それはそうと最近、ハーメルンの検索率見ようと久しぶりにTwitterを開いたんですけどどうやら今年は色々と昨日の変更とか加えるらしいですよ。
評価バーのシステムとかも変わるらしいです。
バルトランドとスオムスの戦争で最初に現役ウィッチの戦闘行動が確認されたのはトルニオだった。
「バルトランドのウィッチが対地攻撃をしてる?」
ロヴァニエミに進出している第24戦隊の司令官であるニパにその報告がもたらされたのは開戦から三日が経過した時のことだった。
その時にはアウロラ率いる国境警備大隊がカリガスニエミから侵入したバルトランド軍三個師団の内、一個師団の撃退に成功した事は世界中に周知され、スオムスの士気は最高潮、バルトランドの士気は最低の状態にまで落ち込んでいた。
そのおかげでトルニオを攻めるバルトランド軍の攻勢は精彩を欠いた。兵士は元よりバルトランド軍の上層部も一枚岩ではない。スオムス侵攻に反対していた指揮官は早々に講和すべきと主張した。それに対して主戦派が戦争を継続させるべく繰り出した一手がウィッチの投入だった。
「それって上がりを迎えた元ウィッチなの?」
「そこまではわからないっす」
ニパの問いかけに第24戦隊所属のウィッチ、アリサ・ハーリンが答えた。
「だけどウィッチが爆撃攻撃しているのは間違いないんだね?」
「はいっす。トルニオの守備隊だけじゃなく、ウチの連中も演習中に確認しているっす」
ウィッチが戦闘に参加するのは国際社会からの批判対象になる。そして戦闘はしなくとも作戦行動をする事も少なからず批判の対象になる。
スオムスはウィッチをこの戦いで使うにあたり、演習という名目を持って戦場に程近い場所に送っていた。そして不幸な事に演習位置を間違えたウィッチが、前線の偵察を偶発的に行うことで、前線の様子を把握していた。
「これは司令部の判断を仰ぐ必要があるかな」
スオムスもバルトランドがウィッチを投入する可能性がある事は理解していた。しかしそれはスオムスの予備役招集が完了する前、早ければ一ヶ月から遅くとも三ヶ月程度で投入すると考えていた。予想以上に早いウィッチの投入にスオムス軍上層部は動揺した。
ニパに対してウィッチへの対応策が告げられたのは翌日になってからだった。
「まぁ、そうなるよね」
「司令部はなんて言ってきたんすか?」
「現役ウィッチは使わず、私みたいな上がりを迎えたウィッチを使って対応するってさ」
「あたしは出撃できないんすか!?」
「上がりを迎えたウィッチ限定なんだから当たり前でしょ」
アリサはネウロイとの戦いが終わる直前にスオムスのウィッチ飛行学校に入学し、戦争が終わってから部隊に配属された。当然上がりなど迎えているはずがない。
「だけどそんなに人数いないっすよね?」
「司令部は飛行学校と士官学校の教官達を集めて対応するって言ってる。足りない分は予備役の招集で対応だってさ」
前者にはニパの知り合いだと元第24戦隊司令官のルーッカネンやラウラがいるが、後者に関しては年齢層が幅広くなる。
「言っちゃ悪いっすけどまともな訓練をしてない大先輩達が、ウィッチと戦えるなんて思えないっすよ」
「教官達はネウロイとの戦闘経験があるベテランが中心だから問題ないよ」
「だけど……」
「それにまともな訓練をしてないのはわたしも同じだよ。それなのにアリサは模擬空戦で一回も勝てた事ないでしょ? 問題ないよ」
規模の割に多数のエースウィッチを抱え、それ以外にも優秀なウィッチの多いスオムスにおいてこの経験の差は大きい。戦争終結以前は教官を倒して卒業する事が伝統だった飛行学校の伝統が、今では達成して卒業する生徒はゼロに近い。
「それにアリサが不満だとしてもこれは司令部の決定だからどう足掻いても覆らないよ」
「それはそうかもしれないっすけど、ニパ隊長からお願いしてもらえば……」
「わたしだってウィッチが前線に出て戦うのは反対だからね。絶対にやらないよ」
ウィッチはネウロイと戦うためにあるのであって人同士の戦争のために存在するのではない。ニパもまたその考えに賛成の立場だった。
