1946年春ベルリン解放かー、よかったよかった…あれ?ロスマン先生21歳?え、引退してるかもしれんってマジ?
NKLー16が置かれている出発地点についたエイラはそこで待っていたマンネルヘイムの副官とまず載せられている物資の確認を行なった。
内容は一週間分のレーションや調理道具の入った箱、ストライカーユニット、ストライカーユニットの燃料、予備部品、武器弾薬、寝袋、双眼鏡、ナイフ、スコップ、白い大きな布、網、コアを入れる容器。
「あれ、帰りの燃料はないんですか」
「すみません、これ以上の燃料を秘密裏に集めることが出来ませんでした。なので帰りはストライカーユニットでレーダーに捉えられないよう低空を飛行して帰ってきてください」
「そうですか、わかりました。ところで布と網はなんですか?」
この二つは事前に知らされていなかったため何に使うか分からず尋ねた。
「布は車体を隠すためです。網はスペースが余ったたんで使えるかと思って入れました」
内心でもっと他に入れるものはなかったのかと思いながらもエイラは尋ねた。
「網の素材はなんですか?」
「素材ですか?多分麻とかじゃないですか」
「多分?専用の網とかじゃないんですか?」
「いえ近くの漁師が捨てようとしてたから何かに使えると思って入れときました」
ネウロイ相手に網が使えることがあるとは思えないが今更他のものを入れる時間もなく降ろす理由もないためそのままにする事にした。
「何か質問はありますか」
「ないです」
言いたい事は色々あるが今言うとこでもないため帰ってきてから上官であるマンネルヘイム元帥に言いつける事を心に決めながら答えた。
「では大尉、いってらっしゃい」
「行ってきます」
こうしてエイラは一人夜のラドガ湖をネウロイの勢力圏に向けて出発した。寝ずに目的地に向けて走り続け目的地に到着した頃には夜が明けていた。眠たいのを我慢しながらエイラはNKLー16を白い布で覆いカモフラージュして拠点とし、中から寝袋を取り出して仮眠を取った。午前11時頃に起きると朝食を選び始めた。
「好きなのから食べるか嫌いなのから食べるか、それとも交互に食べるかどれにしようかな」
箱の中はスオムスらしい国際色豊かなレーションが並んでいた。国ごとに多少味に差はあるがほとんど変わらないため気に入っているものから食べるかそれとも最後に残すかをエイラは悩んでいた。
「せめてサルミアッキが有ればこんなに考えなくて済んだのに」
後から嫌いなものを食べるよりはと考え取り敢えずリベリオン製のレーションから食べる事にした。
「にしてもどうしてウィッチが食べるレーションにもタバコを付けるんだろ。かわりにお菓子でも入れてくれればいいのに」
レーションには兵士の娯楽としてタバコが付いている場合がある。それはウィッチの食べるレーションも同じであるが基本的にタバコを吸わないウィッチはこれを他の兵士とチョコレートバーなどの甘味と交換する事に使う。しかし今は交換相手がいないためただ邪魔なだけだった。
「さてと、取り敢えずこの辺を見てまわろうかな」
ネウロイの勢力圏で高高度を飛行するとネウロイに見つかるため地面スレスレを飛行しながら見て回る事にした。
「あ、ネウロイだ」
しばらく飛んでいると小型ネウロイが一機飛んでいるのが見え双眼鏡を覗いた。
「あ、見たことあるやつだ」
飛んでいるのはスオムスではよく見かけるタイプのネウロイでエイラであれば一瞬で倒すことができるネウロイだ。
「試してみるか」
周りに他のネウロイが見えないことを確認したエイラは上昇を開始した。瞬く間にネウロイに近づくとコアをくり抜くような形で銃を打った、しかし
「あちゃー、やっぱり無理か」
殆どの弾丸は狙った通りの場所に着弾したが幾つかはコアに当たったらしくネウロイは四散した。
それを見届けたエイラは即座に下降し再び見つからぬよう元の高度へと戻った。
「うーん、やっぱり小型じゃ簡単にコアが露出するから無理か」
とは言え中型以上のネウロイはコアの場所から特定する必要があり多少時間がかかる。ネウロイの勢力圏でその時間は致命傷になりかねない為できればそれは避けたかった。
しばらく飛行しながらネウロイを観察していると地上に向かってくる小型ネウロイを見つけた。姿を見られたのかと思いエイラは臨戦態勢を整えたがエイラのいる場所から幾分か離れた場所に着陸したことにほっと胸を撫で下ろしながらそのネウロイの観察をした。
