ダイヤのエースが飛ぶ理由   作:鉄玉

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スオムス侵攻

1939年11月30日

 

 ペテルブルク陥落の報告から2週間ほどたった今日、未だネウロイはスオムスに侵攻する気配はなく中隊内ではややだらけたような雰囲気が漂い始めていた。

 

「ねぇニーナー、いつになったらネウロイが来るんだー」

 

「知らん。私に聞かずにネウロイに聞いてくれ」

 

「どうやって聞くんだよー」

 

「ペテルブルクにでも飛んで聞きに行けばいいんじゃないか」

 

 そんな事をすれば即軍法会議なのは間違いない。というよりそもそもネウロイは喋れない。

 

「それができるんだったらしたいけどさ」

 

 自分で提案しておきながらまさか肯定されるとはおもっていなかったニーナはやや呆れながら

 

「イッル、そもそもネウロイが喋るわけないから行ったところで意味がないだろう」

 

「いやそうじゃなくて、ペテルブルクにネウロイがいるのはわかってるんだから倒しに行けばいいじゃないかってことだよ」

 

 ニーナは少し考えてから

 

「カレリア地峡は天然の要害だ。守るのは容易いが攻める際にはそうではない。ましてや仮にペテルブルク攻略に失敗したら撤退の際にはその要害が仇となり大きな被害を受けることになる。」

 

「それは陸上部隊の場合だろ。航空ウィッチがペテルブルクに行くぐらいすればいいじゃないか」

 

「それをするならまず偵察機で偵察するべきだろう」

 

 そうにべもなく返され

 

「じゃあこの暇をどう潰せばいいんだよ。タロットは他の荷物と一緒に家送っちゃったし」

 

「ボクがいい方法を教えてあげようか?」

 

 そう答えたのはミッコ・ニエミネン軍曹だ。彼女は中隊一の悪戯好きでありそんな彼女が善意から行動することは殆どない。

 

「いい方法ってなんだよー」

 

そうエイラが聞き返すとミッコはある人物を呼んだ

 

「おーいアンネリ。イッルがお前とカードしたいっていってるよ」

 

「本当か!?イッル、何を賭ける?お菓子か!?」

 

 そう返事をした彼女はアンネリ・マキネン曹長。一見すると彼女は長く綺麗な銀髪を携えた神秘的な雰囲気のする美人である。しかしその中身は酒と博打とタバコが好きという神秘的とはかけ離れたなかみをしている。唯一の女性らしさは甘いものが好きだという事だろうか。

 

「やだよ!アンネリ強いからお菓子全部持ってくじゃないか」

 

「あたしが強いんじゃない、イッルが弱いだけだ」

 

 実際は彼女が強すぎるのである。また、その性格は容赦なく全てを毟り取るため第二中隊では誰一人としてアンネリとカードをしたがらないのである。ミッコ、アンネリ、エイラの三人はニーナを隊長とする第二小隊に所属している

 

「今ミッコがイッルがやりたいっていった」

 

「ミッコの嘘だ!」

 

「嘘はいけないなー。ボクはこの耳でしっかりとイッルがカードしたいっていうの聞いてたよ」

 

 そう言い争っていると突如として耳をつんざくようなサイレン音が鳴り響いく。皆、思わず動きを止め音の出所であるスピーカーの方を見た。そして

 

『スオムス軍総司令部より全部隊へ。ネウロイの集団が国境を突破した。全軍直ちに所定の行動を開始せよ。全軍直ちに所定の行動を開始せよ』

 

 その放送が終わると同時に今度は出撃を知らせるサイレンが鳴り始め、スピーカーが音を発した

 

『国境を超えた飛行型ネウロイの集団がヴィープリ市方面に向けて進軍中。待機中の小隊は直ちに急行せよ。繰り返す...』

 

 それと同時に四人は一斉にハンガーに向けて走り出した。

四人はストライカーユニット、フォッカーD21を装着して飛び立つと、ルーッカネンから通信が入った。

 

『ニーナ、ヴィープリ方面に向かっている。ネウロイは小型が20機程度でスピードはそこまで速くない。おそらく街に着くまでに追いつけるだろう。私も残りの部隊を率いて後を追うからあまり無理をするなよ』

 

「了解」

 

 ニーナは少し後ろに視線を向けると

 

「みんな聞いていたな。隊長達が来るまで無理せず妨害に徹するとしよう」

 

 しばらく飛行するとヴィープリ市の近郊に到達した。そこではすでにネウロイによる爆撃が繰り広げられていた

 

「遅かったか。全機散開してこれ以上奴らに街を攻撃させるな」

 

