを
そこでエイラは一度息を整えると言葉を紡いだ。
「わたしから伝える命令はただ一つだ。全員生きてこの作戦を終わらせるぞ。全隊、攻撃開始!」
号令とそれに対する返答がインカムより流れると同時に配置についていたウィッチ達がネウロイの巣に向かって前進するのがエイラの目からも確認できた。
「始まったね」
「始まったな。わたし達も前線に近づくぞ。ここだと戦況の変化に対応しきれない」
「エイラ」
事前の計画だとエイラはこの位置で統合戦闘航空団の指揮を取る事になっていたためサーニャはエイラを非難した。
「あんなこと言ったんだ。もしものためにここに置いといた宮藤が間に合わない可能性はできる限り排除したい。少し前進するだけだよ」
エイラの言葉にサーニャは仕方ないと頷くと四人は前線近づいた。
『こちらハッセ。ネウロイの数が多くてコアまで近づけない。援軍を送るか、一度後退の許可が欲しい』
「後退を許可する」
507は数が最も少なく他二つと比べると個人の練度もやや劣る部隊だ。この部隊が手こずるのは想定内だった。
「バルクホルン、こちらエイラ。507が少し後退する。それに食いつくネウロイを横から攻撃できるか?」
『可能だが前進速度が鈍くなるぞ』
「構わない。それより全体のネウロイの数を少しでも減らしたい。思ったよりも数が多そうだ」
507の後退は想定内だが予想よりも早い。その原因が明らかに事前の想定よりも数の多いネウロイのせいだとエイラは考えた。
『了解した。ならシャーリーとルッキーニ、それとペリーヌを送る』
広範囲に作用する固有魔法を持っている三人を送ると言う頼もしい言葉にエイラは礼を言うと今度はラルに通信を繋いだ。
「ラル、こちらエイラ。501と507でネウロイを誘引して数を減らす。502は攻勢を強めてコアを狙って欲しい。できるか?」
『できなくはないが火力に不安がある。フリーガーハマーを持っているリトヴャクを寄越せ』
ネウロイの巣のコアの破壊はある程度の火力が必要になる。現在502にはMG-42などの機関銃しかなくコアの破壊には火力が不足している疑惑があった。
「なら宮藤も送る」
『大盤振る舞いだな。了解した』
「サーニャ、宮藤。ラルのところに行って突撃とコア破壊の援護をしてきてくれ」
「分かったわ」
サーニャと宮藤が飛び去るのを見送ると今度はひかりに顔を向けた。
「よし、わたし達は507のところに向かうぞ」
「最前線に出るんですか?」
「あんなこと言ったたい後ろでゆっくり指揮なんてできるわけないだろ」
「それもそうですね」
ひかりが同意するとエイラ達は後退中の507に向かって飛び出した。
「ハッセ、久しぶりにスオムスのダブルエースの力を見せるぞ」
「イッル!?」
まさか最前線に出てきているとは思わずハッセは驚いた様子を見せた。
「まさかスオムスのエースがこの程度のネウロイに遅れをとるわけないよな」
「……当然!」
エイラが突撃しネウロイを狙撃ポイントに誘導、ハッセがそれを狙撃する突撃する。ハッセの腕ならうまくネウロイが並べば一発で複数のネウロイを撃ち抜くことさえ可能だ。そして未来予知を持つエイラならそうなるよううまく誘導することもできる。子機が殆どとはいえほんの数発で数十機のネウロイを撃墜できるウィッチはそう多くない。
それまで507が手間取っていたのが嘘のようにネウロイは駆逐され507は前進を再開した。
「さあ、どんどん行くぞ!」
しかしそんなエイラの掛け声は無駄に終わった。さらに前進しコアまで後少しと言うところで突如ネウロイの巣が光の粒子へと姿を変えたからだ。
『こちら502統合戦闘航空団隊長グンドュラ・ラル。ネウロイの巣の破壊に成功した。繰り返す。ネウロイの巣の破壊に成功した』
しかし結局ネウロイとはなんだったのか。いまだに分からない。いつだったか後書きで書いたような気もしますけど改めて考えてみてもまだ分からない。生体的には蜂とかに似たような感じに見えますけどあれが生命体だったのか、それとも宇宙人か何かが送り込んだ兵器だったのか、それとも地球外生命体だったのか。
確か昔動力源を核融合、知能はマイクロチップのような小さな機械とかって考察した記憶がありますけど改めて考えるとネウロイの巣から生み出されているのに機械的な構造っていうのもなんだかおかしいのか?
けど金属取り込んでる性質あるしそれを原料に使っているのなら機械、というより金属由来の生物みたいな感じだったりするんですかね。けどそれならロボットとどう違うのか……。わけわからん。