「なんだあのネウロイ、ウィッチみたいだ」
そのネウロイは人のような形をしていて足はストライカーユニットの形をしていた。そのネウロイは雪を集めて雪玉を作ったりして遊んでいるように見えた。
「あのネウロイならコアを取れるかもしれないけどあんなの見たことないしなぁ」
普段のエイラなら容赦なく銃撃してこのネウロイを倒していた。しかし今は単独行動中であり新型と思われるネウロイが変わった特性を持っていた時にエイラ1人では対処仕切れるとは思えないため攻撃を躊躇していた。
結局そのネウロイはエイラが見守る中暫くの間雪遊びを続けおよそ一時間後、満足したのか飛び去っていった。
「なんだったんだあのネウロイ」
結局この日は暗くなってきた事からこれ以上の探索は困難と判断したエイラは拠点に戻り夕食を食べた。夕食後エイラは迷子になっても困るため移動もできず、暇になった事から明日以降の行動計画を考え始めた。
「うーん、明日も今日みたいにネウロイを襲撃しても同じ結果しか生まないしどうしようかな」
何度も小型ネウロイに攻撃を繰り返して偶然全ての弾丸がコアに当たらずにコアを取り出せる事に賭けることも出来るが流石に一週間で達成できるとは思えずこの案を即座に却下しながら他にいい案がないか考えた。
「明日はネウロイの動きを見て習性を知る事にしようかな。もしかしたらあの人型のネウロイみたいに変わった動きをするのがいるかもしれないし野生動物みたいに同じ場所ばっかり通るネウロイもいるかもしれないし」
翌日、夜明けとともに目が覚めたエイラは朝食のレーションを食べると前日と同じ方角に向かった。これには理由があり他の方向では奥地に進出してきたウィッチや特殊部隊と鉢合わせる可能性がかなり低いながらもあるためそれを避ける為に同じ方角ばかりを探索していた。
「よくよく考えたらわたし、というか人類ってネウロイのこと何にも知らないんだな」
一機の小型ネウロイが飛行しているのを観察しながらふとエイラは思った。
「ネウロイが占領地で何してるとか何を原動力にして飛んでるとか知らないしなぁ」
もしかしたら自分が知らないだけで研究はされているかもしれないと思い帰ったら調べる事を心に決めた。そんな事を考えながら観察を続けていたがこれといって発見もなくお腹も空いてきた事から一度拠点に戻ってご飯を食べる事にした。
昼食後、補給と少しの休憩した後再び出発したエイラは何体かの小型ネウロイを観察した後、ふと前日に人型ネウロイを見た場所が気になり見に行く事にした。昨日見た時には気付かなかったがその付近には大小様々な雪玉が落ちていてその量は明らかに昨日1日で作ったものでない事から定期的に人型ネウロイはこの場所で雪玉を作っていることがわかった。
「何でこんなもの作ってるんだろ」
食べるわけでもなくただ雪玉を作って置いているだけの雪玉に首を傾げつつふとエイラは思った。もしかして今日もここに来るんじゃないかと。
「ネウロイの行動を把握することは大事だし昨日と同じ場所に隠れて待とうかな」
もしここに昨日のネウロイが来れば他のネウロイも繰り返し同じ行動をしている者がいる可能性もあるためエイラは暫く待つ事にした。
一時間程待つと昨日と殆ど同じ時間帯に人型ネウロイは姿を表した。それも昨日とほとんど同じ場所に降り立ち再び雪玉を作り始めた。
「また雪玉作ってる。ほんと何してんだあれ」
人型ネウロイは昨日と同じように一時間程雪玉を作った後どこかに飛び去っていった。
「うーん、もしかしたらあいつ明日も来るのかな。明日も見に行こうかな」
今回はエイラの固有魔法の未来予知とマルセイユの偏差射撃について軽く考えます
未来予知ってネウロイの未来位置はもちろん自分が撃った銃弾の未来位置もわかると思います。これってマルセイユとかの偏差射撃とどう違うのか、偏差射撃はただの下位互換なのかについてを主に考えます
偏差射撃はおそらくネウロイと銃弾の未来位置の他に多分弾道補正等の射撃に関する魔法がかかっていると考えます。理由としてはエイラが度々足の速いネウロイ相手に当たるのを苦戦している事から未来予知は単純に未来を見せるもので弾道までは補正されていません。つまり偏差射撃はリーネの能力プラスエイラの未来予知が限定的に使えるものだと考えています。どちらかと言うとリーネの上位互換だと思います。