 その言葉とともに四人はネウロイとの戦闘に突入した。

 空中をネウロイとウィッチたちの銃弾が飛び交った。

 エイラはネウロイの上後方に回り込み引き金を引く。放たれた銃弾は吸い込まれるようにネウロイに向かい撃墜した。

 

「よし、一機撃墜」

 

 そうエイラが喜んでいると、後方から新たなネウロイが攻撃を仕掛けてくる。しかしそれを未来予知の固有魔法によりあっさりとかわすとネウロイの背後に回り込みこのネウロイを撃墜した。そんな調子で3機目を撃墜したとき、ルーッカネンの本隊が到着し瞬く間に残りのネウロイは殲滅された。

 

「ニーナ、ここに向かう十機ほどの集団が確認された。そこまで多い数ではないから二個小隊もあれば充分だ。だから第二小隊は一度補給に戻れ」

 

「了解」

 

 基地に帰還し、整備兵によるストライカーユニットの点検と弾薬の補充が行われている間、司令室に行ったニーナ以外の三人は先の戦闘についての話を始めていた。

 

「そうださっきの戦果が一番良かったやつは今日のデザート総取りにしようぜ」

 

 そうアンネリが言うと

 

「いいねやろう!イッルもやるよね?」

 

「やる!」

 

 エイラも撃墜数なら勝機があると思い参加した

 

「よし、じゃあ言い出しっぺのあたしから行こう。あたしは二機だ」

 

「ボクも二機」

 

「やった!わたしは三機だ!」

 

 まさかエイラが自分たちよりも撃墜数が多いと思っていなかった二人は驚きの声を上げた。

 

「まさかイッルに負けるなんてな」

 

「ほんと、こっちはちっさいのに戦果はボク達より大きいなんてね」

 

 そう言ってミッコはエイラの胸に触れる

 

「なにすんだよ!」

 

「将来に期待ってとこだね」

 

「胸ならミッコだってわたしと変わらないじゃないか!第一わたしはまだ成長途中だ!」

 

「ボクだってまだまだ成長途中だよ!」

 

「胸なんてあったところで邪魔なだけだぞ」

 

そう言ったのはアンネリだ。彼女ははあえて自らの豊満な胸を見せつけるようにしながらそう言った。

 

「持ってる人はみんなそう言うんだよ!」

 

一回揉ませろ!と言いながらミッコはアンネリの胸を揉み始めた

 

「ちょっとお前揉ませろってなんだよ。ただの変態じゃないか!」

 

「うるさい!不健康な生活しときながらなんでこんなに大きいんだよ!ボクなんか普段どれだけ努力してるとおもってるんだよ!」

 

「イッルも見てないでこいつを剥がすの手伝え」

 

そうエイラに助けを求めたが、エイラの視線はアンネリの胸をじっと見つめていた

 

「なあミッコ、わたしもそれ触ってもいいか」

 

「おっ、イッルも興味があるのか?いいぞ好きなだけ揉んで」

 

「いや待て、なんでお前が許可を出すんだ。あたしの胸だぞ。いい加減離れろ!」

 

アンネリがミッコを胸から離そうとしている間エイラはアンネリに近づき、ミッコと一緒に触り始めた。

 

「うわー柔らかい。わたしもこんなに大きくなるかな」

 

「知るか!いいから離せ!」

 

そこに司令室から戻ってきたニーナがルーッカネン達の帰還を告げた

 

「隊長達が帰ってきたからブリーフィングルームに行くよ」

 

「ちぇ、もうちょっと触ってたかったのにな」

 

エイラは名残惜しそうにアンネリの胸を見ながらそう言った

 

「二度と触らせないからな」

 

「えー、いいじゃないかミッコと違って減るもんじゃないし」

 

「イッル〜別にボクも触られたからって減るわけじゃないんだよ」

 

「そうなのか?」

 

それに対しアンネリは

 

「ゼロからはどう減らしてもゼロにしかならないからな」

 

 ミッコが言い返そうとしたが、ちょうどブリーフィングルームに到着したことにより遮られた。

 

 この日を境にネウロイによるスオムス侵攻は激しさを増しスオムスはネウロイとの戦いに身を投じていくこととなった。




アンネリ・マキネン曹長
1921年6月14日生まれ
1934年9月1日士官学校入学翌年9月卒業
1938年9月24戦隊配属
好きなもの
酒、たばこ、博打、甘いもの

ミッコ・ニエミネン軍曹
1925年3月5日生まれ
1937年9月士官学校入学翌年9月卒業
1939年3月24戦隊配属
悪戯好き
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