「ネウロイならともかく人の相手は普通のウィッチの仕事じゃないよ。普通じゃないのはわたしたち大人に任せて、子供は安全な後方でゆっくりコーヒーでも飲んでなよ」
ニパの言葉に、アリサは不満を隠そうともしなかったが、上官であるニパの言葉に逆らうことはしなかった。
しかし結果的にこの決断は遅かったと言わざるを得なかった。スオムスの想像以上にバルトランド軍の方針は迷走しており、主戦派はこの戦争での決定打を欲しがっていた。
ニパ達が駐屯するロヴァニエミの基地にサイレンが鳴り響いたのはその日の午後の事だった。
「空襲警報!?」
バルトランドからロヴァニエミまでは幾重にも張り巡らされたレーダー網で監視されている。それだけではなく各所に点在する監視所が、スオムスに感知されずにロヴァニエミに来ることを困難にしていた。
「ニパ隊長敵はウィッチっす!」
「嘘でしょ!?」
アリサの言葉に窓に駆け寄り空を見上げると遠くの空から近づいてくるのは飛行機ではなく、人型の飛行物体だった。
「す、スクランブル! 全員上がるよ!!」
こうなってしまっては現役のウィッチを戦わせないなどと言ってられない。アリサ達現役のウィッチ含め全員がロヴァニエミから出撃した。
「相手の数は!?」
「感知範囲内には二個中隊規模っす!」
アリサは第501統合戦闘航空団の元隊長であるミーナ大佐と同じ三次元空間把握能力の固有魔法を持っている。その能力でこの付近にいるバルトランド軍ウィッチの数を把握し、ニパに報告した。
「ジェットストライカーの性能を活かすよ! 高度をとって一撃離脱だ!!」
幸運なことに、バルトランド軍のウィッチの高度はそれほど高くなかった。まるでついさっきまで地上にいたかのような高度であったため、奇襲を受けながらも状況は最悪というほど悪くはない。
ニパ達第24戦隊はスオムスで唯一、ジェットストライカーを配備された部隊だ。対地攻撃用の装備をしたウィッチくらいであれば瞬く間に撃墜できる。
「敵の護衛ウィッチが高度を上げてくるっす!」
「レシプロストライカーじゃあ今更高度を上げたところで意味ないよ」
バルトランド軍もジェットストライカーを保有しているが、スオムス同様その数はそれほど多くはない。撃墜の可能性が高い奥地への侵攻に積極的に使うほどの余裕などない。
「最優先は護衛のウィッチ! 終わり次第対地攻撃を狙ってるウィッチを攻撃するよ!!」
ここに、スオムスバルトランド紛争における最初のウィッチ対ウィッチの戦闘が始まった。
「突撃!」
ニパの号令で第24戦隊は攻撃を開始した。ネウロイとの戦争ではスオムスのウィッチでも特に優秀なものを集めた精鋭精鋭部隊。現在では優秀な成績で飛行学校を卒業したウィッチを集められた第24戦隊の手にかかっては、バルトランド軍のウィッチは手も足も出なかった。
「七面鳥でも撃ってるみたいっすね」
「……ジェットストライカーとレシプロストライカーじゃあこんなものだよ。性能差がありすぎる」
簡単に撃墜されたバルトランド軍ウィッチにいっそ哀れみさえ浮かぶ。それほどまでにスオムスとバルトランドの差は圧倒的だった。
一撃離脱に徹したジェットストライカーをレシプロストライカーは捉えることができず、いいように撃たれて一機、また一機とバルトランド軍のウィッチは数を減らしていった。
「ウィッチだし余程運が悪くない限りは撃墜されても生き残っているはずだよ。爆撃隊の方に降伏勧告を出して撃墜したウィッチの救助に行こう」
ニパ達が爆装したウィッチ達を取り囲み、降伏勧告を出すと彼女達は一分も立たぬうちにそれを受け入れた。
この戦いにおけるスオムス、バルトランド両軍のウィッチの死者は幸運なことにゼロだった。
しかしバルトランドはウィッチ24名とストライカーユニットを失い、スオムスは貴重なジェットストライカーを一機、失うことになった。
レシプロからジェットへの転換期。
史実ではこの頃朝鮮戦争ですが本作ではスオムスバルトランド戦争です。最近は必死で初期のジェット戦闘機について調べてます。